京太郎(ん……朝、か……?)
目が、覚めた。覚めないはずの、目が。
京太郎「ここは……どこだ?」
耳に入る自分の声は、やけに若々しい。体も妙に軽い。
京太郎(なんだ……今日は随分調子が良いな。今なら起きれるんじゃないか?)
むくりと上体を起こす。どこも痛くない。
京太郎「って、なんじゃこりゃ」
体が縮んで……いや、違う。若返っている?
京太郎「……」
状況を受け入れるのに、かかった時間はどれくらいだっただろうか。
京太郎(そうか……俺は、もう――)
優希「おーい、京太郎ー!」
和「あっ、ゆーきっ!いきなり走らないで下さい!」
京太郎(……はは、懐かしいな)
まこ「おーおー、待ちよったぞー」
久「あら、本当に須賀君じゃないの……」
京太郎(みんな……はは、なんで高校時代の姿なんだ?)
咲「――京ちゃんっ!」
京太郎「咲……」
咲「ふふ……ようやく来たね!さあ、打とうっ!あのころみたいに!」
京太郎「……!ああ!」
――人としての最後?それは一つの見方に過ぎない。
京太郎「今日は……絶対に勝ってやるからな!」
――それは、新しい始まりの形だったのだ。
最終更新:2017年10月13日 00:11