「京ちゃんお菓子頂戴♪」

 媚びるような甘えた声。
 相手が美少女であっても、年上の女性がするギャップ的な可愛さあろうとも、彼女がすれば不思議と残念に思えてくる。

「またですか?」

「うん」

 宮永照。
 俺の幼馴染。
 鬼のように麻雀が強いインターハイチャンピオン。

「お小遣いなくなる度に俺に集るの止めてくれませんか?」

「嫌」

 本とお菓子。
 彼女のお金は凡そ全てこの二つに変換される。
 見ているだけで胸焼けを起こす量を平然と買い、ペロリと平らげる。かなりのカロリーを得ているのに、胸が膨らまないのが残念過ぎる。

「京ちゃんが作ってくれるお菓子大好きだよ、食べさせて欲しいな」

「はあ、作っても九割は照さんが食べるんだから、俺に材料費下さいよ」

「出世払いで」

 彼女の麻雀の腕ならばプロ入りは間違いない。国内を飛び出し、世界的なプレイヤーになることが約束されている。

「はあ」

 お金は何時か還ってくるだろう。
 そのおかげで俺も常々金欠なのだ。
 友人と遊びに行くのも苦労していたりするんだよな。

「ダメ?」

 彼女が糖尿病にならない為にも断るべきなのではないか。だけど、結局断りきれない。

「ねえ、京ちゃん。今回も利子の前払いをするから」

 照は妖しく笑う。

「京ちゃんもしたいでしょ?」

 そう言って照は俺にキスをした。
 しっとりと湿った唇が重なりあい、暑い吐息が零れる。ねっとりとした舌が口の隙間から侵入して蠢いた。
 卑猥な音が鳴る。
 身体の内側から脳を痺れさす甘美な音色が響く。

「あ、大きくなってきた」

 馴れた手つきで照はズボンのベルトを外してくる。彼女の柔らかい指が刺激する。
 それに応えるように知り尽くした照の性感帯に触れていった。

「京ちゃん、もう入れたいよね? 挿入するね」

 照は俺に確認をよく取る。
 だけど、それは言い訳なのだろう。
 もしかしたら、大好きなお菓子すらそうなのかもしれない。
 本当は欲しくて、欲しくて堪らないのだ。その証拠に彼女の中は熱くて濡れ濡れでグチョグチョにうねうねと搾るように動いている。
 そして嬉しそうに俺の上で腰を振るのだから。

「照さんっ……」

「京ちゃん、ああ、気持ち良くなってぇ、それでお菓子頂戴っ、あっ、ああ、んぁあぁあっ、クリームパイが良いのぉ、あっああんぅ」

 俺と照の甘い関係。
 これが何時までも続いていくのだろう。


カンッ!

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最終更新:2017年10月12日 23:27