春「なにしてるの?」
京太郎「ああ、ちょっと喉渇いたからコーヒーでも淹れようと思ってさ」
春「ふぅん……」
京太郎「春も飲むか?」
春「うん」
京太郎「そのかわり手伝ってくれよ?」
京太郎「―――さて、コーヒーを濃いめにドリップしたのがコチラになります」
春「あんまり苦いのはイヤ……」
京太郎「心配ご無用。で、ここで60℃にあたためた牛乳を用意します」
春「なんで60℃?」
京太郎「それ以上は牛乳の成分が固まっちゃうからな」
春「へぇ」
京太郎「それと、粉々に砕いた春の黒糖(喜界島産)」
春「なかなか苦戦した……」
京太郎「砂糖とか、固まっちゃうと大変だもんな。ごくろうさん」
京太郎「それらを混ぜてっと……はい、できあがり!」
春「黒糖カフェオレ」
春「おいしい」
京太郎「ああ、コーヒーと黒糖は合う」
春「コクコク、ふぅ……」
京太郎「春ってさ、マグカップも湯のみと同じで両手で持つんだ」
春「あ……」
京太郎「まぁ、いつも緑茶とかだしな」
春「うん、ついやってしまう……」
京太郎「そのクセ、なおさないでいいよ」
春「なんで?」
京太郎「だって、可愛いじゃん」
春「っ……」
京太郎「こう、両手を添えるのが女の子らしいっていうか」
春「そ、そう……」
京太郎「それで、胸元に寄せてるのも可愛い」
春「し、知らない……」
京太郎「女の子にだけ許されたポーズだよなー」
春「ぅ……」
初美「あっ、2人でなんか飲んでる!」
霞「コーヒー、カフェオレ? いいわねぇ」
初美「私も飲みたいですよー」
京太郎「お茶以外なんて珍しいですね」
霞「あら、こんな格好だからって和食や和菓子ばかりなわけじゃないわ」
京太郎「ティーカップより湯のみの方がしっくりきますよ」
霞「それは否定しないけど……あ、でも、それはそれでハイカラかしら?」
初美「姫様のおめざ、今日はこれにしましょうか?」
霞「そうね、たまにはいいわね。それじゃあ、お菓子の方どうしましょう」
京太郎「カフェオレは人数分、作っときますよ」
霞「そう? たすかるわ」
春「材料は私が用意する……」
京太郎「―――はて、コーヒーを淹れたものの……」
春「なに?」
京太郎「さっきと材料ちがくない? 黒糖は?」
春「それでいい」
京太郎「これ、グラニュー糖ですけど?」
春「あれは、特別のやつだから……」
春「す……京太郎にだけ、特別」
京太郎「ふーん、貴重な黒糖だったのか?」
春「はぁ……」
京太郎「え、なに?」
春「なんでもない」
京太郎「あの黒糖、美味しかったんだけどなぁ」
春「欲しくなったら、言って……分けてあげる。そのかわり……」
春「また、ふたりきりで……」
カン
最終更新:2017年04月08日 21:03