京太郎「…………」カリカリ

照「…………」ペラッ

京太郎「……よし、できたー!」

照「課題、終わった?」


京太郎「終わった~」

照「おつかれさま」

京太郎「疲れた~」

照「お茶でも飲む? 私ミルクティーがいい」

京太郎「オレが淹れるのかよ。まぁ、いいですけど」


照「…………」ペラッ

京太郎「そういえば照さん、今日明日ってお休みなんでしたっけ?」

照「休みといえば休み。でも仕事はある」

京太郎「そうなんですか?」

照「今も仕事中」


京太郎「いや、本読んでるだけじゃないですか」

照「これが仕事。この本の書評を頼まれた」

京太郎「へえ、どんな本?」

照「どちらかというと小説。ノンフィクションものかな」

京太郎「そういうのもやるんですか? 麻雀プロって」

照「よく雑誌とかテレビのインタビューで読書が趣味って言ってるから、それだと思う」

京太郎「そうなんだ。意外なとこから仕事ってもらえるんですね」

照「そうだね」ペラッ


カチャカチャ

コポポポ

京太郎「っと」


京太郎「…………」

コト

照「…………」

パタン

照「ふぅ……いただきます」

京太郎「どうぞ。ちょっと砂糖多めにいれときました」

照「ありがとう。気がきくね」


京太郎「そういえば、なんで自分の家で読まないんですか?」

照「迷惑だった?」

京太郎「全然。いつもの事だし」

照「ここが居心地よすぎるのがわるい」

照「室温もちょうどいいし、あったかい飲み物も出てくるし」

京太郎「喫茶店でもいいじゃないですか。けっこういいところの店も行けるでしょう?」

照「たしかに、雰囲気よくて美味しいお茶を出すところは色々あるけど」


照「お気に入りのマグカップで、私の欲しい味のお茶を出してくれるのは、ここしかないから」

京太郎「それは、褒められてるのかな?」

照「うん。すっごく」

京太郎「そりゃどうも。なんとなくわかるんですよね、照さんの好みとか」


照「とりゃ」ボフン

グルグル

照「外じゃソファも無いし、こんな風にタオルケットに包まれないし」

京太郎「そんな人いたらビックリしますよ」


照「……京ちゃん、これ使ってる?」クンクン

京太郎「いいえ? それって照さんが持ち込んだやつでしょ」

照「そう。使ってもいいって言ってるのに」

京太郎「ちゃんと洗濯してますよ?」

照「そうじゃないんだけど……」

照「ん」ポフポフ

京太郎「はいはい、おとなり失礼しますよ」


京太郎「そういえばこの本、どんな内容の本なんですか?」

照「幼いころに失踪した母を麻雀の大会で活躍することで探しだす女の子の話」

京太郎「あ、やっぱ麻雀要素あるんだ」

照「私もそのほうが色々と書きやすい」


照「それに、共感できることもある」

京太郎「どんなところ?」

照「この女の子、私と性格は全然ちがうけど」

照「麻雀を打ってる姿を見てほしいっていう気持ちは、一緒だと思うから」


京太郎「見つけてもらえて、よかったですね」

照「うん。ちゃんと向き合うこともできた。それに……」


ギュッ

照「私も、見つけたよ」

京太郎「もうこんな時間だ」

照「なんか食べに行こっか」

京太郎「いいですね」

照「三尋木プロから教えてもらったお店行こう」

京太郎「なんかお高そうな予感」

照「わりとリーズナブル。そこは私に任せて」


京太郎「って、その格好……オレのシャツ着たままで行くんですか?」

照「うん。着替えるの面倒。オーバーサイズのシャツって最近流行ってるし、大丈夫」

照「ジャケットも羽織るし」バサッ

照「どう?」

京太郎「めっちゃ可愛い!」

照「…………そう」


京太郎「あれ、照れてる? 照さん照れてる?」

照「ウルサイ……はやく行くよ」

京太郎「はいはい。かしこまりました、お姫様」



カン