他人の視線と言うものは向けている本人は気づかれていないつもりでも、向けられている側は何処を見ているのか分かってしまうものです。
 彼、須賀くんの視線だって丸分かりなんですよ。

「なあ、和、ここはどっちの牌を切った方が…」

「そこはですね…」

 今だってちょくちょくと私の胸を見ています。
 締まらない顔、鼻を伸ばして口許も緩んでいて、それなのに目だけは服の下まで射抜くように鋭く、爛々とした熱意が迸っている。
 それなのにどうしてなんでしょうね。

「ん? 今何か言ったか?」

「いえ、何も言ってませんよ」

 声が漏れてしまっていたんでしょうか。
 そう、情熱的な瞳で私を何時だって見てくれている。整った顔、優しい性格、背も高く、とても素敵な人。
 だからこそ不満があります。

「まったく須賀くんはダメですね」

「いや、確かに和に手解きされているのに弱いままなのは事実だけど、ストレートに言われると傷つくぞ」

 気づいてくれません。
 私の好意が伝わりません。
 親族以外で男性から名前で呼ばれることを許しているのはあなただけなんですよ。
 部活の最中でも然り気無く気を使って色々しているのが分かりませんか。

「はあ、はっきり言わないとダメなんでしょうか?」

「はは、あんまり酷いこと言うのは勘弁してくれよ」

 告白はするよりも好きな人からされたいというのは我儘でしょうか……


カンッ!