「『☆祝☆100スレ目♪』っと」

 間接照明でうっすらと演出された明りの下、
 部屋の雰囲気を壊すような人工的に過ぎる情緒の無い白い光が一人の人物の顔を照らす。
 カタカタと打鍵する無機質な音が喜びを表すように朗らかさを感じさせるリズムで響く。
 風呂上がりでいまだ火照りの冷めぬ体はその頬を上気させ赤く染めさせ、
 水気を飛ばした艶やかな髪が白い光を受けて輝いている。

 思えば長いようで短く、やはり長かったのだろうとその道程を振り返る。

 得難い友人を得た。

 情熱を注ぐ対象を得た。

 ――愛を捧げる人も得た。

 色々と邪推もされ、不本意な噂を立てられて当惑したこともあった。

 それもこの瞬間、そしてこれからのために必要な糧だったのだと思えば呑み下せる。
 そんな無為な思索を散らすのは愛しい声。思わず笑みがこぼれる。


「和、準備はできてるかー? ってモニター見るならもっと明るくしようぜ。目に悪い」

「京太郎くん。大丈夫ですよ。いざとなったらコンタクトレンズもありますし」

「そういう問題じゃないんだが……。それよりまだ着替えてないじゃないか。遅れるぞ?」

「主役は部長……竹井先輩ですから少しくらい遅れても平気でしょう。
 ――そんなに心配なら着替え、手伝ってくれますか?」

 悪戯を思いついたような彼女らしからぬ笑みは、それでも魅力的で抗いがたいものだ。
 須賀京太郎でなくともこの誘いに克つことは不可能であろうほどに。
 困ったような、それでいて期待するような顔をした少年は。
 光に惹かれる蝶ならぬ身を委ねた。

 二人が無事に祝賀会に間に合ったのかは神のみぞ知る――


カンッ