「おー今日の食堂なんか混んでるな」
お昼になってご飯を食べに食堂に来たけど……混みまくってて席が開いてない。
「咲もどっか行っちゃったし……んー」
「須賀くん?」
「えっ?」
近くの席から呼ばれたのでそっちに顔を向けると、
「あれ、和? 食堂に居るの初めて見たな」
「ええ、そうですね。今日はちょっとお弁当を忘れまして……」
「なるほどなぁ」
「もしかして須賀くんも?」
「いや、いつもここなんだ。で、今日も来たんだけど……あはは」
「ああ、席が全部埋まってて食べられないと」
「そういうこったな」
「でしたら相席しませんか?」
「え!? い、良いのか?」
「はい、問題ありませんよ。……嫌でした?」
「むしろありがとうございます!」
「は、はい……ふふ」
「よーし、それじゃちょっとランチ買ってくるか」
「はい、待ってますね」
「久しぶりに食べたけどこのセットも中々のお味……」
「それって確か、男性の方に人気なはずでしたが……あまり食べないんですか?」
「いつもは咲にレディースランチを頼んでいるんだよ。日替わりだから毎日メニュー違ってて美味しいし」
「咲さんに? ああでも、付き合ってくれそうですね」
「ほんと、いつもありがたいです……」
「本当に仲が良いんですね、お二人は」
「まあ幼馴染ってやつだしなー」
「すこし、羨ましいですね。優希とは長い付き合いですが、咲さんとは高校からなので……」
「そういえばそうだよな」
「それに、学校では友だちだといえる人はあまり居なくて」
「……そうなのか?」
「ええ。……あ、これはあまり良い話じゃありませんでしたね。気にしないでください」
「んー……なあ和」
「はい?」
「俺と仲良くしようぜ」
「……えっ?」
「だから、俺と友だちにならないかって」
「……それはさっきの話からの同情とかでしょうか」
「違うって! いやまあ、思うところが無かったわけじゃねえけどさ。実は前からなりたかったんだ」
「私の友だちに……ですか?」
「ああ。けど咲を連れて行って、咲が先に仲良くなって。俺は雑用とかであまり部室にはいないだろ?だから話すことも無いから結局、この会話がかなり久しぶりの会話になってる」
「たしかに、全く話すことがありませんね。麻雀の話をしようにも理解できていないようでしたし」
「うぐっ……これから勉強していきます」
「そうしましょう」クスッ
「だから、勉強しまくって和に麻雀の相談するからな。そこから仲良くなってやる!」
「…………そうですか」
「あれ、もしかして嫌だった……り?」
「いえ、そうでなく……その」カオマッカ
「うおっ、なんで赤らめてるんだ!? もう寒いし風邪とかじゃ」
「大丈夫です。……むしろ何故でしょうか、あったかいです」
「なら平気なのか……? でも気をつけろよー?」
「はい。それでは、私の友だちになってくれますか?」
「! お、おう。よし、俺と和は友だちだ!」
「ええ、よろしくおねがいします。京太郎くん」ニコッ
「……生きててよかった」ボソッ
カン!
最終更新:2012年11月06日 19:59