京太郎「…久しぶり、照さん」

照「うん。久しぶりだね、京ちゃん。…見ない間にすごくかっこよくなったね」

京太郎「…ん、あんがと。照さんの方もなんつーか、すげー綺麗になったよ」

照「ふふ、そう言ってくれるのは嬉しいな。…また、照姉って呼んでも良いんだよ?」

京太郎「勘弁してくれ…あの頃ほど子供じゃねえんだ。敬語は使わない様にするからさ」

照「そう、だね…あの頃から、随分経ったから」

京太郎「…照さん」

照「今はわかってる。アレは、全面的に私が悪かった…いくら子供だったからって言ってもね」

京太郎「…」

照「だから、あの子に同じ舞台に立たせようとしてくれたんだね」

京太郎「…そこまで考えてたわけじゃねんだけどな」ポリポリ

照「本当に?」

京太郎「当たり前だ。うちの県予選何て呼ばれてると思ってんだよ…『魔境』だぜ?」

照「ふふ、それもそうだ」

京太郎「…俺はただ、アイツの好きだったものを嫌いになる苦しさを見てたから。また麻雀を好きだって言えるように、背中を押しただけだよ」

照「…優しいね、京ちゃんは」

京太郎「よせやい、別に誰彼構わず優しいわけじゃねえよ。…ただ、ほっとけなかったんだよ。寂しそうな目をしてたアイツがさ。だから、これは俺のエゴだよ」

照「…ううん。やっぱり優しいよ、京ちゃんは」

京太郎「……」

照「…ねえ、京ちゃん」

京太郎「…なんだ?」

照「何であの時、ついてきてくれなかったの?」

京太郎「…何でって、そりゃ親が行かなきゃ俺だって」

照「それは嘘。…私、知ってるんだよ?あの時、おじさんに異動の打診があったっててこと」

京太郎「…何で知ってんの?」

照「お母さん達が話してたのを聞いたから。そして、京ちゃんがごねて結局そのままになったことも」

京太郎「そっか…」

照「ねえ、なんで?…咲が放っておけなかったからって理由もあるだろうけど、それだけじゃ京ちゃんは動かないでしょう?」

京太郎「…動くかもしれないぞ?何たって俺、バカだしな」

照「ううん、それは絶対にない。…おじさん達以外で、一番近くで見てたのは私なんだから」

京太郎「……」

照「…やっぱり、咲のことが好きだから?」

京太郎「…確かにそれもある」

照「…そっか」

京太郎「というか、二人が好きだった。二人が仲良くしてるのが好きだったんだよ」

照「……」

京太郎「照さんさ、ホントはあの時からわかってたんだろ?自分のせいで、仲違いしたって」

照「…そんなこと」

京太郎「あるよ。じゃなきゃ、別れる時にあんな悲しそうな目で咲のことは見ねえよ」

照「……」

京太郎「さっきのおかえし。照姉のこと、一番近くで見てたのは誰だと思ってんだよ」

照「…それじゃあ、なおさらなんで?」

京太郎「…こういう言い方するのは卑怯だから言いたくなかったけどさ。俺は信じてたんだ」

照「なにを?」

京太郎「照姉は、自分の足で立ち上がれるってこと」

照「……」

京太郎「咲はあんなだからさ、俺が手伝ってやらなきゃいけないけど…照姉はさ、一人でだって前を向いて、自分の行きたいところに行ける人だってこと、信じてたから」

照「…ずるいなあ」

京太郎「……」

照「ホント、京ちゃんはずるい子。そんなこと言われたら、納得するしかないよ」

京太郎「…ごめん」

照「ううん、謝らなくて良い。信じてくれてたこと、嬉しかったから。…これで、純粋な気持ちで戦えそう」

京太郎「なんだそりゃ、今まで純粋じゃなかったってのかよ」

照「…うん、正直ね。咲のこと、私から京ちゃんを奪ったやつだって思ってた」

京太郎「…女の情念って怖い。改めてそう思った」

照「ふふ、その通りだよ。女の子ってね、欲しいものはどうやったって手に入れたいって思うんだ」

京太郎「申し訳ないけど貧乳はストライクゾーンから外れてるので…」フッ

照「それなら胸以外で守備範囲に入るだけだよ?」クスクス

京太郎「おおう…」

照「…ちゃんと見ててね、京ちゃん。私達の決勝戦」

京太郎「…おう、全部見てる。その為にここまでついてきたんだ」

照「私、負けないから」

京太郎「うちだって負けねーよ」

照「うん、楽しみ。…じゃあ、またね。京ちゃん」

京太郎「おう、またな…照さん」

照「さっきみたいに照姉、じゃないんだ」

京太郎「う、うるせっ、さっきのはわざとだよ!昔と今の対比的な!」

照「ふふ、わかってるわかってる。お姉ちゃんはちゃんとわかってるよ」クスクス

京太郎「いーや、その顔はこれっぽっちもわかってねぇ!だから俺は…!」


カンッ