【原作より10年後…】


〈雀荘・roof-top PM18:00〉

カラン、カラン…

まこ「いらっしゃい」

藤田プロ「お邪魔するわ。それといつものヤツ、大盛りでお願い」

まこ「カツ丼ですね」



〈雀荘・roof-top PM19:00〉

藤田プロ「ロン、12000で私の勝ちね」

客A「あちゃ~、オーラスで逆転されたか…」

客B「いや~、藤田さん強いね… さすがは“捲りの女王”と呼ばれることだけはある」

客C「カッカッカ! 確かに強うなったの。小さい頃は勝てんでよく泣いとったが!」

藤田プロ「なっ! C爺さん! そんな事バラさなくても!」

まこ「へぇ~、藤田プロにそんな事あったんか…」

客C「まこちゃん、詳しく聞きたいか?」

まこ「興味はあるの」

藤田プロ「も、もういい! やめて!」




〈雀荘・roof-top PM20:00〉

藤田プロ「フゥ~…」

 コトッ

藤田プロ「ん?」

まこ「これ、サービスのコーヒーじゃけん」

藤田プロ「ああ、ありがとう…」 ズズー

藤田プロ「うん、旨い!」

まこ「そりゃ、良かった」

藤田プロ「3年くらい前からか… ここのコーヒーが劇的に旨くなったのは。このコーヒー目当てで来る人も多いんだろ?」

まこ「ええ、おかげでお客さんも増えたし… 他の雀荘では全くマネできんことじゃと思っちょる…」

まこ「コーヒーで客を呼ぶちゅうのは、なんか喫茶店みたいじゃがの」ケラケラケラ

まこ「ほんに、あいつのお陰じゃ」チラッ

藤田プロ「まこ、顔がにやけてるぞ」ニヤッ

まこ「え? ええっ!?」アタフタ

藤田プロ「フフフ…」



〈雀荘・roof-top PM20:50〉

まこ「そろそろ閉店時間ですけぇ」

藤田プロ「もうそんな時間… それじゃあ、また来るわ」

まこ「ありがとうございました」


  カラン、カラン…



〈雀荘・roof-top PM21:00〉

京太郎「まこ~、こっちは片付けておくから、閉店の札掛てきて」

まこ「おう、京太郎。 頼むわ」





京太郎「まこ、お疲れ様」コトッ

まこ「京太郎、ありがとうの」ズズー

まこ「やっぱり京太郎のコーヒーはうまいの~」

京太郎「ははっ、ありがとう」

まこ「オトンとオカンも京太郎のコーヒーは絶賛しとるけえの」

京太郎「お義父さんとお義母さんが? そりゃ嬉しいね」

京太郎「しかし… さっき藤田さんが言ってたけど…」

まこ「うん?」

京太郎「結婚してから3年経つんだよな、俺たち」

まこ「そうじゃの… わしもまだ新婚の気分じゃよ」

京太郎「ハハハッ! でも、俺たちが付き合うことになった時… 修羅場だったよな~…」

まこ「そうじゃったの… 久に咲、和、優希… あと鶴賀の東横に妹尾、宮守の臼澤と姫松の愛宕姉妹…」

まこ「みんなわりゃあの事好いちょったからの」

京太郎「ハハハ… しかし、なんで俺があんなに好かれてたんだろう…?」

まこ「わりゃあ、本気で言うちょるんか?」

京太郎「へっ?」

まこ「顔は平均以上、気遣いが出来て優しい性格、そして家事その他諸々は人並み以上…」

まこ「派手なアピールはなくともその内面を知れば惹かれん女子はおらんよ」

まこ「東横なんか… 普通に自分を見る事が出来て、しかも気にかけて優しくしてくれるって… お前にゾッコンじゃったぞ?」

京太郎「え? そうなの?」

まこ「この唐変木…」ボソッ


まこ「しかしの… だから考え込んでしまうんじゃ…」

京太郎「? 何を?」

まこ「京太郎に相応しいのは、わしじゃのうて… 他の誰かなんじゃないかってな…」


 スッ ダキッ

まこ「きょ、京太郎!? い、いきなりなんじゃ!? 抱きしめたりなんぞしおって!?」

京太郎「まこが馬鹿なことを言うからだよ… 俺は此処に… こうして、まこと一緒に居る」

京太郎「まこがどう思っていようと、俺の中ではまこが一番だよ」

まこ「ふふっ… ありがとうの…」ホロリ

京太郎「まあ、今は情緒不安になりやすい時期だしな…」

まこ「そうじゃの…」

京太郎「俺も頑張らないとな… まこのお腹の中にいるもう一人の家族のためにもね」

まこ「おう! 頑張ってな! お父さん♪」

京太郎「しかし、一昨日聞いたときはビックリしたぜ。でも、滅茶苦茶嬉しかった」

まこ「わしも、病院で聞いたときはホントに嬉しかったわい」

京太郎「ところで、この話… 清澄のメンバーには話したの?」

まこ「ふふっ、昨日メールしたけぇ… そしたらの…」


カラン、カラン!

久「まこ! 須賀君! おめでとう!」

優希「染谷先輩! おめでとう! 京太郎! でかしたじぇ!」

和「須賀君、染谷先輩! 本当におめでとうございます!」

咲「京ちゃん!染谷先輩! おめでとう!」



まこ「…こうして、今日来てくれるっていう返信があったんじゃ♪」

京太郎「ははは、そうか。なら、人数分のコーヒーを煎れないとな。今夜は長くなりそうだ」







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          カン!
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