「はぁ……」
「露骨に溜息付かれると堪えるなー」
「なら、さっさと離れてくれないっすか?」
「そうなると、ここで一人になっちまうからな。困る」

全然困ったように見えない顔で京太郎は笑う。
そんな笑う京太郎に桃子は、もう一度露骨に溜息をついた。

「部長達の話が終わるまでだからさ……頼むわ」
「えー……なら、何か話題ないっすか。ちなみに私はないっす!」
「自信満々に言う事か?」
「男性と話したことなんかほぼ零っすよ? 期待するなっす」
「なるほど……な」

手を腰に当て威張れば、京太郎は苦笑し手を顎に当てて考え始めた。
それを見て桃子は、京太郎から視線を外し、先ほどから話し合っている己の先輩達を見つめる。
視線の先では、今年の全国大会のために話し合っているゆみと久が立っている。

今、話し合ってるのは鶴賀学園の麻雀部部室。
鶴賀と清澄は、距離が遠い。
朝早く行っても帰る時には、夜遅くなってしまう。
その為、久一人だけだと危険だという事で男性である京太郎もまた、付き合いで来ていた。

着てみれば一年生には一年生と言う事で京太郎には、桃子が宛てられる。
これは、ゆみなりの気遣いであったのだが、桃子には良い迷惑であった。

「そうだ……モモを見つける方法を考えたんだ」
「気軽にモモって呼ぶな……す?」
「えっと……」
「はぇ……私を見つける?」

ぼーとしていれば、京太郎が話題を提供してくれた。
桃子は、その提供された話題をスルーしようとしたが出来ない。
影が薄く、人に見つけられたことがない桃子。
そんな桃子を見つける方法を探し当てたという。
桃子は、信じられないとばかりに何かを探す京太郎を凝視する。

「あった、あった、これこれ」
「はっ……? それっすか?」
「これ」

探していた物が見つかった京太郎は、それを笑い目の前に構える。
それを見て桃子は呆れた。
呆れるも自身満々な京太郎を前にし、桃子は探せるなら探してみろと消える。

「……そこだな」
「まじっすか!?」

誰も見つけることも出来なかったのだ。
京太郎如きにと思っていたのだが、まさかのまさか、簡単に見つけられた。
その際に京太郎が目に付けていた機械から、パシャリと音がなる。

「やっぱりなー……カメラ越しならいけるのな」
「くっ……そう言えば、私は機械には映るっすね」

京太郎が発見した桃子の見つけ方とは、これであった。
桃子は人の目には写らないが、機械越しには映る。
それを聞かされ京太郎は、デジタルカメラのレンズ越しに桃子を見つけたのであった。

「ほら、見つけたぞ」
「っ~~~!!!」

関心すると同時に桃子は、心が温かくなる。
むず痒いような、もどかしい様な……それでいて、何処か……何処か……。

「盲点だったっす……てか今、撮ったっすね!」
「あっ……気付いた」
「消せっす!」
「えぇー……良く撮れてると思うし、よくね?」

何かを灯りそうになった時、桃子は先ほどのシャッター音に気付き慌てる。
慌てた桃子は、カメラを取り上げようと両手を広げて追いすがった。
しかし、京太郎は笑い楽しそうに逃げる。

「逃げるなっす!」
「わっはっは! 取れるなら取って見ろ!」
「えい」
「そっちじゃねーよ!?」

逃げる京太郎に言われた通りに桃子が、携帯で京太郎を収めた。
勿論、京太郎が言った言葉の意味はそうではない。

「にゃろー!」
「うわわわ……」

携帯に収めた桃子に抵抗し、京太郎もカメラを構えなおす。
結局、会話どころでなく、二人して写真が撮れなくなるまで遊び続けた。

カンッ!