咲「きょきょきょきょ、京ちゃん!」

京太郎「何度噛んでるんだよ? 少しは落ち着け。んで、なんだよ」

咲「じ、実は私、こんなのもらっちゃって……」

京太郎「おー、ラブレターじゃん。って、人に見せるなよ、相手かわいそうだろ」

咲「う、ごめん……ど、どうしよう? 私こんなの初めてだよ」

京太郎「あー、インハイで一気に目立ったからなあ。それまで完全に和が独り占めしてたし。
    これからも来るんじゃないか?」

咲「そ、そんなの困るよ。私こういうのの対応なんて無理。会ったこともない人なんて怖いし」

京太郎「出た、人見知り。いい機会だからお試しに……とかいうキャラじゃないからなあ、お前」

咲「うう、どうすればいいの?」

京太郎「定番は好きな人がいるとか、お付き合いしてる人がいるとかなんだけど、お前の場合そもそも男の知り合いが……」

咲「な、なるほど……こ、こうなったら、京ちゃん、私を守って!」

京太郎「彼氏のふりか。俺にも恋人が作れない欠点がなあ」

咲「大丈夫、どうせ京ちゃんに春は来ないから! 和ちゃんに相手にされてないし!」

京太郎「貴様、頼んどいて言っていいことと悪いこともわからんのか?」

咲「ひ、ひたいよぉ、ほっぺうにょーんってしないでよ。お願い、ね。私にできることなら何でもするから」

京太郎「ほほう。なんでも、ね。なら毎日弁当、デザート付きで手を打ってやろう」

咲「うう、痛い出費だよ。でも仕方ないか。他に頼める人なんていないし。じゃあ、お願いします」(ぺっこりん)

数週間後、毎日弁当を渡すあからさまな態度によって宮永咲へのラブレターは消滅した。その代わりといっては何だが

誠「今日も手作り弁当か。いい嫁さんだなあ。しかも策士と来た」

咲「嫁さん違います。まだ恋人です」(にこにこ)

そんな会話が裏でなされていたことなど、京太郎は全く知らない。


カン