和「私ともう一局、打ってもらえませんか!?」

原村さん、だっけ? 彼女の言葉に私の心は震えない。
だって、私が行ったのはあくまで京ちゃんの頼みだから。

咲「ごめんなさい、私麻雀、好きじゃないんです。それに、私じゃなくても京ちゃんがいるじゃないですか」

和「なに、言って……」

あれ? 気づいてないのかな? 京ちゃんも私と同じ、勝つことを放棄してる人間なのに。

咲「京ちゃん、いつもわざと振り込んでますよ。読みが当たってるか試したいだけですし。
  まあ、運がないから普通に打っても京ちゃんが勝てるとは思わないですけど」

京ちゃん曰く「麻雀は運の要素が強いから読みにくくて面白い」らしい。
将棋やチェスに飽きちゃった京ちゃんにとっては、今ブームなんだろう。どうせすぐ飽きると思うけど。

咲「そういうわけなんで、すみません」

京ちゃんが麻雀も読みきって退屈したら、また違う部活始めるのかな?
どうせすぐ飽きるんなら私とずっと一緒にいればいいのに、何でそういうとこだけ鈍いんだろう。

咲「女心は読もうとしないんだから、京ちゃんは意地悪だよ」

雨の中、彼と一緒に帰る日を想像しながら私は歩く。その時は相合傘をしてもいいかもしれないね。


カン