暗い一室で卓を囲む女が四人……部屋の奥には、椅子に拘束されぐったりとしている男が一人。

拘束された男……須賀京太郎は、微動だにも出来ないまま、目の前の光景に意識を向けるしかなかった。


優希「今度は、途中で止めたりしない。最後までよ。」

事の当事者……かつて天真爛漫を絵に描いたような少女は、その容姿も雰囲気も一変していて……もはや少女と言うにあまりに不釣合いな、女性となっていた。


マホ「先輩……何が先輩を駆り立てるんですか!」


優希「昔話をしてあげる……私がまだタコス娘と呼ばれていた頃の話よ。」

「咲ちゃんは京太郎を救いたいと思っていた。 だから、手を差し伸べた。」

「でもその度に、京太郎の周りから邪魔者が現れた。 咲ちゃんの作ろうとする理想を、壊してしまうもの。」

「咲ちゃんは困惑した。 京太郎は救われることを望んでいないのかって。」

「でも咲ちゃんは、京太郎を救ってあげたかった。 だから、先に邪魔者を見つけ出して、カン(物理)することにした。

「そいつは“泥棒猫”って呼ばれたらしいわ。 何もかもを胸で奪い尽くす、略奪を告げる女。」

「これは、本当の話よ。 ちょっと昔の、清澄が全国優勝を果たした頃の出来事。」

「最初の泥棒猫、その人が生まれる瞬間を見たのよ。」


ムロ「先輩は、それになりたいんですか?」

優希「……本当はそうなのかもね。でも私は、もう負けたくないだけ。 咲ちゃんにも、のどちゃんにも」

花田「片岡さん……」

優希「始めましょう トバすわ、貴女達を」


嫉妬、恋慕、羨望、対抗心……全てを焼き尽くす戦いの火蓋が、切って落とされた。



カンッ