京太郎「もしもし、桃?」

京太郎「……いまどこだ?」

桃子『ご、ごめんっす。ちょっとはぐれちゃって……』

桃子『すぐ追いつくっすから、さっきの広場で待っててほしいっす』

京太郎「……頼むからどこにいるか教えてくれ」

桃子『……実は隣に』

京太郎「俺の手、思いっきりつねってくれ」

桃子『い、いやっすよ! 携帯切ってカメラ越しに見れば……』

京太郎「頼む……」

桃子『じゃ、じゃあ……つねるっすよ?』

京太郎「ああ……っ」


桃子「……見えるっすか?」

桃子「……聞こえるっすか?」

京太郎「うん……ごめんな」

桃子「京太郎は悪くないっす!」


桃子「……私が日に日に見えなくなっていってるだけっすから」

桃子「こ、これはもう、麻雀のプロよりこの特技を生かす仕事に転職するしかないっすね~」アハハ

京太郎「……桃」ギュッ

桃子「……冗談っす」


桃子「大丈夫っすよ……本当に消えてなくなるわけじゃないんだから」

京太郎「うん……」

桃子「その証拠に、普通に見えている人もいるじゃないっすか」

京太郎「うん……」

桃子「京太郎が特に見えづらいのは……私が京太郎のこと好きすぎて恥ずかしいからっすよ」

京太郎「…………」コクン

桃子「……好きな人には泣いてほしくないっす」

京太郎「……ごめん……ごめんな」


桃子「……もーいいっす」

桃子「京太郎が悪い、それでいいっす」

桃子「悪い子には罰を与えなきゃいけないっすね」






桃子「……罰として、結婚するっす」

京太郎「け、結婚?」

桃子「へへ……結婚したら朝から晩までベッドでマーキングしてやるっす」

桃子「私の匂いをしっかり覚えてもらうっすからね!」

桃子「他の女も寄り付かなくなって一石二鳥っす」

桃子「あ……でも、京太郎の匂いと私の匂いが混ざり合ってもっとわからなくなるかも……」

桃子「まあ、それでもいいじゃないっすか」

桃子「京太郎に私が見えなくても、私は京太郎が見えっすから」

桃子「私は……それだけで幸せっすから」

桃子「幸せにしてほしいっす」

京太郎「桃……」


京太郎「俺でいいなら……結婚しよう」

桃子「私、結構重たい女っすから苦労するっすよー」

京太郎「お前に刺されるなら本望だよ」

桃子「私は京太郎に刺される方が好きっす」

京太郎「下ネタはやめろ……」

桃子「おやおやおやぁ、何を連想したっすか? このスケベは」

京太郎「うっせ……」

桃子「ふふ……死ぬまで離してあげないっすからね?」