とある夕方の川原

カーカーカー ザッザッザッ ヒュー……

照(現在長野に帰省中)「……?」チラッ

京太郎「……(やっべー、今日風つええ……何で俺こんな日に川原で漫画読もうと思ったんだろ、全く読めないぞこれ)」バサバサバサ

照「……」

京太郎「……(もう止めよう、時間の無駄だわ。ともかく別の場所へ)」パタンッ

ザッ

京太郎「……(ん?)」

照「……」スッ

京太郎「……」

ヒュー……ヒュー……

照「……」

京太郎「……(き、気まずい!このくそ広い川原で俺の脇にわざわざ座っといて黙り!?)」

照「……」

京太郎「……(何の用か知らないけど、やっぱり俺から声をかけるべきなのか?……いや、でも何で?とにかく、俺女の子に気の利いたセリフなんて言えないんだけど……)」

ヒュー……ヒュー……

京太郎「……(夕焼けが綺麗ですね……いかんいかんいかん、そんなありきたりなセリフこの状況に合わない!)」

照「……」

京太郎「……(そう、この状況……夕日に染まる川原で、孤独に本を読む少年と出会う幻想的なシチュエーション!……多分この人、ロマンチックで非現実的なボーイミーツガールを期待してるのでは?)」チラッ

照「ん……////」チラッチラッ

京太郎「(どうもそんな感じだ……となるとイカした一言だな……大体俺は皆が合同合宿で忙しいから一人で読書しているだけであって、幻想的な設定もない普通の麻雀部男子なんですけど!)」

照「……////」モジモジソワソワ

京太郎「……(まぁ良い……とにかく彼女の期待を裏切る訳にはいかないか、飛ばすぜ!スカした言葉を!)」

ヒュー……ヒュー……

京太郎「……今日は……風が騒がしいな……(あぁ!なんか死にたくなってきた!何だこりゃ?恥ずかしいとかそう言うのではなく、なんかこう……死にたい!……やっちまったか?)」チラッ

照「……ンフフフフ////」プルプルプル

京太郎「(いや嬉しそうだ!……ちょっと精神が崩壊しかけたが、言ったぞ?さぁ……どう返すんだ!?)」チラッ

ザッ

照「……でも少し、この風……泣いています……」キリッ

京太郎「……!(ブファッ!アハハハハハ!……面白いぞこの人!)」プルプルプル

ザッザッザッ

照(京太郎の後ろに移動)「……」

京太郎「……(いやぁ、そのごめんなさい……勘弁してくれませんか?もう限界です)」

照「……」

京太郎「……(いえ、正直後ろに座られた時は嬉しかったんですよ……ですが俺には貴女ほどの空想力がないみたいなので、もうこの空間に耐えられないみたいです)」

照「……?」チラッ

京太郎「……(ですから、既に呼ばせてもらいましたよ救助隊を……頼みます、この結界を破壊してください!)」

ザッ

ハギヨシ「……」

京太郎「……(もう来た、流石の早さだ!)」

ハギヨシ「急ぐぞ京太郎、どうやら風が街に良くないものを運んできちまった様だ……」

京太郎「……(なんで今日に限ってそんなテンション高いんです!?)」

ハギヨシ「ンッフ……」ニコッ

京太郎「……(ンッフ……じゃないですよ!ノリノリすぎでしょ!)」

照「……ッ!////」グッ

京太郎「……(めっちゃ嬉しそう!もうやだ!俺を現実に帰してくださーい!)」

ザッ

京太郎「……(川原で一人黄昏る少年に声をかけたいと言う願望は十分叶ったよな?この空間をブチ抜いて帰らせてもらう……現実的な一言でな!)」スッ

ザッザッザッザッ

京太郎「急ごう、風が止む前に……(あれー!?何を言ってんだ俺はァ!?)」ザッザッ

照「あ……」スッ

京太郎「……(あーもう、こうなったら行ける所まで行ってやるよちくしょう!)」

「待て!」

京太郎「ーーーーッ!」ピタッ

淡「……」

京太郎「(……えっ、誰だこの子?)」

淡「……テルー!やばいよ!あっちのコンビニお菓子半額だって、ほら行こうよ!」

京太郎「……(空気読めない子だった!)」

照「淡」ガシッ グイッ

淡「えっちょっ、何でッ!」アワアワッ

京太郎「……(いや、ある意味読めてるけど!)」

ズルッ パサッ

京太郎「……ん?何だこれ?」スッ

照「あっ」ビクッ

ハギヨシ「おや、これは……須賀君の写真ではないですか?」

京太郎「ええ……俺が小学校の時の……あっ、ああ!」

ハギヨシ「どうしました?」

京太郎「思い出しました、俺が小学校の時に良く世話になった2つ年上の女の子……!確か名前が照!」バッ

照「あう……」

京太郎「あの時は姓までは覚えてませんでしたけど……貴女は前女子インターハイ覇者の宮永照さん、なんですね?」

照「……そう」コクッ

京太郎「(そして咲の姉でもある……なんなんだこの巡り合わせ!いや、同じ長野に住んでるわけだし可能性はゼロじゃないけども!)」

淡「ふ~ん、テルーとあいつ知り合いなんだぁ?」

照「うん、小学校時代の幼馴染み」

ハギヨシ「と言う事は、今回須賀君に接触を試みたのは……」

照「出来れば会いたいなと思っていた所に、たまたま運良く見つけてテンション上がっちゃって……つい、絡みたくなったと言うか……」

京太郎「あれから結構経ってるんですよ?もし別人だったらとか……」

照「……間違えるはずない、だって……」チラッ

京太郎「?」

ハギヨシ「(ほう……そう言う事ですか)」フムフム

淡「(……テルーが男にあんな表情を見せるなんて、ちょっとムッと来た)」ムムッ

照「……やっぱり内緒」ニコッ

京太郎「え、ええー……気になるなぁ……」

ハギヨシ・淡「「(うーん鈍い……)」」

カンッ!