霞「自覚はあるの。…まるで蛇のよう」

霞「本当よ? 私だって、こんなになっても巫女だもの。思い違えたりしないわよ」

霞「蛇、蛇…大蛇。オロチ。フフ…八ツ俣かしらね」

霞「ねえ、京太郎さん」

暗い密室、閉ざされた檻。鎖、手錠。……京太郎。

京太郎「霞、さん……」

霞「さしずめ貴方はスサノオかしら? いいえ、きっと生贄でしょう」

霞「大丈夫、食べたりしないわ。呑み込んだりもしないの。愛してるもの」

京太郎「あ、う」

霞「蛇とは竜。竜とは流れ。或いは川。かつての大蛇は氾濫する流れの化身だった。すべてを飲み込んだ」

霞「此度は英雄などいない。貴方はこのまま、溺れるの」

霞「愛も、恋も、肉も、骨も。私の全てに溺れるのよ」

霞「ずっと」

霞「ずーっと」

霞「私に溺れ続けて。愛しい京太郎さん…」

京太郎「あ、ああ。あああ」

霞「いつまでも一緒よ。フフフ…」