まこ「京太郎」
京太郎「はい?」
まこ「聞きたいことがある」
京太郎「なんですか?」
まこ「あー……久からじゃ。わしの本意じゃない」
京太郎「部長が?分かりました」
まこ「おんし、彼女はおるんかの?」
まこ(まったく、久も面倒なこと押し付けおって)
京太郎「えっ?」
まこ「唯一の男子部員じゃからの。外からの目を気にしてるそうじゃ」
京太郎「なるほど、そうですか……」
まこ「後は、他の一年のモチベーションに関わる言うておる」
まこ(三人ともドアの向こうで聴いてるんじゃろうが)
京太郎「へっ……?」
京太郎「いやいやいや、それはないですよ、あいつらがそんなこと」
まこ「まあ、今はそう思うとれ。で、おるんか?」
京太郎「……ええ、まあ、そうですね。というか、その」
まこ(……扉の向こうが騒がしいのう)
京太郎「先輩?」
まこ「久から相手も聞き出せ言われちょるが、わしはとしてはな……」
京太郎「なら、適当に誤魔化してやめません?」
まこ「そうしようかのう」
久「話は聞かせてもらったわ!」
京太郎「へっ?」
まこ「なんてとこに潜んどるんじゃ……」
久「まあ、いいじゃないの。ちょっと埃っぽいけど、いいとこよ?」
まこ「そういう意味じゃないわ……」
久「それで、須賀君!」
京太郎「はい?」
久「彼女が誰だか言えないのよね?」
京太郎「まあ……当人に了承を得てないですし」
まこ「……」
久「なら……そうね、どういうデートをしたとか教えてくれる?」
京太郎「それになんの意味が……」
久「そこから、相手を推察くらいしたっていいじゃないの」
京太郎「えぇ……部長、楽しんでません?」
久「まあねー」
京太郎「はあ……」
まこ「それくらいならええじゃろ」
まこ(いい加減、三人も落ち着きたいじゃろうしの)
京太郎「あー……そうですね、それなら」
京太郎「一緒に本屋を巡ったり」
咲「!!」
京太郎「麻雀を付きっきりで教えてもらったり」
和「!!」
京太郎「タコスの味を見てもらったり」
優希「!!」
京太郎「まあ、他にもお家に上げさせてもらったり」
京太郎「でも、健全なお付き合いをしてますよ」
まこ「…ばかたれ」
久「ふーん、そうなの…へぇ…」
京太郎「……照れくさいんでこれくらいでいいですか?」
久「そうねえ……じゃあ、最後に一つ」
まこ「おい、久、いい加減に…」
久「ここまで来たら今さらよ」
まこ「おんしが言う言葉じゃないわ、あほう」
京太郎「まあまあ、先輩。それで、なんです、部長?」
久「須賀君の彼女って、麻雀部にいるのかしら?」
まこ「久!」
久「何よ、まこったら。そんなに大きい声出さなくてもいいじゃない」
まこ「頼むから。堪忍せい……」
久「へっ?」
京太郎「……そういうことなんです、部長」
カンッ
最終更新:2016年10月10日 00:06