「うぐッ……こ、こは?」

目を覚ますと見知らぬ天井。体を起こしあたりを見まわせばそこは畳張りのあからさまな和室。
三畳ほどの狭い、木枠がないだけで座敷牢だろうかという狭い部屋。
頭が状況を理解しようと徐々に回転を始めたちょうどそのとき、すぐ目の前の障子がさっと開いた。

「あ、起きたんだね。良かったよー」

そう声をかけてきたのは、透き通った白い肌を際立たせるような漆黒のセーラー服に白いリボンがワンポイントな帽子を被ったそれは長身の美女。
彼、須賀京太郎はその女に見覚えがあった。

「姉帯、豊音……さん?」

「あはっ、嬉しいよー!」

無邪気に満面の笑みを浮かべる豊音。京太郎は状況の不審さを一瞬忘れて見惚れた。
それでも軽く頭を振り、気を取り直して言葉を紡ぐ。

「すみません、俺は須賀京太郎と言います。その、ここはどこで、俺はどうしてここにいるんでしょうか……?」

「知ってるよー。須賀君、格好良かったから……。あの日からずぅっと、見てたんだ」

笑顔が一転、無表情に首をかしげる。その目から光は消え、赤い赫い瞳が深く濁っていく。
思わずその目から視線を逸らす。そして改めて記憶を探り、彼は炎天下の買出し中にぷっつりと途切れていることを思い出した。

「大丈夫。心配しないでいいよー? シロと塞さんに事情を話して手を貸してもらってるんだー♪」

『ここなら誰も来ない……ダルいけど、豊音のお願いだから』

「ありがとうだよー。……須賀君、私達が守ってあげるからね」

赫が近づき、視界は白い柔肌とそれを隠さんとする漆黒に塗りつぶされる。
力には自信があるというのに少年はろくに抵抗も出来ず押し倒され――――――――


カンッ