夏休み、鹿児島
京太郎「暑い夏には」
春「流しそうめん」
小蒔「ん~、おいしいです」
霞「氷で冷えた麺のつるんとした、この喉ごしがたまらないわぁ」
初美「流しそうめんなんてひさしぶりなのですよ~」
京太郎「後でかき氷も作りますからね」
湧「あっ、色つきもーらい」
小蒔「ああっ?!私も赤いの狙ってたのに...」
初美「あらあら、そんなに食べたかったの?」
小蒔「いえ。ただ、気になることを小耳に挟みまして」
明星「どんなことをですか?」
小蒔「なんでも赤いおそうめんを食べた人は、近いうちに」
春「近いうちに...?」
小蒔「赤い服を着た悪い人に連れ去られてしまうらしいんです」
湧「ひぇっ」
小蒔「そして連れ去られた後...」
霞「はいはい、それは昨日やってたテレビ番組のネタでしょう?」
霞「もしそうだったら私もみんなもとっくに連れ去られてるわ」
湧「な、なぁんだ...姫様ったら冗談が過ぎますよ」
京太郎「湧、それ冗談じゃないぞ」
全員「え?」
京太郎「青いそうめんをたべたら青い人が」
京太郎「黄色いそうめんを食べたら黄色い人が」
京太郎「そのそうめんを食べた人の所に来てしまうんだよーっ!」
全員「ええええーっ?!」
霞(えっ?!小蒔ちゃんの冗談、冗談じゃなかったのかしら)
巴(ど、どうしよ...、青いそうめん食べちゃったよ)
明星「またまた。悪のりが過ぎますよ、京太郎さん」
明星「大体、こんな山奥で一体だ...わひゃっ?!」
初美「青いそうめんを食べた奴は胸をもまれー」
巴「あんっ」
京太郎「黄色いそうめんを食べた奴はケツを触られる~」
明星「ちょっ、なにするんですか!スケベ、馬鹿」
京太郎「痛てっ、イテッ、叩くの止めろって明星」
春「こうしちゃいられない」
小蒔「あっ、春ちゃん。どこに行くの」
春「内緒」
初美「うりうり~。ここがええんかええのんか?」
明星「あっあっあっ、や、やだっ。初美さん止めて下さい」
春「京太郎、口開けて」
京太郎「?」
春「あーん...」
京太郎「むぐむぐ。って、茹でてない奴だろこれ」
春「赤と青と黄色のそうめん、食べちゃったね」
京太郎「んぁっ。春、お前どこ触ってるんだよ」
春「京太郎のエッチな気分になる場所...」
春「三本とも京太郎は食べちゃった。だから」
春「赤い服を着た私が連れ去っても文句は出ない」
湧「異議あり。京太郎兄ちゃんは私を連れ去るんです」
湧「春ちゃんはその後」
春「却下」
湧「むむむむむ」
春「にらんでもダメ。年功序列と早い者勝ちは絶対」
巴(今がチャンス!)
巴「京太郎君。私を今すぐ攫って、さあ早く!!」
巴「私の部屋で既成事実を今作ろう、ね?」
霞「抜け駆けはダメよ。巴ちゃん」
霞「おとなしくおそうめんでも食べてなさい」
巴「おのれ垂れチチ」
霞「このっ、人の気にしていることをずけずけと...」
小蒔(アハハハ...)
小蒔(まさか私の冗談でこんな風になるなんて思いませんでした)
小蒔(でも、安心できました)
小蒔(今年の春に霞ちゃん、巴ちゃん、初美ちゃんが卒業して)
小蒔(皆が一緒にいる時間が減ってしまったけど)
小蒔(それでも私達の友情は変わっていなかった)
小蒔(いつか皆が結婚してあまり会えなくなる時が来ても...)
小蒔(こうして集まり、遊んで騒いではしゃげる関係でいたい)
小蒔「うふふ」
初美「どうかしたのですかー、姫様」
小蒔「あとでみなさん一緒に京太郎君にかわいがって貰いましょう」
小蒔「ん~、やっぱりおそうめんはおいしいですね~」
カン
最終更新:2016年08月11日 08:52