…清澄高校が女子団体戦を制覇してから6年後…………………


〈清澄高校・校長室〉

コンコン

校長「入りなさい」

京太郎「失礼します」

咲「失礼します。校長先生」

校長「いや、呼び出して済まないね… 須賀京太郎先生、須賀咲先生」

校長「まぁ。立ち話もなんだ。座って」

京咲「「はい」」ストン

校長「いや~、それにしても吃驚したよ。新任の教諭二人が私の元教え子で、しかも夫婦で母校に赴任してくるなんてね」

京太郎「私も吃驚してますよ、校長。二人一緒に同じ高校に赴任できただけでも凄いのに… 赴任先が母校ですからね」

咲「校長先生には3年生の時にお世話になりました」

校長「ははっ、しかし… 須賀君には手を焼いたね、見事なまでの落第生だった」

京太郎「校長!過去の話はいいでしょう… 全く…」

咲「でも、京ちゃん。本当に最後は頑張ったもんね」クスクス

校長「確かに、あの努力には頭が下がったな」

京太郎「二人共… はぁ… で、校長。本題はなんですか?まさか、昔話をする為だけに呼んだのではないでしょう?」




校長「それじゃあ、話そうか… 実は二人には麻雀部の顧問をやってもらいたいんだよ」

咲「麻雀部のですか?」

校長「ああ、清澄の麻雀部は君たちがいた3年間が一番輝いていた… 今はちょっと落ち目なんだよ」

京太郎「そうですか…」

校長「ここらで、一発活を入れようと思ってた矢先の君達の赴任だ。私は天の采配だと思ったね」

咲「そんな… 買いかぶりすぎです」

校長「果たしてそうかな?インターハイ女子個人及び団体の覇者、宮永咲。プロ入りの話まであったはずだ」

校長「そして、2年間必死に腕を磨き最後のインターハイで優勝の栄光を手にした須賀京太郎。苦労した分その麻雀理論はかなり洗練されている」

校長「こんな二人が務まらんと言うなら、この世に麻雀部の顧問が出来る奴は居ないだろうな」

京咲「「…………………」」

校長「清澄の麻雀部は…」

校長「竹井久が夢を作り…」

校長「染谷まこが支え…」

校長「そして、君たちと片岡優希、原村和が入って花を咲かせた」

校長「君たちにとっては、家みたいなものだろ?」

京咲「「…………………」」

校長「…今の部員たちはね、麻雀をすることの楽しさを忘れてしまっているんだ…」

校長「それを、麻雀をする楽しさを思い出させてやって欲しい」

校長「受けて…くれないだろうか?」

京太郎「…………………」チラッ

咲「…………………」コクッ

京太郎「分かりました、校長。俺も咲も全力で務めさせてもらいます」

校長「そうか!ありがとう」



校長「ところで、あの時のメンバーはどうしているかな?」

咲「和ちゃんは、幼稚園で先生をしていますよ」

京太郎「竹井先輩は市役所に勤めてますし… 染谷先輩は実家の雀荘を継いだそうです」

咲「優希ちゃんは、インターハイで会った阿知賀のこに触発されて山登りを初めて、今は登山のインストラクターをしてるみたいです」

校長「そうか… 麻雀の道に進んだ者は居ないんだね…」

京太郎「ええ、厳しい道ですし… 俺は麻雀に人生を掛ける覚悟ができなかったんです」

咲「私もです…」

校長「確かに… 安易な道ではないよな… 話は変わるが、君たちはいつ結婚したんだい?」

京太郎「大学の3年の時ですね」

校長「ほう!学生結婚か。プロポーズはどっちから?」

咲「京ちゃんからです。先生、京ちゃんのプロポーズの言葉面白いんですよ」

京太郎「さ、咲?」

校長「ほう、興味深いね」

咲「「奨学金…一人分で生活するのはキツいけど…二人分なら何とかなるんじゃないかな?咲、これからずっと一緒に暮らさないか?」ですよ。」

咲「照れくさいの隠そうとして、プロポーズの言葉も自分で何言ってるのか分かってないみたいで…なんかもう私可笑しくなっちゃって」

京太郎「わー!わーーー!///////」

校長「はっはっは、それはまた風変わりなプロポーズだな!」

咲「そうでしょ?先生」

京太郎「うわーーーーーーー!/////////」






校長「それじゃあ、顧問の件頼んだよ」

京咲「「はい!」」

京太郎「では、失礼します」

咲「失礼します」






〈廊下〉

京太郎「麻雀部か…」

咲「懐かしいね、京ちゃん」

京太郎「そうだな、あの時の咲は迷う、機械はダメ… ほんと鈍臭かったよな」

咲「京ちゃん…」プクー

京太郎「おっ、サキフグだ」

咲「京ちゃん!」

京太郎「はは、冗談冗談」

咲「…もう!」

京太郎「それにしても…夫婦で同じ高校に努めて、同じ部の顧問になるとは思わなかったぜ」

咲「本当だね」

京太郎「それにしても… 麻雀を打つ楽しみか…」

咲「京ちゃん…」

京太郎「なんだ?咲」

咲「これから顧問になる麻雀部の子達って… 私たちの子供みたいなものだよね?」

京太郎「確かにな、俺たち夫婦二人で指導するんだから」

咲「子供たちには、色々なものを与えてあげないとね」

京太郎「そうだな、「麻雀をやってて良かった!」って思って此処を巣立って欲しいな」

咲「頑張ろうね!」

京太郎「俺たち二人なら出来るさ!」

咲「うん!」






〈麻雀部部室前〉

京太郎「さぁ、着いたぞ」

咲「じゃあ、入ろうか… 私たちの、子供たちの顔を見に」

京太郎「そうだな」

コンコン

部員「はい、どちら様ですか?」




【カンッ】