聡「おぉい、京の字。いるかぁ?」

京太郎「いねぇよー」

聡「返事ぐれぇ普通にしろやこんクソガキめ」

京太郎「っせーな…んで、何だよ?」

聡「数絵どこにいるか知んねぇか?頼みてえことがあったんだが」

京太郎「カズ?アイツ確か友達と約束があるっつって出掛けてったはずだけど…」

聡「ほーん」

京太郎「急ぎなら代わりに受けっけど?」

聡「いんや、いらね。小せぇ事だしな」ドッカリ

京太郎「…何で座ってんだよ」

聡「将棋」

京太郎「あ?」

聡「暇なんだろ?ちっと付き合え」

京太郎「…構わんけど何で将棋?」

聡「麻雀やろうにも面子足りんねぇだろ。ほれ、盤も持ってきてやったぞ」

京太郎「…ハナからそれ目的だったんじゃねーの?」

聡「細かい事気にしてっとモテねーぞ?数絵に」

京太郎「余計なお世話だしそもそもきっちりしてねぇ方がモテねーわ!」

聡「ハハッ、それもそーだ」


―――
――


聡「最近どうよ?」パチッ

京太郎「思春期の息子に話す父親みたいな聞き方すんなよ!」パチッ

聡「似たようなもんだろ。なぁ将来の孫よ」パチッ

京太郎「うるっせとっととくたばりやがれクソジジイ」パチッ

聡「曾孫を甘やかすまで死なねーよ。そら王手」パチッ

京太郎「ぬっ…いやまだ負けん!」パチッ

聡「ったく、お前も数絵もゴール手前で足踏みしやがって…見てるこっちがやきもきするわ」パチッ

京太郎「ほっとけ、俺達には俺達のペースがあんだよ」パチッ

聡「一向に進んでねーのをペースっつって良いのかねぇ」パチッ

京太郎「良いんだよ、つか南場の風とか言ってる癖にその性急さはどうなんだ」パチッ

聡「バッカ、惚れた腫れたに待ちは悪手なんだよ。好いた女を待たせるなんざ男じゃねえぞ」パチッ

京太郎「…カズが」

聡「あん?」

京太郎「数絵がもう少し待ってくれって。俺やアンタが誇れるような自分になってからってさ」

聡「あー、なんだかなぁ…めんどくせぇ孫を持っちまったもんだなぁオイ…」ガリガリ

京太郎「そういう割にはめんどくさそうな面には見えねーぞ」

聡「たりめーだ。なんせこの俺自慢の孫なんだからよ」ニヤッ

京太郎「ふーん…」パチッ

聡「お前もそのうち自慢の孫にしてやっからな、覚悟しとけ」

京太郎「…嬉しくねえ、こともねえけどよ。それ」チョイチョイ

聡「あん?」

京太郎「盤面。王手」

聡「ぬがっ…待ったは」

京太郎「無しに決まってんだろ」

聡「くっそこのガキ…!」

カンッ