「なんだか全国の後から須賀くんのスレッドが立っているらしいわよ」
「スレッド?」
久の言葉に咲が首をかしげる、パソコンにろくに触らない彼女にはよく分からないらしい

「咲さん、2chなどの掲示板のことです、ネット上で匿名で書き込みができるんですよ」
和の説明が飛ぶ、流石はネット麻雀歴が長いだけはある

「でもなんで京太郎なんだ? 優勝した私達なら分かるけど」
「あー、あれじゃ、全国で京太郎が声援おくったろ? あれで目立ったらしいの」
優希の率直な疑問にまこが補足を入れる

「それじゃまあ、須賀くんも今日はいないし解散ってことで」
『はーい』

「須賀くんのスレッドですか、少し気になりますね」
興味本位で覗いた和だが

「京カプスレ……87!? な、なんでこんなに多いんですか?
 な、中身は……ど、どういうことですか?
 清澄の皆は分かります、でも接点のないはずの人たちまで須賀くんとカップルになるなんて」

その時、和に電撃走る
「……荒らしましょう、須賀くんが他の皆とくっついてるなんて許せません」
こうして一人の荒らしが生まれた


「京太郎なー、どうせボロカスに言われてるんだろ? 擁護してやるか」
保護者的な意識から覗いてみる優希

「ど、どういうことだ、咲ちゃんはまだわかる、でものどちゃんはないだろ?
 それになんで私との組み合わせはほとんど成就してないんだ?」
ぐぬぬと、悔しがる優希

「私に話を書くのは無理だ、こうなったら私とのカップリングをネタだけ提供して誰かに書いてもらうじぇ」


「スレッド……だったよね? 検索はこれでいいのかな?」
見た瞬間に咲に激震走る

「お、おかしいよ! 京ちゃんは私のなんだよ!? なのになんでこんなに他の子たちと……
 そうだ、ここは文学少女の私が正しいことをお話で教えないと」
パソコンのことはあまり分かっていないくせに必死で調べて、自分の妄想ともいえる物語を書き綴る咲

「これで私と京ちゃんのカップルが一番だって誰の目にもわかるはずだよ」


「……あなたたち、部室のパソコンでやってばれないと思ったの?」
久の前に揃って正座させられている清澄一年娘たち

「こ、これは違うんです、風評被害をなくそうと思って」
「他の学校に粉かける犬が見たくなかったんだじぇ!」
「えっと、ちょっとお話が書いてみたかっていうか……」

「あなたたち、三日間須賀くんとおしゃべり禁止ね」

『そ、そんな~!』
一年生たちの悲鳴が重なった

カン