京ちゃんが麻雀部に誘ってくれた、麻雀は嫌いだけど京ちゃんと一緒にいられるなら我慢しようかな

そんなことを考えていたのに、帰り道にピンク髪の同学年に捕まってしまった
真剣勝負の場で手を抜くのはどうのこうの~って言ってたけど、別に手を抜いたつもりはない

咲「私や京ちゃんにとって麻雀は順位を争うゲームじゃなくて、目標そのものが違うんだよ
  私にとってはプラマイゼロを目指すのが、京ちゃんにとっては読みが正しいのかを確かめる儀式」

普通に点数で上に行くなんて簡単すぎてなにも面白くない、どうせならハードモードを目指すよね

和「なに、言って?」

咲「あれ? もしかして京ちゃんぼ意図に気付いてなかったの?
  あれは相手の待ち牌を予想しててわざと振り込んでるんだよ、読みを磨くためにね」

じゃなきゃ京ちゃんがこの程度の相手に毎回ラスを引くわけがない
京ちゃんはうちの家族麻雀に平気でついてきてたんだから

和「そんな手加減されてうれしいとでも!?」

咲「そういうのは真正面から私や京ちゃんの思惑を外せるようになってから言ってよ
  退屈なの、私達。順位争いすれば必ず勝っちゃうゲーム、縛りでもないとやってられないよ」

正直飽きちゃったよ、せめて同格に相手できる相手がいれば気が向くかもしれないけど

和「なら私が明日咲さんを破って見せます!」

口だけなら簡単だね。京ちゃんが向こうに回れば話は別だけど、彼が私を裏切ることなんてない

咲「好きにすれば? 私は京ちゃんのご飯作るので手一杯だからさ」

お姉ちゃんが消えてから私の心の中にいるのは京ちゃんだけ、京ちゃんが麻雀部に入ったのもどうせお姉ちゃんに会いたい一心

私たちはすれ違い、それでも過去の残滓を求めて今日も一緒にいる

お姉ちゃんが帰ってきたら元通りになるのか、それともさらに壊れるのか、それすら私には分からない


カン