久「カツ丼」

京太郎「え?」

久「一言にカツ丼と言っても色んな違いが出るわ。卵は半熟か固めか、衣全体に卵は染み込んでるかそれとも下半分だけか、出汁が多めか少なめか…それだけでも6通りが出来ちゃうわね」

京太郎「あの…?」

久「他にはカツをバラけさせて煮込むか形を保ったまま煮込むかってのもあるわねぇ…そこから口直しの漬け物の種類やら紅生姜の刻み方やらを考えればもはや千差万別ね。手軽料理の丼物だけでもこれだけ違うとか奥が深いわよね…」

京太郎「いやいきなり何なんすか。何でカツ丼談義始まってるんすか?」

久「いや、この前ね?靖子がカツ丼食べてたところ見ちゃってねぇ」

京太郎「へー、藤田プロが」

久「蕎麦屋で」

京太郎「蕎麦屋で!?」

久「そういう所の方が美味しいらしいのよね…カレーとかも」

京太郎「へー…」

久「でも美味しいのはわかるけど看板の蕎麦を食べないのってどうなのかしらね」

京太郎「ままあることじゃないすか?ほら、牛丼屋なのに豚丼だけ食ってるみたいな…それに、他の人は蕎麦食ってるんだろうし蕎麦食べない人が一人二人いたところで気にしないっすよ」

久「それもそっかぁ…」

京太郎「そういや知ってます?おでん屋…っつーか居酒屋かな?あれっておでんばっか頼まれると損するらしいですよ」

久「お酒の売り上げで採算取ってるってことなのかしらね?」

京太郎「俺らからすると飯のおかずですけど大人からすると酒のあてに丁度良いんでしょうねぇ…どっちも身体暖めるには最適だし」

久「そう言えば近くのラーメン屋もそうよね。醤油ラーメン300円で酢豚700円とか」

京太郎「ラーメン単体で満足できるかって言うとそうでも無いですしね。中々考えられてますよねぇ」

久「商売人の知恵よねぇ…それで?今日のお昼どうする?カツ丼?蕎麦?ラーメン?」

京太郎「んー……せーのっ」

「「カツ丼」」

久「行きましょうか、蕎麦屋」

京太郎「盛りも付けちゃおっかなー…」

久「確かセットもあったわよ。量はそこまでだったみたいだけど」

京太郎「一緒に食うなら丁度良いぐらいでしょうよ。足りなかったら大盛りにすれば良いし」

久「それってカツ丼を?盛りそばを?」

京太郎「そりゃもちろん…」

「「カツ丼」」

久「ま、そうなるわよねぇ…」

京太郎「ちゃんとそばも頼んでますし問題ないですって」

久「いや、そうじゃなくて」

京太郎「?」

久「丼食べながら飲む蕎麦湯と丼食べてから飲む蕎麦湯ってどっちが美味しいのかなって…」

京太郎「……」

久「……」

京太郎「…分けましょうか?」

久「ホント!?」

カンッ