久「ねえ、須賀君。今日の部活の間、このマフラーを巻いていてくれない?」

久「友達に手作りのマフラーをプレゼントしようと思っていて、練習してるんだけどね」

久「やっと形になったから、ちゃんとできているか実際に巻いてもらって確かめたいのよ」

久「すぐにほつれたりしたら、申し訳ないでしょ?」

久「暑いのはわかるけど、お願い!」

久「……どうしてもダメ?」

久「え~っと……その、海外の友達に……」

和「あっ、そのマフラー……この間言っていたオーストラリアにいるペンパルにですか?」

和「オーストラリアは日本とは季節が反対ですからね」

和「だから部長もこの時期から練習するのでしょう」

久「そ、そうなの!」

久「だから、この時期にマフラーを着けることをお願いするのは何にもおかしなことじゃないのよ!?」

久「こんなこと須賀君しか頼れないし……」

和「いいじゃないですか、ちょっと暑いのを我慢するぐらい」

和「それとも須賀君は私たち女の子にこの役目をやらせるつもりですか?」

久「っ!!ありがとう須賀君っ」

久「安心して。須賀君が暑さで倒れないように飲み物を渡してあげるし」

久「私と和で汗も拭いてあげるから」

久「ねっ、和♪」

和「ええ!タオルは私たちで用意していますから安心してください!」

久「本当にありがとう!ちゃんと作れるようになったら冬に須賀君にもマフラーをあげるからっ」



久「あーほつれちゃってるわーこれじゃあつくりなおしねー」

和「れんしゅうちゅうですからしかたありませんねー」

久「というわけでまたお願いね、須賀君」

和「頑張ってください、須賀君」

和「あっ、ごめんなさい。コーヒーをこぼしてしまいました」

和「大変です!須賀君のワイシャツにコーヒーが付いてしまいました!」

和「さあ、早く脱いでください!」

和「こんなに濡れてしまっているんですから」

和「早く洗わないと染みになってしまいます」

和「いえっ、こんなに目立つんですから濡れたハンカチ程度じゃ駄目です」

和「けれど……」

久「二人とも、どうしたの?」

久「あら。須賀君、シャツにコーヒーが付いてるじゃない」

久「そりゃ、わかるわよ」

久「だって五円玉の穴くらい大きさなんだから」

久「ちょっとみっともないわね……」

和「ほら、須賀君。そういうわけですから早く脱いでください」

和「私が責任を持って家で洗濯をしてきますから!」

和「染みになってしまったら、私が新しいシャツを弁償しますので!」

久「須賀君、今日はシャツの代わりにこのスエットを着なさい」

和「流石、部長!用意がいいです!」



和「ごめんなさい、やっぱりしみになってしまいました」

久「それじゃあ、しょーがないわねー」

和「というわけでこれ新しいシャツです、須賀君」

久「和を許してあげてね、須賀君」



久「須賀君、お願いが……」

和「須賀君、ごめんなさい……」

久「ねえ、須賀君……」

和「あの、須賀君……」


カン