京太郎が謎の二人組に連れ去られたと聞き、廃工場へとやってきた咲と和と優希。そこで待っていたのは佐々野いちごと仲間であったはずの染谷まこの広島コンビであった。

卑劣ないちごの罠によって落とし穴にはめられた咲と和は、いちごによるワカメ汁とイチゴ汁がたっぷりつまった風船爆弾から必死に逃げる事しか出来なかった。

いちご「そーらそら!必死になって逃げえや!じゃないとその綺麗な顔が台無しになるけぇのおっ!」

歪な笑みを浮かべ、手に持っている風船爆弾を咲達へと投げるいちご。それとは対照的にまこは冷めた表情でその様子を座りながら眺めていた。

優希「染谷先輩!何でこんな酷い事を咲ちゃんとのどちゃんに出来るんだじぇ!?いつから染谷先輩は…そんな事をする人になったんだじぇ!?」

優希は目に涙を浮かべながら叫ぶ。頼れる先輩であったまこがなぜ清澄を裏切ったのか、優希は知りたかった。

まこ「・・・・・・」

まこはしばらく沈黙していたが、眼鏡を外すとおもむろに口を開いた。

まこ「・・・みんな同じ男に惚れたからこそじゃ」

まこは風船爆弾から、必死に逃げている和と咲に目をやる。

まこ「みーんな京太郎に愛されたいんじゃ・・・けれども全員が京太郎に愛される事はできん。じゃあ京太郎に振り向いてもらえなかったもんはどうするのかといえば、自分を納得させる理由を探すんじゃ。 
たとえば京太郎に愛された女にすり寄って二番手になれば次に自分が京太郎に愛されるかもしれん・・・とかの。 
けれどもワシの場合は京太郎と同じ年の咲と和がいる限りワシはその二番手にすらなれんのじゃ!」

わなわなと身体を震わせて怒りを露にするまこ。

優希「じゃあ清澄を・・・私達を裏切ったのも・・・」

まこ「そうじゃ!だからワシはいちごという最高のパートナーと手を組んで大阪・広島側についたんじゃ!次の京太郎争奪戦に名乗りをあげるためにの!」

優希「そんな・・」

まこ「だからこそ咲と和だけは!絶対に始末せんといかんのじゃあ!」

染谷まこ17歳。愛する須賀京太郎の為、裏切りの鬼と化す────!

次回、『久は密かに笑う』に続く。