思い出したかのように小ネタシリーズー『放課後』


照と京太郎が付き合う事になった日・その放課後
旧校舎にて

京太郎「…ふう。授業終わった。さて、今日も部活頑張ろうかね。…って、まあ、練習っつーより雑用なんですがねー」

京太郎「…ま、しょうがねーよな。もうすぐ全国が近いんだ。弱っちい俺でも、少しでもみんなの力になんなきゃな」

京太郎「…頑張ろ。色々と」

京太郎「…」

京太郎「…うん。行こう」

京太郎「ちわーっす」ガチャッ


和「あ、須賀君」

まこ「ようやっと来たか。いや、来てくれたか」

和「待ってましたよ」

京太郎「…へ?」

和「須賀君にお客さんです」

京太郎「お客さんって…」

照「…」チョコン

京太郎「て…」

照「…はろー」フリフリ

京太郎「照ちゃん!?」

まこ「京ちゃんに会いに来たーっつって、さっきいきなり来てな。どーしても帰る気配無いから、お前さんが来るの待っとったんじゃ…」

和「なんで現チャンピオンがここに…」

京太郎「え?…あれ?…マジで…?え?さっき、朝にあれから別れて、みんなで東京に帰るって…」

照「車がね。どうしても匂いがとれなくて。菫がこんな車で帰れるかー!って。匂いとり切れなかった罰として、私達は記者さんのお金で電車で帰ることになって」

京太郎「なんかよくわかんないけどすっげー気の毒な…」

照「でね。帰りの分の電車賃はもう貰ったから、私は明日の学校に間に合えばいいからってことで、今日は実家に泊まって、明日の朝一で帰る事にしたんだ」

京太郎「はあ…」

照「だから、もうちょっとだけ一緒に居れるよ」

京太郎「…」

照「ふふ…びっくりしたよ。まさか京ちゃんが麻雀部に入ってたなんてね」

京太郎「誰から聞いたんだ?」

照「菫が調べてたみたい」

京太郎「あのスケバン通り越して女帝みたいだった人か。こえー…」

照「ね。私が麻雀教えてあげようか」

京太郎「へ?」

照「ほら、私チャンピオンだし。すごく強いんだよ。ここの部員の人たちの話だと、京ちゃんまだ初心者らしいし…」

京太郎「そ、そりゃあ、教えて貰えるもんなら俺はありがたいけど…」チラッ

和「…一応言っておきますが、私達は同席出来ませんよ?県代表同士が練習試合出来ない大会規定がありますので」

京太郎「うん。知ってる。…って訳だけど。面子もいねーし」

照「…あ」

京太郎「…」



照「しまった。忘れてた…」

京太郎「どーしよっか。何する?」

照「…あー。じゃあ、私、京ちゃんの後ろで見てても良い?京ちゃんの闘牌見てみたい」

京太郎「それも結構…」

和「堂々の敵情視察宣言とほぼ同義なんですが…」

照「…おおう。言われてみれば」

まこ「なんだかのー」

照「…」ショボン

和「目に見えて落ち込んでます…」

まこ「…仕方ない。京太郎、席に着きい」

京太郎「え?」

まこ「今おるはわしとお前と和だけ。サン麻じゃし、そうそう手の内明かすことにはならんじゃろ」

京太郎「え!?」

和「いいんですか?」

まこ「仕方なかろう。なんか死にそうな勢いで顔も青ざめてきとるし。角も元気無くなっとるし。その代わり東風戦一回じゃぞ」

照「!!」パアアア

まこ「その代わり、それで仕舞いじゃぞ」

和「まあ、仕方ないですね」

照「うん…!ありがとう広島弁の人!」

まこ「まあ、たまにはの」

和「それじゃあ、須賀君。席についてください。早速始めましょう」

京太郎「お、おう」

照「頑張って、京ちゃん!」

ガチャッ

「みんなー。おっつかれー!」

照「…あ、誰か来た?」

まこ「なんだ部長か。タイミングの悪い」

和「お疲れ様です。部長」

京太郎「お疲れっす」

久「んー。お疲れー。って…」

照「ん?」クルッ

久「…」

照「…」

久「うおぅ!?チャンピオン!?」ビクッ

照「ひっ!?」ビクッ

照(ヤ、ヤンキー!?) ←元いじめられっ子

久「えー!?うっそ!?なんで!?なんでこの人がこんなトコに!?えー?うっそ。マジで!?」

照(『なんでテメー如きがあたし等のシマに入って来てやがんだよ。テメー正気かコラ。あ!?ナメてんのかマジでおう』!?)

久「うわー。うわー。びびったー。こんなびっくりしたの久しぶりかも…誰かに会いに来たとか?」

照(『テメー、一人でこの部室に来るなんていい度胸じゃねーか。久しぶりに血が見てーぜ。地獄の鬼に会わせてやろうか』!?何言ってるのこの人怖い!!)


照「」ガタガタ

まこ「なんか怯えちょる」

和「どうしてでしょう?」

京太郎(なんとなく理由分かるけど、言ったら怒られそうで言い出せない…)

京太郎「えーっと…その…その子、俺の連れでして…」

久「あら、そうだったの」

照「」サササッ

まこ(京太郎の背中に隠れた)

和(部長から逃げるように移動しました)

京太郎「…照ちゃん。紹介するよ。この人、うちの部長の竹井久」

久「竹井久です。はじめまして。チャンピオン。須賀君の知り合いだったのね」

照「…よ…ョロシク…」ボソボソ

久(なんだ。同じ宮永姓だから咲に会いに来たのかと思ったのに)

久(…ってか)

久(これって、確実に私、怖がられてるわよね)イヒッ

和(…部長が悪そうに笑ってます)

まこ(あ。これ碌な事にならん)

久「…」ウーーン

京太郎(なんか悪い事企んでる…)

照「」ブルブル

久「…うん」ボソッ

照「…?」

久「…おい、須賀ァ(ドスの利いた声で)」

照「ヒッ!?」ビクビクッ

京太郎「部長…」ハァ

久「なに女の前だからってぼけっと突っ立ってやがる。いつものヤツ買って来いやぁ」

京太郎「いつものヤツって…」

京太郎(この人は…)

照「あうう…」ガタガタ

久「あー…ほら。えっと…タバコと、酒と…えっと、あと、日本刀」

京太郎「日本刀!?」

和「いつもの!?」

まこ「どこにカチコミかます気じゃい!!」

照「あわわわわ」オロオロ

久「あはははは!」

京太郎「ってか、照ちゃんはこんなの信じるなよ…」

和「けど、部長って日本刀似合いそう…」

まこ「おどりゃぁすどりゃぁの世界で切った張ったしてそうな雰囲気は確かにあるが」

久「仁義無き広島弁使いに言われとーない!」

照「…へ?」



種明かし

久「ってわけでしたー」

まこ「コイツは…」

和「すみませんすみません」ペコペコ

照「…」ポカーーーン

京太郎「こういう人なんだ。敵に回さない方がいいぞ」

久「って、まあ、そういう事でしたー。…ごめんね?チャンピオン」

照「…」

まこ「いかん。放心状態じゃ」

和「これは…もうしばらく帰ってきそうにありませんね…」

久「ま、それならそっちのが好都合」

まこ「ん?」

久「流石にチャンプ相手にねー。サンマで東風戦一回とは言え、手の内見せるのはちょっとアレだしー。優勝までの最大のライバルでしょ?」

まこ「…ま、まあ…」

久「じゃ、こうして呆けちゃった以上、ご退場願うのが筋かなー」

まこ「…用心深いやっちゃなー」

和「けど、このままのこの人を一人帰らせるわけにもいかないような…」

照「」ポケーーーー

久「…ん。それもそうか。なら、須賀君」

京太郎「…へ?」

久「この人とはお知り合いなのよね?」

京太郎「…は、はい。まあ」

久「ん。なら、さ。今日はもう部活は良いから」

京太郎「…」

久「この子、おうち…だか、どこだか知らないけど、帰る場所に連れてってあげて」


(取り敢えず)終わり