「もしもし、須賀くん?こんばんは」

我らが部長の竹井久から電話がかかってきた。冬休みに入ってから久と合っていなかったので、なんだか久しぶりと言った感覚で電話をとった。

「どうもこんばんは、京太郎ですが部長どうかしたんですか?」

「ううん、なんでもないの。ただ、須賀くんに少しお礼を言いたかっただけ。いつも私が雑用を須賀くんばかりにやらせちゃってごめんね、その御蔭て私達全員が麻雀に全力でとりくめたから……だから本当にありがとう。」

「俺は、何もしてませんよ」

京太郎は、みんなが全力で取り組んで欲しかったから、サポートに徹していたのだった。

「でも、重いパソコンとかもたせたりしちゃったじゃん」

「すみません、それはすごく大変でした」

「「……」」

「それでも、部のために頑張ってくれたのは事実だし……」

「それに、須賀くん秋からすごい努力して、うまくなったのは嬉しかったわ」

「でも、それをいうなら部長の指導のおかげでもありますよ。俺の対局のあとにアドバイスをいつもしてくださったり、大会の前の一ヶ月は部活が終わったあと、いつも特訓に付き合ってくださってありがとうございました。」

部活が終わったあと、なぜか部室の鍵を未だに所持している久が京太郎の技術力向上ということで、特訓を行っていた。主にネトマを使って後ろから京太郎にアドバイスをしたり、対局後に対局の反省をしたりしていた。

「そう? 本当はもう少し須賀くんに牌に触れさせてあげたかったんだけどね。」

「とにかく、須賀くん」

少しの間をおいて

「一年間、ありがとうございました」

今年聞いた久の声の中で一番明るい声だった。いつも凛とした雰囲気の久がこの時は、少し照れたようで可愛らしい声で京太郎はドキリとさせられていた。

「ねえ、須賀くん。すこし外見て」

そう言われ、窓を開けて顔を出して空を見上げると、つい先程までは雨だったのが雪に変わっていた。明日は積もるといいな、と思いながら再び部屋のほうに戻ろうとした時……

「新年、あけましておめでとう」

電話から聞こえるだけでなく、外からも久の声が聞こえてきた。今年一番に聞く声が、家族ではなく久とだれが予想できただろうか。京太郎は、とにかく久のもとに行かなければいけないと思い急いで自室を飛び出した。

「父さん、母さん、近くに友達が来てるみたいだから、ちょっと行ってくる」

家族から、寒いだろうから是非連れてきなさい。と言われた時はどうしようかと思いながらも京太郎は、玄関を出て久のもとに向かった。

カン