全国大会後、仲直りした宮永姉妹。

その姉である照は幼馴染で親交のあった京太郎と誕生日パーティーを開いていた。

「照さん、お誕生日おめでとうございます!」

「あ、ありがとう……京ちゃん」

照も流石に恥ずかしいのか頬を赤くさせている。

彼女は小さなころから京太郎に好意を寄せていた。

その想い人と二人きり。それも京太郎が開催してくれたとあって喜びもひとしお違う。

「……手作りのお菓子も美味しいよ」

「なら、よかったぁ。知り合いの人に教えてもらいながら頑張って作ったんですよ」

「そっか。京ちゃん。頑張ってくれたんだ」

「はいっ。照さんと会うのは久しぶりだから気合い入れちゃいました」

照れ笑いしながら京太郎は頬をかく。その指に絆創膏が巻かれていることを見逃すほど照は呆けていない。

(……京ちゃん。怪我してまで私のために努力してくれたんだ……)

その事実が照の気持ちを高める。

どんどん、彼のことが好きになっていくのを実感した。

「……ふふっ」

「っ――」

思わず漏れてしまう微笑み。ふと見せた柔和な表情に京太郎は思わず見とれてしまう。

わずかに逡巡して、覚悟を決めたように拳を握りしめる。

「あ、あのっ!」

わずかに上ずる声。照も声につられて顔を上げる。

その瞳に映る男子は目をそらすことなく、自分を見つめている。

「好きです! 俺、ずっと照さんのことが好きでした!」

顔を真っ赤にさせながら、声を震わせながらも京太郎は自分の気持ちをぶつけた。

「今の俺じゃあ相応しくないのはわかっています! でも、あなたに見合う男になります! だから、その時は! 俺と付き合ってください!」

下げられた頭。差し出された右手。静寂が広がる空間。

照の頭の中で彼の告白が反芻している。

(京ちゃんが……私のこと好き!? ふぇっ、好き!? え、あ、うぅ……)

まとまらない思考。嬉しさがこみあげてくる。

涙まで溢れ出てきそうだった。

でも、それをグッと飲み込む。

そして、京太郎の気持ちに応えるように照も口を開いた。

「……はい。京ちゃんの気持ち、受け取るよ」

照は彼の手をそっと握り締める。

「じゃ、じゃあ!」

「…………うん。だから、ね?」

グイっとつかんだ手を引っ張ると京太郎は前のめりになってしまう。自然と正面にいる照との距離はゼロに近づいていき、互いの唇が重なった。

「て、照さんっ!?」

京太郎は跳びあがるように離れ、衝撃的な行動をした彼女を見つめる。

「……その時まで、今はこれで我慢するね?」

件の彼女は頬を紅葉とさせて、自分の唇を指でなぞる。

「大好きだよ、京ちゃん」

そう言って浮かべた彼女の笑顔に、京太郎は絶対に彼女を幸せにしようと胸に誓った。