清澄高校 麻雀部 部室




洋榎「うちらがチョロイン候補やとぉ…?!」


ネリー「どこの誰だぁ!そんなこと言ったのは!」


豊音「ちょ、ちょろって……愛という名のもとに?」



久「なんでそんなドラマ知ってるのよ……

  ともかくこんなビデオレターが届いてるから見てちょうだい」



ブンッ



……

ガヤガヤ


雅枝『そうそう!あの子結構チョロいとこあってなぁ!』

育乃『京太郎くんからメールきてたらすぐ分かるし~』

雅枝『あっはっはっは!分かる分かる!じーーっとケータイ見つめてるわ!』バンバン

アレクサンドラ『黒ビールおかわり~!』

トシ『あたしもポン酒いこうかね』


雅枝『あ~洋榎の話すると尽きんなぁ……お二人さんとこのはどうなん?』


アレクサンドラ『ネリーのこと?まあ、ドライに見えて割りとチョロいと思う…なんとなくだけど』

トシ『豊音はねぇ、チョロいって言っちゃかわいそうな気もするけど……チョロ度85%、的な?』


雅枝『あーーっはっはっはっはっはっは!!て、的なってなんや!!あーーはっはははははは!!』バンバン


……

久「こんな感じね」


洋榎「なにがビデオレターや!!おばはん同士の飲み会撮っただけやないか!!てか、オカン笑いすぎやろ!!」

ネリー「監督ひどい!あたしチョロくないし!だからおっぱいにもお尻にも脂肪がいかないんだよ!」

豊音「は…85%……」ズーン


久「もう巻きでいくわよ、そんなわけでこの人らから『面白そうだからチョロいかどうか試して』って頼まれたの

  んで、試しっていうのは今からあなた達には一人でこの部室に残ってもらって、ある人と少しの間ふたりきりになってもらうの
  それで篭絡されなかったら、チョロくなインと認めてあげるわ」


洋榎(ある人…一体誰なんやろう…?)

豊音(ある人…一体誰なんだろう…?)

ネリー(ある人…一体何太郎なんだろ…?)



順番


1番目 ネリー

2番目 豊音

オチ 洋榎

……
1番目


ネリー「どんとこい!」


ガチャッ


京太郎「よっ」

ネリー「おっ、京太郎!京太郎相手なら楽勝じゃーん!

    最初に言っとくけど、わたしを褒め殺そうったって無駄だかんねー!

    可愛いとか、そういうの小さい頃から言われなれてるしー!」


京太郎「(抜かしおって……えーっと、部長から教わった方法は……)」



久『いいかジョー、相手の懐に入るんだジョー…』

京太郎『京太郎です、なんで眼帯してるんすか』

久『さあ行って来い、ジョー太郎…』

京太郎『混ぜないでください、
    なんだか日本人的な女性が好きだったのにアメリカ人女性と結婚しそうな名前になってます』



京太郎「(懐に入れってったなぁ…)」


ネリー「なーにだんまりしてんの、京太郎ってば」ポスンッ

京太郎「(うわ、普通に抱きついてきた!なんだ、こうして見るとこいつ猫みたいで)すげー可愛い」


ネリー「えっ…ちょっ……えぇっ!!? /////」


京太郎「あ、声に出たのか」


……

久「賢明な読者諸君はもうお気づきでしょうけど、説明してあげるわ!

  ネリーが言われなれてる『可愛い』はあくまで『お世辞』とかそういうレベルの話!

  だが、好きな男から素のリアクションで『可愛い』なんて言われた経験はゼロ!

  故郷で苦労してきたであろう彼女は人の感情にとても敏感!お世辞か素かはすぐに見抜く!

  そして見抜くだけに、須賀くんの『可愛い』はクラスター爆弾のようにクリーンヒットしたのだー!」

……


ネリー「うわっ、わっ、わっ!か、顔あつっ!うそでしょ!マジでこんなっ………うわぁぁ~…!」

京太郎「おいおい、真っ赤だぞ?熱あんのか?…どれ」デコピトッ


ネリー「~~~~~~??!!!?!  …きゅう///」



……

久「おっと追加攻撃ィ!!普段なら何てことはなかったろうけど、今のネリーちゃんには凄まじい破壊力!!

  これにはたまらずダウーーーン!!決着ゥゥゥーーーーー!!

  ネリー・ヴィルサラーゼ、チョロイン決定ィィィーーーーーーーーーーー!!!」


……

2番目!



豊音「誰がくるのかなぁ~、京太郎くんだったらいいなあ…♪」


ガチャッ


京太郎「うぃーっす」


豊音「わっ!やった!京太郎くんだー!」ピョンピョンッ


京太郎「(うっ!ちょー可愛い!!……とと、逆に篭絡されちゃダメじゃないか!えーと、部長は何て言ってたっけ)」



久『多分、須賀くんに会えてすごいテンション上がるだろうから、色んな攻めが可能になると思うわ

  鉄板の「女の子扱い」もいいけど、もっとドロドロに蕩けさせるような方法もやっちゃいなさい』


京太郎『さっきのキャラ、もう飽きたんですね』


京太郎「……豊音さん、ちょっとそっちのソファーに座りません?」

豊音「? うん、いいよー」ポフッ

京太郎「隣、失礼しますね」

豊音「う、うん…(京太郎くんが近い…) えへへ…///」


京太郎「……豊音さん」

豊音「な、なにかな…?」


京太郎「…膝枕してもいいですか?」

豊音「え?」


……

久「む…あ、あれは…まさか…!!だ、ダメよ須賀くん!それはあまりにも危険すぎるゥゥーーー!!」

……


豊音「…ふわぁ~…京太郎くんのお膝って、なんか安心するね……」

京太郎「……」ナデナデ…

豊音「はわっ!?」ビクンッ

京太郎「ねえ、豊音さん…今だけ、呼び捨てでもいいかな?」

豊音「ふぇっ…う、うんうん!い、いいよ…(今だけじゃなくてもいいんだけど)」


京太郎「豊音…」ボソ

豊音「はぅっ!///」

京太郎「豊音はえらいね、ずっと頑張ってきて…」ナデナデ

豊音「ふぇ…ふぇぇ~…」

京太郎「今だけはゆっくりお休み豊音…俺がこうしてあげるから……ね?」

豊音「ふぁ…ふぁぁい……/////」トロ-ン

京太郎「いいこ…いいこ…」ナデナデ


……

久「膝枕をさせることで身長差を感じなくさせ、
  そして頭を撫でながら優しく言葉をかけて褒めていく!

  女の子扱いどころか、まるっきりの子供扱いッ!

  だが、この姉帯豊音という女の子の生い立ちを考えると効果は抜群……いいえ、それ以上よ!

  孤独を感じてきた少女が、大好きな男の子に擬似親子体験で甘やかしてもらう…!
  チョロインじゃなくても堕ちちゃうに決まってるじゃないの!!

  や、やりすぎよ須賀くん…!下手をしたら彼女、あなたに依存してしまうわァァァーーーーー!!」

……

数分後…


豊音「ふにゃぁぁ~~……///////」トロロロローン


京太郎「…あらら」



姉帯豊音、オーバーキルにより判定不能!!


……

オチ


洋榎「さあどっからでもかかってこいやぁー!

   なーにがチョロインかどうか試す、や!
   ウチのどこがチョロいっちゅー話や!

   あっさり乗り越え、オカンをビビらしたらぁ!
   そんで夕飯からあげ三昧にさせたらぁ!

   きっと絹からメチャ尊敬!
   更に強まる姉妹関係!   

   なんかウチの口調、ラップっぽくなってへんか!!」


ガチャッ


京太郎「あ、洋榎さん今日も一段とビューティフルですね」


洋榎「え…/// そ、そう…? てへへっ♪////」テレテレ




久「もうちょっと堪えろよ」



カンッ







エクストラステージ


洋榎「さっきのノーカン!ノーカンで!」

久「なーにがノーカンよ、うちの咲に劣らないチョロさだったわ」



……

咲「くしゅんっ!…またどこかで京咲について誰かが熱く語ってるのかな、やれやれ困っちゃうなぁ」

……


洋榎「あれや!不意打ちは卑怯や!もうちょっと時間おいてから挑ませて!」

久「…そう、ならもう一回チャンスをあげるわ」

洋榎「よっしゃ!」



十分後!



洋榎「ウチは姫松のレギュラー愛宕洋榎…

   後ひっかけの洋榎と恐れられた女…

   十年、いや百年に一人の大天才…

   ゆくゆくは総理大臣とかになって、ウチのブロマイドなんかは男子高校生を中心にバカ売れすることうけあい…」ブツブツ



ガチャッ


京太郎「……」


洋榎「ぬっ、来たな!さあ、今度こそ正々堂々と決着つけたる!」アチョー!


京太郎「……」ツカツカツカツカ


洋榎「きょ、京太郎…?なんや、怖い顔し……」


ドンッ


洋榎「ぴっ?!」



……

久「むむ!あ、あれは女性雑誌でいうところの『壁ドン』では!

  なにぃ!知っているのか久!(裏声)

  ああ…男の子が女の子を壁際に追い詰めて、壁に手を突き、退路を絶った上で迫る高等テクニック…

  よほどのイケメンでない限りは使うことを禁じられている秘技…!!」


……

京太郎「……」

洋榎「きょ…きょう…たろう?な、なんや…怖いで……」



京太郎「洋榎…






    俺のものになれよ……」


洋榎「はい!」


……

久「返答早っ!


  …まあ咲よりはマシかな

  あの子なら須賀くんが怖い顔で歩いてきた時点で堕ちてたわね

  『京ちゃんの凛々しい顔も素敵~』とか言いながらね」


……

咲「くしゅんっ!…もー、また誰かが京照なんてありえない、京咲だけが真実って語ってるのかな」

……


洋榎「どやった!?」


久「なんでそんな自信満々な顔できるの…完敗じゃない」


洋榎「ウチは負けてへんから!心の折れる音を聞かない限りはチンギスハーンでもウチには勝たれへんで!」


久「あなたどこの少数民族よ、じゃあ私だけじゃなくこの人らにも判定してもらいましょうか」ス…


洋榎「ん、なんやこのノートPC、英語で言うたらラップトップ…………」




雅枝『あーっはっはっはっは!!あぁ、お、お腹痛い!…き、絹聞いた?』

絹恵『あははは!はいっ!って、どんだけいい返事してんねん!』




洋榎「」


久「言ってなかったけど、あなたの家と生中継してたから」



洋榎「」


久「……いつになく面白い顔してるわね、写メ撮っとこ」カシャ




洋榎「」






久「さて、そんなわけで『チョロイン候補VS須賀京太郎』、お楽しみいただけたでしょうか!

  次回も(あったら)よろしく!さよなら、さよなら、さよなら」



カンッ