由暉子「……あれ?」

京太郎の部屋を掃除していた由暉子は、机の下に、本のようなものが置かれているのに気づいた。
置かれていた、というよりは隠されていた、というほうが妥当かもしれないが。

由暉子「これは…アルバムですね。京太郎君の小さいころの写真があったりして…」

はじめはそんな風に考えた由暉子だが、表紙を見ると【ユキちゃん百選】と、どう考えても京太郎の小さいころの写真などありそうもないようなタイトルが書かれてあった。

由暉子「こ、これって…」

中を見た由暉子が驚くのも当然。そこにはメイド服、アイドル衣装、アニメのコスチューム…。
様々な衣装をした由暉子の写真が飾られていたのである。

由暉子「まさか、この前爽先輩がとっていた写真も・・・」

彼女の予感は見事的中し、写真は一番新しいページに挟まれてあった。

由暉子「最近やたらと京太郎君が写真を撮ろうと先輩達を説得してたのも…これが原因だったんですね」

ゴゴゴゴ…と空気を震わせる様なオーラをまとう由暉子。今の彼女ならあの魔王モードの宮永咲にすら引けを取らないだろう。

由暉子「全く、京太郎君ったら…でも、こっちだってやられっぱなしじゃありませんよ……フフ」

由暉子は何かを思いついたのか、ほくそえむ。そして掃除を終えると部屋をあとにした。その手に【ユキちゃん百選】を持って。

そして、夜。

京太郎「ありゃ……どこやったっけな……確かここらへんに置いといたはずなんだけど……」

自分の探しているものがあるわけがないとは知らずに、京太郎は必死に部屋の中を探していた。

由暉子「京太郎君、入りますよ」

京太郎「ユ、ユキ!?ちょ、ちょっと待ってくれ!」

そんな京太郎の声を無視して由暉子は部屋へと入った。もちろん目的を遂行するためである。

由暉子「どうしたんですか、この散らかり様。せっかく今日お掃除したのに……台無しじゃないですか」

京太郎「ご、ごめん。実はちょっと探し物を……」

由暉子「そうですか、探し物を…ね」

京太郎「ああ、そうなんだ……ってソレハッ!」

京太郎の目に入ったのは、由暉子の手の中にあった【ユキちゃん百選】。みるみる彼の顔が青ざめていく。

由暉子「これですか?部屋を掃除していたら見つけましたが」

京太郎「ユ、ユキ…もしかして…見たのか?」

由暉子「はい。全部見させてもらいました。……さて、言い訳を考える時間を与えるほど、私は甘くありませんので」

ゆっくりと京太郎に歩み寄る由暉子。京太郎は蛇に睨まれた蛙よろしくその場から動く事が出来ない。

京太郎「いや、あの…ごめんなさ」

由暉子「謝ったって無駄ですよ?……京太郎君には少し『お仕置き』が必要なようですしね」

京太郎「ユ、ユキ……」

有無を言わさず由暉子は京太郎へとのしかかった……。

それから数時間後。

京太郎「はぁ…はぁ……ユ…ユキ……お、俺もう…無理……」

由暉子「フフ……何言ってるんです京太郎君?……朝まではまだまだ長いですよ?もっと頑張って下さい……あんっ♪」

京太郎「そ、そんな……そんな……ウワァァァァァ・・・」

そんなこんなで由暉子に『お仕置き』をされた京太郎。この夜は、京太郎にとって人生の中で一番長い夜となったとか。
なお、【ユキちゃん百選】にはSMコスの由暉子が加わったとの事……勿論、二人だけの秘密ではあるが。

なんやかんやで次の日の麻雀部。

爽「おっ、今日はユキ達が一番乗りか」

揺杏「京太郎も一緒とは相変わらずお熱いねぇ~」

京太郎「おもちが一つ……おもち二つ……」

成香「ど…どうしたんですか、京太郎くん。なんかブツブツ言ってますけど」

京太郎「あい!?あ、いや……べつに…なんともないデスヨ?」

そう答え、元気のない笑顔を作京太郎。夜、あれだけのことがあったのだから当然であるが。

由暉子「さ、活動の前に掃除をしましょう。京太郎君、手伝ってくれますね?」

京太郎「あ、はい。わかりました由暉子様……」

誓子「……?なんかあったのかな?」

揺杏達はやたらやつれた京太郎と、
それとは対照的にものすごく元気そうな由暉子を不自然に思いつつも、部室の中へと入る。
それからしばらくの間、京太郎は由暉子に逆らえない日が続いたのであった。

カンッ