「女子の憧れについて語りましょう」

 「のどちゃんどうした」

 「いつものことじゃないかな……」


 須賀咲ちゃんです。また女子会です。

 最近になって、具体的には和ちゃんが誕生日を迎えてから女子会の比率が上がっている気がする……。

 私はともかく、付き合ってくれる優希ちゃん優しいなぁ。


 「それはですね。焦っているからですよ」

 「ナチュラルに心を読まないでくれるかな!?」

 「のどちゃん……」


 優希ちゃんの眼差しが生やさしいんだけど、和ちゃんわかっているのかな……。


 「さて、結婚するにはどうしたらいいか教えて下さい」

 「のどちゃん。私も未婚だじぇ」

 「和ちゃん。私に聞いても仕方がないってわかってて聞いてるよね!?」


 自分で言うのもアレだけど、私は京ちゃんがいないとお姉ちゃんみたいになってたと思うよ!

 こう、喪女一直線というか、結婚とは懸け離れた人生を送っていたのは間違いないと思う。


 「合コンとかすればいいんじゃないかな」

 「そうそう、のどちゃんは美人なんだから合コンでもすれば一発だじぇ」


 和ちゃんは焦っているみたいだけど、女の子でも見惚れる美人さんなんだからそんなに焦る必要はないと思うんだ。

 そのがっつきっぷりを隠してにっこり笑っていれば男の子なんて一発で落とせると思うんだけど……。


 「その、友達に誘われて何回か行ったりしたんですが、どうもうまくいかず」

 「えー。そのおっぱいを使えば一発だと思うんだけどなー」

 「なんか和ちゃんが何をしたのか聞きたくないんだけど」

 「ふ、ふふふ。もう合コンなんて真っ平御免です」


 いや、本当に何をしたの……。


 「和ちゃんのおっぱい使えばうちの旦那だって一発で落とされちゃうもん」


 あーあ、京ちゃんはおっぱい星人だもんなー。

 ……あれ、何で二人ともジト目でこっち見てるの?


 「やっぱり女の子には憧れのシチュエーションがあるんですよ!」

  女の子の憧れシチュって言ったら、やっぱり壁ドンです!

  いいですよね! ドキドキします!

  痛くない程度で、でも女の子じゃ抵抗できないくらいの力で片腕を押さえつけられます。

  そこから、こう、残った片腕で顎をクイっと持ち上げて強引にキスされたいです!」

 「のどちゃんが合コンで引かれた理由がわかった気がするじぇ」

 「私も思った」


 和ちゃん……。どうしてこうなった。

 お酒に弱いんだね……。最近はお酒を飲んでいなくてもにたようなテンションな気がするけど。


 「でもわかる気がするじぇ。

  無理やりされたいーってのは女の子の憧れだじょ」

 「そうですよね! 無理やりベッドに押し倒されるなんて憧れます!

  もちろん好きな人に限ります!」

 「うん、それはわかるよ。

  やっぱり女の子はみんなそう思うよねー」

 「ここぞというときにヘタレたり、鈍感だったりするとその時点で男として見れなくなりますよね!

  いわゆる草食系男子はダメです! 肉食とは言わなくてもリードはして欲しいです!

  まぁそんなシチュエーションなんてないんですが!」

 「咲ちゃんなら経験あるんじゃないか?」

 「えー」


 優希ちゃん。そこで私に振る?

 どう答えても和ちゃんの逆鱗に触れる気がするんだけど!

 ……ってニヤニヤしてる。確信犯だった。

 肉食ねぇ。うーん……。


 『俺は、咲のことが好きだ』

 『俺は咲と一緒にいたいんだよ!』

 『そんなの知らない!

  気づいた時だよ!

  お前と離れたくないって思ったら、言うしかなかったんだ!』

 『離れて行って欲しくないんだ。

  咲っ! 付き合ってくれ!』


 『だから、さ。恋人らしいことをしたいんだ』


 『や、やめてくれ。

  家に妻がいるんだ!』


 『仕事でいろいろあって、疲れてきて、もうダメかなーって思うと咲が好物を用意してくれてるんだ。

  本当に感謝してるんだよ。

  咲ー、愛してるぞー!』

 『下着もかわいいじゃん。期待してたんだ』


 「ふぇっ」

 「咲ちゃん顔真っ赤」

 「何を妄想したんですか!

  これだから既婚者は! 羨ましいです!」

 「ち、ちちちち違うもん!

  別に無理やりベッドに押し倒されたりだとか! 壁ドンから顎クイだとか! スカイツリーで強引な告白なんてされてないもん!」

 「のどちゃん、どう思う?」

 「有罪ですね。

  のどっちのどっちの刑に処します」

 「何なのそれ!?」

 「聞かないほうがよさそうだじぇ」


 え、ちょ、和ちゃん何する気なのかな!?

 そんな手をわきわきさせながら近づいて、ちょ、やめ……!


 「痛くしませんから! 優しくしますから!」

 「咲ちゃん自業自得」

 「理不尽だよっ!」


 この後、死ぬほどくすぐられました。カン……。