……須賀咲ちゃんです。京ちゃんが昨日の事件で風邪を引いちゃいました。

 結局、京ちゃんとお父さんがすぐにでて女の子三人でお風呂、男組が次から入るって感じでした。

 お父さんは大丈夫だったんだけど、最近疲れていた京ちゃんが倒れちゃった。

 そんなに辛くないから会社行く、って言うんだけど、あれは嫁さんセンサーだと38.5度くらいあるよ!

 先回りして会社に休む連絡をとって、ベッドで寝てる京ちゃんに近づきます。


 「熱計ったでしょ。

  ほら、見せて」

 「……もう消しちゃったけど、微熱だった」

 「見 せ て」


 咲ちゃん本気でおこだよ。

 お嫁さんはなんでも知っている。京ちゃんが心配させないように微熱って言ってることもわかってる。

 そして、京ちゃんの性格からして、体温計を隠すことは出来ても消すことが出来ないことも知っている。


 「38.7度。さっきよりちょっと上がってる」

 「……」

 「病人は嫁さんの言うことをよく聞いて寝てなさい!」

 「……ありがとう、咲」


 さぁて、咲ちゃん今日は大変だ! 頑張るぞ!


 まず朝、全員分の朝食を作る。京ちゃんのはおかゆで別枠。

 お父さん、お母さん、お姉ちゃんのお弁当を作る。一緒に子供たちにもご飯をあげちゃう。

 三人を見送る。京ちゃんに卵粥を持って行ってあげる。あと生姜だね!


 「はい、あーん」

 「あーん……」


 京ちゃんが意識朦朧としてて、胸が痛いよ……。

 全部食べさせたあと、自分の頬を打って気合入魂! ……いたい。

 食器の片付けと洗濯物を片付け、コンビニから氷嚢とポカリを買ってくる。

 タオルで包んで首に通す。……市販薬は一応飲んでくれたみたい。

 あとでお父さんが早めに帰ってくるから番号札だけでも取りに行かないと……。

 寝てる京ちゃんの掌をずっと掴んでいてあげたい衝動を無理やり抑え、洗濯物を干すよ!


 「ん……」

 「京ちゃん」

 「ふら、ふら、する」

 「そこに携帯置いておくから。ポカリも同じとこ

  病院の番号札だけ取りに行っちゃうから、ほんの少しだけ待ってて!」


 急いで用意して、京ちゃんの保険証と診察券を持った!

 あ、あと一つ! 子供に伝言!


 「今お父さん、とっても疲れて寝てるから、騒がないであげてね」


 二人とも泣きそうな顔で何度も頷いてる。よし、いい返事だ!




 うう、なんで病院はあんなに混むんだろうね。

 それにお年寄りが9割以上で、コミュ症咲ちゃんにはちょっと怖かった。

 平日でも病院はすごく混みます。なので予め番号札だけはもらわないと。

 ばたばたしつつ、京ちゃんと子供が心配で急いで帰る。タクシー代はへそくりから!


 帰ったそこには、思いもよらない光景が広がっていました。

 寝てる京ちゃんに離れないように涙目でくっついている子供二人。

 一人は右手、一人は左手をギューって掴んで離さない。

 でも騒いではいけないとわかっているのか、声を出さずに抑えてる。

 私の顔を見たら安心したのか、私に抱きついてきた。頭を撫でてあげる。


 「……さきか?」

 「京ちゃん、帰ったよ。

  あと二時間後くらいにちょっとだけ頑張ろう?」

 「……わかった」


 京ちゃんにポカリを飲ませ、私も一休憩。

 子供たちが泣きそうな顔をしているので、部屋を移して休憩しながらかまってあげる。


 「帰ったぞー」


 二時間後、半休をもらってお父さんが戻って来る。

 本当に申し訳ないけど、京ちゃんが倒れたのはお父さんにも原因があるんだから許してもらうんだ!

 子供をお父さんに任せて病院に再出発。

 京ちゃんはがっつり着込ませてなるべく寒さを感じないように!



 そうしてなんとかかんとか病院で薬を貰い、家に帰ってきました。

 お母さんも少し早く帰ってきてくれてたみたいで、これで安心。

 お姉ちゃんは仕事の都合上早帰りが出来ないので、心配してるんだろうなぁ。

 えへへ、こうしてみんなでみんなをフォローするのが「家族」って感じがして、いいなぁ。


 「咲、ありがとうな」

 「どーいたしまして!

  ……もう倒れたら、いやだよ」

 「……ごめん」


 まぁ倒れた原因は傘持ってなかったことだったり、風呂で修羅場ったのが原因なんだけれども、嫁さんを心配させたって時点で関係なくなるからね!

 京ちゃんも夜にはなんとか回復、次の日の朝には完全に熱が下がっていたので、半休をとって昼から出勤していきましたとさ。

 カン……、ってあれ?


 子供たちが心配した目でこっち見てる。

 ふふふ、もー、仕方ないなぁ。


 「お父さんはもう大丈夫!」


 ぱあっと笑顔になる! 大人がこう言ってくれないと安心できないんだよね!

 京ちゃん。次の休みは、子供たちの相手をちゃんとしないといけないよ?

 ……でも本当に、倒れちゃやだからね。本当にカン!