京太郎「壁ドン?」

ダヴァン「そうでス。日本のカートゥーンで人気だト聞きまシタ。どんなものなんですカ?」

京太郎「ええと、こう、女性を壁際に追いやって……追いやる? 兎に角壁際に立たせて、こう、男性が女性に迫るように片手で壁をドン、と」

ダヴァン「……」

京太郎「……分かりました?」

ダヴァン「ぜンぜン。言葉で言われてもさっぱりでス」

ダヴァン「実演して貰ってもいいですカ?」

京太郎「実演、ってダヴァンさん相手にですか?」

ダヴァン「ンー、それもいいでスが、一度どんなモノなのか傍目から見てみたイですネ」

ダヴァン「折角ですかラ、次に部室に入って来タ人にやって貰っテもイイですカ?」

京太郎「此処の部員は冗談通じる人……だよな。……まあいいですよ。あ、でも流石にコーチ相手にはちょっと」

ダヴァン「目上の人にするのは無礼なンですカ?」

京太郎「いや、そういう訳でもないんですが、こっちの精神力が死にます」

ガラガラッ

智葉「おはよう。……む、二人だけか」

ダヴァン「おー、オハヨーゴザイマスサトハ」

京太郎「……オハヨウゴザイマス辻垣内先輩」

京太郎「……次に部室に来た人、ですか?」

ダヴァン「次に部室に来た人、デスネ。コーチにはちょっと、だけどサトハはOK、ですよネ?」

智葉「……一体何の話だ?」

ダヴァン「サトハは壁ドン、って知ってますカ?」

京太郎「ちょっ!?」

智葉「壁……何? いや、生憎だが知識にないな」

ダヴァン「女子の憧れのシチュエイションだと学んだんですガ、キョータローに実演して貰おうと思っていたんでス。サトハ、ちょっと協力してくれませんカ」

智葉「……ふむ。部活の時間まではまだ多少あるな。いいだろう。京太郎、私はどうすればいい?」

京太郎「……いいんですか?」

智葉「構わない。さ、どういうものだ?」

京太郎「ええと、それじゃあちょっと壁際に立って貰って」

智葉「こうか?」

京太郎「はい、そんな感じで。……失礼します」ドンッ

智葉「……これは?」

京太郎「これが壁ドンらしいです。壁に手を突くことで、男らしさとか、積極的に迫られるのが好きな女性は憧れるとかなんとか」

智葉「成る程。……で、これだけなのか?」

京太郎「これだけって?」

智葉「男らしさや強引さが全くもって感じられない。……ああ、そう落ち込むな。説明しながらだから必然そうなるさ」

智葉「……そうだな。よし、京太郎、ここから強引に口説いてみろ」

京太郎「!? いやいやいや、何を言ってるんですか!?」

智葉「芝居だ。そう深く考えるな」

ダヴァン「面白そうですネ! 是非見てみたイでス!」

智葉「……だそうだ。何、安心しろ、ある程度の無礼は許す」

京太郎「えぇ……マジですか……分かりましたよやればいいんでしょう!」

京太郎「んんっ! それじゃあ……本当に怒らないで下さいよ?」

京太郎「……智葉、俺の女になれよ」

智葉「……」

ダヴァン「……」

京太郎「……」

京太郎「うっわあああああ恥ずかしいいいいいなんかもうすいませんんんん」

智葉「今のは40点くらいだな」

京太郎「もうそんだけ評価して貰っただけで十分す……」

智葉「もう少し強引さが欲しかった。例えば」グイッ

智葉「こんな風にだ」ドンッ

京太郎「……えと、先輩? さっきと立ち位置逆なんですけ……んむうっ!?」

智葉「んっ……ふぅ……ん……」チュウッ

京太郎「んっ!? んんんん~~!!??」

京太郎(口っ、キスっ!? ってか舌っ!?)

智葉「あむっ、んふっ、ちゅるっ、んぅ。……ぷはっ」

京太郎「」ビクンビクン

智葉「……京太郎、お前は私のものだ」

ダヴァン「Oh……」

智葉「……これくらいの強引さが欲しかったな」

ダヴァン「キョータロー! ハイ! 次! 次ワタシと実演しまショウ!」

カンッ