高校を卒業してから7年の月日が過ぎ去った。

4年間は大学で経済と経営について、残りの3年間は龍門渕さんのところで人の上に立つ者

としての振る舞いを学んだ。

でも、それだけの時間では麻雀への思いは消せない。一か八か親父にプロ雀士になる夢を

告げた。

そうして、返って来た答えは―――

京太郎「結婚したら雀士を止めろ?」

須賀父「正確に言えば結婚するためなら雀士になってもいい」

京太郎「......え、どういうこと?」

須賀父「あれだ、プロなら知名度もあるし広告にはうってつけだろう」

須賀父「まあ、お前がもてるとは思っとらんし、どれだけ待たされるんだろうな」

はっはっは、と豪快に笑う親父。つまり雀士になる名目を与えてくれたのであろう。

京太郎「親父......」

素直じゃない親父の厚意が身に染みる。

せめてもの親孝行に自信が広告塔になれるくらい有名になってやろう。そんな決意を胸に

秘めるのであった。

だが、現実は甘くない。

アラサ―と呼ばれるようになったかつての先輩たち

「悪待ちしすぎたかしら......。こっちから攻めるのもありね」

「あったかい人、どこかにいないかなぁ」

「ダル...。主夫でも見つければ......」

三十路に突入した淑女ども

「カツ丼食ったくらいで...。いいだろ別に!」

「そろそろ、フィアンセくらい居ないとバッドですかね」

「どんな男がいいんだ!?わっかんねー」

そして、最凶の―――

「婚姻!」

「はやりと一緒、嬉しいよねっ☆」

「アラフォーだよ!」

果たして、麻雀と貞操守りきれるのか―――



京太郎「雀士、寿引退します」