「ふふん、心配なさんな。私は小3の頃からマメすら出来ない、ニワカは相手にならんよ」

「そ、そうですよね先輩!」

「………」

コンビニの前で景気よく手を見せ彼女はそう宣言した。
その立ち振る舞いは立派なもので見るものを魅了するカリスマが確かにあった。
現に後輩の2人も尊敬の眼差しで彼女を見る。
そんな彼女たちを見て京太郎はやっちまったなと思いながら手で顔を覆った。


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「それじゃお疲れ様でした!京太郎も」

「おーぅ初瀬も気をつけろよー」

同級生の彼女が元気よく此方に手を振り走っていく。
それを京太郎とやえは手を振り笑顔で送った。

「………」

「………」

見送った後、二人は並びながら無言で歩く。

「ど……」

「………」

暫く歩いているとやえが声を出す。
その声は心なしか震えている気がした。

「ど、どどどどどうしようか!京太郎!!」

「知らんがな」

やえは、急に取り乱しあわあわと涙目になりながら手を大きく振り出す。
小柄の小さい体を命一杯伸ばし京太郎に緊急事態だと伝えようとしているのだろう。
それに対し京太郎はやっぱりかとため息をついた。

「あれだけの事言ってさ、勝つ秘策でもあるのか?」

「あ、あるわけ無いだろ!麻雀は運の要素が強いんだ、秘策なんてあるわけ無い!」

自信満々に胸を張りながら答える幼馴染を京太郎は冷ややかな眼で見る。
昔からこうなのだ、本当は臆病で自信が無い癖に人前だと虚勢を張る。
そしていつも痛い目に合う…まったく懲りてなかった。


「あうあう…」

「はぁ~」

重圧に耐え切れなくなったのかやえは眼を回し震えだした。
京太郎はしょうがなくやえに近づき、ぎゅーと抱きしめる。
やえの体温が京太郎にも伝わった……反対にやえにもだ。

「ぐすん、もっと強く」

「はいはい」

昔から何かで失敗したやえをこうして慰めるのが恒例となっていた。
京太郎自身やえに抱きつけるので役得だと思ってたりする。

「ほら…やえは今まで誰よりも頑張ってきたんだから大丈夫だよ」

「ほ、本当か?」

京太郎の腕の中で涙目のやえが上目遣いで見てくる。
そんなやえに少しばかりドキっとしながら京太郎は優しく頭を撫でた。

「いけるいける」

「……そうだな、私達は王者だ!王者が負けるはずが無いな!!」

(あ…調子こいた)

自信がついたのかやえは京太郎から離れ、大きく胸を張り両手を腰にあて宣言する。

『ニワカは相手にならんよ!』

「うるせーぞ!!」

「ひぅ…ご、ごめんなさい」

近所の人に怒られる彼女を見て京太郎は不安がました。


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「うわぁぁ~~~ん、ぎょう゛だろ゛う゛」

「ですよねー」

後日、大会にて見事にフラグを回収するのであった。

カンッ