憩「おそいで、京太郎くん」

京太郎「えっ?憩さん?どうして……ここに?」

憩「へっへー、ウチだけやないでー」

照「……寒い」ガクガク

郁乃「レディーを待たせるなんて悪いオトコノコやな~」ムギュッ

エイスリン「京太郎、ハヤク!」

咏「掃除なら言えば手伝ってやったのによ~」

霞「まあまあ、京太郎くんも来たことですし、仲良く帰りましょうね」


 清々荘のみんなが、待ってくれていた


京太郎「みんなでお迎えなんて豪華っすね」

照「今日は帰ったらクリスマスパーティーだから」ムフー

郁乃「京太郎くんがおらへんやったら始まらんやろ~?」ムギュー

京太郎「い、郁乃さんは背中に抱き着くのやめてください」

郁乃「お姉さんの温もりが味わえるんやから満足やんか~」フニュッ


 温もりとか意識したら、背中の柔らかい感触が……

 とか思ってる間に、前からも何かが抱き着いてきた


咏「早く歩けよなー」ギュッ

京太郎「赤ん坊かよ……誰か助けてー」

憩「ほなウチは右手もらうなーぁ」ギュッ

エイスリン「ヒダリテ!」

照「……霞、私は?」

霞「照ちゃんは私と手を繋いでいきましょうか」

照「ありがとう」ジワッ

京太郎「ちょ、なんで涙目になってんの」

照「決して京が構ってくれなくて悲しいから泣いたんじゃない、目が乾いただけ」

京太郎「はいはい」










 ふと空を見上げると、そこは星で満ちていて、目を凝らしてみれば一条の光が流れたのが見えた


京太郎「……あ」

咏「どうしたんだぃ?」

京太郎「なんでもねー、早く降りろ」

咏「んだよー減るもんじゃねーんだしー」

咏「それによ、こんぐらい顔が近けりゃ……私の唇、奪い放題だぜぃ?」

京太郎「い・ら・ねー」

照「京、私のは?」

憩「う、ウチは……?」

エイスリン「…………」ジーッ


 えぇ、何この質問責め

 エイスリンさんまで物欲しげに見てるし……


郁乃「私は~さっきの流れ星にお願いしたからええかな~」

郁乃「京太郎くんも見てたやろ~?何お願いしたん~?」

京太郎「な、何も願ってませんよ!」

郁乃「え~嘘や~ん」

エイスリン「ナガレボシ?」

憩「流れ星が落ちる間に三回お願いすると叶うんやって」

エイスリン「ホント?!」

照「そんなの迷信、お子様が信じること」

エイスリン「ゥ……」シュン

京太郎「たべっこどうぶつ食べてる高校三年生が何言ってやがる」

照「たべっこどうぶつは至高のビスケット菓子」

霞「ビスケットと言えば、今日はビスケット生地のチーズケーキとショートケーキを用意しておいたわよ」

京太郎「……誰が買いに行ったんですか?」

霞「みんな試合会場に行ってたから、華菜ちゃんに頼んでおいたのよ」

京太郎「華菜……?」

照「……誰?」

エイスリン「ンー……?」

憩「そんな子、ウチのクラスにおったっけ……?」

霞「それ、知ってるって言ってるのと同じじゃないの」


 ……本当にわかんねぇ



咏「んで、何お願いしたんだよ」

京太郎「結局その話になるのかよ、ってか早く降りて」

郁乃「あ、また流れ星や~」

エイスリン「ワァ!」

照「…………」ブツブツ

憩「…………」


 思いっきりお願いしてるじゃねえか

 あ、もう一個流れた


霞「今日は多いわねー」

照「こぐま座流星群だとか、久が言ってた」

京太郎「ああ、道理で」

京太郎「え゙っ、だったら今って」

咏「もうすぐ22時ぐらいじゃねーの、知らんけど」

京太郎「ぁ……なんかすんません」

霞「そんなこと気にしなくていいのよ」

照「みんなで帰りたかったから、そうしただけ」

エイスリン「サムカッタケド!」

咏「ま、流れ星も見れたし良かっただろ」

郁乃「せやね~こうして京太郎くんにもおぶってもろてるしな~」

京太郎「あんたもいい加減降りてください」

憩「ふふっ……みんなでずっと、こうしてたいなぁ」


 言って、憩さんが眺めた星空には、幾つもの光が流れていた

 高い建物の無い三箇牧では、空は果てしなく見えて、

 みんなと繋がっていると、夜の闇も星の輝きも鮮やかに見えた


  ずっとこんな風にみんなで過ごしたい


 そう、聖夜の空を走る星に願った





霞「はーい、それじゃあみんな、準備はいいかな?」

「「「「「「「いいともー!」」」」」」」

霞「年末恒例、清々荘のクリスマスパーティーを始めまーす!」

エイスリン「カンパーイ!」

「「「「「「かんぱーい!」」」」」」

京太郎「ってかなんでチューハイとかあるんですか!未成年しかいないんですよ!」

郁乃「私の中身は大人やも~ん」フラフラ

京太郎「もう酔っぱらってる!?」

郁乃「せやから~京太郎くんに座らせてもらうで~」ストッ

京太郎「違うわ、この人いつもこんな感じだったわ」

郁乃「京太郎くんも一杯どうや?」

京太郎「遠慮しておきます!」

郁乃「も~京太郎くんのいけず~」

京太郎「行かず後家予備軍の郁乃さんよりはマシですぅー」

郁乃「京太郎くんが貰ってくれるから大丈夫やろ~」

照「」ピキッ

憩「」ピキッ

エイスリン「」ピキッ

咏「」ピキッ

華菜「ハンバーグ食べないならカナちゃんが食べちゃうぞ!」

霞「じゃんじゃん食べて頂戴ね」

華菜「カナちゃんにお任せあれ!だし!」

照「京は私を養ってくれる、郁乃のものじゃない」

憩「京太郎くんはウチの病院で一緒に働くんですーぅ」

咏「京太郎は私とプロ入りして男女のトップになるんだよ!」

エイスリン「京太郎ハ、ワタシトクラス!」

京太郎「さっきも思ったんですけど、エイスリンさんの発音上手くなってませんか?」

エイスリン「ベンキョーシマシタ!」エッヘン

郁乃「エイちゃん偉いな~ご褒美にジュースあげるわ~」

エイスリン「アリガトウ!」ゴクゴク

京太郎「いや、ちょ、郁乃さん、それって……」

郁乃「照ちゃんも憩ちゃんも咏ちゃんも~」

京太郎「ストォーップ!」



霞「今日はこれでお開きね」

華菜「御馳走様でした!」

京太郎「ご馳走様でした」

郁乃「ごちそうさま~」

霞「私と華菜ちゃんはお片付けしてくるから、京太郎くんはその子たちの片づけをお願いね」

京太郎「えぇぇ……」

憩「きょぉたろぉくぅん……きもちぇぇで……」

照「すぅ……」Zzz

咏「だからそこで私が言ってやったんだよねぃ、にょれろーんってよ!」

憩「もっとぉ、もっと突いてぇ……」


京太郎(照は寝ちゃてるし、咏は狸の置物に話しかけてるし、憩さんの夢も気になるし……)

エイスリン「京太郎、ンー」ズイッ

京太郎(エイスリンさんはずっと俺にキスしようとしてきてるし!正直魅力的過ぎてたまんないんだよ!天使か、天使なのかこの人は!)


咏「お前も話聞いてばっかじゃねーで何か話せよー!」ドカバキ

照「ぐごー」ポリポリ

憩「おなかのなか、いっぱいやぁ……」

京太郎(咏、なんであいつ置物と喧嘩してんだよ……照は服がめくれてアレだし、憩さんはもう既にアレだ)

エイスリン「京太郎ぉー」ズイーッ

京太郎(そういや、俺今夜この人と寝るんだよな……)

京太郎(え?このキス魔と化したエイスリンさんと同じ布団ってぇことだよ……な)

京太郎(そんなん間違いが起きてもおかしくないよーな……)

京太郎(イヤイヤダメだ、ありえないだろ!)

京太郎(明日の朝からどうすればいいのかわっかんねーよ!)

京太郎(エイスリンさんのことは好きだけど、同じくらいに照も憩も咏も郁乃さんも好きだし、良子さんとかも……)

京太郎(誰か一人だけなんて選べない……よな」

郁乃「せやったらみんなを選べばええや~ん」

京太郎「ああ、そうかみんなでいいんだ!」

京太郎「みんなで暮らしてみんなでずっと幸せにいれば誰も不幸にならないよな!ハーレム万歳!よし、俺の将来決定!」

郁乃「おめでとさ~ん」

京太郎「ってちっがーう!」

京太郎「何それハーレムとかどうなのよ人間として!非常識にもほどがあるだろ!大体なんで俺の思考に語りかけてきてんですか郁乃さん!」

郁乃「まあまあ、この際みんな寝とるんやからお持ち帰りすればええやんか~」

京太郎「それは本当のゲスの考えです」




霞「あら、もうみんな運んできてくれたのね」

京太郎「照は涎垂らして、咏は暴れて、憩さんはエロかったです」

京太郎(エイスリンさんに首元にされたときはヤバかった……)

霞「京太郎くんには、将来の夢はあるのかしら」

京太郎「夢は……特にまだ」

霞「それなら、選択肢の一つとして考えていてほしいのだけど……」

霞「将来、ここに住んでみないかしら?」

京太郎「そっ、それはつまり霞さんと同居ということでよろしいのでしょうか!」

霞「そうじゃなくて、私の代わりに、ということよ」

京太郎「霞さんの代わりにここの大家さんになれ、ってことですか?」

霞「そういうこと、姫様が正式にお世継ぎになられたら、六女仙の私は呼び戻されることになっているの」

霞「ここ、案外住み心地もいいから、どうかしら?」

京太郎「では……一応考えておきますよ」

霞「よろしくね」

霞「あ、あと……」

京太郎「何ですか?」

霞「あの子たちの気持ちも、答えてあげるようにね」

霞「もう、気づいているんでしょう?」

京太郎「……あそこまで露骨にされれば気づきますよ」

京太郎「俺って、結構気遣い得意なんで」

京太郎「あっち側の気持ちはわかってるんですけど、俺がそれに応えられるかどうかわからなくて」

京太郎「女の子が泣く顔なんて、見たくないんですよ」

霞「気障な台詞ね」

京太郎「昔、ちょっとあったんで……」

霞「まあいいわ、話はそれだけよ」

霞「明日からは当分部活無しだから、ゆっくり休んで頂戴」

霞「それじゃ、おやすみなさい」





 俺は惚れやすい男だ

 照に笑いかけられれば胸がざわつく

 初めて出会ったときの憩さんの笑顔がいつまでも忘れられない

 咏がいない授業がとてつもなく退屈だった

 エイスリンさんの悲しそうな顔なんて、考えるだけでも嫌だ

 郁乃さんの悪ノリに付き合うのがたまらなく心地よかった

 良子さんや、怜さんや、咲、淡も

 たった八か月で惚れたのが九人もいるんだ、これを惚れっぽいと言わずして、何と言えばいいんだろう

 そして、俺の勘違いでなければ、みんなは俺に好意を持っている

 ……こう言うと、ナルシストみたいだけれど

 いつかはこの気持ちを整理しなければならない

 いつかはみんなの気持ちに応えなければならない

 ずっとこの関係のままでいたいけれど、いつか誰かいなくなる

 来年の春には照とエイスリンさんがいなくなって、再来年には憩さんが……

 みんなを繋ぎ止めるのに、どうすればいいのかはわからない

 我ながら都合がいい考えだとは思う、ただの夢だ

 それでも時は進むし、人の心は変わっていく

 わからない未来や変えられない過去より、確実で、変えられる現在

 俺はまだ、その夢を頭の片隅に置いて生きるしかない

 俺には過去から未来を予想をする力も、暇もない、それほどまでに今を生きるのに精一杯なんだ

 だから、俺は――――


京太郎「エイスリンさーん、入りますよー」


 漢になる!

 エイスリンさんは制服のまま布団の上で既に寝ていた

 パーティーの途中で「アツイ……」と言って外していた第一ボタンと第二ボタンのおかげで白い上着の間からは肌色が覗いていて

 横向きに寝転がっているものだから、こちらからはエイスリンさんのハイソックスに包まれたふくらはぎと太もも、そしてめくれかかったスカートが見えていた

 Q.彼女は天使ですか?

 A.いいえ、女神です

 女神なら襲っちゃあいけないな、うん

 どれだけ今のエイスリンさんが性的であろうとも、漢として絶対に我慢しなければいけないのだ

 霞さんにバレれば一巻の終わりであることは間違いない

 何はともあれ、このままエイスリンさんを寝かせておけば風邪を引いてしまうかもしれないので、起こしてみる

 鎖骨の上辺りを叩いて、優しくエイスリンさんに呼びかける

 これは中学の頃に救命講習で教わったものの応用技で、これを使えばほぼ確実に相手は起きてくれる必殺技なのだ

 二回目に呼びかけたところでエイスリンさんが徐に瞼を開けた


エイスリン「京太郎……?」

京太郎「制服で寝てたら風邪引きますよ」

京太郎「俺もシャワー浴びてくるんで、その後で一緒に寝ましょう」

エイスリン「ネ、ル……?」


 エイスリンさんは可愛らしく小首を傾げて思案すると、急に頬を赤らめて小さく口を開いた


エイスリン「京太郎……イッショニ、ハイル?」


  Q.彼女は天使ですか?

  A.いいえ、女神です






京太郎(いかんいかんいかんいかん!)シャアー

京太郎(エイスリンさんに魅せられたら駄目だ!)シャァー

京太郎(間違いなど起こしてたまるものか!)キュッ

京太郎(お互いにシャワーを浴びる、ということで逃げてきたけど……)

京太郎(風呂上りのエイスリンさんの隣で寝れるのか、俺?)

京太郎「」ブルッ

京太郎「……寒いな」

京太郎「パジャマ、パジャマー……」

近藤さん「…………」

京太郎「……………」

京太郎(……あー、買ったなー、こんなの)

京太郎(間違えて買っちゃったんだよなー)

京太郎(まあ、二度あることは三度あるって言うし、俺とエイスリンさんが間違いを起こすことだって十分有り得るわけで)

京太郎(だったらこいつを持って行っても悪いことは無いよね!)

京太郎(って、あるから!悪いこと思いっきりあるから!俺悪いことする気マンマンじゃん!下心しかないじゃん!)

京太郎(近藤、お前の出番はまだ後だ……)

近藤さん「…………」

京太郎「…………」

近藤さん「…………」

京太郎「…………」



京太郎(迷う!)



 近藤さんと共に、俺はまたエイスリンさんの部屋の扉を叩く

 年末ともなると、寒さは日に日に増していくばかりで、夜であれば殊更のものだった

 俺は自分自身の深層心理を悟り、近藤さんをポケットに潜めていた

 使わない、使わないけどね

 三回目のノックをしようかとしたところで、シャワーを浴びていたら返事ができない、ということに気付き、ドアを開ける

 部屋にはシャンプーの香りが漂っていて、奥の浴室からはまだシャワーの音が聞こえる

 自室から持ってきた布団をエイスリンさんの布団の隣に敷いて、エイスリンさんが上がるのを待っている間、勉強机に目をやる

 机の上にあったのは国語用のジャポニカ学習帳と漢字ドリルだ。名前欄には不慣れな平仮名で持ち主の名前が書かれている

 内容は気になったが、見るのは紳士的でないのでやめておくことにする

 特にすることもないので、布団の上で寝転がり、今日の出来事を整理する

 朝は郁乃さんを連れ戻すために謎の組織のアジトに乗り込んだ

 昼はエイスリンさんと遊んで、この約束をさせられた

 それからプロ・アマ交流戦が始まり、俺たちは見事優勝することができた

 そして、華菜さんを除く清々荘のみんなで帰って来た

 クリスマスパーティーはどんちゃん騒ぎで、霞さんの手料理はいつも通りおいしく、郁乃さんの酒で照たちは酔っ払いと化した

 などと思い出していると、耳元にゆっくりと足音が近づいて来たので目を開けて声をかける


京太郎「エイスリンさん……っ!?」

エイスリン「……?」


 とろん、と微睡んだ眼で俺の顔を見下ろすエイスリンさんは、桃色の下着以外に何も纏っていなかった




京太郎「どうしてあなたは下着しか着けてないんですか!」

エイスリン「ふぁ……」

京太郎「聞く気ないだろこの人」

エイスリン「京太郎、エランデ……」


 いや、選んでって言われましても……

 とりあえずタンスの中身を見てみよう



京太郎「普通のパジャマに、猫耳つきの可愛いパジャマ」

京太郎「んで、これは確か、ネグリジェ?にベビードール?」

京太郎「……すっけすけじゃねえか」

京太郎「エイスリンさん?これらは一体どこで買ったんですか?」

エイスリン「……イク……ノ……」ウツラウツラ

京太郎「やっぱりか……」

エイスリン「きょうたろ、きょうたろ……」クイクイッ

京太郎「どうしました?」

エイスリン「きょうたろうノY-shirtキタイ……ダメ?」

京太郎「えっ」

京太郎「えっ」

京太郎「……えっ?」

京太郎「Yシャツって俺の、ですか?」

エイスリン「……」コクン

京太郎「了解……です」




 部屋からYシャツを持ってきて、下着姿のエイスリンさんに着せてあげた。もちろん、心臓に悪いのでボタンはしっかり締めた

 エイスリンさんの酔いは大分醒めてきたらしいが、眠そうで蕩けた顔をしている

 その蕩けた顔で微笑みながらドライヤーや歯磨きを頼まれて断る男はいないだろう、少なくとも俺はそうだった

 組んだ脚の上にエイスリンさんを乗せてドライヤーをかけている間、ゆっくりと左右に傾く頭が可愛かった

 膝の上に頭を乗せて歯磨きをしてあげているときも、「アー」「イー」と声を出しながら歯を開く様子が可愛かった

 子どもができたらこんな風なものなのかな、と将来の家庭を想像しながらエイスリンさんを寝かしつける

 将来の嫁さんと、寝かせたわが子を挟んで、他愛もないことを話して、一緒に笑って寝る

 ああ、いいな、これ最高、最高に平和


京太郎「まあ、こんなこと考えても寝れるわけないんだけどな……」


 隣のエイスリンさんが立てる静かな寝息が耳にほのかに触れてくすぐったい

 それ以上にエイスリンさんは寝ながらも俺の右脚に両脚を絡めて来ているのがまずい、非常にまずい

 エイスリンさんの太ももは竜華さんほど肉付きが良いわけではないのだが、丁度よく柔らかく、丁度よくすべすべしていた

 女の子の肌を触るだけで興奮してくるのってなんだろうねあれ

 とりあえず、もう一度適当なことを考えながら寝ることに挑戦する

 テーマは巨乳と貧乳の感度について、よし、頑張ろう




京太郎「寝れない……」


 かれこれ一時間ほど思考を続けた結果


京太郎(それならエイスリンさんの胸を触れば済むんじゃないか?)

京太郎(触っただけで起きたら感度良好、B地区まで触っても起きなかったら感度悪し)


 という疑念を持ったまま眠れずにいた

 体力的にも精神的にもすっかり疲れているはずなのに何故眠れないのか

 ……そういうことを考えてる時に限って眠くなってくるんだよね



 腰のあたりに重みを感じたので、目を見開く

 窓からは優しい月明かりが注ぎ込まれているおかげで眼が部屋の暗さに慣れるのにそう時間はかからず

 重みの正体も、すぐに目視することができた


京太郎「……エイスリン……さん?」


 俺の腰に乗っていたのは、裸Yシャツのエイスリンさんだった



京太郎「えっ、ちょっ、何すか」

エイスリン「京太郎ハ……ワタシ、スキ?」


 胸が、チクリと痛んだ

 その問いにしっかりと答えられない自分に嫌気が差す


京太郎「……まだ、酔ってるんですか?」

エイスリン「ソウ、カナ……」


 エイスリンさんの秘所が、俺の息子の上で少し動く

 布越しで




京太郎「俺だって男なんですから、襲われたって知りませんよ」

京太郎「いいですか、エイスリンさん」

京太郎「そうして誘っていいのは、あなたの彼氏に対してだけ、です」


 淡のときのような二の鉄を踏まないように、エイスリンさんを説得する

 このままでいれば、彼女を襲ってしまいかねないからだ

 俺の気持ちを隠しながら、突き放すように言う


エイスリン「…………」

京太郎「布団に入らないと、風邪引いちゃいますよ」


 肩を抱いて、そう促す

 月光に照らされたエイスリンさんの顔は、憂いを浮かべているように見え、気づかぬ間に、その顔が近づいてきていた

 閉じられたエイスリンさんの目が迫ってくる

 そして、エイスリンさんの柔い唇が、俺の唇と繋がった

 背中の力を抜いて、布団に倒れこむと、繋がっていた唇が離れる

 気付くと、胸の上ではエイスリンさんがまた寝息を立てていた


京太郎「……寝ぼけてたのか」


 状況を確認、納得、目を閉じて、俺もまた眠りに落ちていった



 こうして、俺の長い一日が終わった

【冬休み 11日目】終








番外編の【12日目】


 野菜を刻んだ包丁がまな板を叩く音

 鍋の中で沸騰するお湯の音

 測定が終わったことを知らせる体温計の音

 それに表示された数字を見て嘆息する音



 エイスリンさんよりも先に目覚めた朝、俺は風邪を引いていた

 頭に痛みが走り、喉が焼けるように痛くて、寒気がして、頭が熱くて、なんかもういろいろと酷かった

 とりあえず最後の力を振り絞ってエイスリンさんが起きないように自分の部屋まで撤退したわけなのだが……





憩「何度やった?」

京太郎「38度2分です」

憩「酷い声やねぇ、昨日は夜更かしでもしてたん?」

京太郎「いや、寝付けなかっただけですよ、けほっ」

憩「無茶はせんようにねぇ」

京太郎「わかってます、けほっ、けほげほっ、げほっ、ぐへおぁっ!」

憩「風邪のときは生姜を煎じたお茶を飲めば、身体があったまるんやで、はい」

京太郎「すいません」

憩「あとお粥と、お味噌汁やで、ゆっくり食べてな」

憩「……あ!」

京太郎「どうかしたんで、けほっ?」

憩「えっとな……」

憩「あ、熱いから、冷まそか?」

京太郎「そんな、わざわざいいっすよ」

憩「喉潰れてるから何言ってるんかわからないで」

憩「ほな一口目……ふー」

京太郎(憩さんの顔、こんなに近くに)

京太郎(顔も、唇も小っちゃいし……可愛い)

憩「はい、どうぞ」

京太郎(……そう簡単には食べさせてくれない、か)

京太郎「んっ……」モグモグ

京太郎(こっ、これは……っ!?)

京太郎「おいしい!」テーレッテレー

憩「お、おいしい?ほんま?」

京太郎「おいしいですよ、野菜も小さくて食べやすいです」

憩「それならよかったわぁ、ほな二口目やねぇ」

京太郎(一口ずつこんなことしてたらかなり時間を食うんじゃないか……?)

憩「~♪」

京太郎(朝食を食べ終わった後、俺はこうして寝かされていて、憩さんは食器を洗っている)

京太郎(そんでその尻はこっちを向いて踊っている……)

京太郎(やばっ、鼻血出そう)

京太郎(……そういや、なんか忘れてるような)

京太郎「……」モゾモゾ

京太郎「!」

京太郎(いない……!)

京太郎(近藤さんが、いないんだ……っ!)ガバッ

憩「きょ、京太郎くん?」

京太郎「すいません、憩さん」

京太郎「俺には、行かなきゃいけないところがあるんです!」

憩「風邪はひき始めが肝要なんやから、寝てた方がええって!」ガシッ

京太郎「大丈夫です、風邪は学校を休むように都合よくできているのだから!」ウゴゴ

憩「鼻声で言われても信じられんわ!」ギューッ

京太郎(……うっ、頭が)

京太郎(クラクラする……)




京太郎(倒れる……前に憩さんがいるのに)

京太郎(このままじゃ……)

ドスン

京太郎(……うわーい)

憩「京太郎くん……大丈夫?」

京太郎「あはは……」

京太郎「…………すみません」

憩「何に急いでるのか知らんけど、無茶はせんようにな」

京太郎「……はい」

京太郎「痛かった、ですよね」

憩「いきなり押し倒されたら、そら痛いやろ」

憩「……まあ、京太郎くんの顔を近くで見れてよかったわ」

憩「……風邪の人、って脈が少し速くなって、呼吸も少し荒くなるらしいんやで」

憩「今のウチは、京太郎くんに負けへんくらいドキドキしてるんや」

憩「なんでか、わかるか?」




京太郎「それ……は……」

憩「…………」

エイスリン「京太郎、ドウシタノ?」

エイスリン「……ケイ?」

エイスリン「京太郎、ケイ、ドウシタノ?」

エイスリン「ダキアッテル、ミタイ」ゴッ

京太郎(エイスリンさんの背後からどす黒い何かが!?)

憩「京太郎くんが倒れてきたんやで、あはは……」

京太郎(憩さん思いっきり苦笑ってるし……ここ、退かないと)

京太郎「二人とも、そんな心配しなくても大丈夫ですから……」

エイスリン「京太郎、キノウイッショニネタ」

憩「……は?」

京太郎(あ、これアカンやつや)

憩「京太郎くん、どういうこと?」ゴッ

エイスリン「ドウイウコト?」ゴッ

憩「たーっぷり、お話聞かせてなーぁ」

京太郎「お、俺、病人なんだから、もうちょっといたわりましょうよ」

エイスリン「 」ニッコリ

京太郎「え、いや、ほんと、怖いですって」

憩「正座」

エイスリン「ハヤクシロ」

京太郎「嘘だろ……」







京太郎「もうすぐ昼か……」

京太郎「いいとも、もうすぐ終わるんだよな……」

京太郎「風邪と言えばストレッチマンと笑っていいとも、ドラマの再放送だったのに……」

京太郎「……もういっちょ寝よ」


コンコン


京太郎「……はー、けほっ、げほっ」

京太郎(誰だろ?)




霞「お昼を作りに来たわよ」

京太郎「そんなこと、しなくていいのに……」

霞「いいのよ、することもなかったからちょうどよかったわ」

霞「ほら、病人さんは寝てなさい」

京太郎「……はい」



京太郎(やっぱり霞さんの割烹着姿は安定だな)

京太郎(憩さんのエプロン姿ももちろん可愛かったけど、この年齢不相応な安定感が他とは違うんだよ)

京太郎(おっぱいは全国でも最大級……ヤれたらヤりたいよなぁ)

霞「鼻の下伸ばして、どうしたのかしら?」

京太郎「な、なんでもありませんよー」

京太郎「って、もうできたんですか?」

霞「簡単なおうどんよ、どうぞ」

京太郎「じゃあ、いただきます」ズズッ

霞「どうかしら……?」

京太郎「おいしい!いやーやっぱり……」

京太郎「霞さんの作る料理はおいしいですよ!」

京太郎「この間の鍋焼きうどんももちろん、このうどんもおいしいです!」

京太郎「黒七味も丁度よくあってますし、野菜も特にこの白菜は堅すぎず軟らかすぎずシャキシャキで、そんでもって甘い!」

霞「もうすっかり元気になってきたみたいね」

京太郎「朝から憩さんのお粥食べて、寝て、霞さんのうどんを食べたんで、元気いっぱごほっ、げほっ」

霞「食べ終わったらしっかり風邪薬飲んで寝なさいね」

京太郎「はい……」

霞「あと、りんごを剥いておいたのと、みかんを置いておくから食べて頂戴」

霞「冷蔵庫にはポカリスエットも入ってるから、喉が乾いたら飲んでね」

京太郎「本当にありがとうございます、霞さんが大家さんでよかった……」

霞「もう、現金な子ね」

京太郎「霞さんみたいに家庭的な人と結婚したいと思いました!」

霞「そう言ってしまう辺りが軽いのよねぇ」

京太郎「いやーそれほどでもー」

霞「まったく褒めてないわよ」

霞「それじゃあ私は戻るから、何かあったら連絡して頂戴」

京太郎「はーい」





京太郎「りんごおいしかったなー」

京太郎「うさぎりんごがある辺り霞さんらしいや」

京太郎「つーわけでもう三時くらいだけど……やることないなー」



昼2

京太郎「あっ!」

京太郎「近藤さんを奪還するのを忘れていた!」

京太郎「なんという不覚……!」

京太郎「なんとしてでも奪還しにいかないと!」ガチャ

エイスリン「京太郎?」

京太郎「エイスリン……さん」




京太郎(つい勢いを失ってエイスリンさんを上がらせてしまった!)

エイスリン「…………」モジモジ

京太郎(エイスリンさんは何やら落ち着いていない様子……正直気まずい)

京太郎(人差し指同士をくるくる回したり、目を泳がせたり、ときどき脚を組み替えるのは可愛い)

京太郎(でも気まずい)

エイスリン「京t「エイスリンさん」」

エイスリン「ア……」

京太郎「う……」

エイスリン「…………」

京太郎「…………」

京太郎(ちょー気まずい)

京太郎(かなり気まずい)

京太郎(めちゃ気まずい)

京太郎(字余り)

京太郎「エイスリンさん、先、どうぞ」

エイスリン「ウン……」

エイスリン「京太郎……コレ」

京太郎(近藤さぁぁぁぁぁああああん!)

エイスリン「Internetデシラベタ」

エイスリン「京太郎…………」カァァ

エイスリン「……」ウルウル

京太郎(い、今にも泣きだしそうじゃねえか……)

京太郎(多分、調べている最中に変な動画を見てしまって……)

エイスリン「……ワタシト」カァァ

エイスリン「……ワタシト、シタイ?」

京太郎「えっ」

エイスリン「京太郎……コレツカッテ、ワタシトシタカッタ?」

京太郎「えっ」

エイスリン「……ワタシ、イイヨ」

エイスリン「京太郎、ナラ……」カァァ

京太郎(何これおかしくない?普通だったら赤面ビンタになるレベルだよね!?)

京太郎(それがどうしてこんなピンク色の方向へ進んでいるの?)

京太郎(きっとどこかで郁乃さんが見張っているはず!)

京太郎(そしてドッキリ大成功とか言って飛び込んでくるはず!)

京太郎(こんな天使でも、心の裏では小悪魔なはずだ!)

エイスリン「ふぇふぁふふぁふぃふぁへへほ、ひひほ?」(滅茶苦茶にされても、いいよ?)

京太郎(小首を傾げつつ咥えゴムで誘ってくる天使なんて聞いたことねえよ……)

京太郎「え、エイスリンさん?」

京太郎「初めては痛い、って言いますし、ゴムをしてても妊娠する可能性があって、もしそうなったらお互いに損なことにしかならないですよ」

エイスリン「京太郎ノコドモ、ホシイ」

エイスリン「京太郎ノコトスキナノデ、京太郎トシタイ」

エイスリン「コレデモ……ダメ?」スッ

フニッ

京太郎(俺の右腕が、控えめな谷間にーっ!?)

京太郎(服越しだけど、Tシャツ越しだけど!)

エイスリン「ドキドキシテル、ワカル?」

エイスリン「……シテ、ホシイノ」

エイスリン「…………」カァァ

京太郎(こんな、こんなことされたら……)

京太郎(こんなの…………っ!)



 顔を朱に染めながら、自分を誘うエイスリンさんを前に、俺に理性の歯止めがかかることはなかった

 なされるがままに押し倒され、昨夜ぶりの唇に触れる

 エイスリンさんが目を閉じているのを見て、こちらも目を閉じて、軽く互いの唇に触れあう

 そんな優しい口づけを何度も繰り返す


エイスリン「っ……ヘヘ……」


 照れくさいのか、ときたま口を離した際に笑いかけてくる

 それに応えて、頭を優しく撫でてあげるとくすぐったそうにまた微笑む

 今度は俺の方から迫り、唇を触れ合わせる


エイスリン「んっ、っ……!?」


 エイスリンさんの唇に舌を這わせて、小さな蕾の中へ滑り込ませる

 柔らかくて、少しざらついている舌に、俺の舌を絡ませて、幾度となくエイスリンさんの唇の中を蹂躙する


京太郎「れろっ、んっ、ちゅっ……ぷはっ」

エイスリン「んっ…………」


 息が苦しくなってきたので、唇を離す

 下に突き出た小さな舌から、上を向く口の中へと唾液が一筋の糸となって零れ落ちる

 冬の夕日に照らされて金色に輝く糸を見て、


京太郎「これ、本当に俺たちが繋がってるみたいですよね」

エイスリン「……ウン」


 ……呟くと、またエイスリンさんははにかんで答える

 いつものエイスリンさんは元気な少女だ

 だが、最近の彼女は……俺が見る姿は、どこか物憂げで、彼女らしくないと思ったこともあった

 しおらしい彼女は正直アリだと思ったが、それと同時に、あんな彼女は見たくないとも思った

 涙を流す彼女も、下を向く彼女も、絶対に見たくないと思った

 その気持ちがきっと、俺からエイスリンさんへの好意の証だったんだろう、とようやく自覚できた

 俺は、エイスリンさんが好きだ

 ……だから、ここから先の行為には責任を持たなければならない

 自分に言い聞かせて、承諾した




 そして、ディープキスを数回繰り返したあと、エイスリンさんの肩を持ってタンマをかけた

 私と京太郎は、フトンの上で向かい合ってセイザをしていた

 二人ともハダカになって、私は恥ずかしくて京太郎の顔が見られなかった

 顔を下げていると、必然的に京太郎のコックが目に入ってしまう

 昼に見た動画を思い出して、また顔が熱くなって、逃げ出したくなっちゃう

 だけど、これに京太郎を誘ったのは私、京太郎としたいと思ったのは私だということを思い出す

 ここでは私の方が年上で、オネエチャンだから、リードしなくちゃいけないんだ

 張り切って、京太郎にヨツンバイで近づいてコックを触ると、「あっ!」と変な声が聞こえた


エイスリン「京太郎、キモチイイ?」

京太郎「エイスリンさんの手が冷たくて……はい」

エイスリン「エヘ」


 彼を悦ばせられたわずかな達成感に、思わず笑みがこぼれる

 動画で見た通り、コックを上下に扱いていると、見る見るうちに赤く、大きくなっていった


エイスリン「京太郎、イタクナイ?」

京太郎「むしろ気持ちいいですよ」


 彼に頭を撫でられるのはいつもくすぐったくて、京太郎の優しさを感じられる

 それが嬉しくて、私はいつも目を細めて笑いを返してあげる。そうすると彼も私に微笑み返しをしてくれて、それがまた嬉しいと思うんだ


京太郎「そろそろ……挿れましょうか」

エイスリン「……ウン」


 ゴムに包まれた京太郎のコックはジョーギみたいに長くて、太くて、大きかった

 これが私の中に入るのかと考えると、とても恐くて、不安になった


京太郎「ここまで濡れていれば大丈夫ですよ」

エイスリン「ひゃっ……京太郎!」


 京太郎のコック……日本語でちんちんを扱いている間に、私の……股、から液が溢れ出ていた

 そこをいきなり触られて、怒ってしまう

 私がエッチだと言うかのように、京太郎が触って来たのが恥ずかしかった……から



エイスリン「京太郎、ウゴケル?」

京太郎「できればエイスリンさんが動いてくれると助かります」

エイスリン「ワカッタ……」


 アグラをかく京太郎を抱きしめられるように、脚の上に座って対面する


京太郎「これ、対面座位って言うんですよ」

エイスリン「タイメン、ザイ?」

京太郎「はい、この体位ならお互いの顔が見れるんですよ」

エイスリン「……コレデ、ウエカラ」

京太郎「恐いですか?」

エイスリン「……ウン」

京太郎「……俺が付いているから、安心してください」

京太郎「エイスリンさんが決めるまで、こうしていますね」


 私の恐怖心と不安を察してくれた京太郎が優しく抱きしめてくれる

 オトコノコらしい硬い筋肉が私を包んでくれる

 京太郎はいつも気遣いが上手で、私に優しくしてくれる

 私は彼のそんなところが大好きなんだ

 京太郎の胸元で深く息を吐いて、上に顔を向ける


エイスリン「ガンバル!」

エイスリン「んっ……ひっ、うぅ……」


 お腹の中に、何かが入り込んでくる感じがする

 股が張り裂けそうに痛んで、とても苦しい


エイスリン「んっ、ん~~!」

京太郎「大丈夫っ、ですかっ?」

エイスリン「ダイジョウブ……んっ!」


 痛みに耐えながら、京太郎を私の奥まで迎え入れる


エイスリン「はぁ……はぁ……っ!」

京太郎「落ち着くまで、深呼吸してください」

エイスリン「っ……ふぅ……」

京太郎「……よく頑張りましたね」


 京太郎が、ずっと年下の子を褒めるようにほっぺを撫でてくれる

 その新しい心地よさに痛みもいつの間にか少しだけひいていってくれて、少しだけ楽になった

 これでやっと、京太郎を悦ばせることができるんだ


エイスリン「……ウゴクネ」


 私はそう言って、ゆっくりと腰を上下させた

 京太郎に抱かれて身体を動かすのは気持ちが良かった

 おなかの中では京太郎のちんちんが擦れ、身体がムズムズするような感覚が湧いてくる

 それに加えて、京太郎と抱き合って体を密着させているから、私の胸が京太郎の厚い胸板になすりつけられて、先端に快感が生まれる

 風邪を引いている京太郎は苦しそうだけれど、私を優しく抱きしめてくれている

 そのおかげか、京太郎の、胸の下から響く早めの鼓動と、真っ赤な唇から吐き出される荒い吐息を感じられる


エイスリン「きょぅ、たろぉ……」


 わからないようなおねだりを、京太郎に唇を向けてしてみる

 下の口では足りないから、上の口も満たしてほしい


京太郎「わかってますよ」


 私の意思が通じたのか、京太郎が私の顔を抱いて、唇を密着させる

 そのまま京太郎の舌が私の中にまた入り込んできて、私もそれに舌を絡め返してあげる

 これで完全に京太郎と繋がっているんだ

 他の誰にもしたことのない初めてを、京太郎にしてもらった

 それが嬉しくて、満足感を抱いた

 そうしてトースイしていると、唇が離された

エイスリン「っは……」

エイスリン「京太郎……ナンデ……」

京太郎「いえ……少し、俺も動けるかと思ったので」

京太郎「ここからは、俺に任せてください」


 私が答えるよりも先に、京太郎はまた、私の顔を抱き寄せた

 私たちの呼吸が共有されるのと同時に、下からおなかが押し上げられた




 京太郎の動きは激しく中を刺激して、唇の中も同じくかき乱される

 唇の間から漏れた唾液が身体の合間に落ちて、その感覚が私の快感を加速させる

 中でも、おなかの奥まで突かれのがとても気持ち良くて、次第に私も動くのを再開した


――

 傾く陽の光が満ちる部屋には、二人が奏でる水音が響いていた

 エイスリンさんの愛液が、俺の肌で弾かれる音

 舌に絡みつく互いの唾液が、唇の間から発する音

 零れ落ちた唾液と滴り落ちる汗が源となり、身体が動く度に打ち出される音



 目が滲む代わりに、聴覚だけが優れていく

 エイスリンさんの髪の匂いがしなくなっていく代わりに、皮膚に伝わる感覚が強調されていく


京太郎「エイスリンさん、大丈夫ですかっ?」

エイスリン「きょぉたろぉ……フシギ」

エイスリン「スゴク、キモチイイ……アト、チョット」

京太郎「……そう、ですか」


 腰の動きを早く、力強く、エイスリンさんの奥へと押し付ける

 ピストン運動の速さに比例するかのごとく、エイスリンさんから預けられる重みが増していく

 エイスリンさんが感じているフシギな感覚……それは……


京太郎「エイスリンさん、それ、何て言うか教えてあげますよ」

エイスリン「はぁっ、はぁ、ナ、ニ……?」

京太郎「イクっ、って、言うんです、よっ!」


 自分の絶頂とともに最後の一突きをエイスリンさんに打ち込む


エイスリン「ああっ、あぁぁぁあぁっ!」


 自分の息子が膨張し、ゴムの中へ吐き出すのを感じながらエイスリンさんも絶頂する様子を観察する

 エイスリンさんの身体は痙攣して、膣口から大量の愛液が吹き出していく

 胸にもたれかかった顔は今までにないほど紅潮して、呼吸もままならないようだ


京太郎「ッ――――!」


 頭が、くらくらする

 ああ、そうか

 ……俺


 風邪、引いてたんだっけ






ドサッ






エイスリン「はぁ、はぁ」

エイスリン「んっ……はぁ」

エイスリン「京太郎……?」

京太郎「」

エイスリン「ネチャッタ?」

エイスリン「…………」ジーッ

京太郎「」

エイスリン「umm...」



エイスリン「京太郎、ネテルンダヨネ?」

エイスリン「ソレ、ナラ、モウスコシ……」

エイスリン「ヤレルダケヤッテミヨウカ!!」




         _,、=:ニ;‐、、--――‐y、,_     ,,r;;;;''''=―--、、,_
       /´  ヽ,ヽ,.゙'l,.゙Y;--',r'゙'ヾ;'V.j   /∠,,.r_;'゙-‐-,<゙゙ヽ,'i、'‐、,
      ./_   .,,_j ゙l l,. Y/゙'ヾ、;、ノ,r;'|  /jフ,r-、ヽ、  _,,>.゙'ー;゙' ーi,. |'i,
      j.ヾ!  ト‐! | .| .|,_ ./,.〈. 〉| ./ .(゙   _>゙'゙ r''゙´'i,゙l, ,j レ! .|:|
      .|il,  __  j .j゙ .l  ト,゙',/ j.゙ r;| .レ'゙''‐ニ'''゙r''゙´ .゙l,ヽ,. ,ノ ゙ r''1.jノ
      .|.l,゙l, ゙ー゙.ノノ  / / ゙l ゙l,ヽr',r'l ゙;| .ト、,. /./´゙ヽ;.、 ノ ,゙rッ  .,Y';V
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      l,. ゙'i,  /  ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_  ゙\!.レ゙  .| Y゙
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        ゙i,. r、,,,.、,_   / ノメ、 .j |ヾヽ,゙'ー---‐'''''ヾ-、,‐'
         .゙i,ヾ'-'ニワ.  / ./ノ .V j゙ |'i,. ヽ;-‐-、,_::::__ ::..>
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      / l;::::::::::Y゙人゙l;:.    .,/,r'ニ゙   _,、r''´  ..:: ゙ヾ、     ::  ヽ,
     l  /,r:| j‐゙''l; ゙ニー‐'゙ (`l.(_,r‐'''゙´__,, ....:::::   .`ヽ、,....:::::..  ゙l,
     .!. .l゙l゙レ'>‐゙ | ト;゙i,l、ノ,r;;'ニ゙/´゙Y .,r'゙ ̄    .....::::::::::::::::::::::::.゙ヽ、:::    l,
     | 'ー;l.'i,.l゙  ,j 'シ'‐-ヘ;'V゙./  ゙l, ヽ, ......:::            ::::..ヽ,   ゙l
     .|._,rラl,.|  / ,i l,   .ノ , ゙i,   .゙ィ,.レ'                :.゙l,  .|
     / / ゙l l,゙l,/./ .l, l, ././ .゙l,゙l、  /.,ィ´ ,.r''ニ'' ヾ,            .:l, j゙
   .,rl´.'-‐ニ, .,、 L,,,,,゙l, V /   ヽ,゙'´/.|  .l゙/;=iミ;゙'i,. [        .:::::::::::::::Y゙
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 レ:'二i .i''゙゙´| .|:::::::)、V.l゙  ゙l,.゙'V /   ゙'i, ゙V゙ /ノ゙ /゙L,___,,,_   : : :: :::::l
..゙T´ .| |  ,.| .|::::::/ ゙'i,゙l,  `i , l,    〉,,.〈/  .ヽ、,,,,,、、-―‐-、ヽ、  ..:: .:/

京太郎「ふぁぁ……」

京太郎「……外、暗いな」

京太郎「時間は……もう19時!?」

京太郎「風邪のときに童貞卒業してそのまま気絶……か」

京太郎「全裸だけど布団までかけてくれてありがたい」

京太郎「……俺、エイスリンさんとヤった、のか」

コンコン

京太郎「はーゲホッゲホッ!」


咏「よっ、元気かぃ?」

京太郎「あぁ、段々よくなってきたよ」

咏「そっかそっか……ん?」

京太郎「どうした?」

咏「イカでも焼いてんのか?イカ臭えけど」

京太郎「バッ!ま、まあな、霞さんがスルメイカ持ってきてくれてたんだよ、あーおいしかったー」

咏「ほへぇー……ならいいけどよ」

京太郎「で、何しに来たんだ?」

咏「あー、そうだった」

咏「晩飯食わね?」

京太郎「おう、いいぜ、何作って来てくれたんだ?」





京太郎「へぇー、これがサムゲタンか」

咏「そーそー、一日中暇だったから挑戦してみたってわけよ」

京太郎「薬膳料理で体にいいんだっけか、わざわざ俺のために調べてくれたのか?」

咏「ちっ、ちげーよ!たまたま、たっまたま暇だったから作ってみたんだっつーの!」

咏「たまたま買い物に行こうと思ったら霞に会ってお前のこと聞いて、そんでたまたま材料が売ってたんだよ!」

咏「わかったらとっとと食えよ京太郎」

京太郎「そんなとっとこハム太郎みたいに言われてもなぁ」

京太郎「まあいいや、いただきます」

咏「なあ、美味いか?」

京太郎「まだ食ってねえよ」

咏「そうだったよねぃ~」

京太郎(何言ってんだこいつは)

京太郎「なあ、お前どうしてそんなに元気そうなの?」

咏「どうして、ってそりゃあ、まあ……」

咏「京太郎とこうしてると、夫婦みたいかな……って」カァァ

咏「あっ、ししし知らんけど!」

京太郎「あー……確かに」

京太郎「けど俺と咏の子どもってどうなんだよ、絶対小っちゃくなるじゃんか」

咏「うっせー!私はまだまだ発展途上なんだよ!」

京太郎「…………」モグモグ

咏「せめて一言返してくれよ!?」

京太郎「…………」ゴックン

咏「ど、どうだった……?」

京太郎「これは……」



京太郎「うまいな」

咏「反応薄くねーか?私の気のせいか?」

京太郎「いや、疲れたっつーか、まだ元気出ない」

咏「んーそうかぃ……」

京太郎「けど、こんな晩飯だったら毎日食べたいな」

咏「ひゃぇっ?」

京太郎「もちろんサムゲタンじゃなくて、だぞ」

咏「わっ、わーってるよ!このスカポンタン!」カァァ

咏「そんなに作ってほしかったらいつでも作ってやるよバカ!」

咏「そんときは!……そんときは……また、二人で食おうな」

京太郎「おう、楽しみにしてるぜ」ニカッ

京太郎(つーわけで食後なんだけど……)

咏「~♪」シャー

京太郎(なんかデジャブだ)

京太郎(憩さんはあの小ぶりなお尻を振ってるのが良かった)

京太郎(咏はちょくちょく背伸びしようとしてつま先立ちするのが可愛いな)

京太郎(咲とかモモと一緒だとあいつらも料理上手くて三人で作って三人で片づけてたから、こんな風に後ろから見ることはあんまなかったんだよな)

京太郎(そう考えると、新鮮だ……)

咏「あ、うわわっ!」

京太郎「……え」


咏「京太郎、危ねぇ!」

京太郎「ナ、ナベ……?」

京太郎(えっ、なんで鍋?咏は自分の部屋で作って来たんだよね、じゃあなんで鍋なんか落ちてくるの?)

京太郎(それっておかしくねぇ?)

京太郎「ずがーん」

咏「京太郎ぉー!!」

京太郎「」ピクピク

咏「京太郎、おい、京太郎!」ペチペチ

京太郎「」チーン

咏「京太郎ぉぉぉぉぉおおおおお!!!!」




京太郎(起きたら咏に泣いて謝られた)

京太郎(痛かったのは確かだけど、こっちも申し訳なかったから)

京太郎『泣き止まねえと舌入れてキスするぞ』

京太郎(って言ったらしばらくフリーズして泣き止んだ……はぅっ!)ズキッ

京太郎「たんこぶできてるよ、まったく」

京太郎(なんで今日はこんなに疲れるんだ?)


コンコン




憩「お邪魔するなーぁ」

京太郎「とはいっても、何しに来たんですか?」

京太郎「夕食ももう食べましたし、憩さんの手を煩わすようなことは何もないはずですが……」

憩「京太郎くんは冷たいなぁ、用事がないと来たらあかんの?」

京太郎「いやいや!そんなことはないっすよ!」

京太郎「憩さんがまた来てくれて嬉しいです!」

憩「ふふっ、最初っからそう言ってくれればええんやで」

憩「……ほんまは用事があって来たんやけど」

京太郎「結局あるんかい」

憩「京太郎くん、もうお風呂入った?」

京太郎「いえ、まだですけど」

憩「まだ、やったら……その、な……」

憩「身体拭くの手伝うで」

京太郎「……えっ?」

憩「ほら、京太郎くん風邪引いとるからお風呂入るのも大変やろ?」

憩「せやから、背中だけでも拭いたろか?」

京太郎「確かに……よく母さんにもしてもらったような」

憩「せやろー?そんなわけで、憩お姉ちゃんにお任せや!」



憩「ほな当てるで、熱かったら言ってな」

京太郎「ぅあ……」

憩「拭くでー」

京太郎「……おお、これは、なかなか」

憩「せやろー流石やろー♪」ゴシゴシ

京太郎「ちょっとくすぐったいですけどね」

憩「そういえば、みんなで銭湯に行ったんやって?」

京太郎「あのときは咏と憩さんがいませんでしたね」

憩「次行くときは、みんなで行けたらええな」

京太郎「そうっすね、俺は一人でゆっくりしたいです」

憩「だーめ、今度も混浴やで」

京太郎「いや、ほんと、耐えられないんでやめてください、まじで」


憩「にしても京太郎くんの背中おっきいなぁ」

京太郎「そうですかね?」

憩「ふふ……京太郎くんの背中、ウチの手でおっきくなってるで」

京太郎「微妙に言いなおした!?そしてなんで色っぽくなってるんですか!?」

憩「ふーっ」

京太郎「ふきゅっ!」

憩「あはは、変な声やなーぁ」

京太郎「そっちがいきなり息吹きかけるからでしょうが!」

憩「背中で気持ち良かったんやったら、耳にもしたろか?」

京太郎「遠慮します、次は俺の番ですからね!」クルッ

憩「あっ……」




憩「ん……」

京太郎「ん……ぅ!?」

京太郎(エイスリンさんも淡のも小さくて柔らかかったけど……憩さんのは、何か違うような)

京太郎(匂いが……歯磨き粉かな?)

京太郎(これは新鮮だな……って違うわ!)

京太郎「ぷはっ……すっ、すみません!」

憩「俺の番……って、そういうことやったんやな」

京太郎(この雰囲気は怒ってる!断言できる、ニコニコしながら怒ってくるに決まってる!)

憩「京太郎くんがその気なら、ウチやって……」



京太郎(やべっ、憩さんの手が俺の頬に!)

京太郎(これはビンタか?)

憩「すぅー……」

京太郎(ビンタなのかぁー!?)

憩「はぁぁぁぁ……」

京太郎(気合入れてるからビンタだね!)

憩「うぅ……えいっ!」チュッ

京太郎「んむっ」

憩「んっ」

京太郎(あれ、両手ほっぺに添えられてるじゃん)

京太郎(ってか、またキスしてるじゃん)

京太郎(……俺、この二日で何回キスしたんだ……?)

憩「っはぁ……」

憩「今度いきなりしたら怒るで、ええな?」

京太郎「キスしてキス仕返されるなら大歓迎です!」

憩「そういう問題とちゃうんやけど……」

憩「……まあ、これで偶然やないファーストキスになったわ」

京太郎(偶然じゃ、ない)

京太郎(ああ、そういや、校門の前で誰かにぶつかられて……)

憩「今のは今までの感謝の気持ちと、さっきのお返しやさかい、特別なんや」

憩「次は……もっと、すごい仕返しにしてまうからな」カァァ



京太郎「はい、あーん」

憩「あー……ん」モグモグ

京太郎(なんで霞さんからもらったみかんを食べさせ合いっこしてるんだ、俺たち)

京太郎(身体を拭く、という憩さんの用事が済んで、なんとなく……)

京太郎「こたつもあれば風情があって良かったですね」

憩「んふふ~ちょっとごめんなー」バサッ

憩「こうして二人でお布団にくるまる方があったかいで?」

京太郎「そんなに近づいたら風邪がうつりますよ」

憩「風邪は誰かにうつした方が早く治るらしいで」

憩「京太郎くんの風邪やったらうつってもええし、かまへんよ」

京太郎「それで憩さんが風邪になったら、俺が憩さんの風邪をもらいますからね」

憩「もう堂々巡りやないか……」

京太郎「そーっすねー」

憩「……こう、京太郎くんの隣におるとあったかくなるなぁ」

京太郎「そりゃあ熱出してる人と同じ布団に入ってたらそうなるでしょう」

憩「ムードもへったくれもないなぁ」

京太郎「じゃあ、こうしますか?」ギュッ

京太郎「キスに加えて手まで握れば、すぐ風邪がうつりますよ」

京太郎「……あ、みかんどうしましょこれ」

憩「右手で食べさせてー」

京太郎「いや、筋とかも剥かないと……」

憩「バナナとかみかんの筋は栄養が入ってるから食べた方がええんやで」

憩「ほらもういっこー」

京太郎「わかりましたよ、あーん」

憩「あーん」モグモグ

憩「ん~おいしいなぁ」

京太郎「俺にも食べさせてくださいよ」

憩「京太郎くんは部長さんに尽くすべきやと思うなー」

京太郎「これからもこんな調子なのか……」

憩「……ええやん、こんな調子で」

憩「京太郎くんはウチを手伝ってくれて、ウチも京太郎くんと一緒に頑張る!」

憩「このまま、二人で頑張ればええやろ?」

京太郎「今の憩さんは思いっきり怠けてますけどね」

憩「それは……臨機応変って言うヤツや」

京太郎「調子いいなぁ」

憩「……ま、何にしてもや」

憩「不束者やけど、これからもよろしうな」

京太郎「こちらこそ、まだお世話になります」

憩「……なんか、照れくさいなぁ」

京太郎「そう……っすね」

憩「そろそろ遅いし、帰るなぁ」

京太郎「今日は一日、ありがとうございました」

憩「ええよ、ご近所さんやし、後輩さんやからな」

憩「明日も長引いとるみたいやったら、また看に来るで」

京太郎「憩さんが毎日来てくれるんなら風邪なんて引きっぱなしでもいいかもしれませんね」

憩「さっきも同じようなこと言ったような気がするわ……」

京太郎「ですね……」

ヒュウウ

憩「くしゅん!」

京太郎「身体冷えちゃいますから、早く部屋に戻ってください」

憩「もうちょっと一緒に話していたいんやけど、女の子にそんな言い方してまうんやなぁ」

京太郎「俺だって、憩さんが俺のことを大切に思ってくれる以上に――――」

京太郎「ずっと、ずっと、憩さんのことが大切なんですもの」

京太郎「……っと、すみません、臭いこと言っちゃって」

憩「ううん、嬉しい」

憩「……京太郎くんは、なんでこんなに嬉しいこと言ってくれるんやろ」

憩「言葉も、麻雀も、料理も勝てないなんて、ずるすぎるわ」

京太郎「そんなこと言ったら、俺も憩さんの笑顔や学力に敵わないですよ」

憩「せやったら、ウチらが一緒におれば最強やない?」

京太郎「一緒にいれば……って、結構大胆なことを言いますね」

憩「京太郎くんに負けないくらいにしてみたつもりなんやけどね」

京太郎「……これからも一緒にいれるかどうか、なんてわかんないっすけど」

京太郎「今なら、こうすれば……」ギュッ

京太郎「一緒になってる、って感じがしませんか?」

憩「冬の夜やから、余計にな」

憩「……せや、クリスマスプレゼントまだあげてんかったやろ?」

京太郎「そんなのいいですよ、今日一日のお世話で十分です」

憩「年上としてそういうわけにもいけへんのや」

憩「せやから、これが、ウチからの誕生日プレゼントやで」


憩さんの両手が顔に添えられた

柔らかい指が顔を撫で、そこまで続く腕は、身体と身体を密着させるために曲げられる

憩さんはほんの少し背伸びをして、ゆっくりと顔をこちらに近づけてきた

目はもちろん閉じられていて、それが何を意味しているのか、なんて容易に想像することができた

唇が触れ合い、甘い歯磨き粉の香りが口の中に広がる

本日三度目の香りが、憩さんの舌によってさらに押し込められたのだ

甘い粘液をまとった舌が絡みついて来たので、こちらも絡め返して、互いの唾液を共有する

風に吹き付けられる寒さよりも、風邪がもたらした熱よりも、このキスの気持ち良さが遥かに勝る

快楽に浸っている間に、この一年の記憶が、脳裏に浮かんできた



初めて霞さんに挨拶をしに行った時のこと

登校初日に照と再会したこと

憩さんの涙を見て、手助けをしたいと思ったこと

憩さんと雀荘へ行って、たこ焼きを食べたこと

エイスリンさんと初めて会話をしたときのこと

清々荘のみんなで歓迎会を開いて、お祝いをしてもらったこと

雀荘で怜さんと出会って、怜さんが倒れたこと

ゲーセンで郁乃さんを助けたこと

他にも、まだまだある

そんな日常の思い出や、非日常の思い出がこの一瞬のうちに思い起こされる

時間というものはあっという間に過ぎ去って、思い出は風化しながらも脳の片隅で生き続ける

俺が清々荘で過ごした八か月間は、どうやっても忘れることのできない思い出だ

そして、それはこれからも積み重ねられるんだ



憩「……もう、激しくしすぎや」

京太郎「そっちから仕掛けてきたんでしょうが」

京太郎「クリスマスプレゼントの交換もし終えたんですから早く帰って寝てくださいよ」

憩「うん、ほな帰るな」

京太郎「おやすみなさい」

憩「おやすみー」フリフリ

憩「……あ」

京太郎「まだ何か、忘れ物でも?」

憩「んー……ちょっと一言、な」

京太郎「?」

憩「えー……コホン」
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        -=≦: : ::/::::::::::::::::::::::ゝ      ー '  <::::l::::∧::|` ー---`    「京太郎くん、大っ好きやで」
            ∠::::  イ::∧:::::::ト、:::≧=r--  1:::::::::/レ' .V
                   /  \:{ ヾr‐ァ'     トヘ/
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憩「いつも、おおきに」

【冬休み12日目】終了