京:部屋はここ、ですよね

白衣(憩):せやで、頑張ろな

京:ええ、勝って帰りましょう


                      . .-――-. .
                   . . ´: : : : : : : : : : : : .`: .
                      /: : : : : : : : :::::::::::::::::::::: : : : :ヽ
                . . : : : :/:::::/::::::::::::::::l:::::::ヽ::::: :ヽ: :.
                    /: :/: : :/::::/ l:::l:::::::::::::l:::::::::::::::::::: : : ::.
                 ′ . . . ′/  |:ハ::::::::::::ト、::::::::::ヘ::::: :i: : :l
              |. :|: :::::: 1:|   .|{ ‘.::::::::::ヽ\_::::;::::::|: : :|
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              |: :|: ::::::| |:|   |{ ヽ \::{ \ \:::::|: :八
              |: :|: ::::::| レ _ 、     `r==ミx }::∧:: : :
              .: :八:ヽ::| r㌃⌒`            ムイ }:::: : :ヽ
             /: : ::::\ヾ  ,,,,,,,,    ,   ''''''''  | ノ:::: : : : :\
             /: ::::::::八 ハ         ....  、    「::::::::::::::::::ヽ: : >
           /: : ::/:::::::::>-、    (    ノ   イ:::::l::::l:::::::::ヾ:\         CPU1:お待ちしてましたーぁ
        -=≦: : ::/::::::::::::::::::::::ゝ      ー '  <::::l::::∧::|` ー---`
            ∠::::  イ::∧:::::::ト、:::≧=r--  1:::::::::/レ' .V
                   /  \:{ ヾr‐ァ'     トヘ/


白衣:!


                 /:/:: : : : : : : : : :/: : : : : : : : /: : : : : : : :\: : : : :\
              / : /: : : : : : /: ://: : :/: : : : :./:| : : : : : : |: : :゚: : : : : : :.
                / : /: : : : : : /:.:/ / : :./: : : : :./:.:Ⅳ: : : :.:.:.|: : : :゚: : : : : :.:.
             ′/: : : : : //:_/__,/:_: :/: : : : :./: :.:| ゚: : : : :.:.|: : : : :゚: : : : : ::.
.             |: /.|: : : :.:/7´/ _」: : / : : : :.:/┼:┼ ゚: : : : :.l: : : : : :|: : : : : :|
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.             |/: :|: :./:.:| l/   l/ ‘: : : :.| 八: |  |: : /: :l: : : : :|: : : : : :|
          /: : :|::/: : | | ___--、  ‘: : :.|  ‘ |  |: /}: /: : : リリ: : : : :.:.|
         /: : : :从{: : ::|ァ´ ̄ ̄`ヾ   \{ __-‘__, |//:/: : : /::/ : : : ::| :|
        / : : : : : : : : : : |            ´ ̄ ̄`ヾ/イ: : : / / : : : : ::| :|
     __彡: : : : : : : : :/ : : : :| 〃〃   ′           |: :/Χ : : : : : :| :|
    `ー------=彡ク: : : : : |     _      〃〃   |/´ ̄`∨: : : : :∨
           / : : : : :.人     |   ̄`ヽ.           /: : : : :l: : \
          /: : : : : :/ / \          /       、__彡イ: : : : : :ト、: : :.\
         /_:_:_:_::彡   //l: : :\   `ー‐        _. .:≦: :|: : :.从 : : : 八  --- `     CPU2:今日はウチらが、お相手しますーぅ
               l/ : : : :./`ト . _   _  -‐   |:_:_:_:/|: : /  \: : : :\
                    八: :./  |:.∧ Τ        {_ノ∧ l/     ` : : : \
                 ∨  j/ /´ |   __ -‐    \

京:姿形まで憩さんと同じか、凄く凝ってるな

白衣:ちょっとびっくりしたわ

京:まあいいです、始めましょうか



半荘戦開始

東一局
親 京 25000
CPU2 25000
白衣 25000
CPU1 25000


京太郎(半荘戦の起家か……最初から流れを掴んでいこう)

京太郎(麻雀を、状況を楽しみつつ……)

京太郎(推して参る!)


同コンマのため、流局となります








流局


京太郎(流れたか……だがまだ親番だ、頑張ろう)

憩(牌が偏ってるわけでもないみたいやな)

憩(ま、さすがにそこまでずるいことはしいひんやろ)


東一局一本場
親 京 26500
CPU2 23500
白衣 26500
CPU1 23500


CPU2:ロン、三翻の六十符は7700、一本付で8000やね

白衣:自分から和了られるって、変な感じやな

京:俺の親がぁ……



東二局
京 26500
親 CPU2 31500
白衣 18500
CPU1 23500



京:カン

京太郎(俺の親に好き勝手やられて、黙ってられるかよ)

憩(京太郎くんの……混一色みたいやな)

憩(とすると……)

京:ポン

京:カン

CPU2:リーチ

京:ロン、混一ドラ2赤1

京太郎(これで、一旦リードだ)


東三局
京 34500
CPU2 23500
親 白衣 18500
CPU1 23500



憩(京太郎くんが頑張ってるんや)

憩(ウチやって!)

京太郎(あっちが和了りそうだから……)

京:チー

京太郎(亜空間殺法だったっけな)

憩(これで、テンパイ)

憩(連荘もしたいし、ここは早めに!)



白衣:ロン、タンヤオのみ

白衣:一翻五十符で2400ですーぅ


東三局一本場
京 34500
CPU2 23500
親 白衣 20900
CPU1 21100


CPU2:ツモ、二翻五十符の一本場は900・1700やね

憩(親被り、辛いなぁ)

京太郎(やはり一筋縄にはいかないか)

京太郎(なるべく点差を離せるといいんだけど……)



東四局
京 33600
CPU2 23500
白衣 19200
親 CPU1 20200





東四局開始時の点数は以下のようになります
京 33700
CPU2 23500
白衣 19500
CPU1 20300



CPU1:ロン、六翻五十符で18000

白衣:えっ

京:なっ

京太郎(親の跳満、これで4600点差)

京太郎(それに、憩さんが……)



東四局一本場
京 33600
CPU2 23500
白衣 1200
親 CPU1 38200


京太郎(一体どうすりゃいいんだよ……っ!)



京太郎(……ツモっちまった)

京太郎(タンヤオと赤1で二翻三十符で600と1100)

京太郎(これでトップに近づくけど、次の局に憩さんに当たったら……)

京太郎(ここは……)

京:カン

京太郎(一旦突き放す)



CPU1:カン

京太郎(……マジかよ)

京太郎(タンヤオ赤1、今のカンでドラ2)

京太郎(そんでもって……ツモっちまったじゃねえか)

京太郎(これなら課題は達成できる、だが……)

京太郎(……憩さんを飛ばしていいのかよ)

京太郎(憩さんを飛ばして勝つか、また見逃すか)

京太郎(どうすりゃいいんだよ……)



白衣:京太郎くん

白衣:これは、京太郎くんの戦いなんや

白衣:ウチはこの子たちと同じ、敵なんや

白衣:せやから……ね?

京太郎(……そうだ)

京太郎(これは俺とあの人との戦いなんだ)

京太郎(人を飛ばして逃げきったって、それで俺の勝ちなんだ)

京太郎(ためらうな、言ってしまえ)

京:ツモ

京:五翻五十符の一本場は、2100・4100です



終局
京 42000
CPU1 34200
CPU2 21400
白衣 -600


京太郎(――――俺は、勝ったんだ)

荒川父(……潔いな)

荒川父(たかが遊びだというのに、優しい子だ)

荒川父(やはり私が間違っていた、大人の事情のために子どもを利用するなど)

荒川父(私のただ一人の家族をただの金なんぞにくれてたまるか)

荒川父「先生に電話をしてくれ」

秘書「かしこまりました」




憩「お疲れ様、京太郎くん」

京太郎「すみません、最後に飛ばしてしまって」

憩「京太郎くんは京太郎くんにできることをしたんやから、気にせんでええで」

憩「それに、飛んだからって言うたって死ぬわけやないやん」

京太郎「そうですね、ところで……」

秘書「院長は今、書斎にいるわ」

京太郎「じゃあ今すぐ行って話をつけないと!」

秘書「「何があっても、婚約は無しにする」って言ってたわよ」

京太郎「なんだ、よかったぁ……」

憩「……あの話、実は無理矢理つけられた話やったんや」

京太郎「無理矢理?」

憩「……うん、昔、この病院を建てるときにお世話になった人がおってな」

憩「その人から借りた金は返さへんでいい、って言われてたんやけど、この前急に手のひらを返して」

憩「ウチと息子を結婚させろ、ってお父さんに言うてきたんや」

憩「そうすれば金は返さへんでええし、そうしいひんとお母さんのことをばらすって」

憩「その婚約者さん、家で煙たがられてて、それでここの院長にあてがえば一家の名目は保たれる、とかもいうてて」

秘書「お嬢様、どうしてそのことを知っているんですか?」

憩「お父さんとおじさんが話してるのを聞いてしもうたんや」

京太郎「お母さんの話……」

京太郎(そんな交換条件に出すぐらいなんだから、聞いちゃ悪いよな)

京太郎「は聞かないでおくとして、それじゃあお父さんに悪いことをしてしまったんじゃないんでしょうか」

秘書「むしろ、決心がついたみたいで良かったんじゃないかしら」

京太郎「……そうです、か」

秘書「そうそう、戻って来るまで二人は居間で待ってろ、って言っていたわね」

京太郎「じゃあ行きましょうか、憩さん」

憩「うん」

荒川父「世間体なんて気にしません、私には憩さえいてくれればいいんです」

荒川父「例の縁談、丁重にお断りさせていただきます、では」

『荒川君、すこ――――』プツッ

荒川父「……ふぅ」

荒川父「これで、いいんだよな」




荒川父「憩、今日から清々荘に帰っていいぞ」

憩「ほんまに!」

荒川父「ああ、だが、たまにはこっちにも顔を出してくれよ」

憩「うん!たまーにな!」

京太郎「お父さんも憩さんもすごい笑顔ですね」ヒソヒソ

秘書「院長は吹っ切れて、お嬢様は自由になった、それもそうよね」ヒソヒソ

荒川父「そして鮫のオクトパスが言ったんだ、へっ、そんなんじゃあさめざめするなってね」ドッ

憩「あはははっ!なんで鮫なのにオクトパスなんや!」

京太郎「……大人しく見守りましょうか」ヒソヒソ

秘書「……そうね」ヒソヒソ

秘書「荷物は一時間もすればアパートに届くはずです」

荒川父「困ったときは帰ってきなさい、たとえば……京太郎君に乱暴されたときとか」

京太郎「しませんよそんなこと!」

荒川父「はっはっは、わかっているよ、今度来るときは是非二人で挨拶に来てほしいな」

京太郎「挨拶?」

憩「どういう意味?」

秘書(それは伝わりませんよ院長……)

荒川父「こほん、まあとにかく、京太郎君も元気でいてくれたまえ」

京太郎「はい!」

荒川父「それでは、またいつか」

京太郎「はい、おじゃましました」

憩「また来るなー」

憩「♪」

京太郎「はぁぁぁぁぁ~~」

京太郎(ちょー緊張したよー)

京太郎(たった数時間なのに滅茶苦茶長く感じたぞ、どうなってんだ時間細胞)

憩「京太郎くん、ありがとな」



                 /:/:: : : : : : : : : :/: : : : : : : : /: : : : : : : :\: : : : :\
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                / : /: : : : : : /:.:/ / : :./: : : : :./:.:Ⅳ: : : :.:.:.|: : : :゚: : : : : :.:.
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           / : : : : :.人     |   ̄`ヽ.           /: : : : :l: : \        「これからも、よろしくな」
          /: : : : : :/ / \          /       、__彡イ: : : : : :ト、: : :.\
         /_:_:_:_::彡   //l: : :\   `ー‐        _. .:≦: :|: : :.从 : : : 八  --- `
               l/ : : : :./`ト . _   _  -‐   |:_:_:_:/|: : /  \: : : :\
                    八: :./  |:.∧ Τ        {_ノ∧ l/     ` : : : \
                 ∨  j/ /´ |   __ -‐    \          ̄ ̄
                      __/ /lノr‐              \
                 --‐   / /~⌒l           / \
                / {     / ∧   \         /    \


京太郎(まあでも、こうして憩さんが笑っているんだ)

京太郎(一件落着、だな)



憩が清々荘に戻ってきました!









憩「ただいまー」

憩(ここに帰って来るんも久しぶりやな)

憩(京太郎くんがウチに決心させてくれたから、ウチはここにおるんや)

憩(感謝しても、し足りひんくらいや……)

京太郎『俺が憩さんのことを幸せにするッ!!!』

憩(……って、何思い出しとるんやウチ!)

憩(幸せに……まあ京太郎くんのことやからウチの想像とは違う意味やろ、うん)

憩(……ウチ、京太郎くんのこと好きなんかな)

憩(あれ言われて嬉しかったし、京太郎くんが傍にいてくれて心強かった)

憩(デートも楽しかったし、初めて会ったときやって……)

憩(それに、偶然とはいえキスまでしてもうたし……!)

憩「~~~っ!」パタパタ

憩(あーもうなんやこれ、なんやこの気持ちー!)




京太郎「今日はよく眠れそうな気がする……」

京太郎「明日はクリスマスイブ、そんでもって今年最後の大会」

京太郎「……俺、プロ相手に生き残れるのか?」




京太郎(エイスリンさんの強さを証明する)

京太郎(まだ、エイスリンさんに麻雀を楽しんでいてもらいたいんだ)

京太郎(今日こそは誘えるように……)



京太郎「霞さんの家に来てくれませんか?
     そこで決着をつけましょう……っと」

ヴーッ ヴーッ

エイスリン『りょうかいしたよ』

京太郎「よし、んじゃああとは誰を誘うか、だけど……」



京太郎「こんばんはー」ガララ

霞「あら、一体どうしたの?」

京太郎「ちょっと雀卓を……そうだ、霞さんも一緒に打ちませんか?」

霞「ええ、構わないけど他の面子は?」

憩「何の話しとるん?」

京太郎「憩さん?どうしてここにいるんですか?」

憩「帰って来た挨拶しに来たんよ、で、どうしたん?」

京太郎「エイスリンさんと麻雀を打ちに来たんですよ、憩さんも一緒にどうです?」

憩「うん、ええでー」

京太郎「よし、これで面子は揃いましたね」

ガララ

エイスリン「コンニチハ!」

霞「夜はこんばんは、よ」

エイスリン「アッ……コンバンハ!」

霞「京太郎くんと麻雀打つんでしょ、さあ上がって」



勝利条件:エイスリンを使って、エイスリンが一位になること




京太郎「それでは、始めましょうか」

エイスリン(キョウタローのお願いだから、真剣に頑張る)

エイスリン(それでも、結果は……)




半荘戦開始

京太郎『エイスリンさんには、まだ諦めてほしくないんです!』

憩『その話を聞く限りは同意やけど……それ、手を抜くってことやろ?』

京太郎『いや、むしろ本気で当たって欲しいんです!』

憩『一位を狙いに行けっていうこと?』

京太郎『はい、そんな手加減された麻雀なんて楽しくありませんから』



憩(って言われたし、今度は勝たせてもらうで、京太郎くん!)ピキィィィン



【孔穿つ閃光】発動!




憩「リーチ」

京太郎「!」

霞(この雰囲気、憩ちゃんのリーチ……ということは)

京太郎(まだ十巡目だから海底、河底は無いとして有り得る珍しい役は……)

憩「カン」

憩「リンシャンツモ、裏4」

憩「3000・6000や」

京太郎(淡みたいな和了り方だな……)



東二局
京太郎 19000
親 憩 37000
エイスリン 22000
霞 22000



京太郎「カン!」

京太郎「もいっこカン!」

京太郎「そんで、リーチだ!」

エイスリン(キョウタローがリーチ!)

エイスリン(それなのに……ついてない)

京太郎「憩さん、それです!」

京太郎「リーチ混一!8000!」



東三局
京太郎 27000
憩 29000
親 エイスリン 22000
霞 22000


憩(早速追いつかれ気味やし……)

憩(もう一回、行かせてもらおか!)キィィン!


【孔穿つ閃光】発動!


憩「リーッチ!」

京太郎「げっ、またですか」

エイスリン(また、ケイのリーチ……)

憩「ツモ!リーチ一発、三翻七十符で2000・4000や!」




東四局
京太郎 25000
憩 37000
エイスリン 18000
親 霞 20000



エイスリン(最下位……取り返さなきゃ)

エイスリン(……勝ちたい!)

エイスリン「……」ムーッ

エイスリン「……」ムーッ

エイスリン「!」

エイスリン(テンパイ!)

エイスリン「……」ムーッ

エイスリン(誰か、振り込んで……)

エイスリン「!」

エイスリン「ロン!3900!」

エイスリン(やっと、和了れた!)


京太郎「…………」

京太郎(勝つための麻雀、楽しむための麻雀、そんなの人それぞれだ)

京太郎(でも、どっちだって全力でやらなきゃ成り立たねえ)

京太郎(だから、まだまだ行かせてもらうぜ!)

【金色放つ海】のブースト効果が発動されました!


南一局
親 京太郎 25000
憩 33100
エイスリン 21900
霞 20000




京太郎(あっれー……有効牌が全然来ねえ)

京太郎(俺の運無いな……)

エイスリン「ツモ!1300・2600!」

京太郎(と思ったら親被りするし……まあ振り込まなかっただけいいか)

京太郎(って、逆転された!?)



南二局
京太郎 22400
親 憩 31800
エイスリン 27100
霞 18700


憩(……これ、完全にエイちゃんの流れや)

憩(まだ諦めてないってことやんな)

憩(流石に親被りも振り込みも勘弁やけど……)トン

エイスリン「ロン!8000!」

憩「うっ、やってもうた……」



南三局
京太郎 22400
憩 23800
親 エイスリン 35100
霞 18700



憩(11300点差、このままやと負けそうやけど……)

憩(ウチもまだ、勝てるはずや)


【孔穿つ閃光】発動!


憩「カン」

霞(ここまで振り込み無しで来てはいるのだけど、ツモばかりで削られているわね)

憩「リーチ」

霞(今回は危ナイ臭いがプンプンするわね……)

霞(これなら、通るかしら?)タン

憩「……ロン、リーチ一発ドラ1赤1裏1」

憩「五翻の八十符は8000ですーぅ」



オーラス
京太郎 22400
憩 31800
エイスリン 35100
親 霞 10700


京太郎(エイスリンさんも、勝とうとしてるし、実際今は勝ってる)

京太郎(このまま平和に終われば、思い直してくれるはず……)

霞「ツモ、6000オール」

京太郎(全然平和じゃねえじゃねえか!)

京太郎(まあいいや、今度こそ押さえてやる!)

【金色放つ海】のブースト効果が発動されました!



オーラス一本場
京太郎 16400
憩 25800
エイスリン 29100
親 霞 28700


エイスリン(……テンパイ)

エイスリン(ここで和了れば私の勝ち)ドキドキ

エイスリン(そうしたら、私は弱くない)

京太郎「リーチ!」

エイスリン(これが証明なんだね、キョウタロー)

エイスリン「ロン!」

エイスリン(私は強い)

エイスリン「1000ノイッポンバハ1300!」

エイスリン(もう、諦めない)



終局
京太郎 15100
憩 25800
エイスリン 30400
霞 28700




京太郎「……ふぅー」

京太郎「エイスリンさん、これでわかったでしょう?」

京太郎「エイスリンさんは俺にも憩さんにも霞さんにも勝てるくらい強いんです」

京太郎「足手まといじゃない、まだ諦めなくていいんですよ」

エイスリン「……ウン」

エイスリン「キョウタローノマージャン、タノシカッタ」

エイスリン「カテテウレシカッタ、アガラレテクヤシカッタ」

エイスリン「……マダマージャンシタイ」

京太郎「はい!まだみんなで続けましょうよ!」

エイスリン「ウン!」



霞「エイスリンちゃん、来週には母国に帰る予定だったけど、どうやらそれは無くなりそうね」

憩「エイちゃんも卒業式までおられるってことですか?」

霞「ええ、多分ね」



「お母さん、元気にしてた?」

「お父さんもみんな元気よ、そっちはどう?」

「私も元気だよ」

「それで、今日は何の話をしてくれるのかしら、またキョウタローくんの話?」

「大学の話、私ね、そっちで勉強するのやめる」

「高校卒業したら、こっちの大学に行く、そうしたら私の夢ももう一回決めてみる」

「……何があったのか知らないけど、まだマージャンを諦めてないってことよね?」

「うん、大学に行っても続けるつもり、いい?」

「あなたが決めたなら、文句は言わないわよ」

「勉強もマージャンも……それにボーイフレンドもね」

「ボ、ボーイフレンドなんていないよ!」

「あら、キョウタローくんはどうなのかしら?」

「キョウタローは……」

「早く伝えないと他の子に取られちゃうわよ、お父さんと出かけるから電話切るわね」

「お母さんの意地悪!」

「はいはい、じゃあねー」

「はーい」


エイスリンが年内に清々荘から離れることはなくなりました!






prrr prrr

京太郎「何だよ父さん、こんな時間に」

須賀父「暑いぞーニュージーランドはー」

須賀父「まさかクリスマスイブに海で泳げるとは思わなかったぞ」

京太郎「大晦日だけは母さんのとこに帰ってやれよ」

須賀父「クリスマスイブといえば、お前、彼女はできたのか?」

京太郎「いない、明日は大会だから早く寝ないとなんだよ」

須賀父「モモちゃんや咲ちゃんとはどうなってるんだ?」

京太郎「大阪と長野じゃ遠いだろうが」

須賀父「そうかそうか、そうだったな」

須賀父「俺もお前くらいの歳は……」

京太郎「父さんに母さん以外の恋人なんていたのか?」

須賀父「じいちゃんやばあちゃんたちとこたつに入ってたな……」

京太郎「なんだよ……」

須賀父「まあ何にせよ、命短し恋せよ漢、だ!」

須賀父「好きな子の十人や二十人いるだろ?」

京太郎「…………いねーよ」

須賀父「お?今一瞬戸惑ったな?戸惑っただろ?」

京太郎「戸惑ってない、じゃあな」

須賀父「あっ、ちょっ」

プーッ プーッ

京太郎「疲れた、今日は一日中疲れた」

京太郎「もう寝よ……」



【冬休み十日目】終









【冬休み11日目】


京太郎「今日が終われば、年末は好き放題か」

京太郎「うっし、今日も頑張るぞぉー!」






京太郎「霞さんのメモ、久しぶりだな」

京太郎「っと、何々……」

霞『今夜、清々荘のみんなでクリスマスパーティーを開きます。よかったら来てね』

京太郎「清々荘のみんなで……か」

京太郎「そういや、郁乃さんはどこ行ったんだろ」

京太郎「冬休みに入ってから一回も会ってない気がするし……」

京太郎「繋がるといいな」ピッピッ

prrr prrrr

prrrrr prrrrrr

『………………』

京太郎「郁乃さん?」

『………………』

京太郎「出てるんですよね?」

郁乃『……京太郎……くん?』

郁乃『せやで……いくのん、やで~』

郁乃『今日はどうしたん?』

京太郎「今日の俺の試合、見に来ますか?」

郁乃『試合?』

京太郎「今日、プロ・アマ交流戦ってのがあるんですよ」

京太郎「高校生の各学年の選抜六チームと、プロチーム、教員チームで試合をするんです」

京太郎「三箇牧からは俺と照と憩さんと咏、あと霞さんも善野さんも出るんですよ」

京太郎「来てみませんか?」

郁乃『それは……ちょっと無理、みたいやな』

郁乃『げほっ、ごめんな、見に行きたいのは山々なんやけど』

京太郎「そうですか……」





京太郎(なんだ、さっきからおかしいぞ郁乃さん)

京太郎(元気無いみたいだし、それを取り繕ってみせてる)

京太郎(それに、あっちがやけに静かだ)

京太郎(旅館とかにいる可能性もあるけど、だったら最初の空白は何だ?)

京太郎(何て、言えばいいんだ)





京太郎「…………」

京太郎「俺、郁乃さんのためならどこにだって駆けつけますから」

京太郎「郁乃さんが困っているんだったら助けます」

京太郎「だから、困っていることがあるなら言ってくださいよ」

郁乃『な、何を言うとるんや?』

京太郎「俺も同じく清々荘の住人じゃないっすか、こんな俺でも力になれればな、って」

郁乃『…………』

郁乃『せやったら、助けに来て』

郁乃『私を助けて』

郁乃『場所は…………や』

京太郎「わかりました」

郁乃『あっ、やっ!』プツッ

『ツーッ ツーッ』

京太郎「場所は何とか聞き取れた、けど」

京太郎「竜華さんとの約束を破るわけにもいかないし……」





京太郎「助けて、って言われて行かないやつがどこにいるんだよ」

京太郎「竜華さんたちには悪いけど……」ピッ

prrr prrr

泉『二条ですけど、何の用ですか?』

京太郎「泉、遊びに行かねえか?」

泉『遊びって、二人で……ですか?』

京太郎「そーそー、二人いるよ」

泉『え、じゃあ……行きます』

京太郎「オッケー、待ち合わせ場所は――――」



prrr prrr

竜華『なんや京太郎くん?』

京太郎「もしもし、竜華さん」

京太郎「実はこれから用事ができちゃったんで、俺はちょっとパスで」

竜華『えっ?どういうこと?』

京太郎「細かいことは話せないですけど、この埋め合わせは絶対にするんで!」

竜華『急いでるみたいやし……わかったわ』

京太郎「あ、あとそっちに泉を向かわせたんで、一緒に遊んでください」

竜華『へ?なんで泉?』

京太郎「それじゃあ俺もう行くんで!ほんっとすみません!」

竜華『ようわからんけど、頑張ってな!』

京太郎「はい!」










【三箇牧の街】


京太郎「郁乃さんに言われた通りだと……この辺か」

善野「あれ?須賀君こんなとこで何しとるん?」

京太郎「善野さん!?」

善野「なんやそのオバQを見たようなリアクションー」

京太郎「なんでよりにもよってオバQなんすか」

善野「ま、須賀くんがここにおるってことは、郁乃のこと助けに来たんやろ?」

京太郎「ということは、善野さんも郁乃さんのこと知ってるんですか?」

善野「郁乃の居場所、ようやく突き止めたんや」

善野「あの子、人のことよう見とる割に自分は遠慮するからな、ほんま困ったもんや」

京太郎「遠慮、って?」

善野「誰にも迷惑をかけたくなかったみたいや、薬の実験台にされとるっちゅうのに」

京太郎「そっか、最初に小さくなった郁乃さんが行った場所は、善野さんのところでしたね」

善野「石戸先生から相談を受けて探してみたら、京太郎くんが郁乃を庇ったあの組織、相当ヤバいらしいで」

善野「通称は黒の組織、主に薬の製造から暗殺、闇取引等々、薬と殺しに関しては闇組織の中でトップクラス」

善野「どうやら郁乃がはまったんはその研究中の薬らしいんや」

京太郎「そんな……それの実験台って」

善野「ああ、はよ行かんとな」

京太郎「じゃあ、俺が先進むんで後からついてきてください!」ダダダダ

善野「あっ、ちょっと!」

善野「……はぁ、頼もしいなぁ、あの子」

善野「黒の死神に出くわさんとええんやけど……」





チンピラ1「人が情けかけて電話出させたらこれか、ホンマ困るなぁ、オイゴラァ!」

チンピラ3「アニキィ、この女もうヤっちゃってええんやないっすか?」

チンピラ2「上に止められとったけど、流石にこれはなぁ」

チンピラ4「7Pでっかぁ、良さそうやなぁ」

チンピラ5「身体はギリギリ合格ラインってとこやから、ええやろ」

郁乃「げほっ、げほっ」



京太郎(郁乃さんが血を吐くまで……っ!)

善野「落ち着くんや須賀くん」ヒソヒソ

善野「一人一人はこいつみたいに弱いかも知れへんけど」

チンピラ6「ダレカキタデー……」ボコボコ

善野「二人で五人相手は無理があるわ、何か作戦でも立てんと」ヒソヒソ

京太郎「作戦……」






京太郎「誰かに連絡して応援に来てもらう……とか?」ヒソヒソ

善野「他の人を危ない目に遭わせるんか?ヘタすれば死ぬかもしれないんやで?」

京太郎「うっ……それは確かに」ヒソヒソ

善野「……私が囮になってる間に須賀くんが郁乃を助ける、これで行こうや」ヒソヒソ

京太郎「なっ、ダメっすよそんなの!」ヒソヒソ

京太郎「それだったら俺が行きます、前もそうしましたから大丈夫です」ヒソヒソ

善野「……ほな、作戦開始や」



善野『まずは相手に向かって閃光弾と音爆弾を投げるんや』

善野『その間に須賀くんはできれば一人以上の相手を潰す』

善野『このジャスティスハンマーで叩けば一発のはずや』

京太郎(そして俺が発見、コテンパンにされている間に善野さんが郁乃さんを助ける……作戦は完璧だ!)

京太郎「うぉぉぉぉおおおおお!」ヒュン!ヒュン!








パァン!

チンピラ1「うわっ!」

チンピラ2「のわっ!」

チンピラ3「そげぶっ!」

チンピラ4「くっ!」

チンピラ5「目が、目がぁ~!」

キィィィン!

チンピラ5「あぁっ!」

京太郎(よし、今の内だ!)




――― 一ターン目



チンピラ1「誰や、こんなことしやがったんは……ぁっ!」

京太郎(こいつ……こいつが郁乃さんに薬を……)

京太郎(絶対に許さない!)ドガッ





チンピラ1「ごはっ!」バタッ

京太郎(できるだけ完璧に完膚なきまでに叩き潰すんだ)

京太郎(躊躇うな、躊躇ったらこっちがやられるんだ!)ドガッドガッバキッ

チンピラ1「」

京太郎「これで一人、と……つぎは……」



――― 二ターン目



京太郎(なるべく郁乃さんの周りからどかしておくか……)



京太郎「郁乃さん、すぐに終わらせますからね」

郁乃「京、太郎……くん」

京太郎「ドラァ!」ドガッ!ドガッ!ボコッ

チンピラ2「」

チンピラ3「ア、アニキィィィィィイイイ!」

チンピラ4「おい!兄ちゃんここで何しとるんや!」

京太郎「やべっ、見つかった!」



――― 二ターン目


京太郎(見つかったからには……生かしておけねぇ!)



京太郎「ふんすっ!」ドガッ

チンピラ3「ってぇなぁ……ふざけんなや!」ブンッ

京太郎「がはっ!」

チンピラ3「兄ちゃん、ようやってくれたなぁ」ボキボキ

京太郎(一発喰らっちまったか……)

京太郎(ここからどう引きつけるが問題だ)



――― 四ターン目


京太郎(もっと、もっと有利な状況を作るんだ!)

チンピラ5「耳が、聞こえないッ!聞こえないんやッ!」ポーッ

京太郎(……あいつだ!)



京太郎「えい」ボコッ

チンピラ5「痛っ!」

チンピラ3「オイゴラァ!ちょこまか動いとるんやないわ!」

チンピラ4「覚悟せえよそこん金髪ァ!」

京太郎(攻撃できてあと一回、できるだけ広い死角を作りたいが……)

チンピラ3「上には連絡させてもろうたわ、もうじき組織の殺し屋が来るはずや」

チンピラ4「ほな、どう料理したろか?」



――― 五ターン目


チンピラ4「あ~よう見たらこの兄ちゃん、わいらに突っかかってきたやつやないか」

チンピラ5「あー、あのボコボコにされとったんかー」

チンピラ3「油断しとったとはいえ、随分と舐められてんなぁ」

京太郎(ここは、攻撃だ!)




京太郎(ハンマーを投げる!頭に当たれば十分なダメージのはずだ!)

京太郎「まだ、まだだっ!」ブンッ

ガシッ

チンピラ5「詰めが甘いんだよガキが!」ドガッ

京太郎「ぐっ」

チンピラ3「よう散々コケにしてくれたなぁ」ゲシッ

チンピラ4「ざっけんなや!」ドゴッ

京太郎「がはぁっ」

京太郎(くっ、あの二人は……)

善野「」

郁乃「」

京太郎(な、なんで……)

?「よくもここまでやったものだな」

京太郎「な……」

京太郎(なんだこの殺気……)

ビリリリリッ!!






京太郎「ん、ここは……」

善野「ようやく起きたみたいやな」

京太郎「縛られてますね……」

郁乃「二人ともごめんな~」

京太郎「俺こそ、こんなことになっちゃって結局助けられませんでしたし、周りに注意していれば……」

善野「いや、今回はホンマにしゃあないわ」

善野「そら、敵が強く過ぎたからな」

京太郎「敵?」

善野「通称黒の死神と呼ばれる暗殺者……」

ギィ


?「すみません、お待たせしました」

            /.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::ヽ
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         l/::::::::|::::::/|::{弋j巧:::::/ /    ー`¨'゙ '::::l 从ハ|/):ヘ:::::|::|
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           jノ |:;ハ.     丶::..-          ,′|::::::::/
             ′ヘ.          _,.       / ノ!:::ハ′          「李舜生と申します、今日はよろしくお願いします」
                  ヽ   `¨二  ̄     /   |:/ ̄ ̄ `: .、
                   __丶         /   /  |ー…ァ-、ヽ: :\
                 ,. : : : : : :_:\        /    /  |. /  {:.:}. : : .ヽ
             /. : :,. '"   |ヽ...   ´    /  /    V. : : : : | ̄ヽ
        __/. : : :∧       |          ,. '"        ,'. : : : : :j: : : j
       /. : /. : :.:./ ヘ      |         /、         /. : : : : :/. : :厂`丶
      /. : : |: : : : |   ヽ    /|       / ハ       /. : : : :/. : :/. : : : : :\

京郁善(なんかイケメン来たーっ!?)








京太郎「アンタ、組織の人間なのか?」

李「僕はただ、裏にいた人たちに君たちと麻雀を打てと言われただけです」

善野「麻雀、やて?」

李「はい、そこの全自動卓を使え、と」

京太郎「裏で俺らで賭けをしてる、ってことなのか?」

李「よくわからないですけど、打たないならば殺す、と言っていました」シュパッ シュパッ シュパッ

京太郎「あ、ありがとうございます」

善野「ありがとさん」

郁乃「おおきに~」

京太郎「殺す、か……」

李「ええ、それともう一つ―――」

李「ラスの人以外は全員ここから出させてもらえるそうですよ」

京太郎「誰かが犠牲になるしかないってことですか?」

李「どうやら、そのようですね」

善野「誰か一人だけ……か」

李「理解が速くて助かります、それでは、始めましょうか」







半荘戦開始

京太郎(郁乃さんは衰弱してるし、元々体が弱い善野さんもこんなとこに置いていたら不味い)

京太郎(だとすれば、残るべきは俺か、この人)

李「…………」

京太郎(だが、おそらくはこの人も組織の人間、それなら……)

京太郎(全力を以て、狙い撃つ!)ギィン!




同コンマのため、流局



京太郎(これで、テンパイだ)

李(わかりやすい殺気……)

李(……それならば)トン

善野「けほっ、けほっ」

善野(長い間考え続けるんは疲れるなぁ)

善野(手っ取り早く終わってくれると楽なんやけど)



京太郎「テンパイ、げほっ」

李「テンパイ」

郁乃「ノーテン」

善野「ノーテン」

京太郎(あれ、俺、なんで今咳なんか……)





東一局一本場
親 京太郎 26500 体力:7
李舜生 26500    体力:9
郁乃 23500     体力:9
善野 23500      体力:9


京太郎(さっきのは、躱されたのか?)

京太郎(……今度こそ)ギィン


李(二巡目で聴牌したか)

李(…………)チラッ

京太郎(ここは絶対に和了るんだ!)

李(…………)

李(……少し様子を見てみるか)トン






京太郎(何としても李さんに当ててやる!)

京太郎(善野さんと郁乃さんだけは生きて帰すんだ)ジーッ

李「」ジロッ

京太郎「!」

京太郎(今……目が合った?)

京太郎(俺の考えてることが見透かされてる?)

京太郎(いや、そんなことはない)

京太郎(この待ちなら……!)

李「…………」トン

京太郎「ロ、ロン!純全三色平和一盃口!18000の一本場は18300!」

李「あ……はい、どうぞ」ニコッ

京太郎「どうも……」

京太郎(さっきの殺気と言い、一体何なんだこの人……)





東一局二本場
親 京太郎 44800 体力:5
李舜生 8200    体力:8
郁乃 23500     体力:8
善野 23500      体力:8



京太郎「げほっ、げほっ」

京太郎(なんだ、さっきから体が重い……)

京太郎(風邪でも引いたか?)

京太郎(……いや、そんなことはどうでもいい)

京太郎(もういっちょ、追いつめる!)ギィン




郁乃「ポン」

善野「けほっ、こほっ」

李(……見たところ、向かいの女は脆弱、支配系の能力者)

李(隣の女は鳴くなどして場の流れを荒らしている)

李(そして、こいつは……)

京太郎(な、なんだ、これ……)

京太郎(平和タンヤオ二盃口清一赤1ドラ2)

京太郎(大竹林、か)

京太郎(こんなんで射抜けるかどうかわかんねえな……)

李(さっきから染めてるのか染めていないのかよくわからない捨て牌だ)

李(三索を捨てた、それなら……)




京太郎「――――ロン」

京太郎「平和タンヤオ二盃口清一赤1ドラ2」

京太郎「48000の二本場は、48600!」

李「くっ……」



終局
京太郎 93400
郁乃 23500
善野 23500
李舜生 -40400








郁乃「たった一局で終わってもうたんか?」

李「すみません、僕麻雀はそんなに得意じゃないんですよ」

善野「……あんた、一体何者なんや?」

李「僕は組織に囚われた者ですよ、さっき言いませんでしたっけ?」

京太郎「そんな麻雀が苦手なやつをここに連れてきたって意味ないじゃないですか、そんなことをあの人たちがするとは到底考えられないんですよ」

李「……実を言うと、この対局はあなた方の最期の手向けってことだったんですよ」

李「これが終われば順位に関係なくあなたがたを殺す、と」

京太郎「じゃあ、あんたが……」

李「……ですが、その必要はなくなりました」

京太郎「え?」



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ドゴォッ!


李「あなた方はどうぞ速く逃げてください」

京太郎「今のって爆発ですか!?」

善野「大阪の街で何しとるんや……」

猫「黒、早くズラかるぞ!」

李「わかってる、例のブツは」

猫「背中に巻いてある」

郁乃「猫が喋った?」

李「気にしないでください、赤阪さんにはこれを」

郁乃「これ……薬?」

李「はい、あなたの身体を元に戻す薬です」

郁乃「これが私の身体を……」

李「飲むかどうかはあなたの自由にしてください、じゃあ!」

ドォォン!

善野「何やったんやろうな、あの人」

京太郎「まあ何にせよ早く逃げましょう!」

郁乃「…………」

善野「郁乃、はよ行くで」

郁乃「あ……うん」



組織のアジトから逃げ出した!







【公園】


京太郎「ここまで来れば大丈夫でしょうか……はぁ」

善野「げほっ、げほっ!げほげほげほっ!」

京太郎「うわっ!善野さん大丈夫っすか!?」

善野「いつものことやから……」ガクッ

京太郎「善野さぁーーーーん!」

郁乃「それ、いつもの死んだふりごっこやで~」

京太郎「そうなんですか?」

善野「げほっ、ぐほっ、ごほっ、ごほぉっ!ごへぁっ!ごはぁっ!はっくしょん!」

京太郎「そうじゃないみたいなんですけど」

郁乃「まあ気にせんといてや~」

京太郎「郁乃さんがそう言うなら……」

郁乃「京太郎くん……今日はごめんな」

郁乃「大事な試合がある日やのに、こんな迷惑かけてもうて」

京太郎「いいっすよ、俺は郁乃さんを助けたかっただけなんすから」

京太郎「身体痛くって参りますけどね」

郁乃「ほんま、ありがとな」

京太郎「郁乃さんのためです、どうってことないっすよ」

京太郎「それより……その薬、飲まなくていいんすか?」

郁乃「これは、まだええかな」

郁乃「これ飲んだらまた一人暮らしの生活して、姫松で善野ちゃんと一緒にコーチやって」

郁乃「そうしたら京太郎くんとも、霞ちゃんとも住めへんやろ?」

郁乃「せやからまだ飲まへん方がええかな~って」

京太郎「そう……っすか」

郁乃「またお世話になるな」

京太郎「上等です、もう慣れてきましたから」

郁乃「……寒いな」

京太郎「冬ですからね」

郁乃「手、繋いでもええ?」

京太郎「ええですよ」ギュッ

郁乃「……おおきに」

京太郎「あ、そういえば」

郁乃「どうしたん?」

京太郎「郁乃さんの口調、おかしくありませんか?」

郁乃「え~そんなことあらへんよ~?」

京太郎「今思いっきり作りましたよね!」

郁乃「戻してへんも~んこれが本来やも~ん」

京太郎「この人のウソを見破れない自分が悔しい!」

善野「…………寒いなぁ」




善野「ほな、二人とも後でな」

京太郎「ありがとうございました!」

郁乃「ほんま、ごめんな~」

善野「郁乃に振り回されるんはいつものことやからな……」メソラシ

郁乃「も~そんなことないや~ん」

京太郎「俺たちも帰りますよ、郁乃さん」

郁乃「はいは~い」フラフラー

トリアエズカエッタラフロハイッテクダサイヨ

エーソンナクサナイヤロー

善野(弱ったとき、口調も元気の無さも隠さない郁乃は久しぶりやった)

善野(須賀くんやったら、郁乃のことちゃんと面倒看られるかもな)

善野(そういえば、遊園地のペアチケットもろうとったっけ……)



京太郎(こうして郁乃さんと一緒に歩くなんていつぐらいからだろ……)

郁乃「学年選抜か~懐かしいなぁ~」

京太郎「郁乃さんの頃はどんなんだったんですか?」

郁乃「私は参加してへんかったんや~」

京太郎「あ……すみません、言いづらいことを」

郁乃「まあ開かれてすらないからな~」

京太郎「」イラッ

京太郎(苛立ちはするけど、今はこの苛立ちも気持ちいい)

京太郎(仲間が戻ってきたって実感できるんだ)

京太郎(薬も手に入ったし、あとは郁乃さんとの時間を楽しめるといいな)



     , '"::::::::::::::: ̄`::: 、
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  ./::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::::::::::ヘ
  ′:::::::::::i::::::::::::::!ハ::::::::::::∧
  i|:::::::::::::::|::::::::::::::!  ヤ::::::::::::∧
  |i:::::::::::::::|:::::::::::/   リ从:::::::::∧
  |::::::::::/´レ勹´    _`_キ:::::::::∧
  |:::::::::::!' ,r=‐     ⌒i|::::::::::::::\____
  |::::::::爪 ´,,       ″|::::::::::::::::::::ヽ、 `ヽ         郁乃「も~私の話聞いとる~?」
  |::::::::::::::ゝ        .,ノ:::::::从:::::::::::::`ヽ、
  |::::::::::::::::::心 _/.)^._ イ´::::::::∧\::::::::::::::::}
..,ィ|i:::::::::::::::::::::::::/./:   |:::::::i::::::::::\ }::::::::ソ
{::::./::::::::::::::|::::::,'‐^ュ   `k |:::::::i::::::::\"´
ji:{::::广 ̄丁::j’  ´> ‐''ノ从::::::|-ミ::::::::}
  ji:ル   /::::人__,,斗宀'"  i \|ノ;:::/i
   |  彳"/::::::::/'     │  !"¨ ./
   |ゝ-弋./::::::::/__  __ _/i  / |!/|
   |:::::::::::/::::::::/:::::`´:::::::::::::|/  |::::::i|
   |:::::::::/::::::::/:::::::::::::::::::::::::|   |::::::i|

京太郎「ええ、聞いてますよ」

京太郎(このまま聞いていたいぐらいですよ)



郁乃が清々荘に戻ってきました!


京太郎「たった四時間で無茶苦茶疲れたぞ……」

京太郎「試合まであと三、四時間くらいか」

京太郎「何しよ」



京太郎「疲れたし、他の人の部屋で和みに行こう」

京太郎「腹が痛い……」



京太郎「照も憩さんも試合があるだろうし、エイスリンさんの部屋に行くか」



コンコン

京太郎「エイスリンさーん、あっそびーましょー」

エイスリン「キョウタロー……?」ガチャ

京太郎「ども!これから遊びませんか?」

エイスリン「イイヨ!」グッ

エイスリン「タイシタオカマイハデキマセンガ……」オズオズ

京太郎(相変わらず何で日本語の勉強してんだろうなこの人)

京太郎(可愛いからいいけど)



エイスリン「キョウタロー、コレ!」

京太郎「花札ですか?」

エイスリン「カスミカラモラッタ!」

京太郎「じゃあやりましょうか負けませんよ?」

エイスリン「キョウタロー、マケナイ!」フンス!



京太郎(この手札……これならエイスリンさんに勝てる!)

京太郎「エイスリンさん、ルール追加ってどうですか?」

エイスリン「rule?」

京太郎「これに負けた方が、勝った方の言うことを何でも聞くっていうのです」

エイスリン「オモシロイ!」

京太郎「ふっふっふ」

京太郎(何を命令してやろう……脱いでもらうとか……グヘヘ……)チラッ

エイスリン「~♪」ニコニコ

京太郎(…………)

京太郎(こんな純真な人に何考えてんだ俺……)



京太郎「負けた……俺が負けた……」

エイスリン「ヤッタ!」グッ

京太郎(この天使のような笑顔が見れればどうでもいいや……)

エイスリン「キョウタロー、キョウタロー」

京太郎「いやーエイスリンさん強いですね、初心者とは思えないですよーあははー」

エイスリン「ナンデモスルッテイッタヨネ?」

京太郎「え……し、知らないなぁー」

エイスリン「キョウタロー、ナンデモスルッテ……」ショボン

京太郎「うぐっ」

エイスリン「ウウッ……」グスッ

京太郎「い、言いました!覚えてましたよ!」

エイスリン「ヤッタ!」ニコッ

エイスリン「ソレジャー……」

京太郎(今の俺、嵌めようとしたのに嵌められた……?)



エイスリン「ジャァ……キョウタロート……」

京太郎「俺と?」

エイスリン「…………///」プシュー

京太郎「ちょっ、エイスリンさん!」

エイスリン「キョウタロゥト、イッショニネタイ」

京太郎(寝たい!?いやいや、ネクタイだろ、ネクタイ、そうに違いない)

エイスリン「///」カァァ カキカキ

京太郎(エイスリンさんがホワイトボードに絵描いてんの久しぶりに見たな)

エイスリン「!」バッ

|京太郎とエイスリンが一緒の布団で寝る絵|

京太郎「……つまり、今夜、俺と一緒の布団で寝てほしいと」

エイスリン「///」コクッ

京太郎(それっていいのか?霞さん的に)

京太郎(いや、俺だってエイスリンさんと寝れるなんて願ったり叶ったりだけど、そんなのゲームなんかでやっていいことなのか……)

エイスリン「……ダメ、カナ?」

京太郎(上目遣いでこっち見ないでくださいよ、頬染めないでくださいよ!どこで覚えたんですかそんな技術!)

京太郎(無理だ、こんなん逆らえるわけがねえ……)

京太郎「勿論、万事オッケーっすよ!」

京太郎(霞さんにバレたら死ぬな、男として)

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最終更新:2015年08月17日 21:35