第四章【国麻】・【離散】開始

ベンチに座って本を読んでいた

父さんと妹は遊びに、母さんは仕事で出かけていた

今は一人

一人で本を読む……大人っぽい!

子どもながらにそんなことを考えていた

やっぱり、少し寂しい

一緒に遊びに行く友だちなんていないから

静かにページをめくる、髪が風でなびく

そろそろ帰ろうかな、と思っていたとき

「お、俺と遊ぼうぜ!」

私の目の前に、彼が現れた

「あ、いや……遊んでください」

不思議な子だな

それが第一印象だった



【8月第4週 平日】


京太郎「…………」

京太郎「どうしてまた、あいつは」

京太郎「引っ越しは今週末だそうだ」

京太郎「……何しよ」



京太郎「こんなときは麻雀だよな」

京太郎「気を取り直そう」



京太郎「お邪魔しまーす」

郁乃「いらっしゃ~い」

照「あ、京だ」トテトテ

京太郎「照、来てたのか」

照「うん」

郁乃「もう打ち始めてるで~」

京太郎(ちょっと心配してたけど)

京太郎(なんだかいつも通りみたいだな)

照「京、一緒に打とう」

京太郎「おう、いいぞ」






京太郎「決勝のとき、さ」

照「……なに?」パリパリ

京太郎「懐かしい感じがしたんだよな、なんつーか」

京太郎「照たちと昔打ってたときみたいな?」

京太郎「そんな感じがした」

照「…………」ポリポリ

照「そう」ゴックン

照「懐かしい、か」

京太郎「うん、あとパソコンの前でお菓子食べるのやめような」

照「無理な相談」モグモグ



京太郎「もうすぐ昼か、何しよう」



京太郎「久しぶりにバイトでもするか」

京太郎「でもこの時間からあそこに行ってもあんまり働けないからな……」

京太郎「もう一つ新しいのを探してみよう」



京太郎「探偵……か」

京太郎「面白そうだな、行ってみるか!」


平次「お前さんが須賀京太郎やな」

京太郎「はい!今日はよろしくお願いします!」

平次「オレは服部平次言うんや、西の名探偵とはオレのことやで!」

京太郎「それで、今日の仕事は?」

平次「迷い猫探しや」

京太郎「猫?」

平次「せや」

京太郎「……」

平次「今つまらん思うたやろ」

京太郎「正直に言うと、はい」

平次「そうポンポン殺人事件が起こってたまるかいな」

平次「ほな行くで」




京太郎「オスの三毛猫とかどんだけレアなんだよ」

京太郎「どっかにいねえかな」

京太郎「あ」

猫「ニャッ」ナニッ

京太郎「待てごらあああ!」

猫「ニャアアアアアア」ドタタタタ

怜「今日の健診も大丈夫やったな」

猫「ウニャアアアア」ドタタタタ

怜「ね、猫?トリプルや!」キィィィン!

怜(直進して事故と見せかけて私を襲うんか……そうはさせへん!)

怜「うにゃっ!今や!」

猫「ニャッ!?」

怜「はい、捕まえた」

猫「ウニャッ!」ジタバタ

京太郎「あ、怜さん」

怜「ああ、京くん、この猫京くんのやったんか?」

京太郎「いえ、依頼されてまして」

怜「ふ~ん、ま、ええわ、はい」

京太郎「ありがとうございます」

怜「せや、今度どこか遊び行かへん?」

京太郎「遊び、ってか急ですね」

怜「思い立ったが吉日や」

京太郎「そうですね、日が空いたら連絡しますよ」

怜「待っとるで」

京太郎「はい、それではまた」



平次「もう捕まえたんか」

京太郎「ぜぇー、はい、はぁー、まあ」

平次「お手柄やったな、バイト代は振り込んどくで」

キャアアア ヒ、ヒトガ!

平次「なんやと!?」

京太郎「何かあったんでしょうか?」

平次「須賀はもう帰っとれ!こっからは危ないんや!」

京太郎「は……はぁ」

イマイクデ! ク、クルナ!クルンジャナイ! ダマットレドアホ! クルナァァァァ! ドヒュウン

京太郎「今銃声がしたような……まあいっか」

京太郎「帰ろう」






京太郎「服部さん、なんか禍々しいものを感じた」

京太郎「死の危険、的な」



京太郎「特訓しよう」

京太郎「今は誰がいるかなー」



郁乃「照ちゃんとエイちゃんはもう帰ったで~」

郁乃「今は憩ちゃんと咏ちゃん、私と霞ちゃんだけやで」

京太郎「そうですか……どうしよ」





咏「お、京太郎じゃん」

京太郎「よっ」

咏「どうしたんだい?」

京太郎「いや、少し気が向いたからな」

京太郎「俺と打たないか?」

咏「お、いいねぃ、んじゃ行こっか」








咏「やっぱり、前よりもずっと上手くなってんね」

京太郎「そうか?」

咏「そーそー」

京太郎「……そうか、上手くなれてるのか」グッ

咏「んで、今は何考えてんだ?」

京太郎「えっ?」

咏「何か悩んでることでもあんだろ?顔に書いてあるぜ」

京太郎「あー…………」

京太郎「決勝のときにさ」



咏「つまりあの変な感覚を取り戻したいって?」

京太郎「そういうこと……なのか?」

咏「んまあ、そういうことなら実際に打ってみるのが一番なんじゃねえの?知らんけど」

京太郎「実戦か」

咏「私はこうして二人でやってる方が好きなんだけどねぃ」




京太郎「秋は夜長、夜更かしの季節だな」


夜1

京太郎「せっかく木刀買ってきたんだし、素振りでもするか」

京太郎「えいっ!えいっ!」ブンブン

京太郎「これ、結構くるな」

京太郎「まだまだ!」

京太郎「えいっ!」



京太郎「えいっ!」ブン ガシャッ

京太郎「あ、そうだ室内だったな」

京太郎「外でやらないと……」


京太郎「さすがに夜になると寒いよな」

京太郎「あっためるためにあと1000回!」




京太郎「これを一か月続けたら筋肉モリモリになれるのかな!」

京太郎「今日は疲れたからもう終わりだけど」


夜2

京太郎「散歩に行ってくるか」

京太郎「照のことも考えないとな」

京太郎「いってきまーす」





照(ポッキーなう)ポリポリ

京太郎「うまいか?」

照「京……うん」

照「どうしてこんな……」

京太郎「こんな時間にってか?」

照「うん」コクッ

京太郎「ちょっと考え事をな」

照「……それって……いや、なんでもない」

京太郎「照のことだよ」

照「えっ」

京太郎「どうしてお前は出ていくのかなって」

京太郎「また、俺の前からいなくなるのかなって」

照「…………」

照「京は気にしなくていい」

照「私が決めたことだから」

照「大丈夫だから」

照「また会えるんだろうし、国麻、楽しみにしてるから」

照「それじゃあ、ね」

京太郎「……照」

京太郎(このままでいいのか?)

京太郎(このまま、また照がいなくなっても)

京太郎(ようやく俺のそばに戻ってきてくれたんだ)

京太郎(……最近悩んでばっかだな)

京太郎「照!」

照「まだ、何か?」



京太郎「俺のそばから離れないでくれ」

照「……え?」

京太郎「照がいなくなって三年、でも今年、四月に久しぶりに照と会えたときすごく嬉しかった」

京太郎「この半年照と一緒にいてすごく楽しかった」

京太郎「まあ実際は五か月くらいだけど、さ」

京太郎「一緒に学校行ったり、運動会で頑張ったり、祭りに行ったり」

照「…………っ」

京太郎「この前みたいに海に行ったりしてすっごく楽しかった」

京太郎「でもよ、それなのに、理由もわからずにまた離ればなれになるなんて嫌だ」

照「理由……」

京太郎「理由だけでも教えてくれないか?」

京太郎「俺が悪かったんなら謝る、だから教えてくれよ」

照「……京には言えない」

照「私には、言えない」

京太郎「またそうしていなくなるのかよ」

照「違う!」

京太郎「違わないだろ、前も照は俺たちの前からいなくなった」

京太郎「俺は照と一緒の方が楽しい、だから離れないでくれ」

照「楽しい……か」

照「それは、違うんじゃないかな」

京太郎「なに……?」

照「京にはもう憩が、エイスリンが、咏も霞も郁乃さんもいる」

照「京は、ただそばに誰かがいてほしかっただけじゃないの?」

照「私なんていらないんでしょ、咲やモモ達といたときみたいに」

照「見送りなんてしなくていいから」

照「霞たちにもそう言っておいた」

照「今度会うのは国麻のとき」


照「じゃあね」


照「短い間だったけど、ありがとう」



【8月第4週 平日】終











【8月第4週 休日】


京太郎「照は今日にはもういなくなっちゃうのか」

京太郎「俺にとっての照って何だったんだ?」

京太郎「楽しいって思ってたのは俺だけだったのかな……」

京太郎「どんな言葉を使えば、照に届くんだろう」



「今日は楽しかったぜ!ありがとな!」

「こちらこそ」

「モモがいないからひまだーっておもってたんだけどお前がいてくれてよかったぜ!」

「……照」

「宮永照だから、照って言って」

「テル、か俺は京太郎だ!」

「……長いから京でいいかな」

「おう、大かんげーだ!」



「ただいま」

「おかえり」

「咲は?」

「モモちゃんや京太郎くんたちと遊びに行くってさ」

「……そう、母さんは?」

「今日も帰ってこないってさ、咲に任せっぱなしってのはダメだから今日は出前だぞ」

「それで、どの店に頼む?」

「どこでもいい」

「そっか、わかった」

「私、上に行ってるから」

「ああ」



照母「照、起きなさい」

照「ん……母さん、来てたんだ」

照母「また遅くまで起きてたのね、もう行くわよ」

照「わかった」

照母「それで、荷物は?」

照「……忘れてた」

照母「もう、ちゃんとしなさいよ」

照「うん」


ガチャ バタム


照母「さーてと、ぱぱっと帰るわよ」

照母「大家のおばさんにもあいさつしてきたし」

照「あの人まだ成人してないよ」

照母「まーたまたー……マジ?」

照「うん」

照母「あちゃー……って、ねえ照、あの子って確か」

照「……京太郎」




京太郎「照」

照「今度は何?」

京太郎「ありがとう」

京太郎「また遊んでくれるか?」

照「うん、これ私のねとま?のハンドルネーム」

京太郎「『ワムゥ』?」

照「今度はそこで打とう」

照「待っ照」

京太郎「……それ、ダジャレか?」

照「うん、じゃあね」

京太郎「おう」

京太郎「毎時間メール送るから」

照「それは迷惑」

京太郎「じゃあ毎日?」

照「それもちょっと」

京太郎「じゃあ毎月」

照「間隔空きすぎ」

京太郎「じゃあ気が向いたらでいいな」

照「……わかった」

毎週平日の夜にメールを送れるようになりました



照母「照、アンタ挨拶してなかったんでしょ」

照「京にはした」

照母「まあ、ここに帰ってきたくなったらいいなさいよ」

照「……なんで?」

照母「照のしたいようにさせてあげる、ただそれだけよ」

照「……そう」

照母「それに、あの……京太郎くん?のこと放っておけないんでしょ?」

照「ちっ、違う!」

照母「咲やモモには負けないようにしなさいよ」

照「だから違う、って」



京太郎「行っちゃったか」

京太郎「まだ、チャンスはあるはずだ」




京太郎「久々に実家に帰るか」



【実家】

京太郎「ただいまー」

京父「よっ、京太郎」

京太郎「と、父さん帰ってきてたのか」

京父「暑かったぞーインドはー」

京太郎「エジプトに行った時も同じようなこと言ってなかったか?」

京父「今度はニュージーランドに行ってくるんだ、羨ましいだろー」

京太郎「へいへい、そうですね」

京父「なんだ、我が子は連れないなー」

京父「さすがはタラシチャンピオンといったところか」

京太郎「ちょっと待て今何て言った」

京父「読んだぞ新聞!男子個人戦チャンピオン須賀京太郎、夜のチャンピオン?だってよ!」

京父「将来が楽しみだ!」

京太郎「マジかよ……」



京太郎「じゃあ散歩してくるな」

京父「そうやって女の子を引っかけてくるのか……ふむ」

京太郎「だから違うっての!」

ピンポーン

桃子「京太郎ー遊ぼーっす!」

京太郎「なんで俺が来てるってことわかってるの!」

京父「俺が連絡しておいた」ドヤァ

京父「ほれほれ、女の子を待たせるなんて罪なことするなよ」

京太郎「ドヤ顔するな!わーったよ、行ってくる」

京父「避妊はしっかりなー」

京太郎「余計なお世話だ!」



桃子「おじさんと何話してたんっすか?」

京太郎「なんでもないよ」

桃子「そうっすか、じゃあ今日も私とどっか行くっす!」

京太郎「拒否権は……ないんだろうな」

桃子「モチのロンっす!」



桃子「到着ーっす」

桃子「覚えてるっすか?この公園!」

京太郎「ああ、よく遊びに来たな」

京太郎(照と出会ったのも、ここだったんだよな)

京太郎(たしか、あのベンチに……)

桃子「今日はここで遊ぶっすよ!……ん?どうかしたっすか?」

京太郎「いや、あそこにあったベンチなんだけど」

桃子「あれなら新しい遊具を置くからって廃棄されたっすよ、それがどうかしたっすか?」

京太郎「……そうだったのか」

咲「京ちゃん?やっぱり京ちゃんだ!」

京太郎「久しぶりだな」

咲「うん!」

桃子「私が呼んでおいたっす!」フフン

京太郎(相変わらず大きい……前より大きくなってないか?)

咲「京ちゃん……」ジトッ

京太郎「な、なんだー咲ー?」アセアセ

咲「知らない!」プイッ

京太郎「さ、咲さん?おーい」

桃子「それじゃ、何するっすか?」




京太郎「キャッチボールでもするか」

桃子「それじゃあボールとグローブ持ってくるっす!」

咲「行ってらっしゃい」

桃子「行ってくるっすー」



京太郎「モモは元気だな」

咲「京ちゃんが帰ってきたからじゃないの?」

京太郎「じゃあいつも通りの咲は俺に帰ってきてほしくなかった、と」

咲「違うよ、これでも嬉しいんだよ、でもえっちなのはダメだよ」

京太郎「俺はせんべいよりもおもち派だからな」

咲「……何言ってるの?」

京太郎「要するに、大きいは正義!」

咲「京ちゃんの場合は正の字が違うと思う」

桃子「持ってきたっすよー」



京太郎「モモー投げるぞー」ビュン

桃子「ばっちこーいっす!」バシッ

桃子「咲ー行くっすよー」ビュン ポヨン

京太郎「おお……」

咲「むむっ!」ビュン

京太郎「がはっ!ちょっ、咲!みぞおち!」

咲「あははーごっめーん、手が滑っちゃったー」

桃子「思いっきり棒読みっすね」



京太郎「堪能堪能、満足満足」

咲「京ちゃん、五体不満足って言葉、知ってる?」

京太郎「ひぃっ」

桃子「さーてと、次はどこに行くっすか?」




京太郎「roof-top?」

咲「麻雀喫茶だよ」

京太郎「麻雀喫茶?」

桃子「麻雀ができる喫茶店っす」

京太郎「あーなるほど」

咲「染谷さん、まだいるよね?」

桃子「来週までいるらしいっすよ」

京太郎「誰だ、それ?」

桃子「広島に住んでる娘さんっす、今は友達のちゃちゃのんさんとこっちに遊びに来てるっす」

京太郎「へー」

咲「あ、着いたよ」


マホ「いらっしゃいませー」

いちご「いらっしゃいませー」

京太郎「メイド!?」

咲「あれ、マホちゃん?」

桃子「どうしてここで働いてるっすか?」

マホ「社会勉強です!」ムフー

まこ「夏休みの宿題なんじゃと」

咲「どうも、こんにちは」

桃子「またきたっすよ」

まこ「はい、いらっしゃい、そこの男子は……誰じゃ?」

咲「京ちゃん、私たちの幼馴染です」

いちご「ほぉ?どこかで見たような……?」

マホ「マホ知ってます!この人男の子のチャンピオンさんです!」

いちご「あぁ~なるほどー」

京太郎「俺の知名度ってこの程度だったのか……」

まこ「君が須賀京太郎くんじゃったか……打ってくか?」

京太郎「うむ……どうしましょう?」




京太郎「いや、やめておきます」

いちご「なーんじゃ、つまらんのう」

咲「じゃあ私が打ちましょうか?」

いちご「そ、それは遠慮しとく……」

まこ「んで、注文は?」

マホ「まはまほから揚げがオススメですよ!マホが食べさせてあげます!」

京太郎「それはなんつーか、背徳的すぎるな」


メニュー

1.まはまほから揚げ

2.ちゃちゃのんショートケーキ

3.まこのワカメスープ

4.カツ丼

5.タコス

6.お好み焼き

7.桃パフェ




京太郎「皆さんのオススメは?」

いちご「ショートケーキならちゃちゃのんが食べさせるけぇ、選んどき!」

まこ「ワカメスープもオススメじゃよ」

桃子「私は桃パフェっすね」

咲「私はお好み焼きだよ」

京太郎「んーじゃあ……」

京太郎「から揚げで」

咲「えっ」

まこ「えっ」

桃子「京太郎……」

いちご「ロリコンじゃったなんて、そんなん考慮しとらんよ……」

京太郎「いや、でも」

マホ「やたっ!マホのから揚げが頼まれましたよ!」

京太郎「あんなに喜んでるんですし」

咲「苦しい言い訳だね」ジトッ



マホ「須賀先輩、あーん」

京太郎「あーん」

マホ「おいしいですか?」

京太郎「うん、とっても」ニコッ

「「「「うわぁ……」」」」




京太郎「次はどこ行くんだ?」

桃子「近寄るなっす!」

咲「そうだよ変態!」







久「やっほーって、優希だけ?」

優希「のどちゃんは今日も来ないって言ってたじぇ」

久「あらそう……じゃあ咲とモモが来たら起こしてー」

優希「はーい」



咲「遅くなりましたー」

久「ん……はーい」

桃子「優希、寝ちゃってるっすね」

優希「タコス、タコスが……ぐぅ」

京太郎「えい、えい」プニップニッ

優希「今度はタコさんだじぇ……」

久「須賀君も来てたの?」

京太郎「はい、お邪魔します」

久「そんなに固くならなくていいわよ」

咲「私お茶入れてきますね」

桃子「さて、何するっすか?」





京太郎「俺が4人の邪魔するのもあれなんで、パソコン貸してもらえますか?」

久「いいわよ、あとネト麻するならその横の機械も使ってみて」

京太郎「何ですか、このヘッドギア」

久「ナーブギアとか言うらしいわ、リアリティを追求するために開発されたんですって」

京太郎「へー」





京:すっげーリアルだな、なんだここ

京:えーっと、ここの掲示板で対局申込みをすればいいのか……じゃあまずは東南で

しばらくお待ちください

京:よし、いよいよ楽しみだな




びっぐすたー:よろしくー

のどっち:よろしくお願いします

NoName:どうしてのどっちさんがここに!

京:よろしくおねがいします






東1局
親 NoName 25000
びっぐすたー 25000
のどっち 25000
京 25000



京:ロン!

京:リーチ、赤1!

びっぐすたー:なんだ、その程度かぁ

京:裏3

びっぐすたー:え……


東2局
NoName 25000
親 びっぐすたー 17000
のどっち 25000
京 33000


京:ロン

京:混一色、役牌白、役牌中、小三元、チャンタ、混老頭、対々和

京:24000

びっぐすたー:もーなんなのさっきからー!

びっぐすたー:いいもん!こっからが本気!

のどっち:本気も何もないと思いますが……

【圏外射撃】発動!


東3局
NoName 1000
びっぐすたー 17000
親 のどっち 25000
京 57000


びっぐすたー:いっちゃえ!

びっぐすたー:リーチ!

京:ダブリー……

NoName:こ、こんなの、どうすれば……

びっぐすたー:ロン!ダブリー一発赤2ドラ2!

びっぐすたー:裏3!


終局
NoName -15000
びっぐすたー 33000
のどっち 25000
京 57000


びっぐすたー:うむむ、とどかなかったかー

京:はっはっは、勝負ならいつでも受けて立つぞ

のどっち:……ありがとうございました

NoName:のどっちさん、どんまいです

びっぐすたー:ネット最強ののどっちを倒したんだから、真のネット最強はこのびっぐすたーってことだね!

京:いやいや、それなら俺だろ

びっぐすたー:あんたのは偶然、私のは必然だもん!

京:……なんだそりゃ



久「あら、終わったの?」

京太郎「はい、飛ばしましたよ!」

咲「すごいね、私なんてまだパソコンあんまり使えないし……」

京太郎「そういえば、ネット最強っていうのどっちって人と打ちましたよ」

優希「のどちゃん……!」

桃子「和がどうかしたっすか?」

久「和、今日も来れないんだってさ」

咲「転校、本当にしちゃうのかな」

京太郎「転校?」

久「ああ、こっちの話だから気にしないでいいわよ」

京太郎「そうですか……」

桃子「ああっと!もうこんな時間ですし、そろそろ帰らないとっすね!」

久「うん、そうね、今日はこれで解散よ!」

桃子「さて、次はどこに行くっすか?」




京太郎「逆に、モモと咲は何がしたいんだ?」

桃子「私はみんなで遊びに行きたいっすね」

咲「うーん、私は……」




咲「みんなでウチくる!?」

京太郎「は?」

桃子「ひ?」

久「ふ?」

優希「じょ?」

咲「え、えーっとぉ、せっかく京ちゃんも帰ってきたんだし、みんなでウチで遊びたいなあ、って」

桃子「ははぁーん、そうやって京太郎をなんやかんやして泊まらせて襲うつもりっすねー」

咲「ち、違うよ!」

京太郎「咲さえよければ俺はいつでも」

咲「ほんとっ?」

京太郎「んなわけあるかい」ペシッ

咲「あうっ、純粋な乙女心をもてあそぶなんてひどいよ京ちゃん……」

優希「それで、どうするんだじぇ?」

京太郎「うーん、そうだな」






京太郎「じゃあモモの意見をくみ取って外食に行こう、みんなで!」

京太郎「……って、どうですかね?」

久「私はいいわよ」

優希「タコス!タコス!」

桃子「私も大丈夫っすよ」

咲「別にいいけどさ……」プクー

京太郎「また今度な」ナデナデ

咲「撫でればすむと思ってるでしょ?」

京太郎「……違ったか?」

咲「ううん、正解だよっ」

京太郎「そうかそうか、んで、どこ行きます?」






京太郎「まあ大勢で来るならファミレスでしょう」

優希「うがー!タコスが無いんだじぇ!」

優希「須賀!いや京太郎!いや犬!いや……バカ犬!」

京太郎「どんだけ落ちてんの俺!」

優希「いいからタコスを買ってくるんだじぇ!」ゲシッ

京太郎「蹴られた!?俺の身分どんだけ低いの!」

咲「私はえびフライ定食にしようかな」

桃子「私はハンバーグセットっすね」

久「じゃあ私はカルボナーラにでもしようかしら」

衣「咲!咲じゃないか!」

透華「衣、何をしてるんですの?ってあなた方は……」

久「あら、奇遇ね」

智紀「清澄」

桃子「お久しぶりっすね、眼鏡おっぱいさん」

京太郎「えーっと、あなたがたは?」

透華「よくぞ聞いてくれましたわ!私たちは!」

純「龍門渕高校麻雀部だ。……確かお前、インターハイに出てたよな?」

京太郎「ええ、まあ」

透華「ムキー!話を邪魔しないでくださいまし!」

一「ホントだ、この人1位だよ個人戦の」

衣「強いのか!」

智紀「通称”炎の須賀”、高火力が特徴」

京太郎「あれ、昼とは違って俺有名?」

優希「ただの偶然だじぇ」


メニュー

山菜丼

秋の果実盛り合わせ

タコゆでパスタ

パンダ定食

えびフライ定食

サルミアッキ定食

川魚定食

冷やしうどん

あなたの心に手錠をかけるよ!定食





久「あら、可愛いもの食べてるのね」

京太郎「パンダ定食ですか?」

久「そうよ、小っちゃいハンバーグが目、ライスが顔かしら?」

咲「京ちゃんは女の子ものが好きですからね」

優希「ハンバーグと白飯って男っぽいほうな気がするけど……」ウーン

咲「街のレディースランチを食べまわるのにつき合わされてたんですよ」

京太郎「おいしいものはしょうがない」

桃子「京太郎……咲とそんなことしてたっすか」ジトッ

京太郎「モモは誘ってもやれラーメン屋行きたいだのやれお好み焼きを食べに行くだの言ってたからなー」

久「須賀くんも隅に置けないわね~」ヒョイパクッ

京太郎「あ!せっかくとっておいたハンバーグが!」

久「……うん、おいしいわね!」グッ

京太郎「グッ!じゃないですよ!返してくださいよ!」

久「流石に人前はちょっと……ね?」

京太郎「返してとは言いましたけど戻してとは言ってませんから!」

一「うわっ、ご飯中にそんなこと言うのやめてよ」

智紀「不潔」

京太郎「言ったのは竹井さんですよ!」

久「あら、私は何も言ってないけど?ねえ?」

純「あー、確かにそうだったな」

京太郎「ぐぬぬ」





京太郎「ふー食った食った」

咲「京ちゃん、オヤジくさいよ」

桃子「で、次はどこに行くっすか?」

衣「衣も一緒に遊ぶぞ!」

久「いいの?」

透華「今は暇ですから大丈夫ですわ」






桃子「ゲーセンに来たっすよ」

衣「咲!これはどうやって遊ぶんだ?」ワクワク

咲「えーっと、これはね…………」

咲「…………」ムムッ

衣「咲?」

咲「わからないや、あはは」


純「やっぱり強いなッ!」ガシュンガシュッ

智紀「そっちこそ」ピコピコ

智紀「えいっ」

純「ぬおっ!」


透華「むきーっ!何なんですの!全く取れませんわ!」

一「と、透華……そんな無理しなくていいから」

透華「いえ!このままじゃ気がすみませんわ!」


桃子「本当にいいんすね?あそこのメロンパンは高いんすよ?」

優希「タコスのためとあらば手加減はしないじぇ」

久「どっからでもかかってきなさい!」

桃子「エアホッケースタートっす!」


京太郎「さて、どこに行こうかな」






透華「どうしてカードが使えないんですの!」

透華「かくなるうえは…………!」

一「透華、もういいから、ね?」

京太郎「お二人とも何をしてるんですか?」

一「えっと、これなんだけど」

一「ボクが欲しいって言ったら透華が張り切っちゃって」

透華「絶対に取ってさしあげますわ!」

一「ほらね?」

京太郎「なるほど……」


京太郎(さて、どうしよう)





京太郎「あのー、龍門渕さん?」

透華「何ですの?」キッ

京太郎「い、いや、アドバイスでもしましょうか?」

一「それいいね、透華はどう?」

透華「結構ですわ!もう一回!」

ウィーン

透華「そこですわ!」

キュッ

京太郎「あ、持ち上がった」

ポトッ

透華「むきーっ!もう!何なんですの!」ガタッガタッ

一「透華、揺らしちゃだめだよ」

透華「もう一回!もう一回ですの!」ポチッ

透華「この辺り……」

京太郎「いや、もう少し先に行っちゃいましょう」テヲノセル

透華「な、何をしてますの!後ろに行きすぎですわ!」

京太郎「大丈夫ですよ、見ていてください」

一(うわぁ、須賀君大胆だなぁ、距離近いよ)

一(二人とも集中してるから気づいてないみたいだけど)

ウィーンウィーン ポロッ

ガコン!

透華「お、落ちましたわ!」

一「それにしても、取れなかったのにどうして?」

京太郎「結構穴の近くにあったので押してみようかなー、と」

京太郎「おめでとうございます、龍門渕さん」

透華「ええ、そうで、す、わ……ね…………」ガバッ

一(あ、気づいた)

透華「なっ、何をしてるんですの!?」

京太郎「えっ、何って……あ」

透華「は、破廉恥ですわ!不潔ですわ!」ゲシッゲシッ

京太郎「ちょっ、脛はやめてくださいよ」

透華「うるさいですわ!」



京太郎「いたた、国広さんが宥めてくれたからいいけど……」

京太郎「さて、次はどうしようかな」




京太郎「せっかくみんなと遊んでるんだから写真とか撮りたいよな」

京太郎「プリクラに誘ってみよう」


久「プリクラ?いいんじゃない?」

優希「特別に許可してやろう、ふっふっふ」

桃子「もちろん私が京太郎の隣っすからね!」


衣「咲、プリクラ、とはなんだ?」

咲「えっ、う、うーん……」

咲「プリン食べられて暗くなっちゃった?」

京太郎「どういう状況だよ」


智紀「別に構わない」ピコピコ

純「うおっ!ちょっと待て!ぬわっ!」

「YOU LOSE」

純「くそぉ……」

智紀「これで十連勝」フフン


一「プリクラ?わかった、透華に話しておくね」

透華「がるるるるー!」





京太郎「モモと天江さんが隣か」

透華「ち、近寄らないでくださいまし!」

京太郎「すみません……」

衣「とーかときょうたろーは仲が悪いのか?」

透華「そ、そんなことありませんわ!ごらんなさい」ギュッ

京太郎「後ろからっ!?」

京太郎(でも、無いんだよなぁ……)

衣「そうか!なら衣も!」ギュッ

桃子「わ、私も!っす!」ギュッ

京太郎(ああ……右腕の感触がぁ……)



咲「京ちゃん…………」

優希「ニヤケすぎだじぇ」

衣「きょうたろーは衣とプリクラとやらを撮って楽しかったのだな!」

透華「……破廉恥ですわ」ジトッ






京太郎「そろそろ帰らなきゃだけど、もうちょい遊んで行こう」


京太郎「咲は何やってるんだ?」

咲「えーっと、これ、なんだけど」

京太郎「太鼓○達人か」

衣「どうやって遊べばよいのだ?」

京太郎「実際にやってみた方が速いから……」


京太郎「じゃあ俺が天江さんに教えるから咲は見ててくれ」

咲「うん、わかったよ」

衣「よろしく頼む!」

京太郎「まずは200円を投入します」

衣「うむ!」

京太郎「次に、ここのバチを取ります」

衣「おお、これはこの遊戯のために拵えられたのか!」

京太郎「しっかり握っててくださいね」

衣「きょうたろーの手は温かいなー」

京太郎「そんでもって、曲を選んで演奏開始です」



衣「楽しかったぞ!」

京太郎「それはよかったです」

京太郎「咲もわかったか?」

咲「…………ふんっ」プイッ

京太郎「咲?どうしたんだ?」

咲「べっつにー」

咲「京ちゃんはえっちだな、って」

京太郎「いやいやいや、何もやってないだろ」

咲「十分えっちだよ!衣ちゃんの手握って、抱き着いてるみたいだったよ」

京太郎「いや、だからと言ってなぁ」

咲「ふんっ」






京太郎「じゃあ俺もう帰りますね」

久「また来なさいね、今度こそ打ちましょう」

優希「次に会ったときが年貢の納め時だじぇ!」

桃子「また遊びに行くっす!」

咲「ふんっ、だ」

京太郎「いい加減機嫌直してくれよ……」

純「じゃあな、いつか打とうぜ」

智紀「……いつか打とうぜ」

純「俺の真似するんじゃねえよ、ちゃんと言え」

智紀「……じゃあな」

純「また俺の真似じゃねえか!」

衣「きょうたろー、今日は楽しかったぞ!」

衣「満月の夜に会うのを待っているぞ!」

京太郎「ええ、また会いましょう」

衣「うむ!」

京太郎「そろそろ帰るか」

一「あっ、須賀君、ちょっといいかな?」

京太郎「はい、何でしょうか」

一「ほら透華、渡しなよ」

透華「わ、わかってますわ!」

一「ほーらーはーやーく」

透華「これは……感謝の印として受け取ってくださいまし」

京太郎「このぬいぐるみ、さっきのやつですよね?」

一「あの後、透華が頑張って取ってさ、須賀君にお礼しようとしてたんだよ」

透華「はっ一!」

京太郎「そうだったんですか」

透華「違いますわ!」

一「もう、素直になりなよ」

透華「嫌ですわ!こんな破廉恥な殿方に何を!」

透華「…………ありがとうございました」ボソッ

一「気変わり速っ」

京太郎「いえ、こちらこそ、素敵なものをありがとうございました」

一「うん、じゃあね」

京太郎「はい」


京太郎「さて、と帰ってきたぞ」

京太郎「何をするかな……っと」

ヴーッ ヴーッ

京太郎「ん、何だ?」

一『国広です、ボクたちの連絡先送っておくね』

一『衣とかにメールとかしてあげてね』

龍門渕五人の連絡先を手に入れた!


夜2


京太郎「照にメールするか、約束もしたしな」

京太郎「何て送ろう」


京太郎「雀士なら打って語ろう!」

京太郎『打たないか?』

京太郎「送信っと」

京太郎「照なら応えてくれるだろう」

京太郎「なんで帰ったのかも気になるしな」







照「…………」

照「打たないか、か」

照「私じゃなくても憩たちと打てるのに」

照「なんで、だろう」

照「…………わからない」





京太郎「返信来ないなー」

京太郎「寝てるんだろう、うん」

京太郎「次は誰とメールしようかな」

京太郎「辻垣内さんに送ってみるか」

京太郎「近寄りがたい雰囲気だけど、大丈夫だよな」

京太郎『麻雀打ちませんか?』

京太郎「大丈夫……だよな」

京太郎「そういえば辻垣内さんって目つき怖かったよな……」

ヴーッ ヴーッ

京太郎「!」ビクッ

京太郎「ささささ流石にだだだ大丈夫だろう」

智葉『了解した、ルームナンバーは3398だ』

京太郎「よかったぁ……『ドタマぶち抜くぞ』とか言われなくてよかったぁ」


【MAOの世界へようこそ】

京:相変わらずリアルだな

京:鳥のさえずりまで聞こえてくるし、対局も牌の感触とかリアルだし

京:何よりもリアルの雰囲気がある

京:おっと、ここか



player3108:来たか

京:辻垣内さんですか?

player3108:ああ、今夜はよろしく、楽しみだ

束縛希望:縛られたか

デビル人:同じく




東一局
親 デビル人 25000 リザベーション2翻
束縛希望 25000
player3108 25000
京 25000


智葉(須賀、高火力と速攻)

智葉(清澄の先鋒と似ているが)

智葉(こちらの方が楽そうだ)

【抉る眼光】発動!



player3108:カン

京太郎(うっわ、片方潰されちゃった)

京太郎(でも、まだまだだ!)

京:ロン

京:24000

智葉(……ふむ)


東二局
デビル人 25000
親 束縛希望 25000 リザベーション3翻
player3108 1000
京 49000




智葉(どうやら見くびっていたようだ)

智葉(さて、と)

智葉(借りは返してもらうぞ)

智葉(張りつつ、やつを止める!)

【抉る眼光】発動!


智葉(安い……)

智葉(しかしまた須賀が危険だからな)

智葉(わずかでも取り返す)

player3108:ロン

player3108:1300


東三局
デビル人 25000 リザベーション3翻
束縛希望 25000
親 player3108 2300
京 47700




智葉(そろそろ疲れてきた……)

智葉(だが、まだいける)

智葉(私だって今年は準決で宮永といい試合をした)

智葉(だから、負けない)

【抉る眼光】発動!


player3108:カン

player3108:カン

京太郎(二萬も五萬も暗槓!?)

京太郎(三色が封じられた……か)

京太郎(捨てた方がいいよな)

player3108:カン

京:なっ!

player3108:嶺上ツモ、責任払いで18000

player3108:連荘


東三局一本場
デビル人 25000
束縛希望 25000 リザベーション3翻
親 player3108 20300
京 29700




智葉(そろそろ疲れてきた……)

智葉(須賀の一人聴牌)

智葉(ここは……オリておくか)

智葉(オーラスでまくる、ただそれだけだ)



京太郎(うむむ……辻垣内さん強いな)

京太郎(もういっちょ)

京:ロン

京:12300


オーラス
デビル人 12700
束縛希望 25000
player3108 20300
親 京 42000



京:ツモ

京:12000オール


デビル人 700
束縛希望 13000
player3108 8300
京 78000


智葉(一方的、流石は男子チャンピオンと言ったところか)

player3108:おつかれ、先に失礼する

束縛希望:あっ、ああああっ!

デビル人:部長、いい顔ですっ



京:何だったんだあの二人は

京:俺ももう寝るか


【8月第4週 休日】終