―――突然入った一本の電話

 『あのキンモクセイな』

 『ちょっと前に枯れてしまったらしいんよ』


―――京太郎の脳裏を過ぎる、あの時の言葉

 『余命宣告でもされたら』

 『好きなもんぎょーさん食うたるわ』


―――そして、怜から告げられた言葉とは―――

         『3ヶ月やって…』


―――物語は急転直下

       京太郎はその時何を思うのか

           そして、何が出来るのか―――

 『いっぱい…いっぱい思い出作ろうな』


――― 怜外伝・最終幕~エピローグ~ ―――

                    今晩公開予定




   『なぁ京ちゃん

          生まれ変わりって信じる?』


※第三部から数年後

京太郎「お手伝いありがとうございましたー!」

モブ朗「ははっ、いいよいいよ、ついでだったし」

京太郎「今度、社食奢りますから!」

モブ朗「楽しみにしてるよ」キラッ

モブ田「ちょっとずるいし!カナちゃんにも奢れし!」

京太郎「ははは…社食で良ければ…」

モブ田「高級ホテルディナーでいいし!美女とお食事なんて、お釣りが来るぐらいだし!」ドヤァ

京太郎「んじゃ、お疲れ様でしたー」スタスタ

「モ モチロン ソノアトハ… ッテ!ムシスンナ!」

「イケダサン モウ アキラメナヨ…」

「ニャ!ニャンノコトダシ!?」

……

京太郎(モブ田先輩、そろそろ落ち着いてくれないかな…)

京太郎(しかし、モブ朗先輩、優しいし女子にも人気あるのに、なんで彼女作らないんだろう?)

京太郎(理想が高い…ってわけでもなさそうなのになあ)

京太郎(もしかして、あっち系の趣味があったりして…)

京太郎(って、ないない)ハハハ

京太郎(でもスキンシップが多いような?)

京太郎(…)ゾクッ

京太郎(ひ、人を悪し様に勘ぐるのは良くないよな…)



ヴィーン ヴィーン

京太郎(ん?電話…せーちゃんからだ)ピッ

京太郎「はい、もしもし」

『おー、京ちゃん元気かー?』

京太郎「元気だよ、急にどうしたんだ?」

『いやあ、気になることがあってな』

京太郎「ん?」

『最近、怜の調子はどうや?』

京太郎「うーん、そういやちょっと顔色悪かったような」

京太郎「本人は何とも無いって言ってるけどな…」

『うーん…そないか…』

『いや、実はな…』


『あのキンモクセイな』

『ちょっと前に枯れてしまったらしいんよ』


京太郎「え…」

『そんで、気になって昼間京ちゃん家に電話してみたんやけど』

『怜出んかったし、ケータイも電源入って無くてな』

『そいで、倒れてるかもって思うて…』

京太郎「せーちゃん悪い!後でまた電話する!」

『ちょっ、京ちゃ』ピッ

京太郎(怜っ!怜っ…!)



~京太郎達の家~

京太郎「トキィー!!」ガチャッ

トテテテ

怜「お帰りにゃん♪」


京太郎「」

怜「?」

怜「お帰りにゃん♪」

京太郎「えっ」

怜「どうしたにゃん?」

京太郎「なにそれ?」

怜「この間、ネコちゃんごっこしたときのネコミミ」ピコピコ

怜「と、首輪にゃん?」チリン

京太郎「い、いや…」

怜「あ、ワンちゃんのほうが良かった?」

京太郎「違くて…」

怜「メイドさん?お医者さん?でもあれ白衣と聴診器は京ちゃ」

京太郎「じゃ、じゃなくて!なんでそんなお出迎えなのかなと!」

怜「え、京ちゃん変態やから、こういうの好きかなって」

京太郎「なにそれひどい」

怜「ごめん…」

京太郎「いや、好きだけどさ…///」

怜「そうやろ…?///」



京太郎「でも変態は酷いなあ」

怜「変態やん?」

京太郎「ぐっ…そっちもノリノリだったくせに…」

怜「そ、そら、京ちゃんが喜んでくれるんやから…嬉しいやん…///」モジモジ

京太郎「…///」

怜「…////」

京太郎「…/////」

怜「あと、ちょっと楽しかったし…//////」

京太郎「…///////」

京太郎「と、怜ー!」ガバッ

怜「あっ…ちょ…あかんて、こんな所で…」

京太郎「よいではないかーよいではないかー」サワサワ

怜「…んんっ…だめっ…」

京太郎「可愛いよ…怜」チュッ チュッ

怜「…あっ…ん…せやから…」

怜「駄目やって言うとるやろーっ!」スパーン

京太郎「ぐはっ!」

怜「はぁはぁ…落ち着いた?」

京太郎「はい…すみません…」ジンジン

怜「ったく、誰かに見られてたらどうするんや」

京太郎「いや、二人きりだし大丈夫だろ」

怜「せやけど、誰かに読まれてるかも知れんやろ?」

京太郎「読ま…えっ?」



怜「ま、ご飯冷めてまうし、早よ食べよ?」

京太郎「はーい」



~ダイニングルーム~

京太郎「うおっ豪華だな!」

怜「今日は頑張って作ってみたよ」ドヤァ

京太郎(うーん、でも今日は特に記念日でも無いよな?)

怜「どないしたん?早よ食べよ?」

京太郎「お、おう!」

京太郎(ま、いっか)

怜「あと、ちょっと話あるから、食べながらでええから聞いて」

京太郎「なんだろ?深刻な話」

怜「うん…」




怜「実はな、ここ最近調子悪かったんよ」


====

『あのキンモクセイな』

『ちょっと前に枯れてしまったらしいんよ』

====

京太郎「っ…」ドクン


怜「でな、今日病院行ってきたんやけどな」


====

怜「まあ、余命宣告でもされたら、好きなもんぎょーさん食うたるわ」ハハハ

京太郎(あんま笑えんぞそれ…)

====

京太郎(ま、まさか…)ドクン


怜「京ちゃん?京ちゃん聴いとる?」

京太郎「あ、ああ」ドクン ドクン


怜「3ヶ月やって…」


京太郎(そ、そんな…怜…)



京太郎「ぐっ…」ポロッ

怜「京ちゃん泣いとるん…?」

京太郎「うっ…うっ」ポロポロッ

怜「京ちゃん…」ウルッ

京太郎「いっぱい…いっぱい思い出作ろうな」

怜「うん…せやな…」ウルウル

京太郎「でも、やっぱり納得できない…」

怜「えっ?」

京太郎「怜…俺を残して…いかないでくれぇ…!」ポロポロ

怜「へ?なに言うとんの?」

京太郎「…だっでざっぎ余命3ヶ月って…」グスグス

怜「余命なんて言うとらんやろ…」ポカッ

京太郎「いてっ、えっ」

怜「むしろ増える方やで…///」

京太郎「ええっ」

怜「妊娠や、妊娠3ヶ月…///」

京太郎「…」

怜「嬉し泣きやと思うたわ。ウルッときて損した…」

京太郎「うっ…」

京太郎「うあぁぁっ」ポロポロ

京太郎「やったー!でかした怜ィー!」ダキッ

怜「ちょっ…苦しいって京ちゃん…///」

……

怜「おちついた?」

京太郎「さっきさ」

怜「うん?」

京太郎「せーちゃんから電話あって」

怜「うん」

京太郎「あのキンモクセイ枯れちゃったって…」

怜「あぁ…そうなんや。きっと天寿をまっとうしたんやね…」

京太郎「だな…」

怜「ああそか、せやから私が死んでまうと思うたん?」

京太郎「うん…」

怜「大丈夫やで、京ちゃん。私はかえって合点がいったわ」

京太郎「え?」

怜「あの子はもうすぐ生まれ変わるんやって」ニコッ



怜「なぁ京ちゃん、生まれ変わりって信じる?」

京太郎「うーん、信じがたいけど、あれば良いなって思う」

怜「私の体質のせいやけど、私達って頑張ってもなかなかデキなかったやろ?」

京太郎「うん、だから今すごく嬉しいよ」

怜「それで、このタイミングで枯れたって聞いて」

怜「ああ、あの子は…この子は、私のお腹の中に来てくれたんやなって」

京太郎「…」

怜「私が死にかけた時も…」

怜「あの子はきっと私達の子になりたくて…」

怜「いや、なるって知ってたんやろね」

怜「せやからきっと、ちょっとだけ力を貸してくれたんよ」

京太郎「そういうの、夢があっていいかもな」

「ふふっ、京ちゃんも案外もう会うとるかも知れんで?」

「あの」


  キ ノ セ イ
「『樹の精』に」


おわり

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