京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」

京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」

TV「決闘!!」

京太郎「お、何か面白そうなの始まった」

京太郎「……っと時間か。仕方ねぇ、帰ってみよう」




ピンポーン


京太郎(くっそ何だよ、この忙しい朝に……!)  ピンポンピンポーン

京太郎「はーい!今行きますよー!」

<ドンドンドン!!

京太郎(うるせぇ……)ガタy

京太郎「はいはい須賀ですよ、どちらさ」


ヤクザA「…」

ヤクザB「…」

京太郎「…」

京太郎「……えっ」

京太郎(ええええええ!?な、何だこの厳つい人達?)

京太郎(絶対やべぇよやべぇよ……!雰囲気がカタギじゃねぇもん!)

ヤクザA「おひかえなすって、さしつけました仁義!」

京太郎「!?」ビクッ

ヤクザB「失礼でござんす。手前、生国は東東京」

智葉「おい、やめろ。お前たちの顔が怖いから恐縮してしまってるじゃないか」

ヤクザA&B「「あっ、お嬢!すいません!」」

京太郎(おっ……女の子?)

智葉「朝早くにすまないな。須賀京太郎で間違いないな?」

京太郎「そ、そうですけど?」

智葉「よし」

京太郎(何がよしなんだ!?)

智葉「車をそこに止めてある。行こうか」

京太郎「へっ?……い、行こうってどこに?」

智葉「おかしなことを言うなキミは」ハハ

智葉「ウチにきまってるじゃないか」

京太郎「誰が行くか!!」ダッ

智葉「あっ……!おい!」


京太郎(乗ったが最後だ。行く末は東京湾か海外だろどうせ……!)

京太郎(そんなのいやだ、俺は死にたくない!まだ生きてやりたいことがいっぱいあんだよ!!)

京太郎(……って、あれ?なんで俺ヤクザなんかに追われてんだ?)

京太郎(ま、まぁそれは後から考えるとして、とりあえずほとぼりが冷めるまでどっかで身を隠さねーと……)

京太郎(目には目を……歯には歯を……ヤクザにはヤクザを!)


京太郎「ということで助けてください!!」ドンドン

京太郎「助けてくださあああああああああああい!!」ドンドンドン

竜華「なんやうっさいわ!鉄砲玉かい!?」ガラッ

京太郎「なんか変なヤン●ミみたいな一族に追われてるんです!助けてください!」

竜華「すまんなぁ、ドラマはあんま見らへんで分からんわ」

竜華「てか誰やねんジブン?」

京太郎「須賀京太郎です!とりあえず少しの間でいいんでかくまってください!!」

竜華「……せやなぁ」

竜華「……」ジーッ

京太郎「……」ニカッ

竜華「うんうん」

京太郎「!」

竜華「そんなチンピラ顔信じれるか」ピシャリ

京太郎「ああっ、そんなひどい!」


<イタゾー! アソコダ!!

京太郎(うわああああ!!やばいって!!このままだとセメントコース……!)ゾクッ

京太郎(……いや、諦めてたまるか!俺は最後まで逃げ切ってやる!)

智葉「ネリー、ご苦労だったな」

ネリー「いいからお金」

智葉「ああ、分かってるよ。ほら」

ネリー「全くさ……"迷子になって泣いてる子どもの真似"なんてもう二度とやらないからね?」

ネリー「次もお金弾んでくれるなら別だけど」チラッチラッ


京太郎(くっそおおおお!!内通者だったのかよあんのガキ!)

智葉「捕まえるのに苦労したよ。で、どうして逃げるんだ?」

京太郎「……そりゃ、ヤクザが急に来たら怖くて逃げるでしょう」

智葉「"ヤクザ"ではなく"極道"だ」

智葉「まぁ、それはいいとして……何もご両親から話は伺ってないのか?」

京太郎「話?」

智葉「私とキミが結婚するという話だ」

京太郎「……」

京太郎「は?」

智葉「簡単に言えば、政略結婚という形になるのか?ウチの組とキミの組の発展の為の」

京太郎「は?は?」

智葉「政略結婚と聞いてどんな腑抜けが来るかと思ったら、まぁ……」

智葉「その、なんだ………な、中々いい男じゃないか」カァァ

京太郎「……」

ヤクザA「お嬢?まさか照れてるんですか?」

智葉「殺すぞ」

ヤクザA「ウッス、センセンシャル」

京太郎(えーと、ちょっと待てよ……纏めるとこの女の子は極道の家系で、かつ俺と勢力拡大の為に結婚と)

京太郎(うん、さっぱり分かんねーな)ハハ

智葉「帰って祝議をあげるぞ。丁重に彼を家まで送れ」

ヤクザB「へい」

智葉「じゃあ、行こうか。お前さん」

京太郎(ああ、逃れられない……)


――――――――


組長「ほぉ、ワシが選んだだけあっていい顔しとるわ」

京太郎「……」ガクガク

ヤクザC「お嬢とは幸せになってほしいのう」

ヤクザD「そうじゃのう」

京太郎(やばいマジで逃げ場がない……どうすりゃいいんだこの状況)ブルブル

組長「ほれ、二代目。盃を交わすぞ」

京太郎「……」ガクブル

智葉(おい)ツンツン

京太郎「……え?俺!?」

智葉(キミ以外誰がいる?)

組長「この盃を交わせばお前さん正式に辻垣外の一人となるが……その覚悟はいいな?」

京太郎(勘弁してくれって!!このままじゃホントに極道の一員にされちまう……)

京太郎(何か……何か無いのか!?この状況を覆すことのできる、圧倒的な何か!)

京太郎(ない……ない……そんなものない)

京太郎(ってそりゃそうか……これが現実なんだ)

京太郎「……その盃、いだだきます」

組長「おう!これでおめぇもウチの一員だ」

組長「サトハのこと頼んだぞ?漢と漢の約束だからな?」

京太郎「へい……」


――――――――
―――――――


京太郎(なんだかんだで結婚式当日が来てしまった……)

京太郎(なんでも全日本から有名な極道連中が集まるらしいけど……俺生きて帰れるかな)

智葉「おう、京太郎。袴姿も似合ってるじゃないか」

京太郎「ん?………っ!?」

智葉「なんだ?緊張してるのか?」

京太郎「あ、いや……なんでもないよ」ハハ

京太郎(本当に眼鏡と髪型変えただけで別人みたいに綺麗になるなこの人……)

智葉「お前、そろそろ時間だがいいのか?」」

京太郎「え?まだ早くないか」

新郎は早めに行かなくちゃいけないだろ?」

京太郎「あっ……そっか」

智葉「次に会うのは来賓の前だ」

智葉「私もすぐに後から行くから、待っててくれ」

京太郎「……」

京太郎「あーあ、ついに結婚してしまった……」

京太郎「これで俺もついに極道の仲間入りか……ごめん母さん父さん」

智葉「後悔してるか?」

京太郎「……いや、後悔はしてないけど……もうちょっと平凡には生きたかったよ」

智葉「極道も年がら年中抗争してるわけじゃない。私だって極道抜きにしたら普通の女の子に見えるだろ?」

京太郎「……」

京太郎「当家、手前の仁義、失礼ですがお控えなすって」サッ

智葉「有難う御座いやす。手前の仁義を失礼さんにござんすが、控えさせて頂きやす」サッ

京太郎「ほーらでた!いや、普通の女の子はそんな台詞がすぐには出てこないからな!」

智葉「いや、普通の男もそんな口上を出したりしないんじゃないのか……?」

京太郎「……」

智葉「……」

京太郎「ったく、可愛くねぇな!ああいえばこう言うし!」

智葉「お前もな」


<二代目!お嬢!学校行く時間っすよー!



――――――


京太郎「あのさ」

智葉「ん?なんだ?」

京太郎「その、眼鏡取るのと髪下ろすのはさ…………俺の前だけにしてくれない?」





カン