京太郎「背景に溶け込んでかなり立ったが潮時だ」

京太郎「このままこの立ち位置に居るだけじゃ世界から消されちまうな」

京太郎「いつの間にかいなくなってました、なんてシャレにならねぇし……なんとか目立たないと」

京太郎「はやく学校おわんねーかな……」

久「はぁ……今年の県予選、あそこがいるから厳しい戦いになりそうね」

優希「珍しく部長が弱気だじぇ」

和「風越が名門なのは知っています。けれど、私たちも名門に負けないぐらいの実力は確かにありますよ」

咲「そ、そうだよね……」

久「いえ、違うわ和。厄介なのは風越よりも龍門渕よ」

まこ「あそこか……」

京太郎(龍門渕高校……去年の長野王者で全国べスト8)

京太郎(なんでも噂によるとインハイの最多得点王プレイヤーがいて当時全員一年生だったとか……)

京太郎(叩けば幾らでも埃が出てきそうだ。ちょっとでもみんなの役に立てるようにスパイでもしてくるか)

優希「でもそんな強い相手がいるなら私も腕がなるじぇ!……っとその前に犬、タコス買って来い!」

優希「………あれ?京太郎?」


――――――
―――――


京太郎「でっか……なにこの豪邸」

京太郎「セキュリティも半端じゃねーし、どうやって侵入しようか」ウロウロ


?「………ん?」


下3 人物指定

174 名前: ◆bwLzDAn7X1mb[saga] 投稿日:2014/10/03(金) 23:33:37.67 ID:aNHOfylO0 [14/15]

京太郎「うーん……困った困った」ブツブツ

一「あのー」

京太郎「……ん?」

一「ウチに何か御用ですか?」

京太郎「……」

京太郎(女の子?てか怖っ……!顔にタトゥー彫ってるし)

一「……そんなに見て、ボクがどうかしました?」

京太郎「あ、いえ……あなたは龍門渕の方ですか?」

一「はい、そうですよ」

一「あなたが先ほどからウチの門の前でウロウロしてたんで、ちょっと気になって声をかけてみたんですけど」

京太郎(うわあああああもうスパイ作戦失敗かよ!)

京太郎(くそっ……こんなに早くばれるなんて思ってなかったぜ)

一「それで、何の御用ですか?

京太郎「え、えーと……!」タジッ


下3 御用


182 名前: ◆bwLzDAn7X1mb[saga] 投稿日:2014/10/03(金) 23:44:40.03 ID:aNHOfylO0 [15/15]

京太郎「龍門渕の財産すべてをいただきに来た」

一「………」

京太郎「龍門渕の財産すべてをいただきに来た」

一「……」

一(この人ひょっとしてギャグで言ってるのかな?)

一(どう見えても泥棒しにきた格好じゃないし……)

京太郎「龍門渕の財」

一「分かった分かった!それはもういいから!」

一「今なら冗談として聞き流しといてあげるからさ、はやく帰りなよ」

京太郎「いや、冗談なんかじゃねーよ」

一「はぁ………キミさ、分かってる?今自分で堂々と"泥棒しに来ました"って言ったんだよ?」

一「通報されてもおかしくないんだ、そこら辺ちゃんと理解してるのかい?」

京太郎(ウダウダうるさいな)

京太郎(なんとかして黙らせて通してもらおう)


下3 行動指定

188 名前: ◆bwLzDAn7X1mb[saga] 投稿日:2014/10/04(土) 00:01:48.63 ID:mkraokXn0 [1/3]

京太郎(……しかしよく見ると)

一「?」

京太郎(可愛いなこの子……最初は気が動転しててそれどころじゃなかったけど、よく見たらすっげー可愛いぞ)ドキドキ

京太郎(ボクっ子だし清澄にはいないタイプだな)

京太郎(……ちょっとアプローチかけてみるか)キリッ

一「う」ゾクッ

京太郎「よく見ると可愛いね君。名前は?」

一「く、国広一……です」

京太郎「一ちゃんね。いい名前じゃん……俺は須賀京太郎っていうんだ」

一(いきなり下の名前で呼ぶの!?)ゾゾッ

京太郎「一ちゃん彼氏とかいるの?」

一「あの、ホントもう帰ってくれませんか?」

一「これ以上しつこいようならSP呼びますよ!」

京太郎(うーん、取り付く島もないな)

京太郎(……じゃ、ちょっと強引にアプローチしてみよう)


下3 行動指定

198 名前: ◆bwLzDAn7X1mb[saga] 投稿日:2014/10/04(土) 00:22:56.59 ID:mkraokXn0 [2/3]

京太郎「そうだよな……いきなり何言ってんだ俺は」

京太郎「ゴメンなさい!」ペコリ

一(あれ?さっきまでと違って意外に素直だなこの人)

一「わ、分かってくれたんならいいよ。でももうこんなことしないでね?」

京太郎「はい……本当にすいませんでした」シュン

一「いやー、ボクもちょっと言い過ぎたかなーって」ハハ

一「こちらこそすいませんでした」

京太郎「いえいえ、悪いのは俺なんですから……」

京太郎「……なんて思うワケねぇだろバァカ」バチチチッ

一「うぐっ!!?」

一(ス、スタンガン!?やられた……!)ドサッ

京太郎「こんな簡単な芝居に引っかかっちゃうなんて、龍門渕もチョロイよなー」

京太郎「さーてカギカギっと」ゴソゴソ

一「あ―――う―!!」

京太郎「お、あったった。これか」チャリン

京太郎「それじゃ確かに受け取ったぜ。じゃあな一ちゃん」


――――――
―――――


一「ううっ……」ググッ

一(身体が痛い……全身が痛い……だけど、だけど透華にだけは知らせないと……!服に仕込んでた無線で……)ポチ

京太郎「はい、これも没収」

一「!?」

京太郎「……」ニコニコ

一(……な、なんで!?もう行ったんじゃ……)


バチチチッ ギャアアアアアアアア!!


京太郎「……」キョロキョロ

京太郎(誰もいないな……うし、侵入成功)

京太郎「……しっかし、本当に長野かよってぐらいただっぴろい敷地だなオイ」

京太郎「こりゃ情報持って帰るのに骨が折れそうだなぁ」ハァ

京太郎「で、まずどこから調べようか」


メイドA「衣様ー!?どこにいかれたのですかー!!?」

メイドB「もう、またいなくなっちゃったのあの子ども!」


京太郎「……」スタスタ

京太郎(ふっ、あまりの存在感の無さに普通に歩いても気づかれないとはな)スタスタ

京太郎「悲しいんやら嬉しんやら……おっ?」

京太郎(なんか一際バカでかい扉を発見)

京太郎(まずこの部屋からでいいか)コソコソ

京太郎(………)ソーッ

京太郎(……よし、誰も中にいないな)ガチャッ

ギィィィ バタン

京太郎「さーて、この部屋に龍門渕の手掛かりとなるものはあんのかなっと」

京太郎「いつこの部屋の奴が帰ってくるか分かんねぇし、はえーとこ漁っとくか」ゴソゴソ

京太郎「うん?なんだコレ」ガサッ

京太郎「うおっ!?これはまさかテレビ通販でよく見るアレか!」

京太郎「えーと、アレだアレ……なんだっけ………あ、そうだ!豊胸器具!」

京太郎「ぶぷっ!こ、こんなモン本当に買う奴がいたなんて……!この部屋の主はよっぽど胸が小さいんだろうな!」ハハ

透華「それは悪かったですわね」

京太郎「そうそう、こんなモンに頼っても大きくなんねーぞ」

京太郎「……え?」

透華「余計なお世話ですわ!!」ポチ

ジリリリリリリ

京太郎「!?」

透華「私の部屋に勝手に入り込んだばかりか、秘密まで見てしまっては……生かして帰すわけにはいきませんわ」

透華「どこの誰だか存じ上げませんが、あなたには記憶を全て無くしていただいたうえで牢獄へ行ってもらいます」

京太郎「っ!どけ!」ダッ

透華「きゃっ!」

京太郎(やっべ見つかった…!ここはひとまずどっか屋敷の中に隠れるしか……)





バタン!!


京太郎「はぁ……はぁ、ハ、ハンドボールで鍛えててよかった。なんとか撒いたぜ」ゼーゼー

京太郎(ここは……見た感じ厨房みたいだな)キョロキョロ

京太郎(警報のせいか丁度みんな出払ってるようだし、都合いいぜ)

京太郎「ちょっと一休みっと」スッ


ガツガツガツガツ


京太郎「んっ?」

京太郎「何の音だ……?」スッ

京太郎「!?」


純「んーー、うめぇ!」ガツガツガツ


京太郎(ええーーー……なんだアレ)

京太郎(いやホントなんだアレ、冷蔵庫から直接食糧食べてるぞアイツ……)

京太郎(とりあえず退散しといた方がよさそうだな、関わっちゃダメな予感がする)スッ


ソッチハイタカー? イマセン!!

京太郎(くっそ、まだあのお嬢様風の女の子が豊胸器具使ってるぐらいしか分かったことねーのに……)  サガセサガセー!!

京太郎(流石にこのままのこのこ帰るワケにはいかねー、なんとか清澄のみんなの役に立てる情報掴んで帰らないと)

京太郎(待ってろよみんな!)ダッ

?「うわっ!?」バッタリ

京太郎「うおっ!?」バッタリ

京太郎(ちくしょおおお!!この館曲がり角多すぎだろーーーー!!)

?「………」

京太郎(やっべ!!見つかった……!)


歩「あわわわ……ま、まさか!」

歩「しんにゅ!」ムグッ

京太郎「大声出すな、静かにしろ!!」

歩「んー!!んー!」ブンブン

京太郎「………」

京太郎「殺されてぇかお前……?」

歩「!?」ビクッ

歩「……」グスッ

京太郎「よし、それでいい」

歩「ううっ…」ポロポロ

京太郎(しかし見つかっちまった以上ここに置いてくワケにもいかねーしな、どうしよう)

京太郎「あっ、そうだ」

京太郎「お前ちょっと眠ってろよ」バチチッ

歩「んんーー!?んんんーーーー!!」ブンブン

京太郎「うるせぇな、これ(ハンカチ)でも加えてろ」ギュッ

歩「~~~~!!」

京太郎「そんじゃ、ちょっとビリッとするけど我慢してくれよ」バリバリ

歩「~~~~!!~~!!~~!!」ブンブンブン

バチチチチチッ!!

歩「―――!!!」

歩「―――――」ドサッ

京太郎「………」

京太郎「おーい」ツンツン

歩「」シーン

京太郎「よーし、ちゃんと落ちたな」

京太郎「後はどっかロッカーにでも閉じ込めなきゃ」



京太郎「よいしょっと」ギィィ

バタン

京太郎「ロッカーに閉じ込めたしこれでよし。そんじゃ探索に戻るか」

京太郎「おらっ」バチチッ

SP1「ぐああああ!!」ドサッ

SP2「き、貴様ァ!」

京太郎「うりゃ」バチッ

SP2「ぬああああ!!」ドサッ

サガセー!! マダイルハズダー!!

京太郎「くっそ、次から次へと……」


―――――
――――


京太郎「はぁ…はぁ……さっきから動いてばっかで、流石にしんどいな」

京太郎「ちょっと休もう……どっかにいい休憩スペースでもないかな」

一「うう、まだちょっとヒリヒリする……」フラフラ

一「くっそー、あの悪魔……!通信機器と服まで取り上げるなんて」スッポンポン

一「もしこんなとこ誰かに見られたら……」

京太郎「あっ」

一「あっ」

京太郎「あ、アンタなんで!?縛っておいたはずなのに……!」

一「フフフ……あれぐらいの縄抜け、元マジシャンの卵だったボクには朝飯前さ」

京太郎「くっ!」

一「さぁ、今度こそお縄についてもらうよ!!」

京太郎「その格好だとお前の方がお縄だよ、痴女」

一「なっ!?ボクは痴女じゃな……!」

京太郎「……」つ鏡

一「……」スッポンポン

一「きゃ……!」

京太郎「おっと!静かにしろよ?」バッ

一「んんんん!!」

京太郎「お前だってそんな姿誰かに見られたら困るだろ?」

一「!」ハッ

一(そうだ……透華にこんな恥ずかしい姿見られるわけには……)

一「……」コクコク

京太郎「分かればいいんだよ、分かれば」パッ

京太郎「俺の目的さえ果たせれば服は帰してやるよ」

一「キ……キミは一体何が目的なの?どうして龍門渕に侵入してるの!?」

京太郎「俺がここにきた目的?」

京太郎「決まってんだろ、そりゃ沢村さんをレイプするためだよ」

一「っ!ともきーを!?」ドクン

京太郎「丁度いいや、沢村さんの部屋教えてくれよ。あんたこの館の人なら知ってるだろ?」

一「……知ってるけど」

京太郎「じゃあ早速案内してくれよ」

一「……」ブンブン

京太郎「はぁ?服返してほしくねーのかよ?」

一「服はまだいいよ……だけど、あの"手錠"だけは返して欲しい」

京太郎「別にどっちでもいいよ。だから返してほしかったら案内してくれ」

一「………」

一(ボ、ボクはもう仲間を裏切りたくない……けど透華のくれた手錠もボクにとって大事な大事なタカラモノなんだ」

京太郎「おい、早くしろよ!!人が来ちまうぞ!」

一「…!」グッ

一「嫌だ……」

京太郎「は?」

一「嫌だ!ボクは仲間を売らないよ!」

京太郎「……じゃあこの手錠がどうなってもいいって?」ジャラッ

一「あっ…!返して!」

京太郎「おっと」ヒョイッ

京太郎「最後にもう一回聞くけどさ、本当に沢村さんの部屋教えてくれる気は?」

一「な、ないよっ!」

京太郎「そっか、残念だなそりゃ」

京太郎「……じゃーアンタ、覚悟はできてるってことだな」ジリッ

一「!」ビクッ

一(な、なにされるの!?)

京太郎(この子よく見たらすっげー可愛かったよな確か)

京太郎(よし決めた、連れて帰ってレイプでもするか)スッ

一「!?」ゾクッ

一「や、やだ……!こないで……!」

京太郎「沢村さんの代わりにお前が相手してくれんだろ?」

京太郎「じゃお前をお持ち帰りしてじっくり楽しませてもらうぜ」

一「ひっ……」

一(だ、誰か…誰か助けて……!ハギヨシさん!純くん!智樹!衣!……透華っ!!)

透華「待ちなさい!!」

一「……!」

京太郎「っ!?アンタ豊胸の……!」

透華「うるさいですわよっ!」

一「と、透華!!」パァッ

透華「遅れて申し訳ないですわ一。ですがもう安心してくださいまし」

透華「この私が来たからには、もうこの男に悪さはさせませんわ!」

一「うん!」

京太郎「言ってくれるじゃねーか。どうやってだ?」

透華「……」スッ

京太郎「?」

透華「このトランクケースの中に一億入っていますわ。それで一を見逃していただけないでしょうか?」パカッ

一「いっ!?」

透華「もちろんSPも引きあげさせますわ」

京太郎「おお、すっげ!一億円なんて初めて見た!」

一「だ、ダメだよ透華!ボクのためにそんな大金を……」

透華「私にはお金よりも、あなたの方が大事ですのよ!」

一「……透華」グスッ

透華「それで、一を解放していただけませんか?」

京太郎「ダメだ。足りねーよ」

透華「な……!」

一(コイツ……っ!)

京太郎「もっと金あるだろ?こんだけいいトコ住んでんだからさ」

京太郎「そうだな、ざっと……」

京太郎「50億だ。50億」

透華「ごっ……!」

一「50億だって!?」

一「透華!こんな頭がオカシイ奴相手にする必要ないよ!」

透華「………」

京太郎「ならアンタが俺にお持ち帰りされるだけだ」

一「ボクのことは放っておいていいから、払わないで!」

透華「……分かりましたわ、払いましょう。50億」

一「透華!?」

透華「ちょっとお待ちになってくださいまし」


――――――
―――――


透華「50億の小切手ですわ」スッ

京太郎「本物か?」

透華「ええ、この私がそんな小細工などするはずがないでしょう」

京太郎(まぁ、見た感じちゃんと印もマジモンっぽいし大丈夫か)

透華「さぁ、約束どおり一を帰しなさい」

京太郎「……確かに。おら、行けよ」パッ

一「透華っ!」ダッ

透華「一っ!!」

一「怖かった……怖かったよぉぉ!!」グスッ

透華「よしよし、もう安心ですわよ」

一「ごめんなさい、またボクのせいで!!」

透華「いいえ、誰もあなたを責めたりしませんわよ」ナデナデ

京太郎「………」ケッ

京太郎(ま、当初の目的は果たせなかったけど50億ゲットできたしいいっか)

京太郎(そんじゃ清澄に帰りますか)

衣「……」トテトテトテ

京太郎「ん?」

衣「わわっ!」ドテッ

衣「………」

衣「……うっ」グスッ

京太郎(なんだあのちっこいのは……)

京太郎「おい、大丈夫か?」

衣「―――!」ハッ

衣「むっ、誰だお前は?!」ゴシゴシ

京太郎「通りすがりの京太郎だ」

衣「とおりすがりのきょうたろう?なんだそれは?」

京太郎「困ってる人を見たら助けたくなる人間の鑑のことだよ」

衣「ほう……そうか」

衣「ならば……!衣を助けろ!」

京太郎「は?」

衣「衣はお腹が減ったぞ!」ギュルル

京太郎「はぁ……」

衣「なぜかみな朝から出払っていて、衣のご飯を作ってくれる者がいないんだ」

衣「だから代わりにきょうたろうが作ってくれ!」

京太郎「………」

京太郎(な、なんて図々しい子どもなんだ……)

衣「ダメか?」シュン

京太郎「あ、いや……」

京太郎「……俺の家に来るか?そこなら軽いモンなら作ってやれるけど」

衣「本当か!?行く、行くぞ!!」

衣「わーい!外食だー!」

京太郎「お嬢ちゃん、ちょっと銀行によってもいいか?」

衣「衣はお嬢ちゃんじゃないぞ!お姉さんだ!」

京太郎「はいはい」ポンポン

衣「頭をなでるなぁー!」

京太郎(それにしても、銀行に行くのはいいんだけど……)

京太郎(俺みたいなガキが50億なんて大金換金したら絶対怪しまれるだろうし……どうやって引き出そうかな)

京太郎(換金しなきゃマジでタダの紙切れだぞコレ)スッ

衣「うにゅ?何を見ておるのだ京太郎?」

京太郎「ん?ああ、おこまちゃまにはまだ早いものだよ」

衣「ぐっ、何度も何度も……!いい加減に衣は悲憤慷慨だぞ京太郎っ!」

衣「先ほどから言っておるが衣を子ども扱いするなー!」バッ

京太郎「あ、よせ!!」

ビリッ

衣「あ」

京太郎「あっ」

衣「………」

京太郎(ノオオオオオオオオ!?俺が命がけでもぎ取った50億がああああああ!!)

京太郎「お前!!」

衣「っ!」ビクッ

京太郎「この小切手、50億の価値があったんだよ!」

衣「50……億?」

京太郎「ああ……多分俺が一生働いても手にすることができない金だよ」

京太郎「あーこれどうやって責任とってもらおうかなー」

衣「べ、弁償すれば許してもらえるのか?」ゴソゴソ

京太郎「弁償なんてできねーだろお前みたいな子どもに」

京太郎「ここはやっぱり身体で支払ってもらうしか……」

衣「これに天江家の財産の半分が入っている。好きなだけ使え」スッ

京太郎「な………い…」

京太郎(うお!まさか……この黒く輝くのは伝説のブラックカード!?)

京太郎(なんでこんな子どもが!?)

衣「トーカに持たされていてよかったぞ」ホッ

京太郎(……あ、そうだった。この子確か龍門渕の関係者か。ならおかしくはない、か)

衣「それでなんとか許してはもらえないか京太郎?」

京太郎「そうだな……」

京太郎「仕方ねぇな」

京太郎「ただしこれはいただく」バッ

衣「あっ」

京太郎「サンキュ、早速下ろしに行ってくるぜ」


――――――
―――――


京太郎「とりあえず100万ほど下ろしてきた」

衣「そのカードはもうお前の私物だ。好きにすればいい」

衣「それより衣はお腹が減って仕方がないぞ……」グゥー

京太郎「ああ、そうだったな。悪い悪い」

京太郎(子ども一人に飯作るだけで何億ものカードが転がり込んでくるんなら、お安い御用だぜ)

京太郎(この100万何に使おっかな~♪)

京太郎「女子高生でも買うか」

衣「にゅ!?」

京太郎「なぁ、ここらへんで女子高生が売られているとことか知らないか?」

衣「……無知蒙昧にも程があるぞ京太郎。少なくともこの国では無い」

京太郎「えー」

衣「それと……今し方の女子高生で思い出したが、衣も一応女子高生なんだぞ!」

衣「だからこの先子ども扱いするのは禁止だ!」

京太郎「……へぇ」

衣「うう、信じていない眼だ」

京太郎「じゃあ女子校生衣ちゃんは幾らで俺に買われてくれるんだ?」

衣「……」

京太郎「例えだよ例え。値段をつけるとしたらだって」

衣「ふっ……衣にお金で価値をつけようなど笑止千万!」

衣「世の中にはお金で買えぬ物もあるということをよく覚えておけ京太郎!」キリッ

京太郎「つまりプライスレスってことか」

衣「違う!どうしてそうなる!?」

京太郎「じゃあプライスレスの衣ちゃん、タダで俺の家にお持ち帰り決定だな」ヒョイッ

衣「話を聞けー!かつぐなぁ!」


―――――――


衣「京太郎!疾く疾く!」カンカン

京太郎「はいはい、お待たせしましたお姫様」コトン

衣「わぁっ!」

京太郎「材料あんま無かったからカルツォーネしか作れなかったけど、そこそこいい出来だ」

衣「うむ……それでは……!」

衣「いただきまーす!」

衣「オロロロロロ」

京太郎「ぎゃー!!」

衣「げほっ、げほっ……!な、なんだこの味は……まさに魑魅魍魎と呼ぶにふさわしい……うっ!」

衣「オロロロロロ」

京太郎「待て待て!トイレまで持ちこたえてくれ!!」 オロロロロローン


京太郎「なんかすまん」

衣「気にするな京太郎。あのような料理を創れるのも才能と言えよう」

京太郎「魑魅魍魎とかさっき言ってなかったっけお前」

衣「しかしお腹いっぱい食べるはずが……逆にもっとへってしまったぞ」グゥー

京太郎「……外食行くか」ハァ

衣「外食!?」ガタッ

衣「ハミレス!衣はハミレスがいい!!」

京太郎「分かった分かった!」

京太郎「こんにちわー」

まこ「おお、京太郎。珍しいなウチにくるなんての」

衣「え……ここは?」

京太郎「渋谷先輩んちが経営してる雀荘兼メイド喫茶、"roof-top"だ」

衣「……衣はハミレスがよかったぞ京太郎」

京太郎「まぁまぁそう言うなって。ここもファミレスに負けないぐらい美味いぞ」

まこ「なんじゃ、えらいちっこいのがおるの……まさか京太郎?」

京太郎「誤解ですってば誤解!!」

京太郎「単なる友達ですって!」

衣(友達……?)ドクン

衣(衣の……友達?)ドクン

まこ「この子すごいニヤついとるぞ……どうしたんじゃ?」

京太郎「さ、さぁ?」

衣「京太郎!」

京太郎「ん?」

衣「衣と京太郎は本当に友達か!?」

まこ「……おい」ジー

京太郎「あ、ああ!何言ってんだ俺ら友達じゃねーかよ!」

衣「!」パァァ

まこ「なーんか怪しいが、まぁいいわ。後で咲と和も来るけぇそれまでゆっくりしときなさい」

衣「~♪」ニマニマ

京太郎「お、おい……ちょっと近くないか?」

衣「許せ京太郎。衣と京太郎は友達だからな!」

京太郎(それ友達関係ないだろ)


チリーンチリーン

まこ「ほら、こっちじゃ」

咲「こんにちはー」

和「お邪魔します」

まこ「お前さん達のよく知っとる先客もおるけぇの」

和「先客?」

京太郎「あっ、咲に和も!」

咲「え……京ちゃん?どうして染谷先輩の実家に?」

衣「知り合いか京太郎?」

京太郎「ああ、同じ学校の」

衣「……ほう」ゴッ

咲「っ!」ビクッ

咲(な、なにあの子……なんだかお姉ちゃんみたいな)

咲「うぷっ……!」

和「宮永さん!?」

京太郎「おい、どうした咲?」

衣「京太郎!衣はこのすすみ焼きハンバーグが食べたいぞー!」ポケー

京太郎「ちょっとゴメンな!」

衣「あっ……」


京太郎「咲、大丈夫か?」

咲「う、うん……なんでもないよ。ゴメンね心配かけて」

和「顔色悪いですよ?本当に大丈夫なんですか?」

まこ「今日は無理せんほうがええかもしれんのう」


衣「………」ポツーン

衣「きょ、京太郎ー!衣はお腹が減ったぞー!」


京太郎「俺、ちょっと咲を家でまで送ってきますんで」

和「私も途中までついていきます」

まこ「それがええの」

咲「ごめんね和ちゃん、京ちゃん……京ちゃんはお友達がいるのに」

京太郎「いいって、今更そんなこと気にする仲かよ」


衣「きょうたろー……」


京太郎「衣のことお願いしますね。後で迎えにくるんで」

まこ「ああ、こっちは任せとって大丈夫じゃ。咲のこと頼むぞ」

京太郎「はい、すぐ戻ってくるんで」


衣「………」


まこ「さーて、あのちっこいのの相手せないかんのう………」

まこ「って、いない!?どこ行ったんじゃあの子どもは!?」


チリーン チリーン

京太郎「戻りました染谷先輩」

まこ「おーご苦労さん。咲の具合はどうじゃった?」

京太郎「家まで送る頃にはだいぶ回復してました。後は和がついてくれてるんでもう大丈夫だと思います」

まこ「そうか、ほんならもう心配はええの」

京太郎「染谷先輩にも衣の面倒みてもらってしまって、本当にすいません」

まこ「……あー、そのことなんじゃが」

京太郎「………」キョロキョロ

京太郎「あれ?アイツは、衣はどこに行ったんですか?」

まこ「実はな……」

カクカクジカジカ

京太郎「行方不明!?」

まこ「すまん、お前さん達の見送りしとるわずかな間におらんくなっとったわ」

まこ「わしも近所探してみたんじゃが見つからなくてのう」

京太郎「と、とりあえず俺、探してきます!」

まこ「待たんか!もう暗くなるけぇ明日に………て早いのアイツ」


――――――


京太郎「はぁ、はぁ……どこに行ったんだよアイツ」

京太郎「どんどん日も暮れてってるし、なにより腹空かせてるだろうから早く探さねーと……!」



衣「………」トボトボ

衣(……京太郎にとって)

衣(京太郎にとって衣は数多大勢の友人の一人に過ぎないのかな)

衣(衣にとっては……龍門渕以外で初めてできたたった一人の友達なのに)

衣「………」グゥー

衣(ご飯も結局食べられなかったし……お腹空いてもう衣は死にそうだぞ)

衣「……ううっ」ジワッ

衣「トーカぁ!ハギヨシー!!」ビエーン

衣「お腹減ったお腹減ったー!」



京太郎(やっと見つけたと思ったら何だアレは……)

京太郎(子どもじゃない!とか言っておきながら完全に子どもにしか見えないぞ)

京太郎(やれやれ……)ハァ







京太郎(仕方ない、迎えに行くか)


衣「うっ……うっ」グスッ

京太郎「おい、衣」

衣「……!」ハッ

京太郎「お前なにやってんだよこんなトコで」

衣「………」

京太郎「今の自分の顔見てみろよ。眼真っ赤で鼻水垂れてるぞ」

衣「……」ゴシゴシ

衣「ふん、有象無象が何しにきた?」

京太郎(有象無象ってアンタ……)

京太郎「なんで突然出て行ったんだよ?染谷先輩心配してたぞ?」

衣「あの場に衣は不要と感じたから出て行ったまでだ。それの何が悪いのだ?」

衣「実際衣がいなくても何も変わらなかっただろう?」

京太郎「………まさかと思うが」

京太郎「俺が咲の方に構ってたから拗ねてるのか?」

衣「!」ドキッ

衣「……自意識過剰もここまで極まると滑稽だな京太郎。どうしてお前が他人に構ってるから衣が拗ねる必要がある?」

京太郎「そりゃ、お前アレだからだろ?」

京太郎「寂しかった…とか?」

衣「っ!」

京太郎「なんて、ガキじゃあるまいしそんな理由なわけないか」

衣「………」

衣「そんなもの……寂しかったに決まっている」

京太郎(あ、あれ?"片腹大激痛!"とか言い出すもんかと思ったんだけど……)

衣「京太郎は衣の初めての友だ」

衣「衣にとって初めての友という存在がどれだけ嬉しかったか」

京太郎「……」

衣「けれどその友は衣の目の前で別の友を優先した」

衣「これを寂しいと言わずになんと言えるか?いや、言えないだろう」

京太郎「……あれは仕方なかっただろ」

衣「仕方なくなどない!!」ゴッ

京太郎「うおっ!」ビクッ

衣「衣は常に京太郎の一番でありたいぞ!」

衣「衣は京太郎の一番じゃなければ嫌だ!!」

京太郎「そ、そんな事言ったって……」

京太郎「そんなの結婚でもするしかねーだろ」

衣「けっ……こん?」

衣「そ、それは夫婦の契りを結ぶということか?!」

京太郎「ああ、"友達"である限りはずっとお前を優先するなんて無理だよ。俺には他に大事な友達もいるからさ」

京太郎「けど、もしお前と結婚したら俺は衣を最優先にするしかないだろ」

衣「ほう……されどなぜ急に結婚の話など……」

衣「っ!」ハッ

衣「もしかして…………遠まわしに衣を伴侶にしたいと言っているのではないだろうな?」

京太郎「ははっ、それは流石に」

京太郎(……いや、子どもの言う事だしいいか)

京太郎(どうせ結婚できる年齢になってる頃には俺の事なんて忘れてるだろ)

京太郎「ああ、そうだよ」ニコッ

衣「こっ、衣といたら不幸になるかもしれないぞ?」

京太郎「いいよいいよ」

衣「幸せになれる保障など微塵もないぞ?」

京太郎「どんとこいよ」

衣「………」

衣「その言葉に嘘偽りは無いのなら……衣を抱きしめてくれ」ボソッ

京太郎「?抱きしめればいいのか?」

衣「…」コクリ

京太郎「なんだ、そんなことなら幾らでもしてやるよ」

京太郎「ほら、これでいいか?」ダキッ

衣「……うん!」パァッ

京太郎「お、やっと笑ったな」

衣「もうずっとずっと離さないからな京太郎ー!」


京太郎(俺通報されてないよな?)キョロキョロ




ポトッ

京太郎「ん?おい。なんか落としたぞ」

衣「あっ…衣の生徒手帳だ」

京太郎「生徒手帳……?」スッ

京太郎(最近の小学校には生徒手帳なんてものがあるのか、進んで……)

京太郎「………」

衣「どうした京太郎?そんなに衣の生徒手帳が珍しいか?」

京太郎(龍門渕高校2年☆組○番……天江衣)

京太郎(龍門渕高校……)

京太郎(高校!?)

京太郎「お前高校生なのか??!しかも年上?」

衣「何を言ってるのか京太郎。衣はずっと女子高生だと言っていただろう」

京太郎(え?ウソ?あれって嘘じゃなかったのか?)

衣「だから、衣はもうもう結婚できる年なんだぞー!」ダキッ

京太郎「…」

京太郎「へっ?」

衣「今からトーカ達の所に行こう!衣は京太郎を紹介したいぞ!」

京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ……脳の整理が追い付かない」

京太郎(まず深呼吸……深呼吸)スーハー

京太郎(……よし)

京太郎「あと2年待ってくれ。ちゃんと結婚できる年齢になってから会いたいんだ!」

衣「むぅ……2年は長いぞ京太郎」

京太郎「男は法律で18歳にならねーと結婚できねーからさ、こればっかりは仕方ねーよ」

京太郎「だからあと2年、2年だけ待っててくれないか」

衣「……納得いかないが敢えない」

衣「お前がそう言うのなら衣は2年でも10の年月でも待つぞ」

京太郎「ありがとな衣」

京太郎「2年後にきっとお前を迎えに行くからさ」

衣「うむ!待っているぞ!」

衣「とりあえずトーカ達に報告……!」

京太郎「それもあと2年は待ってくれ」ガシッ



京太郎「と、いうわけで衣と婚約(仮)したわけだけど」

京太郎「流石に2年は長いなぁ、ちょっとぐらいは……」

京太郎「いや、俺はそんな男ではない」

京太郎「2年後に堂々と衣と結婚できるような男でなければ」

京太郎「とりあえず清澄に龍門渕のスパイ結果を報告しねーとな」


―――――
――――


実況『決まったー!天江衣、風越池田を飛ばしインターハイへの切符を掴んだー!!』

衣『京太郎ー!見てるかー!!』

衣『これで一緒に皇都にいけるー!』

衣『早く!早く衣はなでなでしてほしいぞー京太郎ー!』

衣『テレビの前で全国の者へ見せつけてやろうぞ!』


純「京太郎とかいうヤツ、一体どうやって衣をあそこまで懐かせたんだ?」

一「凄いよね。あんなに楽しそうに麻雀打ってる衣みたの初めてだよ」

透華「あの衣が心を開いた方ですわ、きっと素晴らしいお方に違いありません」

透華「どんなお方が衣の所に来るのか楽しみですわ」



京太郎「………」ダラダラ

和「もしかして……」チラ

優希「そ、そんなアホな話があるワケがないじぇ」

優希「な、犬?」

京太郎「………」アワワワワ

衣「京太郎ー!!」バッ

京太郎「よく頑張ったな衣、おめでとう」ナデナデ

衣「えへへ……」

咲(!?)

ゆみ(なんだあのフルフェイスヘルメットは!?)

池田(怪しいヤツきたし!)

京太郎「ごめん、あんまり時間が無いからこれ」スッ

衣「うにゅ?」

京太郎「その紙、誰にも見せないでくれよ。そこで待ってるから」

衣「何をそんなに急いでるのだ京太郎?」

京太郎「詳しいことは離せん、じゃあまた後で!!」ダッ

衣「あっ!」


衣「……むー、衣はもうちょっとなでなでして欲しかったぞ。それになんだこの紙切れは」ガサッ

衣「"後でまこさんちに集合"」

衣「ま……まこ?」


――――――――


京太郎(早く龍門渕の奴らに見つかる前に控室に戻らないと)ダッシュ

京太郎(この会場さえ出ればもうコッチのもんだからな!)

純「おい、そこのフルフェイス!!」

京太郎「!!」バッ

透華「ちょっとお時間いただけるかしら?」

京太郎(うわあああ龍門渕に見つかったあああああ!)

透華「今し方テレビで拝見させてもらいましたが、あなたですわね?衣の交際相手と言うのは」

一「中々スタイルはいいね。背の高い純くんとあんまり変わらないんじゃない?」

智紀「問題は顏」

純「つーか、なんでヘルメットなんて被ってんだ?熱いだろ」

京太郎「……趣味で」

一「………」

純「………」

智紀「人にはそれぞれ趣味がある」

透華「ま、まぁそうですわね。もしよろしければお顔を見せてくださいませ」

京太郎「それはイヤです!!」

透華「……なにかご理由でも?」

京太郎「は、はい。ちょっと人に見せたくない傷があって」

透華「あっ……そ、そうでしたの。申し訳ないですわ」

一「なんだか悪いことしちゃったね」

純「だな。ごめんなアンタ」

京太郎(なんだ、案外チョロいな。このまま乗り切れそうだぜ)

京太郎「それじゃ俺はこれで。急いでるんで」

純「ああ、じゃあな」

透華「いつでもうちに遊びに来てくださいまし」

一「待ってるからねー」

智紀「衣も待ってる」


―――――――


京太郎「なんとか乗り切れたなぁ、よかったよかった」

咲「よくないよ京ちゃん。これで3年生の部長は……」

京太郎「おいおい、まだ個人戦があるだろ?」

咲「部長、全国は"団体戦で行きたい"って言っでたでしょ?」

京太郎「あっ、そっか……」

京太郎(衣の龍門渕が優勝して嬉しい反面、やっぱりお世話になった最後のインハイになる部長にも勝ってほしかったな)

京太郎(……とりあえず染谷先輩んとこ行こう。衣が待ってるはずだ)



京太郎「こんにちはー」 チリーン チリーン

衣「京太郎!」

京太郎「おっす。悪いな優勝した直後で呼び出したりして」

衣「問題ないぞ。衣はここの場所を知らなかったから案内役もついてきたが」

京太郎「えっ」

衣「紹介するぞハギヨシ、京太郎だ!」

ハギヨシ「こんにちは」ニコッ

京太郎「え?ああ、はい!こんにちは!」

京太郎(執事さんか……よかった)ホッ

ハギヨシ「衣様からいつも話は伺っております。とても素敵な方と」

衣「ハギヨシ!一言多いぞ!」カァッ

京太郎「ははは……」

ハギヨシ「それと一つお聞きしたいのですが、よろしいでしょうか須賀くん?」

京太郎「なんですか?」

ハギヨシ「以前、どこかのお屋敷に侵入したことは?」ボソッ

京太郎「!」ガタッ

衣「わわっ!」ビクッ

ハギヨシ「……」ニコニコ

京太郎(この人まさか……)

衣「ど、どうした京太郎?急に立ち上がるから吃驚したぞ!」

ハギヨシ「フフフ、ご安心を」

ハギヨシ「あなたが"衣様の恋人である限り"はその邪魔は致しません」

衣「何を珍妙不可思議な事を言ってるのだハギヨシ……まさかお前京太郎を」ゾクッ

ハギヨシ「滅相もありません。ただ二人の恋路を応援したいあけですよ」クスッ

ハギヨシ「私は衣様の幸せを願っていますからね」

京太郎(なに考えてるか分かんねー人だな……敵じゃないってのは分かったけど)

衣「話は済んだかハギヨシ?」

ハギヨシ「ええ」

衣「それでは本題に入るが、どうして衣をここに呼び出した?」

京太郎「ん?」

衣「んではない!なにか要件があったから衣をここに呼び出したのだろう?」

京太郎(あっ……そこんとこなんも考えてなかった)

京太郎(とりあえずあの会場から離れることしか頭に無かったからなぁ……何て言うかな)

京太郎「とくになし」

衣「ほう……特に要件は無いが衣を呼んだというのか」ニヤニヤ

京太郎「ダメだったか?」

衣「そんなことは無いぞ。衣も京太郎に会いたかったからな!」

京太郎「はは、サンキュ」

京太郎「あとさ、改めて県大会優勝おめでとう。東京でも頑張って来いよ」

衣「うむ!………ん?」

衣「待て、それはおかしいぞ」

京太郎「はい?」

衣「京太郎も衣と一緒に東京に行くのだろう?」

京太郎「いやそれは無理」

衣「えっ……なぜだ!?」

京太郎「他校の俺が優勝校に交じってインハイ見に行くって、色々と気まずいからな」

京太郎(ってのは建前でホントは顔見られただけでアウトだから)

衣「そ、そんな事を皆は気にしたりはしないぞ!」

京太郎「俺が気にするんだよ。衣の恋人とはいえ、いきなり龍門渕の中に入ることはちょっとさ」

京太郎「まぁ、ちゃんとテレビの前で見て応援してるからそれで勘弁してくれ」

衣「……」

京太郎「なっ?」

衣「………京太郎が来ないと言うのならば」

京太郎「?」

衣「衣は東京に行かない!インターハイの出場権は清澄にでもくれてやる!」

京太郎(ええええーっ……どうしてそう極端なんだこの子は)

京太郎「それは流石にダメだろ!お前だけじゃ無く龍門渕の麻雀部事態の問題に発展するぞ」

衣「うるさーい!京太郎が居ない東京で過ごす日々など阿鼻叫喚と化すのみ!」



京太郎「……とか言ってますけど、どうしましょう」

ハギヨシ「フフッ、そうですね」






ハギヨシ「他の方には内緒にしますので、どうか衣様のわがままを聞いてあげて頂けないでしょうか」

京太郎「内緒にって無理じゃないですか……衣といればどうしても龍門渕の人達と会うワケですし」

ハギヨシ「その点についてはお任せを。私が全身全霊をかけてサポートさせていただきます」

京太郎「それで大丈夫という根拠は?」

ハギヨシ「大丈夫という根拠………"私"じゃダメでしょうか?」



京太郎「あのさ衣、俺もやっぱり行くことにしたよ東京」

衣「本当か!?」

京太郎「ああ、マジで」

衣「わーい!これで京太郎と東京で遊べるぞー!」

京太郎「だからインターハイで、咲たちの分まで頑張ってくれよ」

衣「無論!京太郎の前で衣の力を全国の奴らに見せてやろう」


――――――


衣「とっうきょー♪とっうきょー♪きょーたろーとー♪」

ハギヨシ「ご機嫌ですね衣様」

衣「うむ!楽しみが増えれば増えるほど盆と正月が一緒に来る気分にもなろう!」

ハギヨシ「そうですね」フフ

京太郎「……本当に大丈夫なんですかハギヨシさん?」

ハギヨシ「ええ、ご心配には及びません」

京太郎「本当の本当ですか?龍門渕が俺を嵌めようとか考えてないですよね?」

ハギヨシ「本当の本当ですよ須賀くん」

ハギヨシ「さぁ、透華お嬢様達がお待ちしておりますよ。行きましょう」


――――――――――


透華「お待ちしておりましたわ。貴方が衣の交際相手という方ですわね」

京太郎(うわ出たっ!)ビクッ

透華「まぁ……そこそこですわね、合格点」ジー

京太郎「えっ」

透華「私は龍門渕透華。龍門渕の部長で衣の従姉妹ですわ」

京太郎(……あれ?)

一「へぇ、この人が衣のねぇ……あ、ボクは国広一って言うんだ。よろしくね」

智紀「普通」

純「あんまり特徴って言った特徴はねぇな……で、どうやって衣を落としたんだ?ん?」ニヤニヤ

一「もう、二人とも失礼だよ。まず自己紹介からしないとさ」

京太郎(ハギヨシさんあなた一体何を?)チラッ

ハギヨシ「……」ニッコリ

ハギヨシ「私は衣様をお迎えにあがりますので、それまでごゆっくり雑談を」


純「なぁなぁ、お前さ?衣とはどこまで進んだんだよ?」

京太郎「え?」

純「恋人なんだからキッスの一つぐらいはしたのか?」ニヤリ

透華「んなっ!?」

一「ちょ、純くん!いきなりそういう事聞いちゃダメだよ!」ワクワク

京太郎「いや、まだ何も」

純「……は?」

京太郎「だからまだ何もしてません」

一「……」

智紀「……」

透華(よかった)ホッ

純「かーっ、ヘタレかよオメー!」

一(ま、まぁそうか……相手は衣だしそんな気持ちにならないか)

透華「当たり前ですわ!衣にそういうのは早すぎます!」

京太郎「えーと……同年代ですよね?」

透華「とにかくこの話題はもう中止!衣ももうすぐ到着しますわよ」


――――――
―――――
――――


衣「トウキョウだ皇都だ眺望絶佳だー!」ピョンピョン

衣「衣はまたここに来れて嬉しいぞ!それに今回は京太郎もいる!」

京太郎「はは」

純「またはしゃいで途中で寝ちまうなよ?おぶるのオレ………いや、今回は須賀がいるな」

一「そうだね。衣が寝ても須賀くんにおぶってもらえばいいよ」

衣「衣を子ども扱いするなー!」

京太郎「あのー……ところで龍門渕さんは?」

智紀「透華は部長だから抽選に行ってる」

京太郎「ああ、なるほど」

京太郎(……って、え?それじゃあ会場にいなくちゃいけないんじゃないのか?)

純「どこが来ても勝つから関係ねーけどな。あ、でも臨海にだけはも一回あたりてーわ」

一「うん。あの準決勝は衣がいたら勝ってたかもしれないからね」   ピピッ

智紀「……透華からメールきた」

純「お、きたか。オレ達どっちのブロックになったんだ?」

智紀「Aブロック」

純「Aブロックか………ってそれどうなんだ?」

一「そんなのトーナメント表見なくちゃ分からないよ」

智紀「ファイルでトーナメント表も来てる」

純「お、見せてくれ」

一「っ!白糸台に千里山……!」

純「んだよ、アイツ臨海と逆ブロック引きやがったな」

一「そんなこと言ってる場合じゃないよ……全国1位と2位のいるブロックに入っちゃったよボク達」

京太郎「……その二校そんなに強いの?」

衣「さぁ?」ポケー

京太郎「さぁって……大丈夫か?」

衣「そう案ずるな京太郎。強かろうが弱かろうが関係無し、全て衣がなぎ倒す」

京太郎(どっからその自身がわいてくるのか……まぁ、確かに県予選凄かったけど)

衣「……だ、だからその」

京太郎「?」

衣「もし優勝できたら、龍門渕にきてほしい」

京太郎「えっ」

衣「衣はもっと京太郎に一緒にいたいぞ……休日だけじゃ足らないんだ」

京太郎(無茶なことを……色々無理だろ)

京太郎「まぁでも、優勝できたら考えてやるよ」

衣「本当か!?」

京太郎「ああ、考えてやる」

衣「わーい!京太郎が龍門渕にくるぞー!」

京太郎「そうだな、じゃあ優勝できなかったら……」

京太郎「その次の日はナデナデなしな」

衣「なっ!」ガーン

衣「そ、そんな殺生な真似……あまりに酷いぞ」

京太郎「もし優勝できなかったらだよ」

衣「……そうか。優勝すればいいだけの話か」

衣「ならば是非も無し」ゴッ


純「いつにも増してやる気だなアイツ」

一「そうだね。衣は肝心なところで手を抜く癖があるから、やる気を出してくれた彼には感謝しないと」

智紀「実際県大会決勝も危なかった」


―――――――
――――――


純「1回戦余裕だったな、欠伸がでるぜ」

一「まさかまた3校も飛ばしちゃうなんて、流石に驚いたよ」

衣「ふふん」ドヤ

透華「問題は次の2回戦ですわ……千里山女子に劔谷と、強豪ばかり」

衣「京太郎ー!今日の褒美にいつものが欲しいぞ!」

京太郎「はいはい」ナデナデ

衣「えへへ」

透華「いや……大丈夫そうですわね」








恒子『2回戦終了ー!圧倒的点差で龍門渕、そして僅かにくらいついた千里山が準決勝進出だぁぁぁ!!』


純「わり、先鋒戦ちっと削られちまった」

一「相手は園城寺怜だったからね。仕方ないよ」

透華「そうも言ってられませんわよ……次の相手はあの宮永照率いる白糸台がいます」

透華「千里山はなんとかなりましたけど、白糸台はそう甘くないですわ」

智紀「飛ばないでね」

純「飛ぶか!」

衣「ただいまー!!」バタン

透華「お帰りなさい。見事なご活躍でしたわよ」

衣「うん!京太郎は!?」キョロキョロ

一「ああ、彼にはちょっと買い出しを頼んであるんだ」

衣「そ……そうか」シュン

純「そんな顔すんなって、すぐに帰ってくるに決まってるだろ」ナデナデ

衣「……京太郎の手より小さいぞ」


―――――――


京太郎「どうして率先して使い走りを申し出たんだ俺は……別に部員じゃないのに」

京太郎「まるで部長に教育されてるのかのようでこえーな……」

ゴンッ

京太郎「っ!」

?「いたっ!!」

京太郎(やっべ……!)

照「う…」ドサッ

京太郎「うわ、すいません!大丈夫ですか!?」

照「……前見てなかった私も悪いから、気にしないで」

京太郎「でも、思いっきりこけてましたし」

照「本当にだいじょ……うっ!」ズキッ

京太郎「ちょっと、脚見せてください!」バッ

照「あっ」

京太郎「うわっ……捻挫してるじゃないですか」

照「そんなに大袈裟なものでもない」

京太郎「医務室ってここら辺にあるんですか?」

照「……多分ある、はず」

京太郎「それじゃあそこまで行くのにおぶっていくんで、俺の背中使ってください」

照「いや、いい自分で……っ」ズキッ

京太郎「脚ひきずってるじゃないですか、いいからほら!」

照「………」

照「……お邪魔します」




衣「遅い」

衣「遅い遅い遅いぞー!」

一「確かにちょっと遅いね……電話してみようか」

透華「いえ、それには及びませんわ一。ハギヨシ」パチン

ハギヨシ「はっ」シュッ

透華「須賀さんの様子を。荷物が辛そうならお手伝いをしてあげなさい」

ハギヨシ「かしこまりました」

京太郎「どうでしたか?」

照「うん、少し冷やせば大丈夫って」

京太郎「よかった大きな怪我が無くて」ホッ

京太郎「何て言うかほんと、すいませんでした」

照「こちらこそごめんなさい。色々と迷惑を」

京太郎「なんのなんの、日頃の苦労に比べりゃ屁でもないですよ!」ハハハ

照「……ありがとう。ところで時間は?」

京太郎「時間?」

照「両手に袋一杯の荷物持ってるからお使いの途中か何かと思ったんだけど……違う?」

京太郎「………」

京太郎「あああああーーーっ!!!」

照「!」ビクッ

京太郎(衣に菓子持ってく途中だったんだ……!早くしないとまたヘソ曲げるぞあいつ!)

京太郎「すいません!俺はこれで!」ダッ

照「あっ……ちょっと待って」

京太郎「なんですか!?」ピタッ

照「お礼をさせて欲しいから喫茶店でも……って思って」

京太郎「はいっ?」

照「その荷物を片付けた後に時間がよければだけど」

京太郎(うおお……!これはもしやデートのお誘いというヤツなのか?!)

京太郎(いや、しかしなぁ……こんな美人さんにデートに誘われるのは嬉しいけど俺には衣がいるし)

京太郎「すいま……」

照「だめ?」シュン

京太郎(っ!)

京太郎「あ、あー!そういえばこの後暇だったんで丁度よかったです!」

照「……本当に?無理とかしてない?」

京太郎「はい、本当ですよ!」

京太郎(いやいやダメだろ何言ってんだ俺………んー、でもあんな顔見せられちゃなぁ)

照「じゃあ昼の1時に会場の外で、待ってるから」

京太郎「分かりました。後で行きますね!」



ハギヨシ(帰りが遅いと思ったらこういうことですか)

ハギヨシ(これはみなさんにどう報告するべきでしょうかね……)





京太郎「すまん、遅くなった―」ガチャ

衣「おーーーーっっっっそーーーーーーいぞ!どこで油を売っていた!?」ピョーン

京太郎「わり、ちょっと道に迷ってさ」

衣「道に迷った?たわけめ、この会場の地図ぐらい頭に入れておけ!」ガバチョ

純「とかなんとか文句言いつつ飛びつくんだな」

透華(ハギヨシ)

ハギヨシ(はっ)

透華(道に迷った須賀くんを見つけられなかったと?あなたが?)

ハギヨシ(申し訳ございません。私の力不足です)

透華(いや、責めるつもりは無くてよ?ただ……)

一「あっ、そうだ須賀くん。お昼ご飯みんなでファミレスに行く予定なんだけど行くよね?」

衣「わーい!ハミレスだーハミレスだー!!」

京太郎「あっ……ちょっとそれは」

一「へ?」

京太郎「すいません、この後ちょっと予定があって」

衣「え…っ」

純「はぁ?」

透華「予定?衣より先に優先すべき予定が何かあるとでも?」

京太郎「先約があって、ホントすいません!」

衣「きょ、京太郎は……衣と一緒にハミレス行くのは嫌なのか?」グスッ

京太郎「違う!そうじゃなくてだな……」

透華「その先約とやらの内容を仰っしゃりなさい。それ次第で考えてもいいですわ」

京太郎「そのー……」

京太郎(流石にウソつくのは不味いよな……)

京太郎「実は……カクカクジカジカで」

純「ほうほう、それで助けた女の子がどうしてもお礼したいと」

透華「そしてあなたは付き合うと、仰ったわけですわね?」

一「うわー…」

智紀「プレイボーイ」

衣「ぐぬぬぬぬ……!」

京太郎「というワケで、どうかお許しを」

衣「だめだ!」ガバッ

京太郎「うおっと!」

衣「京太郎は衣のだ!他の有象無象などにくれてやるものか!」

京太郎「衣……」

純「だってよ?どうする?」

透華「どうしても行きたいというのなら止めはしませんわ」

透華「……衣を振り払ってまで行くと言うのならですけど」

京太郎「………」

京太郎(婚約者がいるのに行く方がおかしかったんだよな)

京太郎「分かったよ衣、ハミレス一緒に行こう」

衣「む?ほ、ほんとか?今度は狂言ではないな?」

京太郎「おう、変な事言って悪かったな」ナデナデ

衣「わーい京太郎とハミレスだー!法楽法楽ー!」

透華(もし本当に振り払ったらと思いましたが……考えすぎですわね)ホッ

純「よーし、んじゃファミレス行くかー!たらふく食うぞー透華の奢りだからな」

衣「おー!」

京太郎「おー!」

透華「まぁ、いいですわ……」


―――――――


淡「そんなおめかししてどこ行くのテルー?」

照「ん、ちょっとね」

菫「おいおい……スキャンダル事だけはよしてくれよ。お前は……」

照「分かってる、菫は心配し過ぎ」

菫「普段いつも制服のお前が急にオシャレしだしたら心配するだろ」

照「流石に制服じゃ失礼」

誠子「ま、いいじゃないですか!準決勝は明後日なんだし」

尭深「………?」

照「じゃ、行ってくる。夕方までには帰ると思うから」

菫「思うじゃない、絶対だ」

京太郎「じゃあ、ちょっと断ってきますんで」

衣「ちゃんと言うんだぞー」

京太郎「大丈夫だって。じゃあすぐに戻るから」

純「そのまま駆け落ちしたりしてな」

一「あはは」ゴン

純「冗談だって……いてて」


――――――――


京太郎(もう来てるし……!)タッタッ

京太郎「あ、あのー!」

照「!」クルッ

京太郎「すいません、遅くなりました!」

照「ううん、私もついさっき来たばかりだから」

京太郎「そ、そうですか」

照「……行く?」

京太郎「あっ!えっと……その、実はですね」

照「?」

京太郎「俺、行けなくなっちゃいました」

照「……さっきは暇だって言ってた」

京太郎「それは色々と……ええと、その」

京太郎「本当にごめんなさい。婚約者がいるので」

照「は?」

京太郎「俺、婚約者がいるんです……」

照「……そう」

京太郎「だからあなたとは行けません!ごめんなさい!」

照「………」

京太郎(なんかホント申し訳ないことしちゃったな……ま、とりあえず今の隙に)スッ

照「待って」

京太郎「!?」ビクゥ

京太郎「……はい?」ドキドキ

照「……」

照「さようなら、私の…」

京太郎「?」

照「……何でもない」ゴシゴシ

照「それじゃ、お幸せに」ダッ

京太郎「………」

京太郎(ま、まさか泣いてたのか?)

京太郎「いやそれは流石にないか」ケロッ


―――――――
――――――


透華「準決勝!準決勝ですわ!」

一「去年のリベンジマッチだね、燃えてきたよ」

京太郎「………」アゼン

純「どした?そんなアホ面してよ」

京太郎「この白糸台の先鋒……宮永照って」

智紀「チャンピオンがどうかした?」

京太郎「チャンピオン!?」

一「ていうか麻雀やってる人なら誰でも知ってるんじゃないかな」


\ピンポンパンポーン/  『まもなく準決勝が始まります 先鋒の選手は……』


透華「来ましたわね……さぁ、出撃ですわ純!」

純「おう!」









恒子『チャンピオン宮永照!東一局にして既に20満点を突破ぁー!!まさにこれが高校生1万人の頂点!』

恒子「既に八連どころではないぞー!私ももはや途中から数えてない!!」

健夜『えぇーー!?』

照「………」

純(おいおい!宮永照は東一局は様子見じゃなかったのかよ智紀……!)

純(とにかく、ここは早めに鳴いて流れを切っとくっきゃねー)

純「ポン!!」

怜(……アカン!その流れ切ったらアカンであんさん!)

純(通る!!)コッ

照「ロン」

純「っ!」

照「九蓮宝燈……48000」

純(う、うそだろ……!?)

恒子『で、で、出たぁーーー!幻の役満が龍門渕に直撃だぁぁーーーー!!!』

恒子『これで龍門渕の残りの点数は14000点!厳しくなってきました!』

純(やべぇ!次の局でなんとか挽回しねーと……)

照「ツモ……」

純「!?」

照「天和、国士無双」

恒子『試合しゅうりょーーーーー!!チャンピオン宮永照が龍門渕を飛ばし、東一局で準決勝決着っっ!!!』

純「……す、すまん……正直、立ち直れそうにねーわ」

一「しょうがないよ純くん!あんなの誰にもどうしようもないって!」

透華「そ、そうですわ……あなた一人のせいではありません!」

智紀「情報不足だった、ごめん」


衣「……」

京太郎「……衣」

衣「なんだ京太郎?」

京太郎「泣いてもいいんだぞ?」

衣「何を言っている。まだ、あと一年あるじゃないか」

衣「だから……衣は泣かない…ぞ」グスッ

京太郎「そんなみえみえのやせ我慢しやがって」ナデナデ

衣「やせ我慢などではない!もう、京太郎の前では泣かないって決めたのだ」

衣「だから、次こそは……!次こそは必ず頂点を、獲る!」ポロポロ

京太郎「ああ」

衣「京太郎が来年も一緒にいてくれるなら、衣はもっと強くなって、またここに帰ってくる!」ゴシゴシ

京太郎「ああ、来年でもいつまでもずっと付き合うぜ」

京太郎「俺は衣の婚約者だからな」




まだまだ闘いは続くEND