和「ゆーき」

優希「ん?」

和「前の質問の答えなんですけど」

優希「質問?」

和「好きな人が出来たら、という質問です」

優希「あー、あれ……(ちょっと恥ずかしいじょ)」

和「私もようやく、答えが出せそうです」クスッ

優希「え?」

              -‐…‐-
         ´: : : : : : : : : : `` .
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\ ___
     . : : ::/: : : : : : : : : : : : : : : : : : 〈i:i:〈
.     / : : :/ : : : :/ : : : : !: : |: : : : : : : :〈i:i:〉
    /:: : : : : : : : : ::∧: :/|:: ::|i: :|::| : : |: : ¨
   , : : : ||: : /!: / ∨|: :|i: :|::| : : |i: :|
.   ′: : :|: : :/ |/     |: ::八人| : : |i: :
.  ,: : : : : :|: Ⅵ斗ぅ气ト ムイ≫冬ト: :从/
  ′:: : : ::|: : | 乂rツ    ヒrツ.ムイ: ::|
  .: : : : : ::|: : |  ,.,.,.    、 ,.,. .′:: ::|
 ,:: : : : : : ::|: : |      、 ,    , : :|: : :|
./:: : : : : : :::|: : |: :} iト       イ: : :|: : :|
:: : : : : : : ::|: : |::j{   うr≦: : : |: : | : |
::: : : : : :/|: : |:\   {`ヽ〕iト ..,,__|: : :|
: : : : /i:i:i|: : |:i:i:i:\    }:i:i:i:i:i:i:i:i|: : :|
和「アタックあるのみです」ニヤリ















 第五章 厨二病ギアス! 紅騎士と化した天使  


 高校に入りたての頃の私は、過去の自分を少々悔いていました
 自分の中学時代は全然間違ってはいないものの、男性との付き合いがまるで無かったからです

 それは親友とも呼べるゆーきも同様のようで
 時折二人で恋愛小説の話を膨らませながら、うわ言のように出会いが欲しいと呟いたこともあります

和「……はぁ」

 厳格な父と母に、手塩にかけて育てられたお陰で私は完璧な箱入り娘と化していました
 家も裕福でしたし、成績も優秀
 麻雀では中学でインターミドルチャンプにもなり、この頃の私は天狗となっていましたね


 中学を無事卒業した私は、どこか周りの男性を必要以上に見下すようになり、
 若干高二病に感染していました

 性格も相変わらず気取った敬語口調のままで、部活以外では必要最低限の友人しかいません
 まして、クラスメイト以外の男性との出会いなんてまるで……

京太郎「よっ! 今日から俺も麻雀部なんだ、よろしくな」ニッ

 と、思っていた矢先になんと麻雀部に男子部員が入りました
 今の時代、麻雀をやっている男性がいることにも驚きましたが
 もっと驚いたのは、彼が素人だったことでしょうか

 彼を合わせてもわずが五人ほどの麻雀部
 私は女性だけの部に男性が入ったことで、大分萎縮してしまったことを覚えています




 彼は私が隣に座るだけで、なぜか急にそわそわしだし

京太郎「……な、なぁっ! 和は、その、麻雀が好きなのか?」

 しかもなぜか呼び捨て――こんなのおかしいです
 出会ったばかりの女子を呼び捨てしていいのは、かっこいい男の人だけだとゆーきが言っていました

優希「ね、ねぇ京太郎!」

京太郎「なんだ片岡?」

優希「ゆ、ゆゆゆ優希でいいじぇ!」

和「なんと」

 ゆーきが認めたということは、彼はかっこいい男子だということです

久「はいはい。いいから入部手続きの紙をちゃっちゃと書いて」

京太郎「あっ、はい。っと」ポロッ

和「あ、落としましたよ」

 私は彼が落としたボールペンを広い、彼に手渡そうとしました
 しかし、彼はそのボールペンを受け取らず、引きつった顔で

京太郎「だ、だだだ大丈夫! もう一本あるから!」アセアセ

ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ    ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !:  }
-ィ: : : |_,'_,,|-‐''/ / / .}: : /.|: :|: |:::/. }:|:|:. リ !.|. ト.、   ,. ──‐、
: :ト、::ィ゙ |: ::|\/ //.  /: :/ !: :!/!/  !从:/|:.| !∧冫 //´ ̄ ̄ヽ',
: :|人小|ヽ:!.ィ爪沁ヽ. /./ /,.イ爪心ヽ.! イ/.//′   U     } }
: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂. ′   ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:!            , ,' '
:γ⌒ⅵヽ弋二;;ノ       ゝ-.″ | }: : : :|         //
',:{ :::`    ::::::::::::::     、  ::::::::::  レ′ : :!.        { !
..',\     ::::::::::              ノ:   ::::!           U
: : :| `ー´\       ,. ,      / !:! !  !
: : :|.     ` 、          ./|: :. !:! !  ::!        ◯
: : :|         }`   .. __ , イ  |::|: |:|: :|  |
: :: }     ィ‐┤.        ├ .、|::|: |:|: :|  {
京太郎「(やべー、和の前だとてんぱっちまう!)」ドキドキ

 何を緊張しているのでしょうか?
 私は何も言い返せずに、そのボールペンを貰うことにしました




 それからは、淡々と日々が過ぎていきました
 男性に対して免疫の低い私は、相変わらず彼に関わろうとせず
 ゆーきを介しての会話や、事務的な返事くらいしかありません

京太郎「お茶はいるか?」

和「はい。紅茶をお願いします」

 特に彼に思うことも無かった私にとって
 この日々は少しだけ、心地よくも思えました

 このまま男性に慣れていけばいい
 そう考えていた時――

 私は、とんでもないものに出会ってしまったのです


SAYOKO-SUBARA:とてもすばらなアニメがありますよ


和「アニメ?」

 私は懐かしい先輩とチャットで麻雀をしていました
 その時に、彼女からアニメをオススメされたんです


のどっち:なんてタイトルのアニメですか?

SAYOKO-SUBARA:それはですね……


                   i`ヽ __r‐、
   ┌───‐'^ヽ         |  |└、_f┘    rヘr───…¬
   └─‐… ┐ 」         |   ̄ ̄} r‐┐ <__>' ー‐r‐=≦´___, 、
        | { ____」  |\_/  }  {_rへ     j  } \____,  〉
        | │}    _/|  |  r‐‐ '_  r‐rヘ、 / /      /  /
  ┌───‐┘ |  ̄ ̄´   |  |  `二 ┘  r─‐<__,/     / , ヽ、
  └──── 、_」       L.ノ  {_ . -‐ヘ `、      , -‐ ´ / \  丶、
 ─‐C‐O‐D‐E─G‐E‐A‐S‐S=───‐}__}──<_, -‐‐ ´──‐ヽ_r‐'─
                               反 逆 の ル ル ー シ ュ

和「こーどぎあす?」

 それはまさに、運命の出会いでした(恍惚)






和「……テロリストのお話、でしょうか」

 私は早速、休日にDVDをレンタルして家で視聴することにしました

和「……」ジィー

 ジブンヲーセカーイーサーエーモー

和「FLOW、というアーティストですか」

 OPもかっこよくて、作画も綺麗で
 私は借りてきたDVDを夢中で見ていました

 そして、私は――

.:::....:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、
:::::::::::::::::::::::::......::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
─-- .,_:::::::::::::::::::::::::::....::::::::::::::::::::::`ヽ、
:─一::-:::_`'::‐--::,_:::::::::::::::::.....::::::::::::::::::ヽ、                        /!
::::::::::::::::::::: ̄` ‐-:::: ̄`' - .,_::::::::::::..:::::::::::へ、             __,.   /!   /! l
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.......`' - .,_:::::::...::::::::::ヽ、    __,. -‐_'"_,. /    /てソ: :l l、 /!
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`' - _::::::..::::::ヽ、  ト-‐''""::::/ /  ハt/::`"::::::::l:::::lー/::l
::::::_,. -─ '" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`'::‐-:::.,_:::::::::::..`ヽ:、:::.::::\ l::::::::.::::::/ /`'-l:::/:::::::,γ'´7-、`':::l_,.-,
"´::::::::::::::::::::::::::::::....::::::::::::::::::::::...:...:.::...::`' ‐- .,_:::::`'ヽ、::..:.゙,:::::::.::::l l  .l::!::::::/ : : ,゙ ゙,:::::::l-'/   _
,.-::─一::´ ̄ ̄ ̄ ̄`':.── --:.,:_:::::::::::::::::::::::`'‐-.,_:::::::::゙,::::::::.::l l.  ! l !,゙  : ,゙    l:::::l:/    ヽ て==-rz
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::......::::::::::`'‐-.,_::::::::::::::::::::::::`ヽ, ヘ:::::::.::゙, ゙,  l l{ !ヽ、.,゙  _/:i:ノ/`ー──} /:::::::.::/
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r- 、:::::::::::::::::::::::::::........`' ‐-.,_:::::::::::::::::::ヽ、::.:ヽヽノ,l:l:ヽ: : :l  ̄フ//´}      //::. .:::/
::___:::::::::::::::::::::::::/:: : :j:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..... :::`' - .,_::::::::::\:::.ヾ,::lミ,'ヘ`ー‐-'/-' l j   ,'::::,.-‐'´
....:::::...::::.. ̄ ̄ ̄,'フ、:::: :/─ - .,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....`' - <:::ヽへヾ,ヽ`/斤,イl   lノ  〃.,.-‐'´
::::::::::::::: ノヽ、:::::l:::: :: :´〈:::::::::::::::::::: ̄`' ─ - .,_::::::::::::::::::::::::::::>- 、', - _:::ヾ、!`'ヘ } ヽ:l / ,ィ'´,::ィ、`゙' - .,_
:::::::::/:: : :ノ:..:::j::/:: :: :: ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.....`゙':::─- .,__/:::::::::::::::.`ヽ了__ヽ_!__o_jノ/' ":_,. -::::::::ヽ::::::::`' ‐- .,_
.::::/:: .:::/_,、_ノ::{:. :: :: :: j-‐''""゙´ ̄ ̄ ̄_,.二::ニ===- -'一‐- .,_:::.:::::ヽヽ- .,_ ̄::::::::: ̄:::_,-=zzzzシ::::::::::::::_,.-≫
::/::: ::/"´:: :: ヽ,. へ:: :: :l::::_,. - ─ '"ニ二 -─ ''""´ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄`:"ァ-z==ヾ、:::: ̄'-=三Zシ::::::::::::::_, ィz -'"'´
ヽ_'___:: ::/:::::ノ、::::lニ-,r-‐'"´ ̄`ヽ、        {':: :: :: ::' ::::/!l: :!l:::::::::ヽへ、:::::::...._,. -‐'==-'"´
´:::::::::::::::7:: . ./::},:: :.フ´:: :〉-,/⌒!    \、     /:: :: :: :: ::/:: ::!l: j l::::::_,z=1l`ーr -<'" ̄'<ヽ-、
::::::::::::/::::::/:_:: ::y´:: ::/::Y´:: :/ `ー-,   `'- _/:: :: :: :: _,イ:: :: :: ::ヽl !/-':: ::l{!:: l!:l >- _:: :: _/r- :〉、
:::_,.-'´>、,.-‐'-、:/:: ::/:_:/:: :/j:::::::::::j!ー- .,_ノ、:: :: :: :: /  l:: :: :: :: :j/ヽ:: ::、::!l!;; ;l!:l てz<'",.-‐'_/::::::ヽrz、-っ_
'_,.-'´       /:: ::/:: :ソ:: :://: lヽ::,/:: :: :: :: :: :: !:: ::/`' .,_ ヽ :: :: ::.. :: ::l !:: ヾ、ゞ、l!:l    ̄ ̄ ̄  l:::::::::::_,.- 二ニっ
        /ー'7`ヽ_/∠/:ノ´::,/ :: :: .. :: :: ::.:l/    `'- ヽ:: :: :: :: ::l ! :: :: ::l l !z:lヘ、       ヽ::::〈
        , ゙   /::::::::::_,. z='シ:::_,.ノ:: :: ::_ __ : /         ヽ、:: :: :: l !:: :: :: ! li:: l!ヽ \、_     ヽ_j
      /   /::::_,z=Z=ニ_,. -'"´`¨¨¨ ´ `ー-'゙            ヽ、:: :: :゙,゙, :: :: :l !l ::l!::l,  `ヽ、‐- .,_
      /   /∠z≠''"´  ヽ、                     \:: :: :: ゙, :: :: ゙, !゙,:ヽ r- .,_ `'=z.,_::::' ─- .,__
和「わ、私にはゼロしかいません……//」ポワーン

 私はテレビの中のゼロに恋をしてしまいました

※ゼロ(アニメ コードギアスの主人公、ルルーシュが扮するテロリストのリーダー CV福山潤)

和「しかもこのカレンという少女……どこか私に似ています」ドキドキ

※カレン(アニメ コードギアスのヒロインの一人 ゼロを信頼し、付き従う忠犬のようなキャラ CV小清水亜美)

和「はぅぁっ……」

 私は一日でDVD全てを見終わりました
 R2まで全て……アレは至福の時でしたね



 私は身も心もすっかりギアスにハマり
 いつの間にか、自分が本物のカレンになったような感覚に陥っていました

 学校に通っている時には、アニメの中のカレンのように病弱な少女の姿を偽り

女子M「ねーねー原村さん。一緒におにぎり食べてほしいの」

女子H「わっほい! 一緒に食べようよ! クラスメイトだもんげ!」

和「ごめんなさい……体調が、悪いので」コホコホ

 帰宅した後に
 部屋の中では髪をかきあげて

和「たくっ、いい子ぶるのも疲れるわぁー」コキッコキッ

 などと隠れて言ったりしていました
 当然、カレンに憧れてホットパンツに上はチューブトップ

 少し胸がキツくて溢れることも多々ありましたが、私は満足でした

和「……」

 しかし、私のなかで一つだけ満足出来ないものがありました
 それは――

和「はぁ、ゼロ……」

 ゼロの不在です
 いくら私がカレンになりきろうと、そこにゼロがいなければダメなのです

 ゼロのいないカレンなんて、ルーの無いカレーと同じです
 ネタの乗っていないお寿司と同義です
 ゴミです カスです 扇死ね

和「あぁ、ゼロぉ……」クチュッ

 私はこの日、生まれて初めてオナニーナになりました

※オナニーナ(コードギアスに出てくる女キャラ レズっ気があり、作中でオナニーを披露したメガネ)



 ゼロの不在に悶々とした日々を過ごしていた私ですが
 ある日、全てを変える出来事に出会いました

和「あ、須賀君」

 部室に入ると、そこには須賀君だけがいました
 そういえば、しばらく彼と話していなかったことを思い出し

 私はカレンから得た勇気を持って彼に話しかけます

京太郎「ん? あぁ、和か」

和「えっ!?」ゾクッ

 耳を疑いました
 それも無理はありません

 なぜなら、彼の発した言葉のトーン……声、全てが完璧にゼロそのものだったからです

京太郎「ごめん。考えごとをしていたんだ」

和「あ、いえ! べ、べちゅにっ!」

 今度の爽やかな声はルルーシュ状態の声
 はぅぁ……前は気付きませんでしたが、彼の声は福山潤さんに似ています

京太郎「どこが具合でも悪いのか?」

和「い、いいいいいえ!? なんでもありません!」ドキドキ

 この時、私は思いました
 私にとってのゼロは須賀君しかいない

 思えば彼はかっこいいですし、私に優しくしてくれます
 麻雀が弱いというのも、ヒョロヒョロなルルーシュだと思えば可愛いポイントですしね

和「(あぁ、ゼロ)」

京太郎「?」ゾクッ

 この日から、私の彼への執着は始まりました


 私は須賀君をゼロと決めつけ、部活の時はなるべく彼に接近しました

 とは言っても、まだまだ男性に話しかけることが苦手だった私は
 毎回ゼロの隣の席に座ったり、彼が使用したカップやフォークを舐めたりしていました

 時折、既に綺麗に拭き取られていることがありましたが
 そういうマメな掃除をするゼロは流石だと思いました

 そして私はゆーきづてに彼の住所、電話番号を聞き出して
 ゼロの個人情報も手に入れることができました

 ゼロの住所をゲットした私はさっそくゼロ邸周辺に座り小便(マーキング)をし
 彼の家を観察しました

 手には通販で買ったトランシーバーを常備し
 時折、誰相手でもなく

和「こちらカレン。ゼロに異常はありません」

 などと、架空の報告を繰り返していた

京太郎「(なんか最近、家の周りに犬の小便されすぎじゃないかな

 観察の結果、ゼロには飼っているペットのカピバラがいること
 休日によく、カピバラとジョギングをする習慣があることが判明しました

和「……しかし、このままでは」

 私はずっと彼を見守るだけで終わってしまう
 なんとか彼にもゼロの自覚を持ってもらいたい

 そう考えた私は持ち前の頭脳を活かし、作戦を練ることにしました

 この頃の私は自分のことを完全にカレンと思い込んでいて
 ルルーシュが使った(という設定)のチェスの駒を弄りながら至高したり
 その駒でオナニーナになったりしていました

和「……そうですね」

 長い熟考の末、私が編み出した作戦はこうです

  • 今の須賀君は皇帝によって記憶を消された状態
  • ならば、記憶を思い出させる為にゼロの小道具を見せれば魔神が目覚めるハズ

 作戦というより、ただの設定でした

和「そうと決まればゼロスーツですね」

 私はさっそく通販でゼロのコスプレグッズを買おうとしましたが
 最近の度重なる浪費でお小遣いが足りないという事態に陥りました

 そこで仕方なく、私は近くのドンキでスケキヨマスクを買って、それを代用することにしました


 私はこれに追い討ちをかけるべく
 ゆーきから聞き出した、彼のアドレスにメールを送ることにしました

 その内容が、こちらです

『はじめまして 紅騎士、紅月カレン(K・K)というものです

 須賀君を初めて見た時、ついにかの魔神ゼロが地上に降臨したのかと思い、驚きました
 よって僭越ながらあなたをゼロと呼ばせていただきます

 そして勝手ではありますが、これからあなた専属の騎士(彼女)を務めさせていただきます

 とは言ってもかつての騎士の力は失われています故に
 今の私には麻雀でわからない問題を解説する程度のことしかできません。

 もしわからない問題があったら、気軽に私を頼ってくださいね(*^_^*)

 あと、私は表向きに存在しないことになっており(特にブリタニア人には気付かれたくありません)
 極秘であなたの手助けをするので、このことは誰にも言わないでください
 約束です


 紅月カレンより(チェスのナイトの画像添付)


P.S.
 夜にジョギングをするときは気をつけてくださいね(笑)
 一人だけでは無防備です』


       / /  ./  ,ィ          ヽ ヽ_
        / /  ./  //   /!  |l!   .lY'::::::::::)
      ; i  くlハ //,ィ  / .|  リ! j  l }::::::::::l!
      |イl!  ' _`Vメ、 l  / __.! ./_l/__ ノ l::::::i='ヽ
      ゝゝ| ;´んィ:!`    =j/__ノノイ /¨T ヽヽ
      ||  l 弋_丿     'んィ:!.ヽ// ,'   !  } }
      ||  l 、、、     弋_丿 // .,ヘ  .!   j/  / ̄ \
      ||  l     '   、、、 // ./イ  |     |  ア  |
      || ::ゝ.    __     // ./. !   |      |  リ  .!
      ||  | l > ´‐-'   _イ//∥| l  |    <.  で  |
      |l!. l_L:;ノ:.ト!¨  T¨ェ:://.∥ll! l  |     .|  す  !
      l|-、 ヽ: : : :.l! ̄` |:.:.// /l!ll| .!   |     .!  ね .!
     /-、:::ヽ ヽ: : : l ̄ ̄l:.// /: :ヽ! .!   !    \__/
.    / | >ヽ ヽ:.:.:l    l;'///: :/\ .|   |
.     /  l . /ヽ:ヽ ';.:ヽ /:::////、   \  |
   人.. V    } :!:ヽV/'/l;;;_/  Y ..人 !
.  /  ヽl     l  ! [__] / .l     i/  ヽ|

 我ながら完璧な内容です
 これなら彼も、ゼロとして私を認めてくれるに違いありません














 次の日





久「優希! あれだけ言ったのに! また須賀君を裏切ったの!?」

優希「私じゃないじぇええええええっ!!」ビェェェンッ

京太郎「部長! まだ優希だと決まったわけじゃ!」

まこ「……」





 なぜかゆーきが泣かされていました
 一体何がどうなっているのでしょうか








それから数日間待ったものの、ゼロからの返信はありませんでした
私はアピールが足りなかったのかと思い、追撃メールを送ることにした


『物理と化学も教えますよ^^』







和「返事はありませんでした」ポツーン

 それでも私はどうにか、彼に振り向いて貰いたくて再び作戦を練りました
 そこで思いついたのが、染谷先輩のお店で行われるコスプレイベントでした

 つい先日、店員が好きなコスプレをして接客するバイトをやらないかと誘われていたのです

和「(これで須賀君がゼロの格好を)」

 私は勇気を振り絞って、須賀君にも声をかけました

京太郎「え? 染谷先輩のお店で?」

和「はい。衣装は、私が用意しますよ」ニッコリ

京太郎「……うーん、じゃあやろっかな」

和「あ、ありがとうございますっ!」

 私はその日、須賀君がゼロのコスプレをするところを想像してオナニーナしました
 この頃にはお小遣いも溜まっていたので、ゼロスーツも購入済みです

 後はその日を待つだけ
 私は一人、ほくそ笑んでいました











 そして当日
 私はカレンのコスプレをして、咲さんと一緒にお店で待っていました

咲「楽しみだねー」

和「はい」

 咲さんはアーニャの格好で楽しそうに笑っていました
 オレンジとお幸せに、咲さん

和「(さて、問題は須賀君ですが)」

 後は彼の到着を待つだけ

和「(前日にゼロスーツは渡していますし、問題はありません)」ドキドキ

 高鳴る胸の鼓動
 私はそのときを静かに待ち……

 ガチャッ

和「!!!」

 遂に、お店の扉が開かれました

和「すが……」

京太郎「どうだ! これ、似合ってるかな?」


                           ___ _ 、 ヽ
                          _,. -─'"`ー-::,ヽ,}l _,.-
                        _,ィ´":.,:.-:.─:.:.:-:.:.:.:.:!:.:`⌒≦、
                        _zフ'"´,.‐'´:.:.:.:.:._,.-‐'´.:.:.:.!:.:.、:.:.:.:二ヽ、
                     ,イ/ ' _,.:.:.:.:.:.:/'",:.:.:.:.:.:.:.:l:::}:::::::. ̄≧,:ヽ
                    /'/´:.:/:.:.:.:.://':.:.:./:.:.:.:.:.l::::l:::::::::::.:`ヽ、ヘ
                    イ:./:.‐---':.:./:./:./:./:.:.:/ !:.lノ:!ヽ:::ヽ:\:.ヽア
                    フ:{:.:/ノ:.フ:.7:./:.:/:.{:.:.:./!:.lノノ::l:ヽヘ::::!:::::}:ヽ}
                      /:/:/:/:.:./:.:l:.:{:.:.{:.:.:l:.ー‐rイl:::::ハ:::l::l::::l::::::l:::}:j
                     ノ:.l_,ソ!:.:.l:.:.j!:/!:.:l:.:. l:.:.:.:.:.j:.:/l::/:::::}!:j!:.}::::::l}::!l
                     卞:イ、ヽ:lVチ=l:.lzl::lヽ.:.:.:.ハj/:/ノ::ノ斗r:::l:::/j
                    ヽ!ヽ:ヽ:.! r千ォzミヽヘヽ:.:l !/i≦チ,rヘノノノ'´
                     `ヘr≦ヽ}丐fェ!、:::ヾ{_ イrf月}ノイ彳〉
                        ヽ,l  ̄ ̄´ .::l `   ̄ ̄´ j_ノN
                         ヽ      ::|       /_,. -──‐,
                      _,. -、ノ:.\   __'__    / .| r───l
                     匸゙'.r-´ヽ  jヽ、´ ー-`' /r、__,| |:: :: :: .:::::|
                      l:::| |:::.::::.:::.lニz、` 、__,/z=〆 : :| |:: :: .: ::::::|_    _,. -──- 、
                      | :| |::.::::.:::: l:::::::`ヾ'/:::::::::::::`:::了| ヽ::.:::::::/,> '":: .::::: .:: :: :: :: ゙,
                      |:/..|:.::::.::/j::r-,:::j' }::: ィ-ヘ:::::/ | /.:::,.-‐'":: :: :: ..::::::: . :: :: :: :: :: l
                      |ヽ |:::/ /:{!^l }::lイ::l /⌒!}:/ ,.゙ /.::/:: :: :: :: .:::::: .:: :: :: :: ..::::::::::::.j
                  ___,.ノ}::| |´   /::::::/j::/ !::{ l::::::::/  ノ l:: :: :: :: :: .:::ィ, :: ::_.:::::::::::::::::::::_,.ノ- ─- 、
             r-─'´ ̄:: :: :: ::j: :| |  /:::::::ヽ!::V::/ノ::::::/.,_ j l:: :: :: :: :://,/:::::_,.-ニZ-''"ノ:: :: ..:: :: ::.ヽ
              | :: :: :: :: :: :: :: :: :::::| |r‐7、:::::::::::!l:::〆:::::::/  Y /:: :: :: :/ /'´:: ::_〆"´::j ,.- '´::::::::::::::::::::::::..ヽ
              |:: :: :: ::.::/:: :: :: :: ::j |  l  }:::::::j /:::::/7   / /: :: :: ノ"´〈:ノフ:: :: ..:::_/´,. - ── - .,_::::::::::::ヽ

和「す、スガァァァァァァァァァァクゥゥゥゥゥ!!!?!!」ガッタァーン!

 私はもんどり打って雀卓にダイビングを決めました
 なぜ、なぜですか!?

 なぜ須賀君がスザクに!? 私が渡したゼロスーツは!?

※スザク(コードギアスの登場キャラの一人 ルルーシュの親友 言動がうざい為に ルルーシュファンからはウザクと呼ばれることもある)


京太郎「え? 大丈夫か和!?」

咲「和ちゃん!?」

 二人が心配して私に駆け寄ります
 これがゼロだったらどれだけよかったことか

和「す、須賀君。なぜ、その格好……?」ブルブル

京太郎「ああアレか? 染谷先輩にマスクはやばいじゃろって言われてさ」

和「?!!?」

咲「それで私がセットで頼んだこの服なんだよねっ」

京太郎「ああ。ラウンズセット? だっけ?」

咲「えへへ、一緒にナイトメア乗ろうね」

和「(あ、アアアアアアアアニャアアアアアアア!!!!)」ブルブルブルブル

 私は衝撃のあまり、ちょこっと失禁していました
 涙を見られぬよう、トイレに駆け込み股間を拭く

 今までに無い、最高の屈辱でした

和「……」

京太郎「お待たせしましたー」

ゆみ「いい格好だな」

桃子「たまにはこういうお店もいいっすねー」

咲「京ちゃん、記録」パシャッ

京太郎「お、かっこよく撮ってくれよ」ニヤリ


和「……」ブルブルブルブル

 こうして私は、スザク姿の須賀君が咲さんと仲良くしているのを見せつけられました
 アーニャ許すまじ

 私はその日、帰路に着いてから狂ったようにオナニーナになりました


和「……はぁ」

 その日から、私は生きる気力を失ってしまいました
 彼にはアーニャがいる
 スザクなのにアーニャとカップリング 意味が分かりません

和「う、うぅ……ゼロ、須賀君」ジワッ

 私は狂ったように泣きました
 部屋の外では無駄にディートハルトに似た声の父親がうるさく叫んでいます

恵「どうしたんだ和!? ゼロか! ゼロは素晴らしき逸材なのか!?」

 お願いですからその口を閉じてください


 それからどれくらいの時が経ったでしょうか
 学校を数日休み、私は部屋の中で食事も取らずに篭っていました

和「……」

 瞳も虚ろなまま、私はベッドの上で泣き腫らした顔を上げました
 それは、携帯の着信音に反応したからです

和「……須賀、君?」

 番号は須賀君から
 何か……あったんでしょうか?

 ピッ

和「も、もしもし……?」

 私は恐る恐る携帯を取りました
 すると――

?「カレン。いつまでそうしているつもりだ?」

和「え?」

?「お前は我が部のエース。勝手に抜けられては困るんだがな」

和「~~~~っ!?」ビクビクッ

 それはまさしく、ルルーシュ
 いえ、ゼロの声でした

和「な、なじぇ、なーじゃ、なじ、なじぇ、なぜっ!」

 私は数日声を出していなかったことと
 緊張のあまり、声がおかしくなってしまいました

 すると、電話先の声がこう言います

?「窓から外を見ろ、カレン」

和「っ! (外!?)」ダッ

 私は急いでカーテンを開きました
 暗い部屋に、久方ぶりの眩い光が注ぎ……顔をしかめながらも

 私はそれを見ました



                 ,.....、
              〈:::::::::〉
                  {::::::::::::::}
              `:::::::::´
                i:::::::::i
                i:::::::::i
                ':::::::::'
              '::::::::::::'
                 ':::::::::::::::',
             /::::::::::::::::ム
               /:::::::::::::::::::::::ム
           /::::/`|l| \:::::::ム
             {:::::′ |l|  \::::ム
              乂{   |l|    `ヾ;
              `   |l|     }!
               |l|       ソ
               |l|
               |l|
               |l|
               |l|
                    _|l|_
               |l|
                |l|l|l|
                |l|l|l|
                 `|l|´
               |l|
和「!!?」

 逆光で姿はよく見えませんが、あの電灯の上にいる人影
 あの孤独なシルエット……紛れもなく、ゼロ

?「久しぶりに顔が見れて安心した。学校でお前を待つ」バッ

和「あ、ゼロ!!」

 ゼロは電話越しにそう告げると、街灯から飛び降りて去っていきました
 3m以上はある街灯から飛び降りるなんて……

和「……無理、しちゃって」クスッ

 ドンドンドン

恵「和! 今、外に! 外にゼロがいたんだ! カメラに撮ったぞ!!」ドンドンドン

和「須賀君……ありがとうございます」ポロポロ










 翌日、久しぶりの学校ではみんなが私に声をかけてくれました

咲「和ちゃん! お帰りなさい!」

優希「心配したじぇ!」

まこ「まったく。体調管理には気をつけるんじゃぞ」

久「全国はアナタ抜きじゃ戦えないのよ?」

和「……はいっ!」

 そして、私の大切なあの人も

京太郎「よう、和。具合はどうだ?」

和「はい。お陰様で」クスッ

京太郎「べ、別に俺は何もしてないというか、その」アセッ

和「ふふ、もういいんです。私には、これさえあれば」スッ

京太郎「ロケット? 中に何か写真でも入れてるのか?」

          ,>─.:::.──- .ィ─-、._
    __┌.、/          \/:::::|
    |:::::::∨′  .: : : : : : :. : : :.  ',::::::::}
.   ,ゝ::::/ : : : : : : : : : : :ト、:: : : :  :∨::::゙i
    {::::/  ,.! ! !:.:.|:.| :| :| ', :!:!:}: : : ',;;;;ィ゙
    ヽ ! .{: :{:| | | 」|:.| :|: :ィ‐十ト|:|:} : : }:::::\
   / |/{ |.!.| {斤人|ヽj\| .レ゙リリル: :ノ::::ィレ′
   ヽ:::::.{',从|レィ==、   ィ==x .リ/:|」|
     ├┤| :沁 ::::::::    :::::::: ノ/: : !
     |:.:.|',| : :人    r─‐┐  ハ/  /:|
     |:.:.|::| : : |> , `.-- ' ,∠// /! :|
     |:.:.|::|   .:|ィ‐=_,,} ー  {.__//゙ /_.| i|
     |...:|::| ! :リ.|::::{_   __.//゙ / ヽ!|
     |:.:.|:.| ! / /_,ヽ.∠ィ'/ /─=||
     |:.:.|:.| / /─'、,..ィ‐-、_,..|:|  |_    ||
     |:.:.|:.i!:../. :::      .:. . |:∨ ゙<  小.
     |:.:.|:.{ !      :∨:: . ヽ`>、 ∨ |. )
     |.:.:| | {     .:::      :} ! :!
     |:..:|∧ ',: : . .: : . : i.     ..ノ|: | リ
     |:../ ヾ.\__, : : :人: : : : :,.イ〃.ノ/
     ゝ |  `ーイ:: ::::/:|:::::::::/゙_.∠.ィ゙/
      |  ::\.|_ :::/ ::! ::,ィ゙    {"
      ∧  ::::\ } : ::::: ::/    ∧
和「はい。でも、中は内緒です」クスクス

 街灯から飛び降りる瞬間に、撮ってくれた写真
 それは今でも私の胸の中に

和「私の、好きな人の写真ですから」

京太郎「え、えええええ!?」ガターン

和「(見せられるわけ、ないじゃないですか)」ギュッ


  /⌒\人/⌒ヽ
 ノ  \(○)/  ヽ
 Lノ⌒ ( ( ⌒\_」
     く \

 だって、アナタのことなんですよ?
 ねぇ、須賀君――


 第五章 厨二病ギアス! 紅騎士と化した天使


 カンッ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2015年07月25日 21:17