<さきにゃん・ころたん>
「んぁ……」
夜、京太郎が寝ていると何やら隣でごそごそと音がする。
その音に京太郎は眼を覚まし横を向いた。
「衣…どうかしたか?」
隣では衣が寝ていたはずだ。
何かあったのだろうかと京太郎は体を起こし衣を見る。
「…京太郎」「なんだ、体痛いのか!?」
隣に居た衣は顔を真っ赤にさせ汗をいっぱいかいていた。
眼は潤み熱を帯び太股をもじもじとさせていた。
衣の耳にある大きな兎耳はシュンと垂れ下がっている。
「……もしかして」
さきにゃん・さきわんを飼う為には国家試験が…以下略
あらゆる病気や症状も覚えないといけないのだ。
そして衣の症状には京太郎も見覚えがあった。
(油断してたー!衣は体も小さいし、まだだと思ってたのに!)
「京太郎…衣は病気なのか?」
黙っている京太郎に衣が不安がり目に涙を溜め見つめてくる。
「お腹の奥が熱くなってキュンと切なくなる」
(…落ち着け俺!)
「明日朝一で咏さんのところ行こうか」
「うん」
シュンとなる衣を抱きかかえ朝まで悶える衣の頭を撫で続ける。
「ん~きちゃったねぃ」
「やっぱりかー!」
「衣はやはり病気なのか」シュン
ペットショップ店長兼獣医権さきにゃんの 三尋木咏が衣を見て呟いた。
京太郎は顔を赤くし叫び、衣は京太郎の服を掴みシュンと項を垂れる。
「発情期だねぃ」
「ですよねー」
「発情期?」
さきにゃん・さきわんは人に近い性質をしているが所々は動物のままだ。
年中発情している人と違ってしっかりと発情期が存在する。
それは京太郎自身知っているし解ってもいた。
「まだ先とばかり…」
「体が小さくても女性は女性だしねぃ」
「そうか…衣は、発情していたのか」
咏と京太郎が話している隣で衣はほっと一息を着いた。
病気で無いと知りほっとしたのだ。
発情期の恥ずかしさはもとより無かった。
人と動物の違いだろう、子供を残すという行為に恥ずかしいなどの感情は無い。
「とりあえず…抑える飲み薬な」
「ありがとうございます」「抑えるのか?」
京太郎は注意事項を聞きながら咏から貰った薬を確認する。
中には二つの薬が入っている、赤と青のカプセルだ。
「あれ…この青いのは抑える薬ですけど…赤いのは?」
「あぁ…疑似精○」「うん?」
「やった後にそれを入れてあげろよー」
「…どこにさ、てかやるって何!?」
京太郎は汗を大量にかきながら咏をぎこちなく見た。
そんな京太郎に咏はニヤリと笑って自分のお腹の少し下を触った。
「他の子なら薬で抑えるだけすむんだけどなー衣は兎だからな」
「…」
そうだった…兎は人間と同じく万年発情期だ。
一時的なら薬で抑えられるが年中は無理だ。
薬だって副作用がある大量に使えない、京太郎が相手をしないといけないのだ。
「ころたん、可愛がってもらえよー♪」
「ころたんじゃない!衣だ、後いつも可愛がってもらってる!」
胸を張ってニコニコと笑う衣を見ながら京太郎は
ころたんや…可愛がるの意味違いますよーと現実逃避するのであった。
カンッ
最終更新:2015年07月23日 00:44