我輩は猫である
いや…猫なんだけどさ…

そんな変な思考になりながら健夜はのんびりと自宅で日向ぼっこをする
京太郎が帰ってくるまで暇で暇で仕方が無い。
1人でTVを見てもいいのだが…なんとなく京太郎と見たいなと思ったのだ。

時計を見るとそろそろ帰ってくる時間帯だ。
早く帰って来ないかな~と思っていると足音が聞こえる。
健夜の猫特有の優秀な耳がソレを京太郎の足と判断した。
機嫌が良くなっていき健夜のお尻から生えているしっぽがピンと上を向いた。

「ただいま~」「おかえりなさい」

ほんの数分経つと眺めていた扉から 京太郎 が入ってくる。
挨拶を交わすと健夜は、京太郎に抱きつき胸板にスリスリ頬ずりをした。
京太郎は自分の物だと他の人に教える為に匂い付け(マーキング)行為だ。
健夜のご主人様(京太郎)は人気者なのか何時も他の女性の匂いをつけて帰ってくる。
それがストレスになって嫌なのだ。

そんな健夜の行為を知らない京太郎は「甘えん坊だな」としか思っていなかった。
甘えてくる(と思っている)健夜の頭をゆっくりと撫でる。

この世界ではさきにゃん・さきわんと言うペットがいる。
彼女達は人間の姿をしていながら一部が動物の容姿をしており、ペットとして愛されていた。
健夜もその1人で京太郎が両親とカピーを失った際に飼い求めた者だ。

「ん~♪」「…何か今日はやけに甘えてくるな」

「……ペットショップに居た時の事を思い出しちゃって」

「ああ~…」

食事を済ませリビングでのんびりと2人で見ているとそんな話になった。
健夜は運が悪くこの年になるまで買い手がつかなかった。
狭い檻の中から眺める外の風景に憧れながら待っていた。
京太郎と会うまでずっとずっと………。

「ありがと…私を買ってくれて」

「…いや、俺こそ」

健夜は顔を赤くしながら京太郎を見上げながらお礼を言った。
下から覗き込まれ京太郎はドキっと胸が高鳴る。
京太郎は顔を赤くしながら視線をそむけた。
ありがとうと思っているのは京太郎もなのだ。
家族とカピーが居なくなり全てに自棄になっていた時に健夜と出会った。


あの時の事は忘れられない、電気が体中を駆け巡った様な感覚を受けた。
あれから健夜を飼う為に必死に勉強し国家試験を合格したのはいい思い出になった。
※人間に近いので取り扱いが難しく飼うには許可書が必要

「…京太郎君」「…健夜」

2人はしばし見詰め合うと距離が近づいて……

『はやにゃん☆』

「あっ…はやにゃんだ!」「えぇ~~~~!?」

「今いい感じだったじゃない!?」

「でも…はやにゃんだしなー」

京太郎はテレビに映る さきにゃんアイドル はやにゃんに夢中だ。
それを見て健夜は唸るも効果がない。
デレデレと京太郎はテレビを見ている。
そんな京太郎に健夜は……

「私もショーに出る!」「は?」

「出るってこの大会にか?」

「うん、年も近いしいける………はず」

京太郎は健夜を見て考え込んだ。
確かに胸は無いが健夜も綺麗なさきにゃんだ。
しっかりと鍛えればいけるかも知れない。
何より楽しそうだと思った。

「よしやってみるか」「うん」

その日から健夜の妥当はやにゃん計画が始まった。

カンッ