…………


佳織「や、やっと着いた……もうこんなに暗くなっちゃって、お母さんに怒られるだろうな~

   …あれ?」



ここにきて私はとんでもない事に気づきました



佳織「文化系の部活って…もう終わってる?」



ところどころ明かりはついていますが、残っているのは体育会系の部活

文化系でも吹奏楽の人達でしょう

麻雀部ならもう帰っているはずです



佳織「うぅ……私の馬鹿…」



ここまで鈍くさいなんて、自分がとても情けなくなりました

諦めて帰るしかない…そう思って校舎に背を向けようとしました



「須賀!今日はありがとな!」



佳織「え…?」



京太郎「おう、また呼んでくれよ」



佳織「え!」





なんということでしょう

彼です

またも諦めかけていた時に現れた須賀京太郎くんです



京太郎「しかし不運だったな、バスケのレギュラーが一人欠けるなんてさ」


「まあ、あいつもたいした怪我じゃないからいいけど

 とにかく今日の練習試合、お前のおかげでチームにはいい刺激になったよ」


京太郎「そりゃ何よりだ、じゃあな」


「おう、お疲れ!」


佳織「わっ…わっ…、こっちに来る…!」



ああ、彼が近づいてきます

どうしましょう、何を言えばいいんでしょう



京太郎「ん…?誰かいるのか……あれ、どっかで見たような」

佳織「どぅひぃっ!?」



…なんという情けない声



京太郎「あっ、えーと君は……」

佳織「あ…あう…あう……!」



頭の中がパニック状態になりました




そもそもこんな遅い時間に校門のところで一度会ったか会わないかという女子が待ち伏せしていたら、
普通は気味悪がられるでしょう

私は一体なにがしたかったんでしょうか…




京太郎「…ああ!鶴賀の妹尾佳織さんだ!」

佳織「…!?」


京太郎「この前、電車で一緒になりましたよね!
    俺も麻雀部に入ってるんですけど、そこで部活中に妹尾さんの事話したら部長が教えてくれて…」


こんなことってあるんでしょうか…

奇跡としか言いようがありません……



京太郎「そ、それで俺…あなたに言いたい事が……」

佳織「…は、はひっ?!」


嘘、まさか、ちょっと待ってください!
そこまで私に都合のいいことだらけなんてこと…!
麻雀でよくいい役らしきものは出ますが、日常でこんな幸運にめぐり合うなんて…!



京太郎「お、俺……あの時から妹尾さんのこと…」


来て!京太郎くん!





京太郎「……謝りたかったんです!!
    年上なのにタメ口使ってすみませんでしたーーー!!」



佳織「…はい?」





えぇ…?

うっそー…

そんなのってないよー…



京太郎「すんませんでしたー!!須賀、うさぎ跳び100回いってきます!!」

佳織「ちょ、ちょっと京太郎くーん!?」

京太郎「5…!6…!7…!8…!」

佳織「ま、待ってー!あーん、速いよー!うさぎ跳びに追いつけないなんて~!」


ぴょんぴょんと跳んでいく京太郎くんの背中をのたのたと追いかけながら、
私はこれも一つの運命の形だと思うことにしました

奇跡的で、でも変てこな出会いと再会

これから彼と徐々に仲良くなっていけば、もっとそんなことが起こるかもしれない

そう思うと…


京太郎「29…!30…!31…!……あ、あれ妹尾さん?」

佳織「わっ!逆に追いつかれた!?私足遅すぎ!?」

京太郎「さーせんした!向こうの方に行きます!」

佳織「わーん!待ってったら~!」


多少、変てこでも



佳織「待ってよ~」

楽しい日々になるかもしれませんっ♪



カンッ