京太郎「部長、ちょっと相談したいことがあるんですけど…」

久「ん~どしたの?」

京太郎「あ、あと和もいいかな?」

和「私もですか?」

まこ「なんじゃなんじゃ?」

優希「私達をのけものしようとは犬のくせに生意気だじぇ」

咲「私も気になるなぁ…」

京太郎「お前らなぁ……まぁいいか」

久「で、相談したいことって?」

京太郎「はい、最近元カノから毎日同じメールが送られてくるんですよ」

和「元カノって…憧と別れたんですか!?」

京太郎「別れたっていうかフラれたっていうか……悪い和、せっかく仲を取り持ってくれたのに」

和「いえ、そんなこといいんですけど…」

京太郎「和には知らせなきゃとは思ってたんだけど、なかなか機会がなくてさ」

咲「そっか…別れたんだ、ふ~ん…」

優希「まぁはじめから憧ちゃんは犬にはもったいなかったからな!!!!!」

優希「フラれるのは時間の問題だと思ってたじぇ!!!!!!!」

京太郎「うるせーよ、これでも結構ヘコんでんだぞ」

久「はいはい!それで、どんなメールが送られてくるわけ?」

京太郎「あ、はい。これなんですけど」


まっようぢえ



久「なにこれ?」

和「暗号ですかね」

京太郎「意味が分からないですよね。しかもこれが毎日」

まこ「呪文かなにかかの」

咲「呪いの言葉?」

久「そういえばあの子神社の娘さんだったわね…」

優希「犬…お前いったい何をしたんだじぇ…」

京太郎「なんにもしてねーよ!!いや何もしてなかったわけじゃないけど」

優希「………」

和「あの子はそんな信心深いタイプではありませんので、ちゃんとなにか伝えたいことがあるんだと思いますけど」

まこ「なんじゃろうな…なにかヒントでもあればええんじゃが」

久「逆から読んでみるとか一字ズラしてみるとか」

和「えーと、えぢうよっま?」

久「一文字ズラすと、『みっらえでお』と『ほっやいだう』ね」

優希「ますます意味不明だじぇ」

京太郎「う~む…謎は深まるばかりだ…」

久「咲はなんか思いつかない?読んだ本の中にこんなような暗号出てきたりとか」

咲「う~ん……あっ、もしかして」

京太郎「お、なんだ!?」

咲「これ英語なんじゃないかな」

京太郎「英語?マッヨージェなんて単語あるのか?」

咲「そういうことじゃなくて、えっとパソコンとかで日本語を打ってるつもりだったのにアルファベットでローマ字になってることあるでしょ?」

和「文字入力の切り替え忘れですね」

咲「うん、私もよくやっちゃうんだけど、それの逆バージョンだったりして…」

まこ「ほぉ、なるほどな」

京太郎「読書とはまるで関係なかったな」

咲「うるさいなー」

久「ふんふむふむ、それで行くとつまり…」


『MAY YOU DIE』


「……………」

優希「どういう意味だじぇ?」

京太郎「死ねって言ってんの!?」

和「直訳で、貴方は死ぬかも知れない。使役に捉えたら後は分かりますね」

京太郎「死ぬかもしれない?死にますように?どっちかによってかなり憧の立ち位置変わるんだが…味方?敵?」

優希「京太郎…お前どんな別れ方したんだ…」

京太郎「いきなり『別れよう』ってメールで言われたから『了解』って返信してからこの暗号来るまで何も…」

京太郎「最初暗号に『ん?』とだけ返信したけど向こうから返信はなかった」

久「推量じゃなくて許可って可能性もあるかもね『あんた、死んでもいいわよ』みたいな」

和「死んでくれますか?じゃないですか?」

まこ「これだけじゃなんとも言えんからメールで向こうの心境を知るべきじゃろ」

京太郎「とりあえず死なねーよって送っとこう」

咲「どうでもいいけど、別れ方アッサリすぎじゃない?もう冷め切ってたの?」

京太郎「いや付き合いはじめも告白メールに『了解』とだけ送ったから趣深いと思って」

京太郎「っと、返信来た………同じパターンですね、意味不明っす」


でりかて
いっすえ
いまぎね 4ね


優希「普通にしねって言われてるじょ」

京太郎「俺も思ったけどそんなストレートになるか?」

久「ん~…delicate issue imagine phone かしら」

まこ「デリケートな問題は電話を想像しますか、か?どういうことじゃ?」

和「想像を考えるって置き換えると…デリケートな問題は電話しようとか考えれないの?みたいな感じでしょうか?」

久「『別れ話とか普通は電話で話すもんじゃないの?了解って…それだけしか言ってくれないの?電話して、やだって言ってよ!』」

久「ってことじゃない?」

優希「4ねがなんでphoneになるんだ?」

久「4=フォー、ね=ne、フォーne→Phoneってこと」

京太郎「電話しろってことなのかな…」

京太郎「とりあえず『意味がわからない』って送ろう」

京太郎「トイレ行ってちょっと考えてくるわ」

咲「それにしても新子さんって頭いいんだね」

まこ「もしこの暗号を京太郎が解読できなかったらどうするつもりだったんかの。ただの頭おかしい人で終了してた危険性もあるじゃろ」

久「この暗号を一年生で考えたのよね…すごい恋愛の仕方してるわね」





ガチャ
京太郎「返信きました」


詳しい
名詞
戦争
輝け
恋路 SHIELD


優希「わけわからんじょ」

京太郎「もうこいつ暇なだけとかじゃないのか?」

まこ「なんでSHIELDだけ英語なんじゃ?」

久「英語にして縦読みしろってことじゃない?」

和「ということは」

detail
noun
war
shine
romance

和「でしょうか」

咲「これ、電話しろってこと?」

まこ「そんな感じじゃな」

和「まったく…相変わらず面倒くさい性格してますね」

久「ねぇ、こっちも暗号で送ってやらない?」

まこ「まーた悪い顔しとる」

京太郎「そうですね、ちょっとやり返したいっす」

和「暗号というと16進数とかでしょうか」

優希「じゅうろくしんすう?」

久「決まりね、じゃ内容どうする?」

まこ「単純なのでええじゃろ」

まこ「用があるならそっちからかけてこい、とか」

和「できました」


75284E8B304C3042308B306A3089639B30513066304F308C307030443044306E306B


京太郎「和、お前何者だよ……ってか入力めんどくせぇ」

咲「なんて書いてあるの?」

和「『用事があるなら掛けてくればいいのに』です」

優希「話についていけないじょ」

京太郎「できたー!送信じゃあ!!!」

咲「京ちゃんが壊れた」

まこ「ったく…ようやるわ」

久「まこもノリノリだったじゃないの」

優希「返事遅いな」

京太郎「そんな速攻で返ってきたらこえー…」

ヴヴヴヴヴ
和「須賀くんメールですよ」

京太郎「…まじかよ」

咲「なんだって?」

京太郎「かるめ!!だってさ。ちょっと電話してくるわ」

久「…悔しいけどちょっとかわいいわね」

京太郎「よう、あのメールは電話しろってことでいいんだよな?」

憧『うん』

京太郎「……」

憧『…………』

京太郎「どうしたんだ?何か用だったんだろ?」

憧『あの…あのね!別れようってあれ、嘘なの!』

京太郎「どういうことなんだ?」

憧『友達の家に泊まった時に、京太郎の話になって…それでその中の1人が『愛を確かめてみるのです!』とか言い出して』

京太郎「それでいきなりあんなメール…」

憧『それで送ったら、京太郎の返事があれで…あたし泣いちゃって…』

京太郎「それは悪かった、ごめん」

憧『ヨリを戻したいって思ってたけど、あたしからフッた形になっちゃってるから、言い出しづらくて…』

京太郎「それであんな遠回しな…」

憧『ごめんね?』

京太郎「まぁもういいけどさ」

憧『……なんであの時止めてくれなかったの』

京太郎「好きな女がそう決めたんなら、身を引くべきなのかなって…」

憧『だからって!』

京太郎「それに、女が別れを切り出すときは他に好きな男ができてるって言うだろ?」

京太郎「だから、あぁそうなのか、って」

憧『あたしは京太郎しか好きにならない!』

京太郎「そっか」

憧『ねぇ、京太郎はまだあたしのこと好きでいてくれてる?』

京太郎「あったりまえだろ、俺すげーヘコんでたんだぞ」

憧『それじゃあさ…』

京太郎「あぁ改めてよろしくな、憧」

憧『うんっ!』

京太郎「それにしても……お前、半分楽しんでたろ?」

憧『あはっ、バレた?』

京太郎「大変だったんだぞ、部活のみんなに協力してもらってさ」

憧『え?まじ…うわ、恥ずかし…』

憧『ってことは……16進数とか考えたの誰よ、超めんどくさったじゃない』

京太郎「あ、それ和」



―――――
―――

京太郎「とまぁ、こんなことでした」

和「昨日私にも憧から連絡がありました」

久「あーはいはいごちそうさま」

まこ「まぁともかく、よかったの京太郎」

京太郎「はい!」

咲「……人騒がせだなぁ」

優希「……まったくだじぇ」

京太郎「あ、そうだ。今朝また新しい暗号が来たんですよ」


ずだっよと題意っす死去


カン