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京太郎「はあ、麻雀もの……でも俺麻雀打てないんですけどいいんですか?」

監督「大丈夫、君は初心者という設定だからね」

京太郎「ならいいんですけど……麻雀がテーマじゃあかわいい女の子は期待出来ないな~、な~んてハハハ!」

監督「ああ、それは大丈夫。この企画書を読んでみてくれ」

京太郎「どれどれ……む!?」

京太郎「こ、これ出てくるの女の子ばっかりじゃないですか!」

監督「少女たちが麻雀で闘う話なんだよ。それもかわいい子がいっぱいだ」

京太郎「しかも俺の役は、主人公の『宮永咲』が居る清澄高校麻雀部唯一の男!?」

京太郎「主人公とイチャイチャしながら他の女の子ともイチャイチャできる最高の役じゃないですか!!」

監督「あ、ああ……」

京太郎「主人公は最強で、俺は初心者という設定……これも後々何かありそうだ!」ワクワク

監督「う、うむ……」

京太郎「今まで、頑張って来て良かった……監督、俺頑張りますから!!ありがとうございます!それじゃ!」ガチャ

京太郎「やったーー!!」


プロデューサー「監督!やっぱりこの役は他の人に!彼が可哀想過ぎます!」

監督「俺だって……だが、あの嬉しそうな笑顔を見たらもう何も言えないじゃないか……」

プロ「あんな好青年に……こんな事って……!」

監督「須賀くん……すまない……!」


京太郎「こんにちは!須賀京太郎です!」

咲「あ、はじめまして!咲です!よろしくお願いします」

京太郎(か、可愛い!!この娘が主役の咲ちゃんか~、ドキドキ)

和「和です、よろしくお願いしますね!」

京太郎(こ、この娘も可愛い!む、胸が……oh)

優希「優希だじぇ!よろしくなー!」

京太郎(元気な娘だな、何かこっちまで元気になるぜ!)

まこ「染谷まこじゃ、よろしくな」

京太郎(やっぱり眼鏡の子も居た!可愛いな~)

久「部長役の竹井久よ、よろしくね須賀くん」

京太郎(び、美人だ……!クールな雰囲気……!イイ!)

京太郎「これからよろしくお願いします!」

京太郎「ふぅ~……最初だから緊張したけど、上手く行って良かったぜ!!」

京太郎「俺が和を見て妄想するシーンで咲が嫉妬してたのがすっげー可愛かったな……」

京太郎「タコスの奴は何故かしらんけど俺に懐いたし、先輩方も優しい」

京太郎「こんないい役くれた監督にはいくらお礼を言っても足りない位だぜ!」

京太郎「これから出番も増えてくだろうし、俺も麻雀打てる様にならなきゃな!」



その頃

監督「素晴らしいスタートだった」

プロ「……はい」

監督「そろそろ次の打ち合わせ……行ってくる……」

プロ「くっ……」

監督「君は、これから開催される大会には出られない」

京太郎「えっ!?な、何故?」

監督「団体戦は男子が君しか居ないから……それに、個人戦は」

京太郎「あ~そうか、俺初心者ですもんね、個人戦で負けちゃうのは当たり前か」

監督「ああ……君には悪いが……」

京太郎「何で謝るんですか~!俺にはみんなの応援という仕事があるじゃないですか!」

監督「む……」

京太郎「出番が無い時は麻雀でもやってますよ!」

監督「あ、ああ」

京太郎(じゃあ俺はしばらくは完全に咲たちのサポート役ってわけか……俺が麻雀で活躍するのはまだ先になりそうだな)



予選終了

京太郎「しばらく大会が続いたな……俺の出番も買い出しばっかりやってた気がするぜ」

京太郎「咲たちが全国行けて本当に良かったな~、でも最近咲が麻雀頑張ってるからあんまり話せなかったのは残念、なんて」

京太郎「しかし全国の壁は高く厚い!メンタル的にも厳しくなるから、俺がみんなの助けになるぜ」

京太郎(それに!明日からは待ちに待った合宿!)

京太郎(しかも他校の女の子たちと一緒だぜ!こりゃ~ハプニング満載の予感……おっとイカンイカン)

監督「すまん、ちょっといいか……?」

京太郎「おっ!打ち合わせですね!」

京太郎「えっ……留守番……?」

監督「……そうだ」

京太郎「そんな……俺、もしかしてミスしましたか!?」

監督「そんな事は無い!君はよくやってくれているよ……これは決定事項なんだ」

京太郎「そ、そんな……そうだ、買い出し役は!?タコス買わないと面倒な事に」

監督「大丈夫、タコス買い出し班は既に設置してある」

京太郎「じゃ、じゃあ咲は!?こういうのには甘酸っぱいイベントの一つや二つ付き物でしょ!」

監督「それも……間に合っている」

京太郎「」

監督「君は留守番の間、龍門渕のハギヨシ君と麻雀でもやっていてくれ……」

京太郎「」

京太郎「そうだよな……全国前の大会といったら真面目な話だよな……エッチなハプニングなんて起こしてられないもんなあ……」

京太郎(甘酸っぱいイベントが間に合ってるって何だよ……恋のライバルが現れるのか?)

京太郎(別の男と咲を争うなら、それはそれで美味しいが……何か引っかかる)

京太郎(何か嫌な予感がする……もしかして俺、この作品についてとんでもない勘違いをしてるのか……?)




その頃

監督「いいかい、君はこの合宿で咲ちゃんに一気に接近するんだ」

監督「名前で呼び合う約束をする、いいね?」

和「は、はい/////」
(ついに宮永さんと名前で呼び合うのですね……感激です/////)


ハギヨシ「どうなさいました?須賀さん?」

京太郎「あの……『咲-saki』とはどういう作品なのか教えてくれませんか」

ハギヨシ「っ……何故です?」

京太郎「いえ、大した事じゃ……ただ、確認しておきたいんです、この作品が、一体どんな作品なのか」

ハギヨシ「……わかりました、これを見てください」ガチャ

京太郎「この映像は……?」

ハギヨシ「須賀くんが見ていなかった部分の咲!咲-sakiの全てです!」

京太郎「……」

京太郎「……」


京太郎「えっ何これは」

京太郎「俺がいない所で女の子たちがキャッキャウフフしてるんだけど……」

京太郎「しかも一部ただの友情というには厳しいシーンもあるんだけど」

京太郎(???)

ハギヨシ「須賀くん……くそっ!こんな事って……!!」

京太郎「ゆ、百合……百合シーンがあるのは判るぜ」

京太郎「そういう需要はあるし、これだけ女の子が入れば尚更だ」

京太郎「和にそっちのケがあるのはまあいいだろう(良くないけど)、問題は……」

京太郎「俺全然出てなくね?」

ハギヨシ「須賀くん……もういい、もういいんだ!麻雀やろう!麻雀!」

プロ「知ってしまったね……」

京太郎「プロデューサーさん、これは……」

プロ「咲-sakiは、君と咲ちゃんとの甘酸っぱい恋愛とちょっとエッチなハプニングと、そして熱い麻雀の漫画」

プロ「そう思っていたんだよね?」

京太郎「……はい」

プロ「熱い麻雀は間違ってない」

京太郎「……」

プロ「咲ちゃんとの甘酸っぱいイベントも、あるにはある」

ハギヨシ「相手は須賀くんでは無いじゃないですか!」

プロ「……」

プロ「だが私たちは嘘は言っていない……そうだろ?」

ハギヨシ「じゃあ!須賀くんの企画書は何ですか!騙す気マンマンじゃないですか!!」

『麻雀初心者の須賀京太郎が何気なく部活に誘ったクラスメイト宮永咲は、天才麻雀少女だった!?』
『無名な清住高校麻雀部が全国を目指す青春ストーリー!』

プロ「何一つ嘘ではないだろう?主人公が須賀くんとは一言も書かれていない」

ハギヨシ「くっ……」

京太郎「ハギヨシさん……もういいですよ……」

プロ「わかったね?君はもはや居ても居なくても変わらない端役なんだ」

ハギヨシ「この野郎……!」

プロ「ハギヨシくん……君はちゃんとして貰わないと、龍門渕のみんなも困ってしまうぞ?」

ハギヨシ「う……」

プロ「じゃあ僕は打ち合わせがあるからこれで」ガチャ

京太郎「…ハギヨシさん、ありがとうございました」

ハギヨシ「すみません、大声をあげてしまいました……」

京太郎「いや、俺嬉しかったですよ!俺の勝手な勘違いなのに俺の為に怒ってくれて」

京太郎「今日は俺、帰りますね!お邪魔しました!」

ハギヨシ「須賀くん……」

プロ「……須賀くんに言ってやりましたよ」

監督「そうか……」

プロ「彼、辞めてくれるでしょうか」

監督「彼にこのまま出演してもらうのはあまりに偲びない……他の人に代わってもらおう……」

京太郎「辞めませんよ」

監督「!」

プロ「!」

プロ「な、何でここに」

京太郎「いや、プロデューサーさんがあんな冷たい事言うなんて何か裏があるんじゃないかーって、へへへ」

監督「いいかい、君はもはやこの作品に居る意味は無いんだ!ただの背景、空気なんだぞ!君にそんな所で終わって欲しく無い!」

プロ「そうだ!君の頑張りならみんな知ってるし、今なら他の作品でやり直す事だって……」

京太郎「確かに、分かった時はショックでした。でも、別に俺は目立つキャラでも、咲の恋人役で無くてもいいんですよ」

京太郎「そういうのに憧れてて、なれたと思った時は嬉しかったです」

京太郎「でも、清澄のみんなと一緒に部活して、買い出しに行って、応援して……楽しかった」

監督「予選ではそれでも良かったかもしれないが、しかし、全国ではそれすらほぼ映らなくなるんだぞ!」

京太郎「違うんですよ」

京太郎「俺が嬉しかったのは、咲たちが泣いたり笑ったりしてるのを、一緒に共有出来ることなんです」

京太郎「姿は出てこなくても、セリフは無くても、俺はそこに居て、みんなと同じ時間を過ごしてる。最高じゃないですか!」

監督「き、君は……」

京太郎「みんなは百合百合してるからそういう意味じゃ一人だけど、逆に言えばそれを間近見られる、これって役得ですよ!」

プロ「……」

京太郎「それに監督やプロデューサー、ハギヨシさんっていう友達も出来ましたしね」

京太郎「お二人が俺の事を心配してくれてたのがとても嬉しいです」


ガチャ

咲「ただ今戻りましたー!あ!京ちゃん!」

タコス「サボりとは感心しないじぇ~!」

京太郎「よう、お帰り咲いいててて!いきなり何だよタコス!」

咲「京ちゃん、みんな部室で待ってるよ!行こ?」ニコッ

京太郎「ん?おお、そうだな。じゃあ監督、プロデューサーさん、俺はここで」ガチャン


監督「……彼を選んで良かったなあ」

プロデューサー「……そうですね」


ついに清澄高校麻雀部は全国大会に出場した
そこでは様々なドラマが生まれたという
しかし京太郎の姿は一度も出てこなかった


タコス「うう……決勝緊張するじぇ……」

久「大丈夫よ、深呼吸して」

まこ「いつも通りじゃ!」

和「優希、ファイトですよ!」

咲「優希ちゃん、頑張って!」

だが咲ファンはみな覚えていた
部を影で支え続けた、もう一人の主人公を


京太郎「負けんなよ!タコス!」

おわり