美穂子「京太郎さん!」

久「京太郎くん♪」

美穂子「私と恋人になってくれますよね!?」

久「私と婚約してくれるわよね?」

どうしてこうなった…

俺、須賀京太郎は今日から高校生になった

入学式も終わり、特に残る理由も無かったので中学からの馴染みである咲と帰ろうとした

しかし、咲の奴はこれから図書館に行くとのことで、現在、一人寂しく帰路についているところである

本の虫め…何も初日から行くことないだろうが

などとぶちぶち考えながら歩いていた時だ

ーー彼女、福路美穂子さんに声をかけられたのは

彼女は初対面の綺麗な女性から話しかけられ戸惑う俺に構うことなく(一瞬何故か悲しそうに表情を歪めたが)話し始めた

美穂子「初対面でこんな事言われても困るかもしれませんが、どうしても伝えたいことがあるんです。聞いてくれますか?」

彼女の真剣な表情に気圧されて思わず頷いた

すると彼女は一度深呼吸をしてから

美穂子「私、福路美穂子はあなたのことが好きです! 良かったら恋人になってください!」

俺に告白した

…え?

え? 本当に? こんな綺麗な人が俺を?

ーー正直、突然過ぎたので返事ができなかったが、冷静だったなら二つ返事でOKだったと思う

顔立ちは整ってるし、

髪はサラサラだし、

スタイルは母性を感じさせる豊満さだし、

何より、真っ直ぐな目が性格の良さを現していたから

断る理由を探す方が難しい、そんな告白だった

とはいえ、突然の告白に呆然としていた俺は、暫く言葉を返せなかった

だが、彼女の目に涙が溜まりだしたのを見て我に帰った

そして、即座にOKしようとした



ーー次の瞬間

??「ちょっと待ったー!」

後ろから大声が…

へ?

何事かと後ろを振り向くと

…どこかで見た人が立っていた

っていうか、うちの会長だった

美穂子「久!?」

久「!…美穂子、あなた」

無言で見つめ合う二人…

え? 何? 何が起きてるの?

久「…まあ、一先ずそのことは置いておくとして」

スッ、と俺に視線を向ける会長

久「須賀京太郎くん」

京太郎「は、はい?」

この人も何故か俺の名前を知っていたが、状況が状況だけに気にならなかった

久「私と結婚してください」

京太郎「ほあ?」

俺の口から意味不明な言葉が出た

え? えーっ? 今この人何て言った?

余りのことにさっきの福路さんの告白よりも呆然としていると、告白に横槍を入れられた福路さんが猛然と会長に食ってかかる

美穂子「ひ、久! いきなり何を言っているの!?」

久「何って…聞いた通り、逆プロポーズしたのよ」シレッ

美穂子「プ、プロ、プロポーズ!? 意味がわかってるの!? 久!」

久「わかってるわよ? まあ、京太郎くんが結婚できる年齢になるまでは婚約って形になるでしょうけど」

美穂子「そ、そんなこと認めません! それに、私が告白してるのに割って入ってくるなんて非常識よ!」

久「それはごめんなさい。ただ、私も必死だったのよ…」

美穂子「久…」

久「それに、私は美穂子の告白の邪魔をするつもりなんて無いわよ?」

美穂子「え?」

久「美穂子も京太郎くんが好きなら、私達二人で京太郎くんの妻になれば良いのよ!」

京太郎「ええっ!?」

余りのことに我に帰った

何言ってんの!? この人!?

美穂子「そ、そんなの不潔よ! 一人の男の人に二人の妻なんて!」

久「愛があれば何も問題ないわ!」

美穂子「だ、大体、久には内木さんが居るじゃない!」

久「あのメガネならもう始末…じゃなかった、穏便に縁を切ったわ」フッ

始末!?

今、始末って言ったよ!?

美穂子「そんな…どうして…」

久「私達の幸せの為よ」ニッコリ

美穂子「久…あなた…」

久(半分以上は憂さ晴らしだけどね。あの変態が苦しむ様は爽快だったわ)ニヤリッ

京太郎「ひぃっ!?」

なんか笑顔が怖いんだけど!?

絶対にろくでも無いこと考えてるよ、この人!

美穂子「と、とにかく! 私はそんなこと認めません! 京太郎さんの恋人は私です!」ギュッ

京太郎「ふおぉっ!?」

う、腕にすばらなおもちが!おもちが!

い、生きてて良かった!(涙)

久「…むっ…えい!」ギュッ

京太郎「へあっ!?」

は、反対側にもおもちが!?

美穂子「ひ、久! 何してるの!? 離れて!」

久「い・や☆」ベーッ

美穂子「むーっ!」サラニギュッ

久「ふふーん♪」サラニギュッ

…我が生涯に一片の悔い無し!(昇天)

…などと現実逃避してみる

っていうか、何これ?

突発的にモテ期が来たの?

それにしたって、彼女いない歴=年齢の俺にこの状況はハードルが高過ぎるんですけど?

美穂子「京太郎さん!」

久「京太郎くん♪」

美穂子「私と恋人になってくれますよね!?」

久「私と婚約してくれるわよね?」

…何度でも言おう

どうしてこうなった!

カンッ