揺杏「今日は新作のお披露目だけど、ちょっとしたミスしちゃったんだよね」

爽「ミスっていうか意図的だけどね。なんというかこう、首のあたりが物足りない感じになってるのさ」

京太郎「はぁ、楽しみですね」

揺杏「なに自分無関係って顔してんのさ」

京太郎「問答無用で椅子に縛り付けられればこうもなります」

爽「まぁまぁ、ユキが同じ部屋で着替えるっていうなら?」

京太郎「ガタッ!」ガタッ

爽「……自分の口で言う必要はないんじゃないかな」

京太郎「本当に! 本当に生着替え!?」

揺杏「見るのもお触りもダメだけどなー。ユキもさすがにそれはって言ってたし」

京太郎「そんな生殺しがあってたまるか!」

揺杏「落ち着けって。衣擦れの音だけでボルテージが上がるってもんだろ」

京太郎「上がったところで発散できなきゃ意味ないでしょ!」

爽「発散できるかどうかは君次第かな?」

揺杏「そうそう、ここは思い切ってストールとかマフラーでも買ってやんなよ」

京太郎「あ、意図的って……」

爽「ご明察。二人で出かけて良い雰囲気作っちゃいなよ」

京太郎「先輩……!」

揺杏「んじゃ、あとは頑張れよー。それじゃ」

爽「デートの結果、楽しみにしてるよ。それじゃあね」

京太郎「え、俺このまま放置なの?」


――――――


成香「あ、これ新しいのですか?」

由暉子「はい、できあがったばかりでまだ着てないんですけど」

誓子「うーん、まさに秋! って感じだね」

成香「素敵です!」

由暉子「でもデザインを見る限りでは首元が少し……」

誓子「ちょっと寒そう、かな?」

成香「デザインのミスでしょうか?」

誓子「上着でどうにかしろってことなのかな?」

由暉子「ストールでも巻けばいいんでしょうか」

成香「あ、それ良いです」

誓子「ユキはなにか良さそうなの持ってる?」

由暉子「見てみないことには……」

誓子「それじゃ、須賀くんと見に行ったらどうかな?」

由暉子「私の家に、ですか?」

成香「だ、大胆すぎますっ」

誓子「そうじゃなくて、一緒に買いに行ったらどうかなってこと」

成香「それって……デートじゃないですか!」

誓子「なんでなるかが食いついてるのよ……それで、どう?」

由暉子「……やってみます」

成香「チカちゃんどうしましょう……き、緊張します」

誓子「だからなんでなるかが……」


――――――


京太郎「ユキー、もういいのかー? 椅子に縛り付けられて手が痛い……」

由暉子「ダメです。まだこっち見ないでください」

京太郎「まだかよ。いまどこらへん?」

由暉子「スカートはいたところです」

京太郎「えっ!? じゃあ今上は……」

由暉子「まだブラは着けてないですけど」

京太郎「このっ、縄の結び目がっ、固すぎてっ!」

由暉子「だからダメですって。落ち着いてください、ほら」フニョン

京太郎「……ばっちり落ち着きました」

由暉子「?」



由暉子「どうですか、これ?」

京太郎「お、秋の新作?」

由暉子「はい。先輩たちに作ってもらいました」

京太郎「おー、似合う似合う」

由暉子「でもちょっと首元が寂しいですね」

京太郎「……」

由暉子「……」

京太郎「あのさ、じゃあちょっと見に行ってみるか?」

由暉子「ぜひっ」グイッ

京太郎「うおっ」


――――――


成香「ユキちゃん頑張って……!」

誓子「なるか出すぎ。ばれちゃうよ」

揺杏「あらま、京太郎の様子見に来たつもりだったんだけど」

爽「結局全員集合、だね」

成香「ひゃっ、揺杏ちゃんに爽さん?」

誓子「二人ともお出かけ?」

爽「多分チカたちと同じかな」

揺杏「二人のデートを見守ろうってとこだけど……」


由暉子「どっちがいいと思います?」

京太郎「どっちもいいと思います」

由暉子「じゃあどっちとも買っちゃいますね」

京太郎「いやいや待て待て、ここは俺が払おう。この前誕生日だったんだろ?」

由暉子「知ってたんですか?」

京太郎「知らなかったけど、後から先輩たちに言われてさ」

由暉子「……先輩たちに言われたから、ですか」

京太郎「そうじゃなくてもさ、ユキのためになにかしたいなって思ったんだよ」

由暉子「そうですか……あの、この後家で服と組み合わせてみたいんですけど、良かったら手伝ってください」

京太郎「マジ?」

由暉子「マジです」

京太郎「……ひゃっほう!」


――――――


揺杏「あの感じだと大丈夫そうじゃね?」

爽「そうみたいだね」

誓子「うん……じゃあせっかくだし、みんなでなにか食べに行く?」

揺杏「お、いいっすねぇ」

爽「それじゃ、決定ってことで」

成香「うー、でも二人のことも気になります……」

誓子「馬に蹴られたくないならこれ以上はね……ほら、行くよ」

成香「あーんそんなぁ」ズルズル


カンッ